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「春の小川」(はるのおがわ)は、1912年に発表された文部省唱歌である。作詞は高野辰之、作曲は岡野貞一 。1942年には林柳波により歌詞が口語体へ一部改められた。歌詞は七七調、楽曲は二部形式で構成されている。なお、『尋常小學唱歌 第四學年用』には作詞者、作曲者の表記が無く、「著作權者 文部省」との表記のみであった。
※著作権消滅済
● 歌詞の変更
この曲の歌詞は2回改変された。このために世代によって覚えている歌詞が異なる問題が生じた。文学者の金田一春彦は「明仁天皇と皇后美智子と同席した折に、天皇は1912年版、皇后は1942年版で覚えていた」とのエピソードを記している。
◎ 1942年版の歌詞
1942年、それまで4年生に教えられていた本曲が3年生向けの『初等科音樂 一』に掲載されることになった際、文語体は難しく好ましくないとして、文部省が林柳波に命じて、一部歌詞が口語体に改められた。具体的には「さらさら流る。」→「さらさら行くよ。」、「咲けよ咲けよと さゝやく如く」→「咲いてゐるねと、ささやきながら。」など。また1912年版にあった3番が除去された。なお、『初等科音樂 一』には作詞者、作曲者、改詞者の表記は無く、「著&xE0101;作權所&xE0101;有 著&xE0101;作兼&xE0101;發行&xfa5b; 文&xE0101;部省」との表記のみであった。
◎ 1947年版の歌詞
1947年、『三年生の音楽』では再び歌詞が改められた。具体的には、1942年に変更された「咲いてゐるねと、」が、1912年版と同様の「さけよさけよと、」に戻された。なお、『三年生の音楽』には楽譜に「作詞 作曲 不詳」との表記、奥書は「著&xE0101;作權所&xE0101;有 著&xE0101;作兼&xE0101;發行&xfa5b; 文&xE0101;部省」との表記であった。
◎ 現在小学校で教えられている歌詞
1947年版の歌詞を教えるところもあり、また、新仮名遣いに改められた1942年版の歌詞を教えるところもあり、地域、教科書、学校によってまちまちである。また、合唱用としてオリジナルの歌詞を教える場合もある。
● 歌詞の由来
作詞をしたとされる高野の自筆原稿は発見されておらず、歌のモデルの川については決定的な資料もない。
作詞当時、高野は東京府豊多摩郡代々幡村の一角(現在の東京都渋谷区代々木3丁目)に居を構えていた。当時の一帯は一面の田園地帯であり、宇田川の支流のひとつである河骨川と呼ばれる小川(河骨が多かったのが名の由来と言われる)が、田圃を潤し、周辺にはスミレやレンゲが生え、メダカが生息していた。高野は家族ともどもこの川に親しみ、それを歌ったのが本作であるという説がある。高野の娘は、1975年放送のNHK番組で「小さい頃、父と代々木近辺をよく散歩した。田園が広がるなか、小川には小魚が泳ぎ、春には花が咲いていた。『春の小川』はこのあたりを歌ったものと聞いている。」との趣旨を語っている。
河骨川は1964年(昭和39年)に東京オリンピック開催による区画整理で暗渠化されたが。
なお、一番の歌詞に歌われている「れんげ」は、水生植物であるハスの花の「蓮華」ではなく、野草の「レンゲソウ」を指している。
● 評価
1989年(平成元年)に「『日本のうた・ふるさとのうた』全国実行委員会」がNHKを通じて全国アンケートにより実施した「あなたが選ぶ日本のうた・ふるさとのうた」で、本曲が第9位を獲得した。2007年には文化庁と日本PTA全国協議会により「親子で歌いつごう 日本の歌百選」に選ばれた。
● 替え歌での使用例
2008年(平成20年)にMEGが出演するモスバーガー「テリヤキバーガー」のCMソングとして、この歌の替え歌が使用された。
2018年(平成30年)に小池栄子が出演するユニチャーム「チャームナップ」のCMソングとして、この歌の替え歌が使用された。
フジテレビの子供向け番組『じゃじゃじゃじゃ〜ン』で、町あかりが「歌のお姉さん」として替え歌「大好物だよ 春の小川」を歌い、2019年発売のアルバム『あかりおねえさんのニコニコへんなうた』に収録された。
「春の小川」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年9月15日20時(日本時間)現在での最新版を取得
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