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美ヶ原(うつくしがはら)は、八ヶ岳中信高原国定公園北西部にある長野県松本市、上田市、小県郡長和町にまたがる高原。日本百名山の一つ。
● 概要
フォッサマグナ西縁近くに噴出した第四紀の火山である。
かつては楯状火山とその溶岩台地と考えられてきたが、現在は安山岩質の組成を持つ火山の浸食地形と解釈されるようになった。最高峰は、王ヶ頭(2,034m)。他に、王ヶ鼻(2,008m)、茶臼山(2,006m)、牛伏山(1,990m)、鹿伏山(1,977m)、武石峰(1,973m)といったピークがある。山頂付近は平坦な台地状の地形で、美ヶ原牧場と呼ばれる牛の放牧地となっている。美ヶ原牧場には5月から10月まで約300頭の牛が放牧されている。茶臼山頂上は草原で展望良く、とくに車山、蓼科山方面が近くに見える。
長野県のほぼ中央に位置し、県内の広範囲を見渡すことができる。このことから各種、放送・通信の要衝となっている。
なお、松本市側の山頂(松本市入山辺字美ヶ原山頂)は日本郵便から交通困難地の指定を受けているため、地外から当地宛に郵便物を送付することはできない。
● 開発史
「美ヶ原」という呼称について、文献上の初見は『信府統記』であるとされる。定着したのは、1921年(大正10年)に木暮理太郎が、日本山岳会の会報『山岳』に登山の記録を載せてからである。
山頂付近は、平安時代より放牧地として利用されてきた。江戸時代には、御嶽山が展望できることから、御嶽教の山岳信仰の山ともなった。王が鼻に並ぶ神像群はいずれも御嶽山の方角を向いており、御嶽教の信仰の対象である。
・ 1909年(明治42年) - 美ヶ原牧場が開かれ、本格的な牧場として利用が始まった。
・ 1930年(昭和5年) - 頂上に山本小屋が開業し、多くの登山者が訪れるようになった。
・ 1954年(昭和29年) - 美ヶ原のシンボルとなっている「美しの塔」が、遭難防止のための道標および避難所として建設された。
・ 1957年(昭和32年) - 山頂までの林道が開通し、頂上付近までバスが運行されNHKとSBCのアンテナが王ヶ頭に建設された。
・ 1981年(昭和56年) - ビーナスラインが開通し美ヶ原高原美術館が開館して、自家用車で手軽に行ける観光地となった。
● 観光
・ 高原散策(美ヶ原自然保護センター - 王ヶ頭 - 塩くれ場 - 美ヶ原高原美術館)
・ 散策路は、高原上の牧場の中を通る未舗装の車道であるが、一般車の通行は規制されている。徒歩2時間程度のコースである。初夏のレンゲツツジ、晩夏のマツムシソウを代表として、様々な種類の花が6月から9月頃には沿道に咲きみだれる。
・ 美しの塔
・ 美ヶ原高原にある塔。1954年(昭和29年)に霧鐘塔(霧で視界が悪い時に登山者のために鳴らす鐘の塔)として建てられた。現在の塔は1984年(昭和59年)に再建されたもので、高原のシンボルとなっている。美ヶ原産の鉄平石でできた高さ6メートルの塔で中は避難場所となっている。塔には尾崎喜八の詩集『高原詩抄』に掲載された詩「美ヶ原溶岩台地」が刻まれている。毎年4月25日に塔の前で開山祭が行われる。
・ 美ヶ原高原美術館
・ 美ヶ原温泉は、美ヶ原山麓の平地(松本市里山辺)にある温泉。
● 登山
◎ 主な山
○ 王ヶ頭
美ヶ原の最高峰で標高2,034m。送信所の標高が高い事から周辺地域の関東地方や東海地方、新潟県などスピルオーバーによって受信可能な地域もあり広範囲に電波が届いている。
当初は信越放送が日本のテレビ局としてはNHK大阪放送局の本局が生駒山に、北海道放送(HBC)の札幌本局が手稲山に設置したのに続いて山頂設置(マウンテン・トップ方式)により開局。これに他局も追従することで全社局の送信所がここに揃った。
◎ 地上デジタルテレビジョン放送送信設備
1
NHK
長野総合 JONK-DTV 17ch 1kW 7.8kW 長野県 40万0434世帯 2006年
4月1日
2
NHK
長野教育 JONB-DTV 13ch 全国
4
TSB
テレビ信州 JONI-DTV 14ch 10kW 長野県 2006年
10月1日
1kW 2.4kw。
● 隣接する山
・ 霧ヶ峰
「美ヶ原」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年12月12日1時(日本時間)現在での最新版を取得
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