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ルワンダ共和国


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ルワンダ共和国(ルワンダきょうわこく)、通称ルワンダは、東アフリカにある共和制国家。内陸国であり、西はコンゴ民主共和国、北はウガンダ、東はタンザニア、南はブルンジと国境を接する。首都はキガリ。イギリス連邦、東アフリカ共同体。

● 概要
当時の国民の1割以上が犠牲になったルワンダ虐殺(1994年)を経て、ルワンダ虐殺当時の反政府軍であるルワンダ愛国戦線司令官ポール・カガメが大統領を連続当選し続けている。2000年の大統領職への初就任以降に欧米の支援の下でルワンダへ奇跡的な復興と発展させたことが評価される一方で、開発独裁であるものの反体制派への弾圧や任期延長など独裁政治体制が批判されている。2020年代において、アフリカ諸国のなかでも治安は比較的良好な国とされる。2022年の民主主義指数は、126位で独裁政治体制へ区分されている。

● 国名
正式名称はルワンダ語でRepublika y'u Rwanda 、英語でRepublic of Rwanda 、フランス語でRépublique du Rwanda、スワヒリ語でJamhuri ya Rwanda。

● 歴史
欧米人の到着以前、この地域には牧畜民系のツチの王が農耕民系のフツを支配するルワンダ王国または1890年。 1973年にが起こり、フツのジュベナール・ハビャリマナが第2代大統領に就任する。このうちの後者について、ジェラール・プルニエなどは「難民キャンプをルワンダ奪還に向けた軍事拠点にしようとする旧フツ政権指導部による計画的な疎開であり、その意味では戦争の継続だった」としている。以後、ルワンダ情勢は安定に向かったが、難民の本国帰還は進まず、むしろ周辺諸国の政治・軍事情勢を不安定化させて国際問題となり、と呼ばれた(ルワンダ周辺は、キブ湖やビクトリア湖など大きな湖が点在することから「大湖地域」と称される)。 ツチ主導のルワンダ新政府の要請を受けて、1994年に国連安全保障理事会は、ルワンダ領域内および隣接諸国においてジェノサイドや非人道行為を行った者を訴追・処罰するためのルワンダ国際戦犯法廷を設置。

◎ コンゴ戦争
大湖地域の難民危機は、特に隣国ザイール(現・コンゴ民主共和国)でモブツ政権の崩壊へと波及した第一次コンゴ戦争(1996年 - 1997年)のほか、周辺8か国が介入する事態となった第二次コンゴ戦争(1998年 - 2003年)の遠因となった。

◎ カガメ政権
2000年、ビジムング大統領の辞任に伴いツチのポール・カガメが第5代大統領に就任したと呼ばれている。毎年の経済成長率が7%前後と急成長を遂げ、首都のキガリは中国企業などによって、ルワンダで最も高いランドマークのをはじめとする近代的な建物や道路が建設され、市内の街並みは新しくなった。また、2008年からレジ袋の製造・輸入・販売を厳しく取り締まり、違反者には薬物使用と同程度の罰が課せられるようになった。 カガメは2018年度のアフリカ連合議長を務めてアフリカ大陸自由貿易協定の設立に主導的な役割を果たした。一方で、激しい反体制派への弾圧などで自らの権力基盤を強化するその手法は独裁的であるとの批判もある。実際に、2015年には憲法第172条が改正され、2034年まで大統領職に留まることが可能となった。カガメ大統領は『日本経済新聞』記者による取材に対して「完璧な指導者などいない」「ルワンダにふさわしい統治をしている」と語り、強権的との批判は「気にしない」と述べている。

◎ 女性の地位向上
伝統的には家父長制社会であったが、大虐殺後の国家再建の過程でジェンダー平等と、農業や家事以外の仕事での女性活躍が進んだ。 最大政党は現大統領のポール・カガメが率いるルワンダ愛国戦線(RPF)である。同党は、キリスト教民主党(PDC)、理想民主党(PDI、旧イスラム民主党)、ルワンダ社会党、進歩調和党、ルワンダ人民民主連合とともに与党連合を組んで政権を握っている。RPFは1994年のルワンダ虐殺時に北部より侵攻して政権を握って以降、民政移管後も一貫して政権を維持しているが、議会選・大統領選ともに有力候補の排除や有力野党の登録禁止、偏向報道などにより圧倒的に与党有利の状況を作り上げて勝利してきており、強い独裁傾向を示している。一方で、その開発独裁によって良好な治安と高い経済成長を実現させてもいる。野党勢力は脆弱だが、比較的有力なものに社会民主党、自由党などが存在する。 最高司法機関は最高裁判所(Cour suprême)である。 内戦後のルワンダ政府における著しい特色として、ガバナンス(統治能力)の向上が挙げられる。一例として、内戦後のルワンダでは汚職の減少が急速に進み、2016年には政府のクリーンさにおいて世界50位、アフリカで3位にまでつけるようになった。また、強化された中央政府の権力によって開発がスムーズに進むようになり、これはルワンダの経済成長の要因の一つともなっている。一方で、政府の指導が市民生活の隅々にまで入り込み、各地の行政官は上部組織に対しイミヒゴと呼ばれるノルマを設定して開発計画を進めていくなど、強権的な開発独裁体制が確立している。

● 国際関係
フランス政府はハビャリマナ暗殺に関わったとしてカガメ政権関係者を訴追し、カガメ側もフランスが虐殺を支援したと非難して国交を断絶していたが、2009年11月29日に3年ぶりに国交回復した。 ルワンダ政府は英語圏への接触を図り、2009年11月29日に英連邦への加盟が認められ、54番目の加盟国となった。旧イギリス植民地以外で加盟が認められたのは1995年のモザンビーク以来のことである。 中華人民共和国とインドはICTインフラストラクチャー整備や企業進出で関与を強めている。 隣国ブルンジとは言語・社会構造・民族構成・地形などがほぼ共通しており、兄弟国と言っていいが、両国間の関係は独立以降1980年代末までは非常に険悪だった。これは、独立直前の革命によってルワンダがツチの国王や社会上層を排除してフツ中心の社会を作り上げたのに対し、ブルンジは王政が崩壊したあともツチが社会の中心となっていたためである。

● 国家安全保障

◇ 軍事力
・ 予算 1億210万ドル(2020年 ミリタリーバランス2021)
・ 兵役 志願制
・ 兵力 3万3,000人(陸軍32,000人、空軍1,000人、予備役2,000人)(2020年 ミリタリーバランス2021)

● 地理
ルワンダの面積は2万6000km2で、アフリカ大陸の中央にあり赤道から緯度で数度だけ南に位置する。西にコンゴ民主共和国、北にウガンダ、東にタンザニア、南にブルンジと接している。国土の中央に位置する首都のキガリ以外は基本的に丘陵地で、それぞれに小農場が分布する。北西の火山群から南東へごつごつした山地が連なり、西部にコンゴ川とナイル川の流域を分ける平均海抜2,740メートルの分水嶺が南北に走っている。その西斜面をキブ湖とルジジ川渓谷に下るとアフリカ大地溝帯の一部となる。キブ湖とルジジ川は、コンゴ民主共和国との国境ともなっている。東斜面はなだらかに中央高地から平原、沼沢地、湖へと標高が低下し、東端を南北に流れるカゲラ川がタンザニアとの国境となっている。 一部の山岳地帯を除き国土のほぼ全域がなだらかな丘陵によって覆われているため、ルワンダは「千の丘の国」と呼ばれる。森林は、開発の制限されている3つの国立公園(東部のアカゲラ国立公園、北西部の火山国立公園、南西部のニュングェ国立公園)を除きほぼ存在しない。ニュングウェ森林では、2006年にイギリスの探検隊がナイル川の源流を発見したと発表した。 国内の平均標高が1,600メートルと高地にあるため、月の平均気温は年間を通して20度台前半でアフリカ大陸では涼しく、雨季が2回ある。国土全域に緩やかに広がる丘陵は頂上までよく耕され、肥沃である。こうした農地では集約農業が営まれ、ルワンダの過剰な人口をともかくも支えられるだけの収穫をあげてきていた。農地は細分化されており、人口増加によって細分化はさらに加速しているが、人口の多くは農村にとどまる傾向があり、狭小ながらも農民の多くは土地の一片は所有していることが多い。ルワンダ内戦後にツチの難民が帰還してきたときに、内戦によって難民化したフツの空き家や農地を接収して居住したため、1996年にフツ難民が帰還してくると各所で紛争が起こった。これに対しルワンダ政府は家屋を旧所有者であるフツに返し、土地は両者で折半させる、いわゆるランド・シェアリング政策を実施し、また女子の土地相続権の確立も行われ、土地所有に大きな変動が起きた。農産品ではマラバ・コーヒーなどのコーヒーが輸出品目として有名であり、2014年には総輸出の8.9%を占めた。もうひとつの輸出農産品は茶で、総輸出の8.8%を占める、この現象を指して「アフリカの奇跡」と呼ばれている。 内戦からの急速な復興を受けて、中印など外国企業の進出も盛んである(「国際関係」参照)。日本では、みずほ情報総研が日本企業の進出支援などで協力する覚書をルワンダ開発庁と結んでいる。

● 交通


● 国民


◎ 民族
国民の84%がフツ、15%がツチ、1%がトゥワである。

◎ 宗教
2001年の統計によれば、キリスト教のローマ・カトリックが56.5%、プロテスタントが26%、アドベンチスト教会が11.1%。ムスリムが4.6%、土着信仰が0.1%、無宗教が1.7%である。 初等教育3年次まではルワンダ語、その後は英語が教授言語となっている。スワヒリ語教育は必修となっている。国民の100%が理解できるルワンダ語は教育では初等教育を除くと使われていない。 IT立国を目指す政策により、電気のない地域にもインターネットなどができるバスを導入したり、簡易パソコンを使った初等教育を行ったりしている。またITを教えるトゥンバ高等技術専門学校も日本の援助で設立され、英語によって授業が進められている。

◎ 保健
ルワンダにおける2007年のヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者は推計で約15万人でありが、同国の国家警察の2019年の発表によれば、犯罪の発生上位は窃盗、暴行・傷害、麻薬関連犯罪となっているが、殺人、強盗、強姦などの凶悪犯罪も発生しているのが現状ともなっている。 外国人が多く居住するキヨブ、ニャルタラマ、カチール、ガチュリロ、キバガバガ、カググ、キミフルラ地区では侵入窃盗が年に数件発生しており、充分な注意が求められている。

● 人権
前述のようにクオータ制が導入されて女性の社会進出が顕著である。2015年には、ジェンダーに関する犯罪に対処するワンストップセンターが設立された。

◎ 祝祭日

日付 日本語表記 現地語表記 備考
  1月1日  元日  lang=""    
  1月28日  民主制の日  lang=""    
  2月1日  国家英雄の日  lang=""    
  3月または4月  聖金曜日  lang=""    
  3月または4月  イースターマンデー  lang=""    
  4月7日  大量虐殺追悼記念日  lang=""    
  5月1日  メーデー  lang=""    
  7月1日  独立記念日  lang=""    
  7月4日  自由の日  lang=""    
  8月15日  聖母被昇天祭  lang=""    
  10月1日  愛国記念日  lang=""    
  11月1日  諸聖人の日  lang=""    
  12月25日  クリスマス  lang=""    
  12月26日  ボクシング・デー  lang=""    


● スポーツ


◎ サッカー
ルワンダ国内でも他のアフリカ諸国同様に、サッカーが圧倒的に人気のスポーツとなっている。1975年にはプロサッカーリーグのルワンダン・プレミアリーグが創設された。によって構成されるサッカールワンダ代表は、これまでFIFAワールドカップには未出場である。しかし、アフリカネイションズカップには、2004年大会で初出場を果たしている。 また、ルワンダ政府がプレミアリーグ・アーセナルと契約しており、2018-19シーズンよりVISIT RWANDAの広告をユニフォーム袖部分に掲出している。

● 著名な出身者

「ルワンダ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/
2024年10月14日7時(日本時間)現在での最新版を取得

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