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般若寺(はんにゃじ)は、奈良県奈良市般若寺町にある真言律宗の寺院。山号は法性山。本尊は文殊菩薩。コスモス寺の名で知られる。
● 歴史
当寺は東大寺大仏殿や正倉院の北方、奈良坂と呼ばれる登り坂を登りきった地点に位置する。般若寺楼門前を南北に通る道は「京街道」(京都側からは「奈良街道」あるいは「大和街道」)と呼ばれ、大和国(奈良県)と山城国(京都府)を結ぶ古代以来の重要な道であった。この道はまた平城京の東端を南北に通っていた東七坊大路(東大寺と興福寺の境をなす)の延長でもある。
◎ 創建以降
当寺の創建事情や時期については正史に記載がなく、創立者についても諸説あり正確なところは不明である。ただし、当寺の境内からは奈良時代の古瓦が出土しており、奈良時代からこの地に寺院が存在していたことは確かである。
寺伝では、舒明天皇元年(629年)に高句麗の僧・慧灌による創建とされる。天平7年(735年)に聖武天皇が平城京の鬼門を守るために伽藍を建立し、十三重石塔も建てて天皇自筆の大般若経が安置されたとする。また、これが当寺の寺名の由来でもあるというが、これらを裏付ける史料はない。
別の伝承では白雉5年(654年)に蘇我日向が孝徳天皇の病気平癒のため創建したともいう(『上宮聖徳法王帝説』裏書)。
鎌倉時代の文永4年(1267年)、当時の本尊・文殊菩薩像を開眼供養した際の願文(がんもん)では、「般若寺は聖武天皇が創建し、平安時代に僧観賢によって再興された」とする説を採用している。しかし、観賢(854年 - 925年)が関与した「般若寺」は山城国(現・京都市右京区鳴滝般若寺町)にあった寺であり、上記の説は同名別寺院を混同したものである。この、観賢再興説が誤りであるという点は、すでに江戸時代・享保20年(1735年)刊の『奈良坊目拙解』(村井古道著)で指摘されている。
信頼できる史料における「般若寺」の初出は、天平14年(742年)10月3日付の「金光明寺写経所牒」(正倉院文書)であるとされている。ただし、これについても、今の奈良県香芝市にあった片岡寺(別名般若寺)を指すとみる説もある(なお、同市の般若院を片岡寺の尼寺を引き継いだ寺とする説もある。また、蘇我日向が建てた般若寺を片岡寺に充てる東野治之の説もある)。この事例を外した場合には、『日本三代実録』貞観5年(863年)9月26日条に登場する「添上郡般若寺」が初出ということになる。
その後平安時代末頃までの歴史はあまり明らかでないが、学問寺として千人の学僧を集めて栄えたという。
明治時代初期の廃仏毀釈でも甚大な被害を受けた。
・ 笠塔婆 2本(重要文化財) - 伊行末の子・伊行吉により、伊行末を供養するために弘長元年(1261年)に当寺境内の南方に建立された。楼門としては日本最古の作例である。
● 文化財
◎ 国宝
・ 楼門
◎ 重要文化財
・ 十三重石塔(附:旧石造相輪、旧銅製相輪)
・ 経蔵
・ 銅造薬師如来立像 - 奈良時代末から平安時代初期の作。奈良国立博物館に寄託。
・ 木造文殊菩薩騎獅像 - 本尊で本堂安置。元亨4年(1324年)、絵仏師・文観房弘真が発願・監修し、実制作は興福寺大仏師の康俊と小仏師の康成の作。もとは経蔵に安置されていた。般若寺の鎌倉再興期に叡尊が造立した文殊菩薩像が延徳2年(1490年)の火災で焼失したため、代わりに本尊とされたものである。
・ 木造寺門扁額 - 嵯峨天皇の宸筆とされる。奈良国立博物館に寄託。
・ 厨子入舎利塔 - 奈良国立博物館に寄託。
・ 紙本墨書叡尊願文 - 東京国立博物館に寄託。
・ 笠塔婆 2基 - 十三重石塔を建てた伊行末の息子・伊行吉によって建立された石塔婆。現在、本堂手前右側にあるが、当初は寺外の墓地の入口にあった。「考古資料」として重要文化財に指定されている。
・ 石造十三重塔内納置品 一括 - 1964年(昭和39年)から翌年にかけての十三重石塔解体修理の際に塔内から取り出されたもの。奈良時代の銅造如来立像をはじめ、小仏像、舎利塔、宋版法華経などがある(明細は後出)。
◎ 奈良県指定有形文化財
・ 本堂
◎ その他の文化財
・ 木造四天王立像 - 本堂安置、室町時代。
・ 木造不動明王坐像 - 本堂安置、江戸時代。
・ 石灯籠 - 本堂前に立つ。鎌倉時代後期の作。
・ 唐櫃 - 鎌倉時代の大般若経の経箱で、南朝の大塔宮護良親王が笠置より吉野へ逃れる際に、身を潜め難を免れたと伝わる。
石造十三重塔内納置品の明細
◇ 大和般若寺石造十三重塔内納置品
・ 金銅舎利塔 1基
・ 金銅五輪塔 1基
・水晶五輪塔 4基
(以上第一重)
・ 宋版細字法華経(一部七巻)外箱共 1帖 外箱建長五年卯月八日納入記等墨書
・ 宋版細字法華経(一部七巻)外箱共 1帖 外箱願文等墨書
・ 宋版細字法華経(一部七巻) 1帖
(以上第四重)
・ 銅造如来立像 1躯
・ 木造大日如来坐像 1躯
・ 銅造十一面観音立像 1躯
・ 木造地蔵菩薩立像 1躯
・ 赤地蓮池水禽文錦打敷 1枚
(以上第五重)
・ 法華経開結共 10巻
・ 梵網経 2巻
(以上第八重)
(附指定)
・ 仏像 21躯
・ 経巻類 6巻1幅
・ 舎利容器 2合
・ 納入文書目録等 3通
・ 外箱 4合
・ 摺仏 1幀、2幅、6冊
● 花ごよみ
・ ヤマブキ(4月)
・ アジサイ(6月 - 7月)
・ コスモス(6月 - 11月)
● 前後の札所
◇ 関西花の寺二十五霊場
: 16 浄瑠璃寺 - 17 般若寺 - 18 白毫寺
◇ 西国薬師四十九霊場
: 2 霊山寺 - 3 般若寺 - 4 興福寺東金堂
◇ 大和北部八十八ヶ所霊場
: 14 空海寺 - 15 般若寺 - 16 高林寺
● 所在地
・ 奈良県奈良市般若寺町221
● アクセス
・ JR関西本線(大和路線)・奈良線・桜井線 奈良駅、近鉄奈良線 近鉄奈良駅から奈良交通バス・般若寺下車徒歩5分。
「般若寺」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2025年6月1日12時(日本時間)現在での最新版を取得


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