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フクイサウルス(学名:)は、中生代白亜紀前期(前期白亜紀)の半ばにあたるオーテリビアン後期からバレミアンにかけての時代、アジア大陸の中緯度・東岸部に棲息していた植物食恐竜。鳥盤目鳥脚亜目イグアノドン類アンキロポレクシアに分類される。' の1種(テトリエンシス種)のみが知られている。
1989年(平成元年)、日本の福井県勝山市にある手取層群(地質時代:125.0–115.0 Ma)から産出した。日本での記載前からの別名で「フクイリュウ(福井竜)」ともいう。
● 名称
学名は Fukuisaurus tetoriensis と命名され、テイラーアンドフランシスの学術雑誌『'』の2003年4月11日刊行号に記載された。これを受けて標準和名は日本語慣習読みで「フクイサウルス・テトリエンシス」になった。
◎ 学名
○ Fukui-saurus
属名 の "Fukui" は、産出地が属する県の名でもある地名「福井(ふくい)」から採っている。"saurus" のほうは、「トカゲ」を意味する古代ギリシア語普通名詞 "(サウロス)" に由来する分類学用新ラテン語名詞接尾辞 "-saurus(サウルス)" であり、「爬虫類」を意味するが、恐竜に用いられることが多いため、「恐竜」と意訳して差し支えない。
○ tetori-ensis
種小名 の "tetori" は、本種化石を産出した北谷層が属する「手取層群(てとり そうぐん)」から名を採っている。これを「…産の」を意味するラテン語接尾辞 "-&x113;nsis(エーンシス)" と組み合わせた混種語が種小名で、ここでの語意は「手取産の」である。
◎ 別名
発見された当時から記載されるまでの間、本種の日本語通称は「フクイリュウ(福井竜)」であった。本種が新属新種として学名を与えられ、これに伴って標準和名「フクイサウルス」が成立してからは、「フクイリュウ(福井竜)」は日本における別名/異名(標準和名以外の和名)となった(シノニム〈分類学上の異名〉とは異なる)。
◎ 福井龍
中国語では "Fukuisaurus" を「福井龍(:)」、Fukuisaurus tetoriensis を「手取福井龍(:)」と漢訳している。
● 歴史
1989年(昭和64年/平成元年)から始まった恐竜化石調査で発見された。比較的保存状態の良い頭蓋骨が採取されている。
1994年(平成6年)秋には全身骨格の復元が行われており、これは恐竜としては日本初の例となった。
2003年(平成15年)に新属新種の恐竜として命名・記載された。
● 科学的知見
ホロタイプ(正基準標本)は FPDM-V-40-1 と FPDM-V-40-2 で、前者は右上顎骨 (A right maxilla)、後者は右頬骨 (A right jugal) 。パラタイプ(従基準標本)と合わせで総計16点で、多くは頭蓋骨の構成物である。
◎ 分類
系統分類上での本種の位置については、亜目・下目・小目あたりに相当する階級未定の上位クレード(上位系統群)はおおよそ特定されているが、上科・科・亜科のクレードについては特定されていない。原記載論文も、一説にはイグアノドン上科 イグアノドン科に分類されると言及しているが、はっきりしたことは分からない。大きくはイグアノドン類の一種であり、アンキロポレクシアのクレードに属しているが、その下位の進化型クレードであるハドロサウルス形類 (Hadrosauriformes) には含まれない。
◎ 形質
全長 約4.7 m。歯の特徴はモンゴルで発見されたアルティリヌスと似ている。頑丈な上顎骨の構造(頑丈な上顎鋤骨の関節)はフクイサウルス特有のものである。
● 関係者
◇ 主要な研究者
・ Yoshitsugu KOBAYASHI(小林 快次)
:: (1971- )日本人。層序学者、古生物学者。本種の記載者の一人(筆頭著者)。記載当時(2003年)は福井県立恐竜博物館所属研究員であった。北海道大学総合博物館教授、ほか。日本古生物学会会員。カムイサウルスやヤマトサウルスの研究でも有名。
・ Yoichi AZUMA(東 洋一)
:: (1949- )日本人。古生物学者。本種の記載者の一人(共著者)。日本における恐竜研究の第一人者。記載当時(2003年)は福井県立恐竜博物館館長(※その後、特別館長に就任している。)。ほか。
● 記載論文
・
「フクイサウルス」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年9月21日7時(日本時間)現在での最新版を取得
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