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スタイル抜群でなおかつ進化の流れも面白いから
グアンロン(学名:、冠龍)は、後期ジュラ紀オックスフォーディアンの中華人民共和国に生息したティラノサウルス上科プロケラトサウルス科に属する全長3メートルの肉食性獣脚類。2006年に徐星らが初めて記載した初期のティラノサウルス類でも代表的な種類である。学名は中国語で「冠を持つ竜」という意味(中国語の単語が、そのまま学名となった珍しい例)。現在のところ、部分的に化石が揃った成体とほぼ完全な幼体の2体が知られている。中国のジュンガル盆地・石樹溝層から標本が発見された。前上顎骨(口先の骨)に見られるD字型の断面をした歯(いわゆる前歯)や骨盤の明確な凹凸から、有名なティラノサウルスと強い類縁関係にあることが明らかになった。また末代のティラノサウルスから9200万年昔に遡る約1億6000万年前にあたる後期ジュラ紀初頭のオックスフォーディアンの石樹溝層から化石が発見された。グアンロンは頭部に薄い繊細なトサカがあるといった特異的な特徴が見られる。子孫筋のティラノサウルス科とは異なり、グアンロンの前肢には3本鋭い爪の備わった長い指があった。近縁種(例ディロング)からの推測によると、全身を羽毛に包んでいた可能性が高い。
現在のところグアンロンは2頭の標本が知られており、その2頭はジュンガル盆地の石樹溝層で重なり合うようにして発見された。上で発見された標本がホロタイプ標本 IVPP V14531 で、部分的に繋がった成体(3m)の骨格である。もう一方の未熟な亜成体(1.5メートル)はパラタイプ標本 IVPP V14532 であり、完全に繋がった保存状態の良い骨格であることから知られている。なお亜成体の首は成体によって踏み折られていた。
グアンロンの発見状況はやや特殊で。一つの推測によると、最初に囚われたリムサウルスを目当てにグアンロンやジュンガルスクスのような肉食動物が集まり、後続も同じく泥に足を取られたとされている。
● 命名
グアンロンは合同調査隊の後、2006年に徐星らにより命名された。属名のグアンロンは鶏冠を表す「冠」と竜を表す「龍」からなり、鶏冠について言及している。メディアによっては「グアンロング」と呼称されるが、ラテン語の発音では末尾のgを発音しないため、より正確な発音は「グアンロン」である。種小名は5色を意味する「五彩」に由来し、グアンロンが発見された場所である色の混じった岩石(五彩灣)を表現している、特にその中でもプロケラトサウルスやキレスクスと同じ分類群に属することが判明している。しかし2014年に別の研究が発表され、ストケソサウルスをプロケラトサウルス科から除外し、キレスクス、グアンロン、プロケラトサウルス、シノティラヌスをのみをプロケラトサウルス科に分類することが提案された。
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● 古生物学
◎ 頭部
大人では頭骨長が約30 - 35センチメートルに達した。これは近縁種のプロケラトサウルスよりも大きいが、現在見つかっているプロケラトサウルスは亜成体とされているため、両者の本当の体格差は不明である。頭骨は長さこそあれ、幅が狭く高さもなかった(そのため鶏冠を抜きにすると外見が極端な長方形を描く)。またティラノサウルス上科に共通する特徴として、前上顎骨は分厚く切り立った外形をしていた。
口先にはティラノサウルス上科に共通したD字型の歯が並ぶ。この前歯はプロケラトサウルスよりも明らかに大きく太い。これは2種の生態の違いを示している可能性がある。顎の中腹から後方にかけてはナイフ状の鋭利な歯が並んでいた。その長さは最大でも2センチメートル以下だった。そして歯列には目立った盛り上がりがなく、基本的にはドロマエオサウルス類のように水平を描いている。上顎骨の歯の形状は、子孫筋のティラノサウルス科の太ましい歯よりも、むしろ肉食性のコエルロサウルス類に標準的な小さく鋭利な歯に似ていた。
こうした歯はサウロルニトレステスとも似ており、これは一口大の小動物から小型の恐竜まで幅広い獲物に対応し、素早く肉を食い千切ることが可能だった。
2022年の研究では咬合力が前歯で約27kg、奥歯で約52kgと推測された。この値は共存したハプロケイルスのより強く、モノロフォサウルスより弱かった。
2024年の研究から、白亜紀ティラノサウルス科のものに類似した歯の交換システムをグアンロンが既に獲得していたことが示されている。
子孫筋のダスプレトサウルスや本種を含むコエルロサウルス類と兄弟群であるアロサウルス類の研究によると、肉食性獣脚類の口元には圧力を感じ取る鋭敏なセンサーがあり、それを狩りや子育てなど口を使う行動に役立てていた可能性がある。
性成熟後に完成する1枚の鶏冠は薄く脆い構造で、鼻骨から伸びて収束点は眼窩の手前にある。ただし鶏冠の先端は眼窩を超えて後頭部にまで達していた。
◎ 四肢
前後ともに細長い。前肢は後ろ脚の60%ほどの長さで、後ろ脚では脛骨が大腿骨よりも長かった。
◎ 前肢
前肢は標準的なコエルロサウルス類と共通した特徴が見られ、その外形もよく似ていた。
外形や指骨の比率は、カルカロドントサウルス類のコンカヴェナトルとも似ているとされる。やや近縁のドリプトサウルスの研究や、遠い子孫筋のティラノサウルスの研究によると、グアンロンの前腕には獲物を取り押さえる役割があったとされている。また一般的にティラノサウルス類の前肢は小さくて無用の長物だと認知されているが、本当に小さいのは派生的なティラノサウルス科だけであり、グアンロンの発達した前肢はそれを象徴する良い例である。
◎ 後肢
後ろ脚の研究からグアンロン(およびティラノサウルス上科)は、全体的に俊足の持ち主であったことが示唆されている。ただしティラノサウルス上科内のみで走行性能を比較した結果によれば、グアンロンはディロングやドリプトサウルス、ユウティラヌスと並んで同グループ内においては、やや低い走行性能を持つ部類であることが示めされた。それでもなお脚の長さ、特に膝から下(脛)が長く、恐竜全体で比較すると走行性能が高いのは上記の4種とも同じである。
にも拘わらずこういった差異が生じたのは、走行性能が高いとされるアレクトロサウルスやティラノサウルスのような派生型ティラノサウルス類が中足骨に、アークトメタターサルと呼ばれる走る際の衝撃を和らげやすくなる構造を進化させたのが原因とされている。
◎ 胴体/尻尾
恥骨の端は伸びていなかった、これはジュラ紀から前期白亜紀のティラノサウルス上科に共通したニッチだった(例外は大型化したユウティラヌスとシノティラヌスのみ)。
本種の見つかったジュンガル盆地からは、手乗りサイズの獣弓類から巨大なマメンチサウルスまで、多種多様な生物が発見されている。そうした多種多様な生物のうち、冒頭のとおりグアンロンは上は小型恐竜から下はトカゲまで、自分よりも小さな種類の動物を狙っていた。
古生物としては珍しいことに、グアンロンは食性を間接的に示す証拠が2つ見つかっている。1つはグアンロンの下から掘り出されたリムサウルスを代表とする数頭の小型獣脚類で、グアンロンはその死骸に引き寄せられて件のデスピット(落とし穴)へとやってきていた。もう1つはグアンロンの亜成体に残された頚椎の負傷であり、これは成体が亜成体を狙った共食いの可能性を示唆している。こうした共食いは肉食性の獣脚類の多くで確認されている。
グアンロンに限った話ではないが、彼らのような小型獣脚類はマメンチサウルスや大型獣脚類のシンラプトル、モノロフォサウルスなど、普段は手を出せないような大型恐竜であっても、その幼体であれば攫って食べていた可能性もある。
このような獲物に対し、グアンロンのような基盤的なティラノサウルス上科が襲撃する際には、長い前腕で獲物を捕える他、長く比較的頑丈な顎で噛み付いていた可能性が高い。
最古級のティラノサウルス上科である本属と、同じく最古級の角竜類であるインロンは全く同時代同地域に共存していた。彼らを祖系とする2系統、後に約9000万年に渡って軍拡競争および共進化を遂げ、その関係は6600万年前の北米に出現したティラノサウルスとトリケラトプスの関係に収束するまで続く。
● 古生態学/行動
◎ コミュニケーション
グアンロンの頭頂部に備わった1枚の鶏冠は、主にディスプレイとして用いられた可能性がある。鶏冠はディロフォサウルスやモノロフォサウルスのものに似ており、高度な含気性を示した。厚みは数ミリしかなく非常に繊細な構造であり、体に対する比率は大きく目立ちやすい。また鶏冠には大きな穴が3つ開いていて脆弱かつ精巧な造りのため、激しい闘争に使われたものではないとされている。獣脚類では他にもディロフォサウルスとモノロフォサウルスの鶏冠も種の認識に用いられたことが示唆されているが、より細長いグアンロンの鶏冠はよりディスプレイの目的の可能性が高い、グアンロンの鶏冠にはハンディキャップ仮説が働いていたとする仮説もある。頭骨の突起は種の識別や求愛のためのディスプレイに用いられた可能性がある。現生動物の例としては、ヒクイドリが鶏冠を意思表示に使う。
またグアンロンの場合、デリケートで巨大な鶏冠は活発な捕食者と推測されている本種の狩りに際し不利に働くため、ハンディキャップ理論の例である可能性がある。脆い鶏冠にもかかわらず全ての個体が健康で狩りを得意とする場合、より小さい鶏冠を持つ他の個体よりも大きな鶏冠を持つ個体の方が優れた形質を示していたと推測されている。雄のクジャクの尾羽やギガンテウスオオツノジカの枝角と同様にグアンロンは性選択を経て進化し、求愛行動におけるアドバンテージが狩りの能力の低下を上回ったことが示唆されている。これは雛が産まれた直後から自力で生きていけたとされている。とはいえ自力で生存が可能だからといって、必ずしも親の保護がない訳ではない。その証拠にマニラプトル形類や現生のワニ類では、数か月から年単位に渡って親が子供の面倒を見ていたことが示されている。
● ニッチ上の競争
◎ 天敵
グアンロン自体はティラノサウルス上科に含まれるとはいえ、全長約3メートルと身体が比較的小型だった。そのため共存した大型獣脚類のシンラプトルやモノロフォサウルスによって捕食されることもあったと考えられる。加えて上記の大型捕食者の存在があったため、グアンロンをはじめとする初期のティラノサウルス上科は、ジュラ紀から白亜紀初頭にかけて生態系における二次捕食者の地位に収まっていたのではないかと指摘されている。モンスーンの影響により、季節は雨の多い夏と乾燥した冬の2つに分けられていた。これらの気候は豊かな森林環境を育んだとされ、アラウカリアに代表される丈の高い裸子植物、また木性シダやトクサも生い茂っていたとされている。そして森や水源から近い距離には活火山があった。2009年には、幕張メッセで開催された恐竜2009-砂漠の奇跡でもマスコット化されている。
◎ ドキュメンタリー
◇『発見 恐竜の墓場』(2007年)
:主役級の扱いを受けた。冒頭では「肉食のラプトル」と呼称されていたが、前述のとおりグアンロンとドロマエオサウルス類(俗にいうラプトル)との類縁関係は遠い。また作中では落とし穴に嵌った小型恐竜を巡って仲間同士で殺し合ったり、初期の角竜インロンを後脚の力で捻じり殺したりしていた。表の復元は主として鱗となっており、羽毛は後頭部に留まっている。
◇『完全解剖 ティラノサウルス〜最強恐竜 進化の謎〜』(2016年)
:本作においてはティラノサウルスの祖先筋として紹介された。作中ではティラノサウルスをライオンに、グアンロンをイエネコに例えることでグアンロンをひ弱と形容された。再現映像では大型植物食恐竜であるステゴサウルス類に単身で襲いかかって反撃される描写がなされたが、小型獣脚類であるグアンロンが自身の体躯を上回る相手に挑みかかるのは不自然で、なおかつ明確な証拠や根拠はない。
:体表の復元には羽毛が使用されている。両者の捕食や被食関係を示す証拠はなく、さらにグアンロンとアンキオルニスでは生息地域に若干のズレが存在する。また次の回においても哺乳類のジュラマイアを襲う描写がなされた。
「グアンロン」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2025年4月4日9時(日本時間)現在での最新版を取得






























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