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ハマナス(浜茄子・浜梨、学名:)は、バラ科バラ属の落葉低木。別名ハマナシ。海岸の砂地に生えて、群落を作ることもある。夏に赤い花(まれに白花)を咲かせる。根は染料などに、花はお茶などに、果実はビタミンCが豊富で、ローズヒップとして食用になる。晩夏の季語。
● 名称
別名、ハマナシとも呼ばれている。和名ハマナスの語源は、浜(海岸の砂地)に生え、熟した果実が甘酸っぱいので、−ナシに例えて「ハマナシ(浜梨)」という名が付けられ、それが転訛したとする説を武田久吉が唱えた。後に牧野富太郎が唱えた同様の説が通説になっている。
しかし、江戸時代の俳諧歳時記『滑稽雑談(こっけいぞうだん)』(1713年)には「初生の茄子の如し、また食に耐えたり、故にハマナスと云ふ」とあり、また幕末本草学者である小野蘭山の講義録『大和本草批正(やまとほんぞうひぜい)』には、「実は巾七、八分小茄子の如し、故にハマナスと云ふ」とあり、いずれも果実を初生もしくは小型のナスに見立ててハマナスと名付けたとしている。しかし、漢字で「茄子」の字が使われているが、ハマナスはナスとはどこも似ていないという指摘もなされている。
中国植物名(漢名)は、玫瑰(まいかい)。アイヌ語では果実をマウ(maw)、木の部分をマウニ(mawni)と呼ぶ。
学名はロサ・ルゴザ(Rosa rugosa)で、ルゴザとは皺々という意味である。葉が他のバラよりも葉脈が目立って皺々のように見える。また茎の棘も多めであるが、ロサ・スピノシシマ(Rosa spinosissima〈棘のとても多いバラの意味〉、シノニム:ロサ・ピンピネリフォリア〈Rosa pimpinellifolia〉)ほどではない。
● 分布・生育地
東アジアから東北アジアの温帯から冷帯にかけて分布する。石狩海岸、オホーツクの原生花園、野付半島に大群落が見られる。主に海岸の砂地に自生する。本州の日本海岸よりも太平洋岸の分布域が狭いのは、主に砂浜・砂丘植物であるから、太平洋側に生える場所が少ないことがその理由とされる。
公園や庭、街路にも植えられ、観賞用に栽培もされている。現在では浜に自生する野生のものは少なくなり、園芸用に品種改良されたものが育てられている。
● 特徴
1 - 1.5メートル (m) に成長する落葉低木。地下茎や匍匐枝を延ばして繁殖し群生する。海岸ではやや匍匐性で高さは1 mほどの低灌木であるが、内陸では高さ2 mになる。
幹は叢生して茎は枝分かれして立ち上がり、樹皮は灰黒色から次第に灰色になり、全体に短い軟毛が多く、まっすぐな大小の鋭い刺が密生する。葉は長さ9 - 12センチメートル (cm) の奇数羽状複葉で互生し、小葉は楕円形あるいは長楕円形などで長さ2 - 4 cm、通常3対、5枚から9枚つき、葉柄には半ば合着した大きな托葉がある。
また、ビタミンCの豊富さから、美容面での効果も期待される。
◎ ハマナス油
ハマナスの花を石油エーテルで抽出し、アルコール処理して得られる精油はフェネチルアルコール、ゲラニオール、シトロネロール、リナロール、ベンジルアルコール、シトラールなどを含み、芳香を持つ。ハマナス油はダマスクローズオイルの代用品として化粧品などに用いられるが、ハマナス自体から感じる芳香は、葉から生じるセスキテルペンアルコールも寄与する。
● 名所
日本においては、ハマナスは北海道襟裳岬や東北地方の海岸部、天橋立などが名所として知られる。
茨城県鹿嶋市大字大小志崎および、鳥取県鳥取市白兎、西伯郡大山町には「ハマナス自生南限地帯」があり、鹿嶋市と鳥取県の自生地は、1922年(大正11年)3月8日に当時の内務省によって国の天然記念物に指定されている。
ハマナスは6月5日の誕生花とされ、花言葉は「旅の楽しさ」、「幸せの誓い」だと言われている。
「ハマナス」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年10月13日9時(日本時間)現在での最新版を取得
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