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クズ(葛󠄀、学名: subsp.)は、マメ科クズ属のつる性の多年草である。山野に生え、半低木となる。日本では、根を用いて食材の葛󠄀粉や漢方薬が作られ、花は万葉の昔から秋の七草の一つに数えられている、カイコズル、カズ、カンコカズラ、カンネ、クズカズラ、クゾフジ、ゴゾバ、タズネカズラ、マクズなどの別名でもよばれている。
中国植物名(漢名)は葛󠄀(かつ)といい、中華人民共和国等の中華圏では、鶏斉根(、、雞は鷄の異体字)とも呼ばれる。
● 分布
温帯および暖帯に分布し、北海道から九州までの日本各地のほか、中国からフィリピン、インドネシア、ニューギニアに分布している。さらに緑化・土壌流失防止用として政府によって推奨され、20世紀前半は持てはやされた。しかし、繁茂力の高さや拡散の速さから、有害植物ならびに侵略的外来種として指定され、駆除が続けられている。現在ではクズの成育する面積は3万km2と推定されている(アメリカ合衆国におけるクズ も参照)。
● 形態
大型のつる性多年生草本。基部は木質化し、暗褐色で皮目が多く、半低木になる。至るところに旺盛につるを伸ばして茂る。地面を這うつるは、他のものに巻きつくか地面を這って10メートル (m) 以上に伸び、若いときは全体に褐色の細かい毛が生えている。
地上部のつるを刈り取っても地下に根茎が残り、すぐにつるが再生する。
本来の生態は林や垣根の周囲や斜面を覆うように生育している「マント群落」と呼ばれるつる草や低木の代表種で、森林(特に社寺・屋敷林のような小面積のもの)の周辺・露出した裸地・斜面などを覆い、風や直射日光を防ぎ、土砂の崩壊を抑える役目を果たしており、特に森林内を自動車道路が貫通するような場合などは、クズなどを含むマント群落植物が道路周辺にあった方が森林を保護する効果がある(むき出しの場合風や光が入って木が枯れ、森林が後退しやすい。)が、逆に森が切り開かれて林内の陰性の下生え植物が減ると、こうしたマント群落の植物が森林内部に侵入して林内が荒れた状態になる。
様々な昆虫のつく植物でもある。たとえば、黒と白のはっきりした模様のオジロアシナガゾウムシ、マルカメムシはよくクズで見かける。また、クズの葉に細かい虫食いがある場合、それはクズノチビタマムシによる食痕であることが多い。東南アジア原産の外来昆虫であるフェモラータオオモモブトハムシの幼虫はクズの蔓を肥大させて虫こぶ(ゴール)としその中を食べる。
● 近縁種
沖縄には同属のタイワンクズ がある。全体にクズに似るが、葉の形や花の姿などに若干の差がある。なお、沖縄ではほぼ同様な姿でのタカナタマメ も路傍によく出現する。
● 人間との関わり
日本では古くから食用や薬用に用いられ、天然繊維の材料としても用いられている。長くて大きな根からは、葛粉がとれる。
◎ 食用
古来から大きく肥大した塊根に含まれるデンプンをとり、「葛粉」として利用されてきた。種子、葉、花、クズ澱粉、蔓は「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に分類される。
◇ 葛根
: 根を乾燥させたものを生薬名葛根(かっこん)と呼ぶ。日本薬局方に収録されている生薬で、数年かけて肥大した根が用いられる。古い株の根を掘り上げて、根皮を除き、生のうちに約5ミリメートルの不正六面体に細切りしたもの、もしくは長さ20 - 30センチメートル、幅5 - 10センチメートル、厚さ約1センチメートルの板状に細切りしたものを天日乾燥して調製する。発汗作用・解熱作用・鎮痛作用があるとされ、漢方方剤の葛根湯、参蘇飲、独活葛根湯などの原料になり。
◇ 葛花
: 花を乾燥させたものを生薬名葛花(かっか)と呼ぶ。夏の開花初期の頃、房になった花を花穂ごと採取し、風通しのよい場所で速やかに乾燥。有効成分は、イソフラボン。民間では二日酔いによいとされ、葛花1 - 3グラムを茶碗に入れて湯を注いで、冷たくしてから飲む。花は焼酎に漬け込んで、花酒にする。
◇ 葛葉
: 葉は随時生のものを活用する。民間療法で、山歩きなどで怪我をしたときの傷の止血に用いられ、葉を手で揉んで汁をつける用法が知られる。
◎ 飼料
かつては飼料としても重宝されたが、こうした用途は減った。
なお、葛は秋の七草のひとつに数えられるとともに、秋の季語として多くの俳句に詠われている。
「クズ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年10月14日21時(日本時間)現在での最新版を取得
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