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秩父弁(ちちぶべん)とは日本語の方言の一つで、西関東方言の内、埼玉県西部に位置する秩父地方で用いられている方言。地域によって微妙な語彙の変化があり、おおむね荒川を境に東西に分けることができる。隣接する群馬県や山梨県の方言との共通点が多く見受けられる。
● 文法
◇~かさぁ?:~かい?、〜かな?
◇~かあねえけえ:~くはないかい
◇〜がんす:〜ございます
◇~したでぇ:~したよ
◇〜しろぃな:〜しなよ
◇~すらっといい:~しなくてもいい
◇~すべえか?:~しようか?
◇~だんべえ:~でしょ
◇~なんよ:~なんだよ
◇~なさわぎ:おおげさに~なこと(いてぇ騒ぎ=いたくてしょうがない)
◇~やるべえ:~やろう
◇~つぅんなぁ:~と聞いたよ
◇~さんねえ:~できない
◇〜むし:〜ですね(そうだむし=そうですね)
● 語彙
◎ あ行
◇あがりはな:家の登り口、上がり端
◇あがりこむ:寄り込む
◇あしっつるし:アシナガバチ
◇あちいにあたる:日射病になる、暑いに中る
◇あちゃ:それでは
◇朝っぱか:朝飯前の仕事
◇朝っぱら:朝早く
◇あっぱーめく:慌てふためく
◇当てこたーねー:とんでもない
◇あなっこ:(掘った)穴
◇あぶらげずし:稲荷寿司
◇あらいまて:食器類を洗うこと
◇ありんどう:あり
◇あんき:安心
◇いいあんべえ:良い具合、良い塩梅
◇いいかげんずっぽ:でたらめ
◇いくらか:ちょっとずつ、少し
◇いごく:動く
◇いっける:載せる
◇いってんべー:行ってみよう、(他人の家などに寄っている場合に)帰ろう
◇いどころね:うたた寝
◇うしい:薄い
◇うちゃぁる:捨てる、打ち捨てる
◇うっかく・おっかく:折る、打ち欠く、折り欠く
◇うっぽぉーる:放り投げる
◇腕っこき:力の限り、精一杯
◇うんと:沢山
◇うんまける:空にする
◇えーまち:怪我やすること
◇えこっか:にこにこと
◇えっこはっこ:(愛想)笑いを浮かべて
◇えってみる・えんでみる:帰る
◇えら:沢山
◇えらいさわぎだ:大変なことになっている
◇えれえ:偉い・大変
◇えれる:入れる
◇えんこする:座る
◇えんでみる:帰る、失礼する
◇おあがんな:召し上がれ
◇おおごと:大変なこと
◇おおしんつく:ツクツクボウシ
◇おくり:奥
◇おごっつぉう:御ご馳走、大ご馳走
◇おごと:つらい、大変な事
◇おこんじょう:意地が悪い
◇おーだあげる:油を売る
◇おっかあ :自分の奥さん
◇おっかけとく:立てかけておく、負い掛けておく
◇おっきりこみ:太く短いうどん
◇おっくう:めんどう、億劫
◇おっくじく:挫く
◇おっこくる:押し出す
◇おっとう:自分の旦那さん
◇おっそろし~:感嘆した時、とんでもない事象に関して言う(言い方としては、口を「あ」を言うように開け「お」と発音する)
◇おっぺす
:押す・(女性を)押し倒す
◇おでんげえり:出戻り
◇おてんたら:おせいじ
◇おとこし:男の人、男衆
◇おひまち:月に一度集落内の一家庭に集まり、その家庭で夕飯をいただく行事(現在は廃れている)
◇おらあ:自分のこと
◇おらがち:私の家
◇おらがほう・おらほぅ:私のほう
◇おんなし:女の人、女衆
◎ か行
◇がいこう:お世辞
◇がいこうをぶつ:おせじをいう
◇かう:あてがう
◇かえりばち:頂き物をした時にするお返し物、返り鉢
◇かかあ:奥さん
◇かかりゅーど:すねかじり、ニート
◇がしょーき(=がとー):がむしゃら、乱暴
◇かせる:かぶれる
◇かてめし:混ぜご飯
◇かてる:まぜる
◇かんます:かき混ぜる、掻き回す
◇~きし:~だけ・~ぐらいしか
◇ぎっつ:バッタ
◇きない:来(こ)ない
◇きやあしねえ:まだ来ない
◇きもがいれる:いらいらする、腹が立つ
◇くでえ:くどい
◇くなげーし:繰り返し
◇くもりっぴ:曇りの日
◇くれらあ:あげる
◇くんろい:頂戴
◇~げえ:~(人物)に
◇げぇーやねぇ:つまらない
◇けえりしな:かえりながら、帰りしな
◇けえる:帰る
◇けえるべぇ・けえるんべぇ:帰ろう
◇けち・けちなもん:粗末なもの、クセの悪い人
◇けちく:妙に
◇げっとこしょー:ヒキガエル(=べっとこしょー)
◇けなりー:うらやましい
◇ごうぎ:立派なこと
◇こうに:こういう風に
◇こうしゃく:雑談
◇こげたま:沢山(こげーたま、とも)
◇こしご:腰につけるかご、腰籠
◇こじゅうはん:間食
◇こすい:ケチ
◇こせえる:作る
◇こっぱ:木片
◇こてえさんねえ:たまらない、堪えられない
◇こわい:堅い
◇こんがらかる:複雑になる
◎ さ行
◇さーねー:世話はない、心配ない(=あんじゃーねー)
◇さくい:気さく
◇さっぽぉる:放り投げる(=うっぽぉーる)
◇さみい:寒い
◇さんざ:十分に・過ぎるほど
◇しぃ:何々するひと。英語のerに相当。パチンコしぃ パチンカー。
◇じいじいやき:ニイニゼミ
◇じみぃいう:(地味を言う)ぜいたくを言う
◇しゃなぐる:かきむしる、払いのける
◇じゃんじゃりき:山肌の露出したゆるやかな崖
◇じゅうくう:生意気
◇しょんべん:小便
◇しりゃあしねえ:知らない
◇しわい:けち
◇じんじくする:似合う
◇ずいてる:生意気な
◇すけてくれぇ:手伝って
◇ずっぽおす:(思いがけないことが)うまくいく ※1
◇ずでえ:かなり
◇スムース:スムーズ。「甘酒祭り」を「あまさけまつり」と発音するなど、清音で発音する傾向がある。
◇すんべえ:しましょう
◇せっちょうする:世話する
◇せやあねえ:大丈夫
◇そうだむし:そうですね
◇そうでがんす:その通り
◇そおけえ:そうですか
◇そおなん:そうなんですか
◇そそらっぺえ:いい加減
◇そらっこと:でたらめな事
◇そらっぺえ:でたらめを言う事
◇ぞんぜえる:態度が大きい
◇そんぬぐれえ:そのぐらい
◎ た行
◇だけんども:だけど
◇だごうしゃく:くだらない話をすること
◇たまか:つつましい
◇たらっぺ:たらの芽
◇ちっとんべえ:少し
◇ちょうきゅう:正確
◇つぐひ:翌日
◇つっこくる:つつく
◇つっとさる:入る、ささる
◇つっとおす:突き通す
◇つぶあし:素足
◇つるっとく:吊るして置く
◇つっぺぇしこむ:押し込む
◇つみっこ:すいとん
◇つんつるてんてん:つんつるてん
◇つんのめる:そっくり返る
◇つんむぐる:水に潜る
◇つんもす:燃やすこと
◇てえ:人たち
◇てぇーら:平ら
◇てえげえ:たいがい
◇でぇろ:カタツムリ
◇てんぐるま:かたぐるま
◇てんごうべえしている:いたずらばかりしている
◇てんでぇに:それぞれに
◇どうに:どういう風に
◇とばっくち:入り口付近、一番手前
◇とぶ:走る
◇とんする:仲間に入れる
◎ な行
◇なから:かなり
◇なす:返す
◇なびる:ぬる
◇なるい:なだらか
◇なんだんべえ:何だろう
◇にかしにする:邪魔にする
◇ぬきい・ぬくい:あったかい
◇ねっくそをきる:前転をする
◇のしていく:早足でいく
◇のす:スピードを出す
◇のしてんまわる:スピードを出して走り回る
◇のめっけー:つるつるしてる(=のめっこい)
◇のめっこい:(=のめっけー)
◎ は行
◇ば:所、場所
◇はあ:もう
◇ばきゃあろめ:馬鹿野郎め
◇はぎる:(はさみで)切る
◇はしっけぇ:すばしこい
◇はだかでぇろ:ナメクジ
◇はっくりげえす:(根元から)倒す
◇はっこう:早く来い
◇ひぃる:ヒル(蛭)
◇ひがっぷしい:まぶしい
◇ひだりい:お腹が空いてる
◇ひっちょる:背負う
◇ひっぽおす:(風呂などの)水を抜く
◇ひもし:焚き火
◇ひゃっけえ:冷たい
◇ひょうぎゃあねえや:たいした事は無い
◇ぶーたん:カブトムシのメス(荒川東岸)
◇ふえんどう:スズメバチ
◇ぶき:不器用
◇ぶちかる:あぐらをかく
◇ふっこし:かざはな
◇ぶっこぬき:瓜二つ
◇ぶっつむ:積む
◇ぶっぱたく:叩く
◇ぶに:(~の)分
◇ふんぐりげえし:ねんざ
◇ふんごむ:泥などに足を取られること
◇ふんとけえ:本当かい
◇ぶんやん:ホームレス
◇~べえ:~だらけ
◇へえる:入る
◇へげる:はげる
◇べっちょ:女性器
◇べっとこしょー:ヒキガエル
◇べべっこうしゃく:卑猥な話
◇ほうじゃく:スズメバチ(特に大きいもの)
◇ほうぼう:いろいろな所
◇ほうる:なげる(放り投げると同意)
◇ほそっぴ:やせているひと
◇ほっかい:そうなのかい
◇ほりっこ:堀・側溝
◇ほりねえ:はずかしい
◎ ま行
◇まぐそ・まぐそがんのう:カブトムシのメス(荒川西岸)
◇まず:まったくもって
◇まーさか・まーさかまあ:ずいぶんと
◇まったくねぇ:まったくその通りだね
◇まっと:もっと
◇むぐす:(便を)もらす
◇むぐってぇー:くすぐったい
◇むる:漏れる
◇むるい:弱い
◇めかご:ものもらい
◇めたらっこ:でたらめ
◇めっかんねえ:見つからない
◇めっためった:何度も何度も
◇めめず:ミミズ
◇めめんたろう:ミミズ
◇もちにいく:取りに行く
◎ や行
◇やごろ:そのうち
◇やっけぇ:めんどう、やわらかい(発音のしかたによる)
◇やまんね:山のふもとの方((「山の根」から)
◇ゆんべ:昨晩
◇ようる:触る
◇よええ:弱い
◇よげ:良さそう
◇よげになる:うぬぼれる
◇よおっぱり:夜更かし
◇よかんべぇ:よかろう
◇よさげ:良さそう(=よげ)
◇よた:弱虫
◇よめいごと:愚痴
◇よめご:お嫁さん
◎ わ行
◇わきゃあねえ:簡単
◇わけえし:若い人
◇わざと:少し
◇わっくさ:カメムシ
◇わりいんね:ありがとう
◇わるげ:悪そう
◇わるさ:いたずら
◎ 補足
・※1麻雀のカンチャン待ちをツモったときによく使う。
・「ぶっつむ」や「おっかく」など接頭辞が多い。
・行動を表すときに「お世話になる」ということが多い。(例:お茶ぁいっぺえお世話になるべえ=お茶を一杯いただきましょう)なお「お世話になります」はこの地域では挨拶として使われる。ときに敬語形として、「お世話さまになります」も使用する。ちなみに帰りの挨拶は「お世話になりました」である。
・「まち」が「祭り」を指すことがある。(例:はあ秩父のまちがくらい=もうすぐ秩父夜祭ですね)
● 音韻
とくに荒川左岸(西側)では「んで終わる主語」+「を、は」は連声する。(例:「本の取ってくれい」(本を取ってくれ) 「○○さんなはぁけぇったん?」(○○さんはもう帰ったの?)
● アクセント・イントネーション
秩父弁はアクセントが非常に明確であり、アクセントの高低差はおそらくは標準語よりも大きい。寺尾地区などでよく使われる「どーしたい?」(おおむねWhat's up?の意で、親しい者同士のあいさつのことば)という表現は「-」の部分を高く発話するが、その高低差は関東方言の中では最大級である。
「秩父弁」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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