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大雪山(たいせつざん、だいせつざん)は、北海道中央部にある旭岳などの山々からなる巨大な山塊の名称。また、西麓の勇駒別温泉(現旭岳温泉郷)から旭岳、北鎮岳、永山岳などを経て愛山渓温泉へ、翌日に愛山渓温泉から御鉢平を周遊し黒岳から層雲峡温泉に至る山行紀が深田久弥による日本百名山に掲載されている。
● 概説
北海道中央に位置する標高2,000 m級の峰々を中心に構成される。一つの山ではないことを明確にするため、「大雪山系」という呼称もしばしば使われる。
最高峰の旭岳を中心とする大雪火山群と南方に広がる台地のエリアは「表大雪」と呼ばれている 。「大雪山」は本来この「表大雪」と呼ばれている御鉢平カルデラを中心としたエリアを指す呼称であり、「大雪山系」がそのように使われることもある。先住民アイヌは「ヌタップカウシペ、ヌタプカウシュペ nutap-ka-us-pe」(川がめぐる上の山)もしくは十勝岳連峰と合わせて「オプタテシケ op-ta-tes-ke」と呼んでいた。
大雪山は旭岳を中心とする山々(表大雪)のほか、周囲にニセイカウシュッペ山等の北大雪、ニペソツ山等の東大雪、十勝岳連峰の山群があり巨大な山系を形成している、大島亮吉『石狩岳より石狩川に沿うて』といった紀行文に登場してさらに知名度を高めた。1924年(大正13年)には実業家の荒井初一が「大雪山調査会」を設立し、自然の調査や保護、観光開発に取り組んだ。また、例年9月中旬には初雪を観測する。1万年前から西部で繰り返し噴火が起こり、成層火山の旭岳ができた。旭岳は約5,600年前に山体の一部が崩壊する噴火が起こって、現在見られる山容となった。旭岳は現在も盛んな噴気活動を行っている(写真参照)。最新の水蒸気噴火は約250年前以降である。この書では、「たいせつざん」と振り仮名があった。命名者は小説家の松原二十三階堂(岩五郎)とされる。1912年(明治45年)発行の『帝國地名辭典』には、同じ読みで掲載されている。
国土地理院では「たいせつざん」の呼び名を採用しており、5万分の1地形図の名称は「大雪山(たいせつざん)」となっている。旭川市から網走市へと至る国道39号の通称は大雪国道(たいせつこくどう)であり、同市内にある公共施設の名称は旭川大雪アリーナ(あさひかわたいせつアリーナ)や旭川市大雪クリスタルホール(あさひかわしたいせつクリスタルホール)である。また、上川町の層雲峡温泉には「ホテル大雪(たいせつ)」という名称の大型温泉ホテルがある。札幌駅・旭川駅 - 網走駅間を結ぶ国鉄(JR北海道)の急行列車・特急列車の愛称も「大雪(たいせつ)」となっている。
一方で、1934年(昭和9年)に指定された大雪山国立公園の読みは「だいせつざんこくりつこうえん」とされている。大雪山固有の動植物の和名も「ダイセツ」を付けるものがほとんどであり、主なものにダイセツトリカブト、ダイセツタカネヒカゲ、ダイセツオサムシ、ダイセツタカネフキバッタなどの例があげられる。東亜国内航空では、所有するYS-11の機体ごとに日本各地の地名がニックネームとして使用しており、うち JA8759 が「だいせつ」の名を冠していた。現地の案内板のローマ字表記も「Daisetsu」と「Taisetsu」が入り交じっている。
「大雪山」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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