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広島弁(ひろしまべん)は、日本の広島県で使われている日本語の方言。広島県の方言は、大まかな分類として、西部(旧安芸国)の安芸弁(広島弁)と、東部(旧備後国)の備後弁に分けられる。ここでは特に注釈がない限り、前者について記述する。後者については、備後弁を参照のこと。
● 概要
広島弁は西日本方言のうち中国方言に属する。語彙・語法的に西隣の山口弁(山口県)や北隣の石見弁(島根県)と近く、一般的に西中国方言に位置づけられる。備後弁は岡山弁と同じく東山陽方言に分類される(日本語の方言を参照)。古来より交流が盛んであったことから、瀬戸内海を挟んで向かい合う愛媛県の方言(伊予弁)とは、語のアクセントこそ異なるものの語彙・語法面で似通ったところがある。
● 音韻・アクセント
◇アクセント
:広島弁のアクセントは、中輪東京式アクセント(乙種アクセント)である。そのため、単語のアクセントは近畿方言と異なり、共通語に近い。ただし、広島弁では一文節内で高く発音される音節が一つだけになる傾向がある(例:ことが)(上線・太字はアクセントの高音部。以下同じ)。平板型の語(音の下がり目のない語)では、一単語のみが発話される時、語末の一音節のみ高くなる(さく。)。また、助詞が付くと高い部分が助詞に移動し「さくら。」、さらに文が続くときには、次に下がり目のある位置の直前まで低いままになる(さくらのがとる)。
◇連母音の融合
:「アイ」連母音は「アー」になる(例:赤い→あかー)。これは山口弁と共通する特徴であり、「エァー/ャー」になる備後弁とは異なる。
◇助詞の発音
:格助詞の「は」や「を」は、前の母音と融合して発音される(例:ここは→こかあ)。なお、「を」の直前の名詞の母音が「イ」である場合は、「ウ」と発音される(例:薬を→くすりゅう)。
また、引用を示す「と」は省略され、ほとんど用いられない(共通語の「…と思って」は「…、思うて」となる)。例:「あんたぁ、はぁやる金がねぇがどがーするんねぇー、ゆうての」(「あなたね、もうあげるお金はないけれどどうするの」と言ってね=強調部が助詞省略部分)。
◇その他
:母音の無声化は、ほとんど起こらない。
:母音「ウ」は、西日本の他地域と同様に唇を左右から寄せ、かなり丸めて発音する。
:特定の語句に限り、サ行音がハ行音に変化している場合がある(例:行きまへん)。「七」「質」は「ひち」、「敷く」は「ひく」と発音される。
● 文法
広島弁の文法は、概ね他の西日本方言と共通している。
断定の助動詞(コピュラ)には「じゃ」を用いるが、島根県に近い北部には「だ」を用いる地域がある。中国地方の山陽側では「じゃ」を用いるが、山陰地方では「だ」を用いる。
◎ 用言
アワ行五段動詞の連用形は、他の西日本方言と同じく「て」「た」「とる/ちょる」の前でウ音便になる(例:洗う→あろーて、言う→ゆうとる、~てしまう→~てしもーた)。また、バ行・マ行五段動詞も高齢層を中心にウ音便化する(例:飛ぶ→とーだ、飲む→のーだ)。また、サ行五段動詞は同じ条件でイ音便になる(例:出した→だいた・だあた)。
「~しよう」という意思・勧誘形は、下一段動詞では「あぎょー」(上げよう)、「でょー」(出よう)のような「~ょー」の形を取る。上一段動詞では、「みゅー」(見よう)、「おきゅー」(起きよう)のような「~ゅー」形となるが、瀬戸内海の島嶼部では「みょー」「おきょー」のように「~ょー」形を取る。カ変は「こー」(来よう)、サ変は「しょー」(しよう)を用いる。
形容詞の連用形もウ音便を用いる(例:あこーなる/あこなる(赤くなる)、うれしゅうなあ/うれしなあ(嬉しくない)、あつうて/あつて(熱くて))。形容詞の未来表現には、「あかかろー」のように「~かろー」形を用いる。仮定形は「あかけりゃ」のような「~けりゃ」の形が一般的だが、高齢層では「~かりゃ」と言う。
形容動詞の終止形は「静かな」のように「~な」の形になる。過去形(~だった)は「静かなかった」のような「~なかった」形、「静かじゃった」のような「~じゃった」形、「静かにあった」のような「~にあった」形がある。仮定形にも「静かなら」と「静かなけりゃ」の形があり、推量表現は「静かなろー」「静かなかろー」「静かなじゃろー」のような形がある。
◎ 助動詞
◇打ち消し「-ん」
:動詞の否定には「行かん」「落ちん」「食べん」「せん」「来(こ)ん」のような「未然形+ん」を用いる。過去の打ち消しでは「-んかった」や「-なんだ」や「-ざった/だった」などを用いる(行かんかった、行かなんだ、行かざった、行かだった)。
◇アスペクトの区別「-とる/ちょる」「-よる」
:共通語では進行・完了のいずれの場合も「~ている」で表現するが、広島弁を始めとする西日本方言・九州方言の多くで、結果継続態と進行態とで区別をする(アスペクトの区別)。結果継続態とは、ある行為や動作の行われた結果がまだそこに残っていることを表す形で、安芸方言では山陽道沿いで「~とる」、それ以外の地域で「~ちょる」を用いたが、「ちょる」を用いた地域も「~とる」になりつつある。進行態とは、行為や動作が行われつつあることを表す形で、広島弁では「~よる」を用いる。ただし、現在(1998年時点)はこれらの区別のできない人が増加しつつある。岡山弁などと同じく「たびょーる」(←食べよる)や「やりょーる」(←やりよる)のように融合した発音をすることもある。
:(例) めがとる(今も雨が降っていた跡がある)、めがりよる(今、雨が降っている)
:(例) ドアが開いとる(ドアが開け放してある)、ドアが開きょーる(ドアが開こうとしている)
◇敬語
:広島弁でも様々な敬語が用いられる。尊敬語として「-なさる」に由来する「-んさる」や「連用形+て(+じゃ)」などがある。「て」は体言を修飾するときは「てん」になり、過去形は「てじゃった/ちゃった/ちゃーた」になる。
:(例) 町長さん、きんさったで。(町長さんが来られたよ)
:(例) 行ってんとき。(行かれるとき)
:(例) 先生がきちゃったよ。(先生が来られたよ)
◎ 助詞
◇順接「けえ」「けん」
:理由・原因を表す順接の接続助詞として、「けえ」または「けん」を用いる。由来は古語の「けに(故に)」からとされている。広島では「けえ」と発音されることが多い。
:(例) 今度、こうたげるけえ。(今度、買ってあげるから)
:(例) 今から行くけえのう。(今から行くからね)
:(例) 怒らんけ、ゆうてみぃ。(怒らないから、話してみなさい)
:(例) わしゃ、わるじゃけんなぁ。(私は、ワルだからな)
◇準体助詞
:準体助詞には「の」または「ん」を用いる。
:(例) 食べよるん?(食べているの?)、行ってん?(行かれるの?)、寝るんが(寝るのが)
◇「のお」
:「ねえ」にあたる助詞には「のお」を用いる。
● 語彙
広島弁で用いられる語彙を五十音順に配列した。
◎ あ行
◇あおじ【青血】(中国地方全域):青あざ。青たん。「青血」と表記されることもあるが、まったくの当て字。
:(例)あっこで打って、あおじになったんよ。(あそこでぶつけて青あざができた)(全域)
:通じない地域もあり、その場合「青あざ」を使う。
◇あがいな/あがーな/あげな/あんとな:あのような。指し示す対象を悪く言う場合に使うことが多い。
:(例)あがいなこと言いんさんなや。(あのような言葉、言ってはいけないよ)
:(例)あんとなもん、相手しんさんなや。(あのような人、相手にするのはやめなさいよ)
:上記の例文でこれらの単語の意味はほとんど同じである。また、「そのような」はそがいな(そがーな/そげな/そんとな)、「このような」は、こがいな(こがーな/こげな/こんとな)と変化する。
◇あがく:夏の暑いときなどに布団・毛布などをはねのけること。
◇あぎ:上あご。
◇あぐ:飽きる。
◇あげな:→「あがいな」を参照。
◇あずる:てこずる。苦労する。
:(例)車がぬかるみにはまって、あずってあずってのう。(車がぬかるみにはまって、苦労しましたよ)(県北)
◇味付けパン:コッペパン。学校給食時の校内放送で、単に「パン」というとコッペパンを指す事が多い。
◇あっこ/あすこ:あそこ。
:(例)あっこにゃぁいけんよぉ。(あそこには行けないよ)
◇あっ、ほうね:→「ほー(ほう)」を参照。
◇アナダコ:スナダコ(砂に穴を掘って生息しており、鍬で掘り返して捕る。)
◇ありこ(ありんこ):アリ(蟻)
◇ありゃぁー:「あれは」という意味だが、広島では「あの人」という意味で使うことも多い。
:(例)ありゃぁーワルで。(あの人は悪人だよ)
◇ありゃりゃぁー:「あれあれ」という意味で、割りとよく口に出す言葉。
◇あるまーもー:→ 「もー」を参照。
◇あんとな:→「あがいな」を参照。
◇あんな:あの人。彼。彼女。
:(例)あんながよおったでえ。(あの人が言っていたよ)
◇あんに:「あんな」の少し丁寧な言葉。
:(例)あんには、ええ人じゃねえ。(あの人は良い人だねえ)
◇あんねぇー:あのね。多く呼びかけに使う。
◇いいえの:「いいえ(違います)」や「いいえ(どういたしまして)」などの「いいえ」の部分を強調した言い回し。この言葉は発音部分がポイント。平坦に言うのではなく、「え」を強く発音する。 「いいえの」となる。
◇いいよん:→「いよん」を参照。
◇いいよってん:→「いよん」を参照。
◇いがる:叫ぶ。
:(例)そがいにいがってもつまらんで。(そんなに大声を出してもだめだよ)(県北・西部)
◇いかんのに:いけないのに。「いかん」や「いけん」を強調した言い方。子供がよく使う。実際の使用は「いかんのー」と語尾を伸ばすことが多い。
◇ いきる:気分が高揚し、張りきっていたり格好をつけたりしている様子を、他人から見て揶揄したり茶化したりする言葉。
:(例)あんなぁーいきっとるのー。(あいつ格好つけて、いい気になっているな)
◇ いたしい:難しい。
:(例)いたしいこと言いんさるのぉ。(難しいことをおっしゃいますね)(県北・西部)
◇ いちんち:一日。「してい(ひてい)」ともいう。なお、広島弁の日にちの数え方は、「いちんち(一日)」、「ににち(二日)」、「さんち/さんにち(三日)」、「よんにち(四日)」、「ごんち(五日)」、「ろくんち(六日)」、「ひちんち(七日)」、「はちんち(八日)」、「くんち(九日)」、「じゅうにち(十日)」となる。
◇ いつぃき/いっつも:いつも。
:(例)あんなぁ、いつぃきおるけぇのう。(あの人は、いつもいますよ)(西部)
◇ いっこも:一つも。全然。 言い方は「い」の後、少しためて「こも」と言う。「いっ こも」である。
◇ いっちゃん:一番(位置的に)。いっちゃん前(一番前)、いっちゃん後ろ(一番後ろ)、いっちゃん横(一番横)、いっちゃん上(一番上)など、後ろに位置を示す名詞をつけて用いる。競い合って一番になった時には用いない(「走って、いっちゃんになった」という言い方はしない)。
◇ いっつも:いつも。何時も。 言い方は、「いっ こも」と同様に「いっ つも」
:(例)あんたぁいっこも分かっとらんじゃない。(あなたは全然分かっていないじゃない)
◇ いなげな【異な気な】:変な。おかしな。一部の地域では「いんなげな」ともいう。
:(例)いなげな人がおる。(変な人がいる)(県北・西部)
◇ いぬ(る)【去ぬ(る)】:帰る。去る。ナ行変格活用の残存である。また、「1月はいぬる、2月は逃げる、3月は去ると 申しますとおり……」というのが、校長先生の卒業式の時の話の定番になっている。
: (例)ほんじゃあ、わしいぬるわ。(それでは、私は帰ります)(県北・西部)
◇ いぬの【去るの】:帰るのか。疑問を表す。
: (例)実家にいぬの?(実家に帰るのですか?)
◇ いぬん【去ぬん】:帰るのか。親しい間柄で用いる。質問を表す。
: (例)実家にいぬん?(実家に帰るの?)
◇ いねや【去ねや】:帰れ。強い命令を表す。非常にきつい表現である。普通は「いにんちゃい」を使う。
: (例)わりぁ、はよういねや!(お前、早く帰れよ!)
◇ いねん【去ねん】:帰らない。帰ることができない。否定ないし不可能を表す。文脈で判断することになる。
: (例)うち、まだいねんけぇね。(私はまだ帰らないからね)
: (例)自転車がパンクしたけぇ、うちまでいねんようになったのぅ。(自転車がパンクしたから、家に帰ることができなくなってしまった)
◇ いにんちゃい【去にんちゃい】:帰りなさい。丁寧な命令を表す。
: (例)もうおそいけぇ、みんなうちにいにんちゃいね。(もう暗くなったから、みなさん家に帰りなさいね)
◇ いのう【去のう】:帰ろう。帰りましょう。意志ないし勧誘を表す。
: (例)こがな時間になったけぇ、いのうかのぅ。(こんな時間になったから、帰ろうかな)
: (例)一緒にいのうや。(一緒に帰りましょう)
◇ いびしい、いびせえ:恐ろしい。怖い。
: (例)あん男はいびせえのぅ。(あの男は怖いですね)(西部)
◇ イモハゼ:クラカケトラギス。海水魚の一種。
◇ いやがる/いいやがる:(不快なことを)言われたの意。
: (例)あんなぁ腹の立つことばっかりいやがる。(あいつは腹の立つことばかり言う)。完全な過去形は「いやがった」
◇ いよいよ:語尾に付けて使う。
◇ いよん/いいよん:言っているの。丁寧な言い方では「いいよってん(いよってん)」
: (例)あんた、何いよん。(あなた、何を言っているの)
◇ (い)よいよ:→「よいよ」を参照。
◇ いらう/かもう:触る。
: (例)えーけぇ、いらうな。(いいから、触るな)(県北・西部)
◇ いらんことしぃ:余計なことをする者。
: (例)あんたぁ、ほんまにいらんことしぃじゃね。(あなたは本当に余計なことをする人だね)
◇ いんじゃうん【去んじゃうん】:(もう)帰ってしまうのか。(まだ帰らないでほしい)願望を含む疑問を表す。
: (例)え、もういんじゃうん?(え、もう帰ってしまうの?)
◇ いんじゃったん【去んじゃったん】:(もう)帰ったか。(もう)お帰りになったのか。過去疑問ないし尊敬を含む過去疑問を表す。
: (例)もう先生はいんじゃったんか?(すでに先生はお帰りになったのですか?)
◇ いんだん【去んだん】:(もう)帰ったのか。過去疑問を表す。これには尊敬の意味合いはない。
: (例)息子さんはいんだん?(息子さんは帰ったの?)
◇ いんどるん【去んどるん】:(もう)帰っているのか。過去疑問を表す。
: (例)息子さんはいんどるん?(息子さんは帰っているの?)
◇ いんえのぅ:→「いいえの」を参照。
◇ いんさい:言いなさい。
◇ いんや:「いいえ」の意。呉地方では「うんにゃ」
: (例)A:あんたがやったんじゃろ?(あなたがやったのだろ?)
: B:いんや。(いいえ)
◇ うげる:とれる。剥げる。
: (例)屋根のペンキがうげてしもうた。(屋根のペンキが剥げてしまった)(県北・西部)
◇ うそこけ:うそを言うな。
◇ うちかた/うちがた:私の家。→「かた/がた」も参照。
◇ うちら:私たち。女性の方がよく使う。→「○○ら」も参照。
: (例)うちらは知らん。(私たちは知りません)
◇ うべる:薄める。
: (例)湯が熱いけえ、うべてえや。(お湯が熱いので、薄めてください)」(県北・西部)
◇ ええ:いい。良い。うまく。週刊誌『女性自身』にも掲載された広島弁の笑い話の一つに、東京から広島に越して来た女性が、男女共有の洗面所でコンタクトレンズを片方落とし、鏡の前で装着に苦労していると、広島のオヤジが覗き込み「ええがにいかんか、ええがにいかんか?」としつこく言うので、女性が「そんなに映画に行きたいなら、一人で行けばいいでしょう」と怒鳴ったと言う話がある。
◇ ええとこずき:八方美人。
: (例)ありゃぁ、ええとこずきする奴じゃ。(あの人は自分に都合のいい方へいい顔をする人だ)
◇ えーたい:いつも。「えーてぇ」ともいう。
: (例)えーたい雨じゃの。(いつも雨だね)
◇ えずい:賢い。
: (例)試験で100点取ったんか、えずいのぅ。(試験で100点を取ったのか、賢いね)(西部)
◇ えっと:(量が)多い。
: (例)そがいにえっとかわぁでもええじゃろうにのぉ。(そんなにたくさん買わなくても良いでしょうに)
◇ えらい/えらぁ:苦しい。しんどい。決して「偉い」や「賢い」という意味ではない。また、「非常に」という意味もある。中部地方から西日本にかけて広く用いられる。
: (例)ありゃあえらかったで。(あれは苦しかったね)(全域)
: (例)台風で木がえらい倒れとったで。(台風で木がたくさん倒れていたよ)
◇ おいい:標準語では「多い(おおい)」であるが、広島在住者および出身者は方言と認識していないことも多く、東京などに居住が長くても会話にこの言葉が残る場合が多い。広岡達朗、達川光男の野球解説や矢沢永吉伝説の一つの因ともなっている独特の言いまわしとして、この言葉が使用される事がある。
◇ おうてんない(ですか)/おうてない(ですか):会ってみないですか。通常は「あう」ないし「あわん」だが、丁寧に言う場合のみ、「おう」の発音となる。
◇ おおけー:「大きい」という意味だが、年配者は「大(だい)けー」と発音する場合がある。
◇ おおもん:大きな(実際は出来もしないような)こと。
: (例)おおもん、いんさんなや。(大きなことを言うなよ)
◇ おおもんタレ:大きな(実際は出来もしないような)ことを言う人。大ホラ吹き。
: (例)おおもんタレが(大ホラ吹きめが)
◇ おごうさん:花嫁。(童謡、「花嫁人形」)の歌詞にある「金襴緞子の帯しめながら花嫁御寮(はなよめごりょう)はなぜ泣くのだろう。」の御寮が変化したものと思われる。
◇ おさる:ちゃんちゃんこ。袖のない綿入れ。ゲゲゲの鬼太郎が羽織っている物。
◇ おさめる:しまう、かたづける。方言であるという意識がないため、「はよおさめんさいや(早くしまいなさいよ)」を共通語で言おうとして、「早くおさめなさい」と言う例などが多く見られる。
◇ おしこみ:押し入れ。
◇ おしぴん【押しピン】:画鋲。
◇ おじゃみ:お手玉。
◇ おじんじょ:正座。
◇ おせ:大人(おとな)。
◇ お調子い:悪ふざけする人。
◇ おとこにし:スガイ、巻貝の一種。蓋はサザエのように硬い。《おんなにし》も参照。
◇ おどりゃーすどりゃー/おどれすどれ:「お前」の意味。しかし、意味はなきに等しく、喧嘩の時にのみ使用し、相手を威嚇する言葉である。普通人が滅多に聞くことはない。また、日常会話ではまず使われない。怖く汚い広島弁を代表する言葉として知られるが、あまりに品が悪いためかテレビで披露されることもない。なお、実際に使うのは、「おどりゃー」「おどれ」だけである。「すどりゃー」「すどれ」は、実際には使用されない。「おどりゃーすどりゃー」「おどれすどれ」は、おそらく他県から広島に来た人が、広島県人の喧嘩がこう聞こえる、という揶揄的な意味を含んで呼んだものと思われる。
◇ おなみ:雌牛。
◇ おはっつぁん:仏壇に供えるごはん
◇ おらぶ(うらぶ)【哭ぶ】:叫ぶ。
: (例)おらぶなや。(叫ぶなよ)
◇ おらん:いない。否定。肯定は「おる」である。過去形の「いなくなる」は「おらんよなる(おらんなる/おらーなる/おらーくなる)」。さらに、「いなくならない」の肯定である「いる」の場合は、「おる」のほかに、「おらーならん」という言い方もあり、少し複雑である。
◇ おる:いる。否定は「おらん」である。
: (例)あんなはおるかい?(あの方はいますか?)
◇ おんなにし:イシダタミ、巻貝の一種。蓋は硬くなく、薄い。《お
◎ か行
◇ ○○(の)か:○○の所、宮のかで〇〇さんにおうたで(宮の所で〇〇さんに会ったよ)。
◇ ○○(より)か:○○よりは。比較を表す。
: (例)思うとったよりか、こまかった(思っていたよりは小さかった)。
◇ ○○か、○○かくらい:比較を表す言い方で、女子や子供がよく使う。
: (例)見えるか、見えんかぐらい、(見えるか、見えないかぐらい(微妙なところ))
: (例)終わるか、終わらんかぐらい、(終わるか、終わらないかぐらい(微妙なところ))
◇ 貝かき:潮干狩り
◇ カギジャコ:トビヌメリ。スズキ目・ネズッポ亜目・ネズッポ科に分類される海水魚の一種
◇ かぐる:引っ掻く。「かなぐる」ともいう。
: (例)猫にかぐられた(猫に引っかかれた)。(全域)
◇ かける【駆ける】:走る。広島では「はしる」は別の意味にしか使わず、もっぱら「かける」と言う。→「はしる」も参照。
◇ ガゾウ(ガドウ):モクズガニ
◇ かた/がた【方】:家。
: (例)うちかたきんさい。(私の家に来なさい)
◇ カラコギ:ハオコゼ。カサゴ目ハオコゼ科の海水魚。
◇ かばち:文句。
: (例)あんなぁ、かばちばっかりいうとるげな。(あいつは、もんくばっかり言っているらしい)
◇ かもう:「いらう」に意味合いが近いが、「相手にする」や「からかう」の意味でも使い、否定形の「かもうな」は「ほっとけ」という意味となる。
: (例)A:あいつどうするん? (あいつはどうするだい?)
: B:かもうな。(ほっとけよ)(県北・西部)
◇ かやる/かやれる:ひっくり返る。「こぼれる」に意味合いが近い。
: (例)味噌汁がかやった。(味噌汁がこぼれた)
: (例)耕運機がかやった。(耕運機がひっくり返った)(西部・県北)
◇ かやす:ひっくり返す。「かやる」の他動詞型。
◇ ○○からに:「○○してしまう」や「○○するとは」のような意だが、「○○(勝手に)しやがって」のような怒ったニュアンスを含む言い方。
: (例)私をはねにして、勝手にやってからに。(私をのけ者にして、勝手にしてそんなことして)」
: (例)食べてからに。(食べてしまうとは)
◇ から:身体(体格について)
: (例)からが大きい(身体が大きい。【体格がいい】の意)。反対は、からがこまい(身体が小さい)。
◇ カラスギザ:ニシキベラ、スズキ目ベラ科の魚。
◇ がり:祭りの鬼
◇ かる【借る】:借りる。過去形は「かった」。
: (例)今日、図書館で借ったんじゃ。(今日、図書館で借りたんだ)
◇ ○○がんす:○○です。○○でございます。最近は、ほとんど耳にする事のない言葉。「ござんす」からの変化と言われる。かつては、備後・安芸方言の特徴を「備後ばぁばぁ安芸がんす」などと揶揄する表現もあった。藤子不二雄Ⓐの漫画「怪物くん」に登場するオオカミ男が使う。
◇ がんぼう/がんぼ/がんぼたれ:腕白小僧。暴れ者。暴れん坊。喧嘩。よく喧嘩をする子供。著名な広島弁の一つ。
◇ ギース:キリギリス。鳴き声が「チョンギース」と聞こえることから、その後ろ半分をとったもの。
◇ ギザミ:キュウセン(ベラ科の魚)。オスは青いので「青ギザ」、メスは赤いので「赤ギザ」とも言う。
◇ きちゃない/きたなむさい:汚ない。汚らしい。
◇ きっぽ:古い傷痕。子供の頃の傷が、大人になっても残っているような傷痕。
◇ きょうだいし:兄弟たち(兄弟衆からの変化?)
◇ ギョールさん:少女。若い女性。ハワイやカリフォルニアに居住経験のある高齢者がよく使う。
◇ ギンガー:ヒイラギ (魚)。スズキ目ヒイラギ科に分類される魚の一種。表面が銀色に光るから?
◇ きんにょう【昨日】:昨日。「きにょう」ともいう。高齢者のみが使用している、絶滅寸前の広島弁の一つ。
◇ くしゅぐる・くちゅぐる:くすぐる。
: (例)くちゅぐんなや。(くすぐるなよ)
◇ くしゅばいい・くちゅばいい:くすぐったい。「くすばいい」、「くつばいい」ともいう。西日本語の「こそばゆい」が訛ったもの。
: (例)何かくちゅばいいのぉ。(何かくすぐったいなぁ)
◇ ぐべんしゃ:金持ち(分限者からの変化か?)
◇ クモのえば(蜘蛛のえば):クモの糸。網を張るクモの糸を指すこともあるが、倉庫・小屋などにハエトリグモなどの網を張らないクモがはいた糸を指すことが多い。
◇ くる:切る。トランプや花札などのカードを切る以外では使用はしない。相手に頼む時は、「トランプをくってぇやぁ一」のような言い方となる。
◇ グレン:クレーン
◇ けがれ:汚いのが嫌いな人。
: (例)わしゃあ、けがれじゃけえ。(私は、汚いのが嫌いだ)
: これには、他人が口を付けた物(食べ物や飲み物)には、「口を付けたくない」ということも含んでいる。
◇ ケーキ:アイスクリーム。広島弁では、アイスクリームのことをアイスケーキと言い、さらにそれを略した言い方。
◇ ○○げ:○○のような。○○なふうな。
: (例)あの人、悪げなね。(あの人、悪そうだね)
: (例)あの人、やらしげ。(あの人いやらしそう)
◇ こすい/こぶい:ずるい、狡い。
◇ げな/げなー:○○のような。○○らしい。伝聞を表す。
: (例)あっこに、ビルが建ったげな。(あそこに、ビルが建ったらしいよ)(西部)
◇ げに/げんに/げんど/がに:(相手の話の腰を折って)ところで本当のとこは○○。議論が行き詰まって、まとめる時に使うことがある。奥田民生の『マシマロ』という楽曲に「げにこの世はせちがらい(ところで本当にこの世はせちがらい)」と、広島弁のこの言葉を使う歌詞があるが、他県の人には気付かれないこともある言葉でもある。また中川秀直が、私的公式サイトの名前にこの言葉を付けている。古典などにも出てくる、もともとは共通語らしいが、現在も広島地方の方言として残っている。
: (例)げに、どうしょうかいのぉ。(ところで、どうしようか)(県北・西部)
◇ げぼ:嘔吐物。
: (例)げぼ吐く。(もどしてしまう)
◇ ○○こうに:○○しないように。
: (例)じゃませんこうに。(じゃましないように)
: (例)喧嘩せんこうに。(喧嘩しないように)
◇ ごうをいる:面倒を見る。世話をする。これが転じて、「面倒をかける」や「苦労をさせる」ともなる。「ごういる」ないし「手ごういる」ともいう。
◇ こうへいげな【公平げな】:生意気な。偉そうな。一丁前な。一見すると不満のなさそうな。平静そうな感じを装っているが、内心は不満たらたらな(そんなところがまた、しゃくに障る、生意気だ、という意味)
: (例)公平げなこと言うとらんこぉ、早う手伝うてぇやぁー。(得々と一丁前なこと(賢しらな言い訳、理屈、もっともらしい逃げ口上)言っていないで、早く手伝ってよ)
: (例)あんなぁ、公平げなことを言よったで。(あいつは、一丁前な、生意気なことを言っていたぞ)
◇ こがあな/こがいな/こげな:→「あがいな」を参照。
・
◇ こげる:折れる。共通語の「焦げる」とは違う。→「もげる」も参照。
: (例)かどがこげた。(隅っこが欠けてしまった)(県北)
◇ ここら:このあたりで。このへん。
: (例)こんなもここらで男にならんと、もう舞台は回ってこんど。(お前、このあたりで男にならなければ、もう舞台の出番が回ってこないからな)
: 『仁義なき戦い 頂上作戦』の三上真一郎のセリフから引用。
◇ こさえる:作る。標準語の「こしらえる」に由来。
◇ こっから:ここから。
◇ こっぱり:かさぶたのこと。
◇ コッペパン:メロンパン(共通語でのコッペパンは、味付けパンという。)
◇ こつる:コツンと小さく当たること。
◇ こまい:小さい。非常に小さいときは「こんまい」とも言う。
: (例)肝っ玉、こまいのぉ。(肝っ玉が小さいねぇ)
◇ ごりんどう:ダボハゼのこと。何にでも喰らいつく「はぜ」のことで、何にでも飛びつく人を軽蔑し、これに例えることがある。
◇ ころ:自転車の補助輪、あるいはキャスター。
: (例)今日はころを外して、練習してみようかのぅ。(今日は補助輪を外して、練習をしてみよう)(全域)
◇ こわい:固い。
: (例)あんたの髪の毛はこわいねえ。
◇ ごんち:五日。いつか。
◇ こんとな:「あがいな」を参照。
◇ こんな/こんに:こいつ。
: (例)こんなと飲んだら死んだもんにすまんけえのぉ。(こいつと飲んだら、死んだ者に申し訳が立たないからな)(西部)
: 『仁義なき戦い 完結篇』での菅原文太の終盤のセリフから引用。
◎ さ行
◇ ○○さい:○○しなさい。標準語の「○○しなさい」よりも強制度は低い。子どもや家族など親しい人に対しては、「○○ちゃい」とも言う(主に女性)→「○○ちゃい」も参照。
: (例)はよ寝んさい。(早く寝なさい)
: (例)これ食べてみんさい。(これ食べてみたら)
: (例)持って帰りんちゃい。(持って帰りなさい)
:さえん
:ぱっとしない・役に立たない
:落ち込んだり、思わしくない状況の時に使う。 しょんぼり残念な気持ちにも使用する。
:(例)「わし朝起きたら、両目にメボできとってから、ほんまぶちさえんでから。ほーじゃが、ママんとこ言きゃあ、”あんたぁできん喧嘩でもしたんねえ”じゃあ言うて笑ろうてくれるじゃろうけえ、箔もつかんかあ思うて、そのままんしとるんよ。」
◇ さげる:持ち上げる。共通語の「提げる」よりも広い意味で使われ、 物を下から支え持つ時にも使われる。
: (例)おい、そっちのはしをさげてくれえやぁ。(そちらの側を支え持ってくれ)
◇ ささらもさら/さざらもざら:無茶苦茶(むちゃくちゃ)である。また、『ささら・もさら』のタイトルで、1970年10月~11月に日本テレビで広島を舞台にした連続ドラマが放送されている。
: (例)お前ら構わんけぇ そこらの店さざらもざらにしちゃれぇ。(お前たち、構わないから その辺りの店をむちゃくちゃにしてやれ)『仁義なき戦い 完結編』の松方弘樹のセリフ。
◇ さし:定規。物差し。
: (例)さしでしばかれた。(物差しで叩かれた)
◇ さす:させる。やらせる。使役を表す。共通語の「指す」や「刺す」の意味ではない。「す」にアクセント。
◇ しあいこ:交互にすること。
: (例)マッサージしあいこしよう。(マッサージを交互にしよう)
◇ シクチ:メナダ。海水魚の一種。ボラに似ているが、頭部がボラより平たい。ボラより不味いとされる。
◇ しご:始末。世話。手入れ。県西部の島部や海沿いではさほど恐ろしいニュアンスでは用いられず、むしろ日用語である。
: (例)しごに(ん)ならん。(始末に終えない)」
: (例)魚のしごをしとけ。(魚をさばいておきなさい)
: (例)しごぉされるど。(大変な目に遭わされるよ→つまりしばかれる、なぐられる、痛い目に遭う。)
: (例)畑のしごをせにゃあ。(畑の手入れをしなくては)
◇ しごうする:ボコボコにする・リンチに遭わせる。呉周辺では、「疲れた」の意味で使われる。
: (例)たいぎいけぇ、行かんかった。(面倒くさいから、行かなかった)
: また、「たいぎい」を人に対して使うことによって、「うざったい」という意味を表すこともある。
: (例)A君はたいぎい。(A君はうざったい)
: (例)おまえたいぎいんじゃーや(あんただるいね)
◇ たいがい【大概】:共通語の「大概」と意味ではあまり相違なく、方言でないかもしれないがよく使う。しばしば、「いい加減」という意味で使う。
: (例)たいがいにせぇよ。(いいかげんにしなさい)
◇ タイタイ:魚の幼児語。(そこにタイタイがおるよ。)
◇ たう:(高い所などの離れた場所に手や足などが)届く。
: (例)天井に手がたう。(天井に手が届く)
: (例)プールに足がたう。(プールに足が届く)
◇ たける【猛る】:大きい声を出す。
: (例)おい、たけって呼んでみい。(おい、大きい声で呼んでみなさい)(西部)
◇ たちまち【忽ち】:取りあえず。広島出身の木村和司がチーム内で流行させて、現在も横浜F・マリノスで受け継がれているとされる。
◇ ちょっくり:ちょっと
: (例)ちょっくり、出てくるわ。(ちょっと、出かけてくるわ。)
◇ ちょっと聞いてみるんですが..:質問の冒頭に言う。他県では言わない。広島の新しい方言とみられる
◇ はしる:痛いの意。おそらく痛みが走るの事だと思われる。「足と頭がはしる(足と頭がいたい)」(県北・西部)
◇ はさる:挟まる事。「(食べかすが)歯にはさってしもうた」などと使う。
◇ はせる:挟むの意。他地域で働いている時、書類をファイルに綴じてもらおうと「これ、そこのファイルにはせといて」などと言うと怪訝な顔をされる。
◇ ばち:とってもの意。「ぶち」の同義語。
◇ ばっち:他所(よそ)、知らない遠方の場所。「某地」からの転と思われる。
◇ はね:のけ者。はねっこ、とも。「今日は遊びょうって、はねになった。」(今日、遊んでいて、のけ者になった。)
◇ ばばいい:まぶしい。(「まばゆい」からの変化)
◇ はぶ:歯茎のこと。「歯槽膿漏で、はぶが痛とうてのう。」(歯槽膿漏で、歯茎が痛くてねえ。)
◇ ぱーぷー:馬鹿。
◇ はぶてる:不機嫌になる。
◇ ばんげ:夜の意。「きにょうのばんげに(昨日の夜に)」(県北・西部)
◇ ひ:明かりの意。火、陽、灯などから。「ひ、つけてや(明かり、つけてよ)」(西部)
◇ ひぃー:必死の意。「そがいに、ひぃーなりんさんなや(そんなに必死にならないでください)」
◇ ひこずる:引きずるの意。
◇ ぴしゃげる:叩くの意。平手打ちをすること。また、「平手打ち」を表す名詞として「ぴしゃげ」もある。「逆らうやつはぴしゃげるど(逆らうやつはひっぱたくぞ)」
◇ びっしゃこ:びしょ濡れの意。「急に雨降ってきて、びっしゃこじゃ(急な雨でびしょ濡れです)」(県北・西部)
◇ びったれ:小心者。
◇ ひてい:1日の意。もう聞く事も少なくなった死語となりつつある広島弁の一つ。「ひてい、ふつか(1日、2日)」
◇ ひなか:日中の意。「日のひなかから、そとに出らりゃあせんわいや(日中(昼過ぎ)から、(暑くて)そとに出ることなんて出来ないよ)」(西部)
◇ ひよる:風で物が飛んでいく。「洗濯物がひよる」
◇ ひらめ:やまめの意(西部)。
◇ ひわる:曲がること。「この板はひわっとる(この板は曲がっている)」
◇ ひんじょう:文句、不平不満の意。「ひんじょう言うな(文句を言うな)」(西部)
◇ ブイブイ:グミ (植物)
◇ ふうがええ:みっともない、格好悪い。本来は、風体・体裁(風)が良い(ええ)という意味で、「むすびのむさし」の包み紙にも「好都合である」と書かれているが、現在では皮肉を込めて逆の意味に用いられることの方が多い(西部)。
◇ ふうがわりい:みっともない、格好悪い。通常こちらを使うことが多いと思われるが、上記の「ふうがええ」を使う事もある。
◇ ぶち:「とても」「すごく」の意。
◇ ぶと:標準語でいう所のブユ(蚋)。
◇ ふとい:大きいの意。「ぶちふといはめ(はみ)がおったで(とても大きいマムシがいたよ)」(西部)
◇ ぶに:分(ぶん)、物(もの)の意。「わしのぶに」「このぶに」。岡山弁であるが福山市でも使われる。
◇ ぶり、ブリ:「ブチ」と同義。「これ、ブリうまいのう」など。
◇ ブンダイ:バテイラ。ニシキウズガイ科もしくはサザエ科に分類される巻貝の一種。
◇ ブンブン:カナブン・ドウガネブイブイ・ハナムグリなどのコガネムシの総称。
◇ へしゃげる・へちゃげる:つぶれる、へこむの意。へちゃげるとも言う。「事故で車がへしゃげた(車がつぶれた)」
◇ べっち・べこ:子牛の意。「べっちをこうてくらあ(子牛をかってくるよ)」
◇ へり:そば、ふちのこと。縁。「ねと」との違いは微妙。「本はテレビのへりに置いたる(ほんはてれびのそばにおいてある)」(西部)
◇ ほいで、ほいでから:それで。「ほいでのぅ、いんだげなで(それで、帰ったらしいよ)」 (西部)。
◇ ほー(ほう):そう、という相鎚で使う言葉。そうそう、と言う時、ほーほーと言う。「あぁ ほうね(ああそうか)」。
◇ ほうくる:強調しかし、放くるか? ほうくりだす(叩き出すのような)。ほうくりなげる(いまいましく投げ捨てるの意)
◇ ほいと:物乞い。
◇ ほいとぐい:自分の欲しい物を最後まで取っておく食べ方。「あんたあ、ほしとぐいしんさんなや。」
◇ ほうとくない:情けない、だらしない、つまらないの意。「ほうとくない奴じゃのぉ(情けない奴だなぁ)」(西部)
◇ ホゴ:カサゴ。カサゴ目フサカサゴ科の魚類。
◇ ほしい:惜しい。ほしかった(惜しかった)。
◇ ほっとぬるい:のろい、もたもたしている。
◇ ほんじゃーね:それでは、さようなら。といった意味の広島弁。主に広島の若い女性がよく使う。男性や言葉遣いの荒い人だと「ほんじゃーの」となる。
◇ ボンジャコ:シャコ。軟甲綱 トゲエビ亜綱 口脚目・シャコ科に属する甲殻類
◎ ま行
◇ まくれる:(豪快に)転ぶ。ひっくり返る。「ばあちゃんが、まくれた(婆ちゃんが、(股関節骨折していないか心配なくらい)。ころんだ。)」
◇ まげ:見事、立派、上手。「あんたぁ、まげな鯉を釣ったのう(あんたは、立派な鯉を釣ったね)」、「まげにいかん(上手にできない)」
◇ まねし:真似をする人の意。相手を揶揄する時使うが、死語になりつつある。「まねしじゃーや(真似する奴だ)」。
◇ まめ(に):元気(に)。
: (例)あんたぁ、まめにしとったんね。(あなたは、お元気でしたか?)
◇ マメダヌキ:ニホンアナグマ。イタチ科アナグマ属に分類される食肉類。
◇ マルムシ:ダンゴムシ
◇ まんがええ:運がいい。めぐりあわせがいい。
◇ マンジュウガニ:マメコブシガニ
◇ まんまんさん:南無阿弥陀仏(幼児語)
◇ まんまんきび:トウモロコシ(南蛮黍からの変化)
◇ みそ:遊ぶ時に鬼などにはならない子供。鬼ごっこなどで年の離れた子供が遊ぶ時、小さな子供は走るのが遅く狙われやすいので、タッチなどされても鬼などになることを免れる。
◇ みて:観る人。
◇ みてる:(ある一定の量があったものが減って)無くなるの意。忌み言葉と同音の為、反義語「満てる」が転じて使われるようになった。「みなみてたわ(全部無くなったよ)」(全域)
◇ みな:みんな。「みなおらんわ(みんないないな)」(全域) 全部という意味も持つ。「みな腐ってしもぅたわ(全部腐ってしまったよ)」
◇ みみご:耳垢
◇ みやすい:簡単な」「極悪がんぼ」「マッサン」「流星ワゴン」「びったれ」「この世界の片隅に」など、多くの映画・漫画・テレビドラマの作品にみることができる。
・ 音楽では吉田拓郎、「唇をかみしめて」(刑事物語の主題歌、近年奥田民生がカバーしている。)小林克也&ザ・ナンバーワン・バンド、「うわさのカム・トゥ・ハワイ」など。また、ポルノグラフィティのデビュー曲でもある「アポロ」にも吉田の手による広島弁バージョンが存在する。また石井杏奈の「がんばるけん」等もあげられる。
・ 女性誌『CanCam』2014年1月号で「“方言女子”が最強じゃけえ!」と広島弁を使ったタイトルが付いた特集が組まれた。
・ 47都道府犬 - 声優バラエティー SAYYOUSAYME内で放映された短編アニメ。郷土の名産をモチーフにした犬たちが登場し、広島県ではもみじ饅頭がモチーフの広島犬として登場する。声優は、広島県出身の細谷佳正が担当している。
◎ 広島弁を話す著名人
カッコ内は出身地。広島市の場合は行政区のみ記す。
・ Mebius(バンド)(安芸郡熊野町)
・ Metis(シンガーソングライター)(中区)
・ Perfume(アイドル歌手)(北広島町、東区、福山市) - メンバーのうち大本彩乃は広島市とは方言が異なる福山市(備後弁の一種である福山弁が使われている)で生まれ育っている
・ 新井良太(元プロ野球選手)(佐伯区)
・ 綾瀬はるか(女優)(安佐南区)
・ アンガールズ(お笑い芸人)(安佐南区、上下町)
・ 石崎信弘(JFL・テゲバジャーロ宮崎監督)(中区)
・ 魚住りえ(元日本テレビアナウンサー)(安佐南区)
・ 奥田民生(音楽)(東区)
・ 金田喜稔(元サッカー選手)(安芸郡府中町)
・ 木村和司(元サッカー選手)(南区)
・ 杉原杏璃(グラビアアイドル)(福山市)
・ 竹原慎二(元プロボクサー)(安芸郡府中町)
・山本浩二 (元プロ野球選手) (廿日市市)
・ 達川光男(元プロ野球選手)(中区)
・ 西田篤史(タレント)(庄原市)
・ 西村瑞樹(お笑いコンビ・バイきんぐ)(安芸郡府中町)
・ 檜山修之 (声優)(廿日市市)
・ 古崎瞳(レースクイーン)
・ ポルノグラフィティ(ロックバンド)(尾道市=旧・因島市)
・ 三浦マイルド(お笑い芸人)(江田島市)
など。
他にも、浜田省吾(呉市)や吉川晃司(安芸郡府中町)などは広島県内での活動では明快な広島弁で話す。また、明快な広島弁では無いが、矢沢永吉(南区)の独特の言い回しは、広島弁のイントネーションを色濃く残している。また、広岡達朗(呉市)、張本勲(南区)、大下剛史(海田町)、山本浩二(佐伯区)らベテラン野球解説者の言葉には、はっきりと広島訛りが出ている。広島出身の野球選手である金本知憲(南区)、新井貴浩(中区、上記の良太の兄)、稲田直人(廿日市市)らにも、広島弁のイントネーションがある。1960年代の日本サッカー界では、多くの要職や代表選手が広島出身者で「広島弁が共通語」とまで言われる状況があった(詳しくは東洋工業サッカー部を参照)。ポルノグラフィティの広島弁は、本人曰く備後弁に近いという。
◎ 関連商品
・ 現在撤退した府中町のキリンビール広島工場(後の『キリンビアパーク広島』(『ダイヤモンドシティソレイユ』、後『イオンモール広島府中ソレイユ』、現『イオンモール広島府中』)において、ご当地ビール「KIRIN広島じゃけん」が製造、小売店で販売されていた。
・ がんす 魚のすり身に玉ねぎと一味唐辛子を少々加え、パン粉をまぶして油で揚げた食べ物。
「広島弁」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2022年5月20日22時(日本時間)現在での最新版を取得



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