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素朴な感じが良き
津軽弁(つがるべん)または津軽方言(つがるほうげん)は、青森県津軽地方で話される日本語の方言である。東北方言(北奥羽方言)に属する。津軽海峡の対岸である北海道の松前郡も津軽弁の影響が大きい。
● 区分
青森県内の方言は、津軽地方の津軽方言と南部地方の南部方言に大きく分かれる(南部方言のうち、さらに下北方言を分けて3区分とすることもある)。両者はそれぞれ、江戸時代の津軽藩と南部藩の領域であり、津軽弁と南部弁の違いは明瞭である。境界は平内町狩場沢と野辺地町馬門の間で、1 kmほどしか離れていない両集落の間でも明確な方言差が認められる。また日本海沿岸部(深浦・鯵ヶ沢周辺部)にも特色が認められる。
津軽方言一般は敬語表現があまり発達していないが、弘前城下で話されていた弘前方言は例外で、敬語が発達し丁寧な表現が多い。現代でも、津軽の人たちは青森市よりも弘前市の方言を「きれい」「上品」と評価し、津軽弁の標準語とみなしている。弘前方言では、「ごす」(ございます)や、間投助詞「ねさ」「ねは」などが付いた丁寧な表現が女性を中心に使われていた。現代ではこのような表現はほとんど聞かれなくなっている。津軽地方の医療現場で、地元出身でない医師や看護師が患者の津軽弁を誤認するという問題も起こっている。津軽弁を聞き慣れない人には外国語のように感じられることもあり、2010年には津軽弁とフランス語を聞き間違えるという内容の「トヨタ・パッソ」のCMが話題になった。
よく知られた津軽弁の表現は、後述下の「どさ」「ゆさ」である。長い文章を短く表現するという東北方言の特徴を端的に表しているが、道行く人にいきなり「どさ」と言っても言葉が足りないため通じないと思われる。「どごさ行ぐの」「湯さ行ぐどご」の省略形であり、「さ」は方向を表す助詞である。
津軽弁の方言詩人高木恭造の命日である10月23日は「津軽弁の日」である。1988年に伊奈かっぺいらを中心とする「津軽弁の日やるべし会」が制定したもので、毎年津軽弁による弁論大会などが開催されている。
● ルーツ
津軽弁の単語の中には、共通語では現在ほとんど使われない古語が転訛したと見られるものがしばしば見受けられる。イントネーションは出雲地方との共通性も指摘されている。
◇ 大和言葉・古典漢語の転訛の例
・ 「あげた・おどげ」→「上顎・下顎」の意→「顎門(あぎと)・頤(おとがい)」(大和言葉の転、「あぎと」の転訛した言葉は全国の方言に多く見られる)
・ 「てぎ」→「面倒」の意→「大儀」(漢語の転)
・ 「ほいど」→「乞食、強欲、けち」等の意→「陪堂(ほいと:現在の共通語ではあまり使われない仏教用語。物乞いのこと)」(漢語の転)
・ 「じゃいご」→「田舎」の意→「在郷」
● 発音
津軽弁の発音の特徴は、他の東北方言、北奥羽方言とおおむね共通する。
・母音
・「シ」と「ス」、「チ」と「ツ」、「ジ」と「ズ」の区別がない。 例)寿司→スス(尻高) 獅子→スス(頭高)
・語中、語尾のカ行、タ行が濁音化してガ行、ダ行になる。 例)イカ→イガ みかん→みがん いちご→いぢご
・上記と連動して、語中・語尾のザ行、ダ行、バ行音は、直前に軽い鼻音を伴って発音される。これによって辨別(聞き分け)が可能になる。 例)油(あぶら)→ あぶら すじこ→すずご
・合拗音クヮ、グヮの発音が存在する。例)元日(グヮンジツ) 生姜(ショウグヮア)
・連母音
・「せ」「ぜ」は「しぇ」「じぇ」と発音されることもあるが、「せ」はむしろ「ひぇ」「へ」になることが多い。「ざ」「ぞ」「さ」も、それぞれ「じゃ」「じょ」「しゃ」になることがある。
・長音(ー)、促音(っ)、撥音(ん)は共通語よりも短く発音される。(シラビーム方言)
● アクセント
津軽弁の語のアクセントには、単語の後ろに助詞がある場合、ある場所から高くなり、それ以降もそのまま高く続くという規則性がある。共通語のアクセントの場合は、あるところから低くなるという特徴があり、低くなる直前の拍を「アクセント核」と呼ぶ。津軽弁の場合は、高くなった直後の拍をアクセント核と呼ぶ。例えば、「雨」は2拍目にアクセント核があり、「低高」と発音し、「雨も」は「低高高」である。「帯」は1拍目にアクセント核があり、最初から高い「高低」。「帯も」は「高高高」。「飴」にはアクセント核がなく、単独では「低高」だが、助詞が付くと高音部が移動して、「飴も」は「低低高」となる。
● 文法
◎ 用言
動詞の活用は基本的に共通語と同じだが、五段活用をする動詞の「行こう」「やろう」などにあたる形はなく(代わりに「行ぐべ」のように「べ」を使う)、四段活用である。また「買う」「習う」などのワ行四段動詞が、「かる」「ならる」のように、ラ行四段活用やラ行変格活用となることがある。一段動詞の命令形は、「起ぎろ」、「開げろ」のように「ろ」語尾を使うが、日本海側の西津軽郡では「起ぎれ」、「開げれ」のように「れ」語尾とすることがあり、秋田弁や北海道方言と共通する。サ行変格活用の「する」は、未然形では「しねぁ」または「さねぁ」(しない)、終止形は「し」または「しる」、仮定形は「せば」、命令形は「しろ」または「しれ」「せ」となる。
◎ 助動詞など各表現
◇意志・勧誘・推量「べ」
:意志・勧誘・推量には、「べ」を用いる。推量には、「べ」に「おん」を付けた「びょん」を使う。「かぐべ」(書こう)、「あげぁべ」(赤いだろう)、「しずがだべ」(静かだろう)のように原則として終止形に付くが、一段動詞には「おぎべ」(起きよう)、「あげべ」(開けよう)のように未然形に付く。
◇丁寧
:「ます」に相当する丁寧の表現は、「かぎし」(書きます)、「おぎし」(起きます)のように連用形に「し」(す)を付ける。「し」の否定は「せん」の変化した「へん」「ひぇん」。より丁寧な表現として「書ぐでごし」(書きます)、「行ぐでごし」(行きます)、さらに丁寧な表現として「書ぐでごえし」「行ぐでごえし」のような表現が、弘前を中心に使われていたが、現代では聞かれなくなった、「かいでけへ」(書いてください)、「起ぎでけへ」(起きてください)のようにも言う。
◇継続相
:共通語の「ている」にあたる継続相には、「くってら」(食べている)、「書いでら」(書いている)のように「てら」「でら」を用いる。若年層では、「くっちゅ」「書いじゅ」のような「ちゅ」「じゅ」、あるいは「書いじゃ」のような「ちゃ」「じゃ」と言う場合がある。「ちゅ」を使う若年層では、「みでら」(見ていた)のように「てら」を共通語の「ていた」にあたる完了の意味でも用いるようになっている。元来の津軽弁では、完了の意味には「見であった」のように「てあった」を用いる。
◇可能・受身・自発・使役
:可能を表す形には、「かげる」(書ける)、「おぎれる」(起きられる)、「あげれる」(開けられる)、「これる」(来られる)のような可能動詞形(四段動詞以外は、可能動詞から類推して発生した形)と、「書ぐにいい」「起ぎるにいい」のような形があり、前者は能力可能を表す。また受身を表すのに「かがえる」(書かれる)、「おぎらえる」(起きられる)のように「える」「らえる」(「れる」「られる」からrが脱落したもの)が使われるが、この形で可能も表す。自発を表すのには、「書かさる」「押ささる」「積まさる」「起きらさる」のように「さる」を使う。使役を表すのには、「かがせる」(書かせる)、「おぎらせる」(起きさせる)、「こらせる」(来させる)のように「せる」「らせる」を用いる。
◎ 助詞
○ 格助詞等
共通語の「が」にあたる、主語を表す格助詞は使われず、無助詞で表す(例)花咲いだ(花が咲いた)。「を」にあたる対格も普通は無助詞だが、強調する場合には「ごど」「ば」などを使うことがある(例)「さげごどのむ」(酒を飲む)。係助詞「は」も用いられず、「雨ぁ」(雨は)のように軽く母音が入る程度だが、強調する場合には「きゃ」「だきゃ」があり、「わきゃ行く」(私は行く)のように用いる。
共通語の「に」にあたる語には、「ね」と「さ」がある。「さ」は元々は「へ」にあたる方向を示す語であったが、意味範囲が拡大している。(例)「せんせさ聞ぐ」(先生に聞く)、「静がさなる」(静かになる)
準体助詞としては、例えば「行くのをやめる」なら「行ぐのごどやめる」「行ぐのやめる」「行ぐんずやめる」のように複数の言い方がある。「行ぐんず」は、五所川原市を中心とした日本海側で使う。「ね」に「す」を付けると丁寧になる。弘前の年配女性では「ねす」の変形「ねさ・ねは」が使われ、上品な表現とされる。南部弁では「すけ」を使い、津軽弁の「はんで」と対立する。「はんで」は「ばて」となることもある。「けれども」にあたる逆接既定条件の接続助詞には「ばって」を使い、「ども」などを使う南部弁と対立する。順接の仮定条件には、「行くってせば」(行くとすれば)のように「せば」「へば」を使い、逆接の仮定条件には「降るばたて」(降るとしても)のように「ばたて」を使う。
「お茶っこ」「机っこ」のように、名詞に「こ」を付けて親愛の意味合いを添えることが多い。東北方言一般に使われる接尾辞である。
● 代表的な津軽弁の表現
・ 「あさぐ」→「歩く」
・「あずましい」→「とても気持ち良い」。例:(温泉で)「あずましぃ~」→「極楽、極楽ぅ~」
・「あっつい」→「熱い」
・ 「あっちゃ」、「かっちゃ」、「おかちゃ」、「おが」→ 年配の女性全般。母親。
・ 「あぐど」→「かかと」
・ 「あめる」→「腐る」
・ 「あべ」→「来い」、「おいで」
・ 「あっぺ」→ 左右反対や前後反対など。表裏反対は「かっちゃ」。
・「あっぺる」→「盗む」
・ 「あんちか」、「わんちか」、「わんつか」→「ほんの少し」
・ 「あげた」→「上顎」顎(あぎと)
・「あんべ」→「気分」、「居心地」
・「いだわしぃ」→「もったいない」
・「いとまが」→「ほんの少しの間」
・「いぐでねぇ」→「ろくでもない」
・「いずぅ」、「いずい」、「いんずい」→ 下着がキツくてむず痒いとき、セーターがチクチクするとき、新しい靴がしっくりこないときなど、体に違和感や気持ち悪さを感じたときに発する言葉。
・ 「うだで(ぇ)」、「うだでぐ」→「凄い」、「大変」など。語源は古語の「うたてし」。
・ 「うって」、「うっと」→「沢山」
・ 「うづげる」→「甘える」
・ 「うるがす」→ 水に浸してふやかすこと。例:「食った茶碗うるがしておげ」→ 食後の茶碗を(汚れが落ちやすいように)水に浸しておけ。
・「えふりこぎ」→ 自己中心的な人・利己的な人。
・「えへる」→「いじける」
・「おがる」→(身長が)「伸びる」、(動植物全般が)「成長する」
・ 「おたってまった」、「こいでゃ」、「こいじゃ」→「疲れる」、「疲れた」
・ 「おっちゃ」、「おとちゃ」、「おど」→ 年配の男性全般。父親。
・ 「おんろー」、「ろーおー」→「すげえ〜」
・ 「おどげ」→「顎」頤(おとがい)
・ 「かちゃくちゃね」→「いらいらする」
・「かちゃましい」→ ぐちゃぐちゃでわけが分からない様子。
・「かちゃます」→「かき混ぜる」、「滅茶苦茶にする」
・「かっちゃぐ」→「引っ掻く」
・ 「かつくつ」→「いらいら」
・ 「がっぱ」→「とても」
・「かっぱ」、「かっぽ」→ 海・池・水溜まりなどに足を突っ込んで靴がずぶ濡れになること。
・「かます」→「かき混ぜる」
・「かまり」→「匂い」、「香り」
・「からっぽねやみ」、「からっぽやみ」→「いいかげんな人」
・「かんぷげでる」→ 「腐っている」語源は「かびてる」であり、「あめる」より更に腐っている状態。
・「きがね」→「気が強い」、「頑固者」
・「くだぐ」→「両替する」。例:「1万円くだげる?」「多分くだけるびょん。」
・「ぐだめぐ」→「くだをまく」
・「くっちゃべんな」→「静かにしなさい」、「おしゃべりをやめなさい」
・「くまる」、「くまがる」→「からまる」、「こんがらがる」
・ 「け」→「食え」、「頂戴」、「おかゆ」、「かゆい」、「毛」など
・ 「け、ねぇ」→「毛がない」
・ 「けね?」→「くれない?」
・ 「けーねぇ」→「あげない」
・ 「けぃねぇ」→「消えない」
・ 「けぇねぇ」→「食えない」
・ 「けーね」→「簡単だよ」
・ 「けれ」→「頂戴」
・ 「けやぐ」→「仲間」、「友達」
・ 「けつめる」→「つまづく」
・「けっぱる」、「けっぱれ」→「頑張る」、「頑張れ」
・「けろ」→「ください」
・「げんだが」→「毛虫」、「芋虫」
・「こまる」→「かがむ」
・「こんつける」、「えへる」→「いじける」
・ 「ごんぼほる」→「だだをこねる」ごぼうは掘るのが大変なことを、だだをこねる様子に当てはめた。
・ 「さしね」 → 「うるさい」
・「さっぱど」→「さっぱりと」
・「さんび」→「寒い」
・ 「しかへる」→「教える」、「知らせる」
・ 「したばって」→「だけど」
・「しねから」→「脛」
・「しばれる」→「寒くなる」
・「しみる」→「凍る」
・ 「じぇんこ」→「お金」語源は銭、銭っこ。
・ 「じゃいご」→「田舎」、「在」
・ 「しゃっこい」→「冷たい」
・「じゃま」→「身長」
・ 「じゃんぼ」→「髪」、「髪の毛」(カットが絡む時限定?「じゃんぼが抜けた/薄い」とは言わない)
・「じょっぱり」→「意地っ張り」、「頑固者」
・「しんけたがり」→「神経質な人」
・「しんねぇ」→(ごぼうなどの繊維の多い野菜などが)なかなか噛み切れず口の中に残る様子。ホルモンなどには使わない。
・「すっかど」→「すっかりと」
・「ずぼした」→「ももひき」
・ 「すんずご」→「筋子」
・「ずんぶ」→「随分」
・「せばだば」→「そうだったら」
・「そいだば」→「それだったら」
・「そったら」→「そんな」
・「そんき」→「そのくらい」
・「だいが」→「誰が」
・ 「たげ」→「とても」
・「たなぐ」→「持つ」、「担ぐ」
・ 「だば」→「じゃあ」、「なら」、「だったら」
・「だはんで」→「だから」
・ 「だらっこ」→「小銭」
・「たんげ」→「ものすごく」
・ 「たんだでねー」→「大変だー」
・「ちかしい」→「ずうずうしい」、「生意気」
・「ちっちぇ」、「ちゃっけぇ」→「小さい」
・ 「ちゃかし」→「ドジ」、「おっちょこちょい」
・「ちょす」→「触る」、「いじる」
・ 「〜(し)ちゅー」→「〜(し)ている」
・「つけらっと」、「つけっと」→「ちゃっかりと」
・「つっぱね」→「泥はね」
・ 「どさ」「ゆさ」→ A「どこにいくの?」 B「いまから風呂にいくところだよ」
・「どしてらばぁ?」→「どうしてた?」(久しぶりに友人や家族に会った時や電話の最初の挨拶)
・「どすべぇ」→「どうしよう」
・「とっぱる」→「塞がる」、「詰まる」
・「とっぺる」→「塞ぐ」、「詰める」
・「どんず」→「お尻」
・「どんでら?」→「最近どうですか?」
・「どんでもいい」→「どうでもいい」、「何でもいい」
・「どんだんず~」、「どんだっきゃ」→「どないやねん」
・ 「な」→「あなた」語源は古語の汝。
・ 「なげる」→「捨てる」
・ 「なずぎ」→「額」
・「なんたかんた」→「なんとしても」、「どうしても」
・「にしまる」、「にしじまる」→「煮詰まる」
・「にじゅう」、「にじゃぁ」→「似てる」
・「にっちゃ」→「お兄さん」
・「ねっちゃ」→「お姉さん」
・「ねっぱる」→(納豆や糊が)「くっつく」
・「のめくる」→「つんのめる」。例:「けつめでのめくる」→「つまづいてつんのめる」
・ 「のれ」、「のれそれ」→「全力で」
・「はっける」→「走る」
・ 「〜(だ)ばって」→「〜(だ)けれど」
・ 「〜(だ)はんで」→「〜(だ)から」、「~なので」
・ 「ふとず」→「同じ」
・ 「ふじゃかんぶ」、「しじゃかぶ」、「ひじゃかぶ」→「膝」
・ 「へなか」、「へなが」→「背中」
・ 「へば」→「それじゃぁ」、「さようなら」
・「へばなぁ」、「へばろぉ」→「またね」、「じゃぁね」
・「ほろごる」→「払い落す」
・ 「ほんずなし」、「ほんつけなし」→「勘違い」、「学がない」、「愚か者」
・ 「ほんつけ」→「勘違い」、「頼りない」
・ 「ぼんのご」→「後頭部」首の後ろ。語源は「ぼんのくび」。
・ 「まいね」(「まいん」と言うところも)→「駄目」、「いやだ」
・「まがる」/「まがす」→「こぼれる」/「こぼす」
・「まっちゅう」→「待ってる」
・「まっこ」→「お年玉」
・「まなぐ」、「まなこ」→「目」
・ 「まんず(まず)」→「とても」、「本当に」
・ 「まんま」→「ご飯」
・「みっぱ」→「外見」、「格好」
・「むったど」→「いつも」
・「めぐせぇ」→「恥ずかしい」
・「めごい」、「めんこい」、「めんけぇ」→「可愛い」
・「もげる」→「抜ける」
・ 「もつけ」→「アホっぽい」、「落ち着きがない人」、「お調子者」など。語源は古語の「うつけ」。
・「もちょこちぇ」、「もちょこい」→「くすぐったい」
・「もわんか」、「もあんか」→「もう少し」
・「やっこい」→「やわらかい」
・「ゆったど」→「ゆっくりと」
・「よろた」→「ふともも」
・ 「わ」→「私」語源は古語の「我」、「吾」。
・ 「わいは」→「あらまぁ」、「おぉ!」、「えぇ?」(驚いたとき)
・ 「わった」→「沢山」
・ 「わや」→「とても」(青森市周辺のみ)
・「わらし」→「子供」
・「わらはんど」→「子供達」
・ 「わんつか」、「わんちか」→「少し」、「わずか」
・「わんど」→「私達」、「俺ら」、「僕ら」
・ 「んだ」→「そうだ」
・「んだが」→「そうか」
・「んだばって」→「と言うか、逆に」
・「んだびょん」→「そう思うよ」
・「んだべ」→「そうでしょ」
・「んでね」→「そうじゃない」
・「んでねぐ」→「そうじゃなくて」
● 地域による津軽弁の表現の違いの例
津軽弁は、南部弁に比べて地域差が小さいが。浅利慶太によれば、劇作家の加藤道夫は「日本で一番美しい言葉は東北弁だと思う。あのやわらかな響きが標準語だったら、日本におけるオペラと詩劇の完成は一世紀早まっただろう。」と語ったと言っている。
現代文学
・ 高木恭造 - 『まるめろ』(詩集・1931年)
・ 一戸謙三 - 『ねぷた』(詩集・1936年)
・ 木村助男 - 『土筆』(詩集・1943年)
・ 植木曜介 - 『植木曜介詩集』
・ 太宰治 - 『雀こ』(小説・1935年)
・ 寺山修司 - 『恐山』(ラジオドラマ・1962年)『まんだら』(ラジオドラマ1967年)
民話・口承文学
・ 『津軽むがしこ集』川合勇太郎(東奥日報社、1930年) - 著者が南津軽郡藤崎町出身の祖母から聞かされた昔話を、津軽弁のまま収録している。
・ 『青森県の昔話』川合勇太郎(津軽書房、1972年) - 津軽弁を含む、青森県各地で採集された昔話を方言のまま収録している。
「津軽弁」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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