ランキング14位
獲得票なし
ランキング7位
獲得票なし
セイヨウタンポポ(西洋蒲公英、学名)は、キク科タンポポ属の多年草である。ヨーロッパ原産の帰化植物。環境省指定要注意外来生物。日本の侵略的外来種ワースト100に選定されている。日本の在来種とは外側の総苞の反る点が異なる。英語名からダンデライオン(英: Dandelion)ともよばれ、ショクヨウタンポポ(食用蒲公英)。総苞は高さ2 cmで、外側の総苞片は色が薄く、蕾のときから下方に反り返る。内側の総苞片は濃緑色で直立する。共通して総苞片の先端には角状突起がない。花は天気が良いときに開く。花は舌状花だけからなり、日本在来種のタンポポよりも多く、重ねが厚い。
タンポポの特徴である綿毛(冠毛)は開花時からすでにあり、花が咲き終わってから花が閉じ、花茎がいったん倒れたときに長く成長する。綿毛の根元には刺状の突起が付いた褐色の果実がつく。果実(痩果)は長さ2.5 - 4ミリメートル (mm) で灰褐色から茶褐色をしている。果実についている突起は、果実が綿毛と一緒に風に乗って飛ばされて、地面に着地したときのブレーキの役目をするという説がある。
● 生態
多年草。葉や茎を切ると白いゴム質の乳液が分泌され、これによって虫に食べられるのを防いでいる。アレロパシー作用をもつといわれている。
根茎による繁殖力が強く、どの部分の切片からも出芽する。日本では、在来種(日本タンポポ)と違って、ほぼ一年中見ることができ、暖地では真冬でも花や綿毛も見ることが出来る。セイヨウタンポポには有性生殖を行う2倍体と無融合生殖を行う3倍体がある。また、また、2倍体・3倍体の他に4倍体と6倍体も確認されている。日本に定着したセイヨウタンポポは3倍体で、単為生殖で種子をつける。つまり、花粉に関係なく、種子が単独で熟してしまう。そのため繁殖力が強く、都市部を中心として日本各地に爆発的に分布を広げた理由の一つとされる。現在ではほぼ日本全国に広がっているが、古くからの田園風景の残る地域では在来種のタンポポが勢力を持っている。そのため、都市化の指標生物になるといわれている。
● 分類
ヨーロッパのタンポポの分類には諸説あり、タンポポ属だけでも種数は400種とも2000種ともいわれている。このような雑種では、総苞は中途半端に反り返るともいわれ、その区別は簡単ではない。雑種は反曲した総苞片の先端にこぶ状の突起があり、また総苞片の縁の毛も多い傾向があるといわれている。牧野富太郎は、1904年に「札幌ニ在テハ欧品大イニ路傍ニ繁殖セリト聞ケリ。…ツイニハ我邦全土ニ普ネキニ至ラン」と記し、後にセイヨウタンポポと命名した。牧野の予言は的中し、日本全土に広く雑草化した。
当初は外来タンポポが日本の在来タンポポを駆逐していると考えられていたが、多くの場合、外来タンポポと在来タンポポは住み分けていることがわかった。
● 人間との関わり
花・茎・葉・根が利用され、食用、飲料用、ヘルスケア用、染色用、観賞用にされる。根にはコーヒーに似た香りと風味がある。欧米では「自然の薬局」といわれるほど、有用なハーブの一つとされている。英名のダンデライオンは、「ライオンの歯」の意味で、鋭いギザギザのある葉がその由来である。
◎ 食用
古くからヨーロッパや中東では食用に供されており、多少の苦味があるが若葉はサラダやハーブティーなどにする。葉は花が咲くと苦みが強くなる。さっと塩ゆでして、苦味がほどよく抜ける程度に水にさらし、おひたしや和え物にする。フランスで改良された生食用セイヨウタンポポもある。
また、根を乾燥させて炒ったものがコーヒーの代用品(たんぽぽコーヒー)として知られており、ノンカフェイン飲料として煎じて飲まれることにより、食欲増進や肝機能向上に効果があるとされる。花はキクに似た香りがあり、酢を加えた湯でさっと茹でて水にさらして食べる。アメリカ合衆国の一部では、花弁を自家製醸造酒(タンポポワイン)の原料として用いる。
◎ 薬用
薬草としては、ビタミン、鉄分、カリウムを含み、健胃、強壮、利尿、貧血、黄疸、神経症、血液の浄化に効果があるとされる。また、整腸作用や便秘改善、母乳の出をよくする搾乳作用があるといわれる。これらは、苦味成分のタラキサシンや食物繊維のイヌリンの効能と考えられている。インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、リウマチや肝臓・胆嚢の不調などの体質改善に効果があるといわれている。乳液は虫よけや民間療法の疣取りに用いられる。ただし、胆道閉塞、腸閉塞、重篤な胆嚢炎に対して使用禁忌とされている。
花からは黄色や緑色の染料がとれる。
◎ メンデルの実験
遺伝の法則の発見で有名なグレゴール・ヨハン・メンデルはエンドウ豆を材料に遺伝法則を発見したが、彼がその次に選んだ材料はセイヨウタンポポだったという。ところがセイヨウタンポポでは、両親の形質に関係なく種子を作る側の形質が発現するため、大いに悩んだと言われる。セイヨウタンポポには、単独株で種子を作り単為生殖により発現する種と、受粉の交配により両親の形質が発現する種があり、現在でも十分に解明されていない。
「セイヨウタンポポ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年10月14日21時(日本時間)現在での最新版を取得
好き嫌い決勝
好き嫌い準決勝
好き嫌い準々決勝
好き嫌い7位決定戦
好き嫌いTOP10圏内確定戦
花の無作為ピックアップ
Powered by