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沖永良部与論沖縄北部諸方言


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沖永良部与論沖縄北部諸方言(おきのえらぶよろんおきなわほくぶしょほうげん)は、沖縄諸島北部および鹿児島県奄美群島の与論島・沖永良部島で話される諸方言(言語)の総称である。一般的にはこれら諸方言は奄美語の南部方言と沖縄語の北部方言にあたるが、奄美南部と沖縄北部の言語(方言)の類似性から、これを一区画とする見方があり、本ページの名称が与えられている。大きく、沖永良部島方言、与論島方言、沖縄北部方言に分かれる。2009年2月19日にユネスコが消滅の危機にある言語と発表したが、その際にはKunigami language(国頭語)という呼称が使われた。沖縄北部方言だけを指して国頭方言(国頭語)と呼ぶこともある。 喜界島南部の方言を含めることもある。沖縄諸島北部には沖縄本島北部と伊江島・伊是名島・伊平屋島・古宇利島・屋我地島・瀬底島・水納島・津堅島・久高島が含まれる。沖縄中南部諸方言との境界は太平洋側ではうるま市石川と金武町屋嘉の間に、東シナ海側では恩納村恩納と谷茶の間にある。主に旧北山王国の領域で話される方言である。

● 下位区分

・沖永良部島方言
 ・沖永良部島北部方言--和泊町
 ・沖永良部島南部方言--知名町
・与論島方言
・沖縄北部方言

● 音韻
沖縄語と同じi、u、e、o、aの5母音体系である。日本語本土方言のoがuになり、eがiになっている。沖永良部島北端の国頭地区では、これらの他にɪを持つ。このɪは日本語のエ段に対応し、奄美大島方言や徳之島方言にみられる中舌母音ïの残存形とみられる。他の地域でも、古くは同じような中舌母音があり、後にこれがiに統合したと考えられている。 日本語本土方言の語頭の「か・け・こ」の子音kがhに変化していることが、この地域に共通する特徴である。また与論島方言と沖永良部島方言(および奄美語)では、語中のkがhになり、さらに脱落していく。また沖永良部島の和泊方言では、カ行イ段の口蓋化があり、日本語のキが[tʃiに、ギが[dʒiになるが、沖永良部島でも知名方言では口蓋化が起こらない。沖永良部島では喉頭化音は弱くなっており、与論島では音韻対立は無くなっている。

● 文法


◎ 動詞
与論島方言では、奄美大島方言や喜界島方言などと同じように、動詞の終止形に-ム系統と-リ系統の2種類の語尾が併用される。沖永良部島や沖縄諸島では、-ム系統のみである。 以下に、沖永良部島の知名町田皆方言と沖縄諸島の本部町瀬底方言の「書く」の活用を示す。
 志向形未然形条件形命令形禁止形連用形連体形1終止形連体形2du係結形ga係結形準体形接続形
書く  hakkaː  hakka  hakki  hakki  hakku  hakki  hakku  hakkimu
hakkin  hakkinu
hakkin  hakkiru  hakkira  hakki  hattʃi
主な接辞    mu(否定)
n(否定)
ʃimu(せる)
rimu(れる)
ba(条件)  ja(条件)    na  buʃaʔaːmu
(たい)
  ntane(まで)
kaja(かしら)
ka(か)             

 志向形未然形条件形1条件形2命令形1命令形2連用形連体形1条件形3終止形連体形2du係結形ga係結形禁止形準体形接続形
書く  hakaː  haka  haki  hakeː  haki  hakeː  haki  haku  hakura  hakun  hakun  hakuru  hakura  haku  haku  hatʃi
主な接辞    n(否定)
sun(せる)
riːn(れる)
ba(条件)  ba(条件)    jo(よ)    buʃeːn
(たい)  gariː
(まで)  ba           na  mi(か)
sa(さ)  


◎ 形容詞
沖永良部島の田皆方言と沖縄諸島の本部町瀬底方言の「高い」の活用を示す。
 連用形1条件形連用形2終止形連体形du係結形ga係結形準体形接続形
高い  taːku  taːsaʔari-ja  taːsa  taːsaʔan  taːsaʔanu  taːsaʔaːru  taːsaʔaːra  taːsaːʔaː  taːsaʔatti

 連用形1未然形条件形1条件形2連用形2終止形連体形du係結形ga係結形準体形接続形
高い  takaku  takaʃeːra-ba  takaʃeːri-ba  takaʃeːreː  takaʃeː  takaʃeːn  takaʃeːnu  takaʃeːru  takaʃeːra  takaʃeː  takasati


● 参考文献

・ 飯豊毅一・日野資純・佐藤亮一編(1984)『講座方言学 10 沖縄・奄美の方言』国書刊行会
・ 内間直仁(1984)『琉球方言文法の研究』笠間書院
・ 大野晋、柴田武編『岩波講座 日本語11方言』岩波書店、1977年。
 ・ 外間守善「沖縄の言語とその歴史」
・ 中本正智(1976)『琉球方言音韻の研究』法政大学出版局
・ 狩俣繁久(2000) 「奄美沖縄方言群における沖永良部方言の位置づけ」『日本東洋文化論集』 6号 p.43-69 2000年, 琉球大学法文学部,

「沖永良部与論沖縄北部諸方言」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/
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