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アエロステオン(Aerosteon)は白亜紀後期に現在のアルゼンチンに生息したアロサウルス上科もしくはティラノサウルス上科に属す獣脚類恐竜の属の一つである。化石は1996年にのサントン期(8400万年前)の地層から発見された。タイプ種は唯一知られている種でもあるA. riocoloradensisである。種小名は化石がメンドーサ州のコロラド川の1 km北で発見されたことにちなんでいる。鳥類に似た呼吸器を持っていた証拠があり、アエロステオンという属名はこれにちなんだもので、古代ギリシャ語で「空気」を意味するἀήρ(aer)と骨を意味するοστέον (osteon)から派生していて「空気の骨」という意味である。
● 特徴
アエロステオンは体長9 m、体重2 tほどで二足歩行の肉食動物で約8300万年前のサントン期に生息していた。
発見された化石には1本の歯と頭部の骨の一部、部分的もしくは完全な多数の頸椎、胴椎および仙椎、肋骨、腹肋骨、叉骨、左の肩甲烏口骨、左の腸骨、左右の恥骨が含まれていた。一部の骨は完全に癒合しておらず、完全に成熟した個体ではないことが示唆される。
アエロステオンは最初、同時代にゴンドワナ大陸に生息していた3つの大型獣脚類のグループ(アベリサウルス科、カルカロドントサウルス科、スピノサウルス科)のどれに属しているか明らかでなかった。ポール・セレノはジュラ紀に繁栄したアロサウルス上科と関連があることを示唆した。これは後の研究で確証され、後に生き残り、軽量な造りで、スピノサウルスのもの似た鉤爪をもつ進歩したアロサウルス上科のクレードとして認識され、メガラプトラと呼称されアロサウルス類のネオヴェナトル科に分類された。後の系統解析ではアエロステオンはティラノサウルス上科に配置されている。
● 生理学
アエロステオンの骨にはpneumatisation(空気のつまった空間)を持つものがあり、これには含気孔のあいた叉骨、腸骨、いくつかの腹肋骨が含まれており、現在の鳥類に似た気嚢による呼吸を行っていた可能性が示唆される。哺乳類で行われる肺の収縮による呼吸の代わりに、これらの気嚢がふいごのように動き、比較的硬直した肺に空気の出し入れを行う。より詳細については鳥類の呼吸器を参照。
セレノはこの呼吸器は体温調節を支援するために発達したもので、後から呼吸に組み込まれたものだと仮説している。アエロステロンなどのメガラプトラは最近の再評価によりティラノサウルス上科に再分類されている。
● 参照
● 外部リンク
・ New Birdlike Dinosaur Found in Argentina
・ Meat-eating dinosaur had bird-like breathing
・ Dinosaur predator breathed like a modern bird
「アエロステオン」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年12月12日15時(日本時間)現在での最新版を取得
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