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コブシ(辛夷、学名:)は、モクレン科モクレン属に属する落葉高木の1種である。早春に、葉が展開する前に他の木々に先駆けて白い大きな花をつける。花は3枚の萼片、6枚の花弁、らせん状についた多数の雄しべ・雌しべをもつ。多数の果実が癒合してごつごつとした集合果を形成する。北海道、本州、九州、済州島に分布するが、観賞用として広く植栽されている。ヤマアララギ、コブシハジカミ、タウチザクラなどの別名がある。
● 名称
和名である「コブシ」の由来については、諸説ある。また同様に桜に先駆けて咲くことと、花付きのよい年には豊作になるとされることから、「マンサク」(「先ず咲く」、「満作」の意)との名もある(標準和名でマンサクとよばれる植物は別の植物である)。しかし、前者についても同音で「尻・風・通る・木」とも解釈できることから、当初はどちらも同じ意味で、前者についてだんだんと意味が変化していったのではないか、と考えられている(下図1a, b)。生長は比較的速く、枝も均整に出て整った円錐形から卵形の樹形になるが、混生するものは枝ぶりが乱れる。根系の広がりは半径 1 m 程度で根の支持力は弱い(下図1c)。若い樹皮は光の当たり具合で白っぽく見える。一年枝は紫緑色、無毛、枝を一周する白っぽい托葉痕が目立つ。葉芽は長さ 1 - 1.5 cm、灰色の伏毛に覆われる。このような多様性と地理的分布との相関はあまりない。コブシは早春に目立つ花をつけるため、匂いの種類の重要性が低く、このような匂いの多様性が生じたと考えられている。
自然分布していない地域を含め、北海道から九州まで庭や公園に広く植栽され、また街路樹とされる。ヨーロッパや北米など海外でも観賞用に植栽されている。民間では、1日量2 - 10グラムの辛夷を300 - 400ミリリットルの水で半量になるまで煎じ、1日3回に分けて服用する用法が知られている。蓄膿症や花粉症の鼻づまりに、よく効くともされる。また、乾燥した辛夷を粉末にし、1回0.1 - 0.2グラムを白湯で服用してもよいともいわれている。身体を温める薬草のため、多量に飲むとめまいや充血を起こすこともある。コブシの辛夷は、アルカロイドのコクラウリン、モノテルペンのリモネンやシネオール、フェニルプロパノイドのエストラゴールなどを含む。タムシバの辛夷と異なり、サフロールやメチルオイゲノールなどの芳香族化合物を含まない。
コブシ(辛夷)は仲春の季語である。春の訪れを象徴する花として、千昌夫のヒット曲「北国の春」にも唄われている。
● 分類
◎ 学名
コブシの学名としては、一般的に が用いられる。
モクレン属を複数の属に細分する場合は、コブシは Yulania に分類されることがある(Yulania kobus )(右図4a)。葉の形態に注目すると、コブシの分布域の中で北緯36度付近に境界があることが示されている。
核、葉緑体DNAの解析からは、コブシモドキはごく最近になってコブシから生じた3倍体であることが示され、植栽個体からの逸出に由来する可能性が高いとされている。また園芸においても、コブシとシデコブシの交雑に由来するさまざまな園芸品種(’Leonard Messel‘、’Ballerina‘、’Spring Snow‘、’Merrill’ などの園芸品種)が作出されている(右図4d)。
タムシバは葉が細長く葉裏が白色を帯びる点、葉芽の鱗片が無毛である点、花の基部に葉がつかない点、萼片が比較的大きく(花弁長の1/3から1/2)無毛である点などでコブシとは異なる。また生態的にもより乾燥した斜面や尾根に生育する。コブシと生育環境は異なるが分布域は重なっており、ときに自然種間交雑が起こる。コブシとタムシバの雑種はシバコブシとよばれ、これに由来する園芸品種もある(’Wada’s Memory’)(右図4e)。
「コブシ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年10月14日21時(日本時間)現在での最新版を取得
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