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串カツ(くしカツ)は、肉や野菜などを串に刺し、衣を付けて油で揚げた日本の料理。地域によって食材や調理法、飲食法や呼称などが異なる場合がある。
● 歴史
発祥は不明。同様な調理法の食品は明治末期から東京の下町で食べられていたとの見解がある。
◇ 東京の既存証言
:
・ 「深川の高橋の通りは、夜店がにぎやかだったですよ。あそこで、子供のとき、はじめて洋食ってのを食べた。串かつだよ。二銭だったか、四銭だったか忘れたけど、子供が洋食食べたんです。」(『江東ふるさと文庫6』)岡島啓造氏は1903年(明治36年)東京深川生まれで、子どもの頃(明治時代末から遅くとも大正時代初め頃)に、串カツを食べた回想記述。
特に岐阜県海津市にある千代保稲荷神社門前の参道は数多くの串カツとどて串の店が軒を連ねている。客は軒先で立ったまま揚げたての串カツを自由に摘んで、どて串を煮込む鍋の味噌仕立ての煮汁に各自が漬け入れて食べる独特の光景が見られる。土日や祝祭日には、これらの店はいずれも大変な活況を見せており、千代保稲荷名物として非常に有名である。
名古屋市の一部の店舗では馬肉が用いられることがある。
● 西日本地区
西日本(特に近畿地方)においては、小ぶりに切った牛肉や魚介類、野菜を個別に串に刺して衣をまぶして揚げた料理を指す。ただし東日本で一般的な豚肉と玉葱を用いた串カツが存在しないわけではなく、双方とも区別することなく串カツと呼んでいる。
大阪式の串カツは、1929年(昭和4年)に新世界に開店した「だるま」の女将が、釜ヶ崎の肉体労働者たちのために串に刺した一口サイズの肉を揚げて饗したのが始まりとされる。元々は牛串のみを串かつと呼んでいたが、その後に串揚げ全般を指すようになったという。さらに串かつが大阪名物と言われるようなったのは2000年代以降のことで、2001年に同店の後継者に後輩を送り込んだ赤井英和(俳優・タレント。元プロボクサー)が料理番組などで宣伝に励んだことが大きいという。
大阪を中心とする近畿地方の繁華街には立ち食いの串カツ店が存在する。関東、中京地方のものに比べ小ぶりな一口サイズで、様々な食材が串カツになる。数を捌くため手順は簡略化され、小麦粉をまぶしてから溶き卵をくぐらせる代わりに、水溶き小麦粉と卵液をあらかじめ混ぜた「バッター液(batter。「バッター」とは英語で「揚げ物の衣」のことである。)」や、業務用に配合された「バッター粉」を水で溶いて使用する店が多い。またパン粉は目の細かいものが使用され、山芋を使った滑らかな衣を用いる店もあるのが大阪式串カツの特徴である。
客席に置かれた共用のステンレス容器に入った、薄いウスターソースをベースに醤油や醸造酢などを配合した専用のソースに串カツを漬けて食べる形式の店が多い。このソースには衛生的な観点から、多くの店では二度漬け禁止のルールが設けられている。ただし、たいていの店では胃もたれを防ぐというキャベツが無料で提供されているため、二度漬け禁止であってもキャベツでソースを容器からすくってカツにかけることができる。なお、ソースについての日本語の掲示を理解しない外国人観光客が増加して問題になったため、専門の説明係を置く店舗も現われた。
近年は、様々な創作串カツをお好みやコースの形式で提供する店も多く存在する。そうした店ではそれぞれの客にソースやキャベツが用意され、二度漬け禁止の掲示もない。また、調味料も専用のソースだけでなく、各種の塩やタルタルソース、味噌、醤油、胡麻だれ等、独自の味付けがなされる。
テーブルに置かれた油が入った鍋で自らが揚げるセルフサービスや、食べ放題の形式を取る店舗も存在する。
◎ 使用される食材
◇ 肉類
: 牛、豚、鶏、馬、鯨、ソーセージ、ハム、つくね、砂肝、とり皮、なんこつ
◇ 魚介類
: アジ、キス、シシャモ、ワカサギ、ハモ、アナゴ、エビ、ホタテガイ、カキ、タコ、イカ、竹輪、はんぺん
◇ 野菜類
: タマネギ、シイタケ、シシトウガラシ、ネギ、ナス、タケノコ、オクラ、プチトマト、ジャガイモ、サツマイモ、ナガイモ、ピーマン、レンコン、ゴボウ、カボチャ、ニンニク、ブロッコリー、アスパラガス
◇ ミックス系
: ピーマンの肉詰め、アスパラのベーコン巻き、チーズちくわ
◇ その他
: ウズラ卵、チーズ、餅、餃子、焼売、紅しょうが、イナゴ、最中、バウムクーヘン
● 串カツに関連した歌
・ クシカツはいっぽん - NHK「おかあさんといっしょ」で歌われている挿入歌。
・ だるまのオッサンの歌 〜ソースの二度漬けは禁止やで〜 - 嘉門達夫
「串カツ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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