ランキング14位
獲得票なし
ランキング7位
獲得票なし
キリ(桐、学名:)は、シソ目のキリ科キリ属の落葉広葉樹。別名、キリノキともよばれる。中国名は毛泡桐で。アメリカの国立公園では外来種として駆除の対象。
● 名称
和名キリの語源は、一説には木材となる木の栽培技術である「台切り」を行って育てられるから、キリの名が生まれたといわれる。台切りとは、材を取るための栽培技法のひとつで、キリの苗木を植えてから肥料を十分に与えて幹を太らせたら一度根元で切って、切り株から再び勢いのある芽を出させて、その部分を木材用の幹として無節で育てることである。江戸時代に貝原益軒が編纂した本草書『大和本草』には「此の木、切れば早く長ずる故にキリという」と書かれている。
英語の「princess tree」は、属名の Paulownia の語源であるアンナ・パヴロヴナがロシア大公女であったことに基づく。
◎ 似た植物
キリの名前は、他の大きく横広の葉を持つ樹木にもつけられているが、実際にはこれらは遠縁の別種である。同じキリ科の近縁種は9種ほどしか知られておらず日本には分布もしていない。
古くから知られるアオギリ(アオイ科)もまったく異なる種である。中国で古くから両方に「桐」の字を用いているために混乱が生じている。『斉民要術』ではアオギリを「青桐」、キリを「白桐」と呼び分けている。現在の中国ではアオギリを「梧桐」、キリを「泡桐」と呼ぶ。
この他イイギリ(ヤナギ科)、アブラギリ(トウダイグサ科アブラギリ属)、ナンヨウアブラギリ(同ナンヨウアブラギリ属)などもまったく別種である。
● 分布
中国の揚子江流域、韓国の鬱陵島、日本では大分・宮崎県境の山岳地帯に自生地があるが原産地は不明である、関東北部、新潟県などにおいて植栽されの南部桐などが有名である。
本州中部以南ではテング巣病の影響を受けやすい。
● 形態・生態
落葉広葉樹。高木で、成長すると高さ10 - 15 m(メートル) 、幹の直径は50 cm(センチメートル)になる。丸く横広がりの樹形になり、樹皮は灰白色。
果期は7月 - 翌年1月。果実は割れて種子が撒布され、枯れ残った果序も、冬までよく枝に残るが高く生長が早いため、随所に野生化した個体が見られる。アメリカ合衆国では観賞用に輸入したものが野生化し、伐採しても根株を残すと旺盛に繁殖する外来種として駆除に手を焼いて農薬を用いる。
冬芽はいぼ状でごく小さく芽鱗4 - 6枚に包まれており、枝先に頂芽、枝には側芽が対生するや紋章の意匠に取り入れられてきた。
キリの花言葉は、「高尚」とされる。
◎ 木材
キリは日本国内でとれる木材としては最も軽い(比重0.27-0.30)、湿気を通さず、割れや狂いが少ないという特徴があるように、娘が生まれるとキリを植え、結婚する際にはそれを伐採して作った箪笥に着物を詰めて嫁入り道具に持たせるということがよく言われた。箪笥としては、キリ材は軽くて加工がしやすい上に、材が湿気や熱気を防ぐ性質で虫害を受けることが少ないことが注目された。湿気を遮る能力が高いと同時に熱気を遮断することは、材の断熱効果が高いことを意味し、火事に遭っても箪笥の外側だけが焦げて、中の衣類は損傷を受けなかったという事例も少なくないという。家具として仕上げたときの磨き上げ効果も高いことも特徴で、白木が美しいことは日本で評価された。日本では江戸時代から桐箪笥が全国各地で作られ、江戸時代後期の安政の大地震のあとでは、キリの燃えにくさや、洪水に遭っても浮いて流れ中身を守ってくれる特性が確かめられたので、桐箪笥がよく売れたといわれている。
また桐材を使い琴や琵琶などの弦楽器を作り。
もっぱら材の性質に注目され、その品種ごとに、青桐、赤桐、白桐、紫桐などと区分された。産地としては福島県会津地方が最も著名で、良質な材が採れるといわれる。これに次ぐのは青森県・岩手県の南部地方で、日本以外の中国や台湾産のものは材が軟らかすぎて箪笥用には下級品とされる。日本では各地で材を採ることを目的に植栽されていたが、需要の高まりや産業構造の変化により北米、南米、中国、東南アジアから輸入されることも多い。しかし日本以外の国では、もっぱら花を観賞するために植えられる。
桐炭は研磨用、火薬用、化粧用の眉墨(アイブロー)に利用された。日本でもキクとともに皇室の紋章で、キクは正紋、キリは副紋とされる。嵯峨天皇の頃から天皇の衣類の刺繍や染め抜きに用いられるなど、「菊の御紋」に次ぐ高貴な紋章とされた。また中世以降は天下人たる武家が望んだ家紋でもあり、足利尊氏や豊臣秀吉などもこれを天皇から賜っている。このため五七の桐は「政権担当者の紋章」という認識が定着することになった。
近代以降も五七の桐は「日本国政府の紋章」として大礼服や勲章(桐花章、旭日章、瑞宝章)の意匠に取り入れられたり、菊花紋に準じる国章としてビサやパスポートなどの書類や金貨の装飾に使われたり、「内閣総理大臣の紋章」として官邸の備品や総理の演台に取付けるプレートに使われている。過去に存在した国鉄の紋章も桐紋に蒸気機関車の動輪を組み合わせたものだった。
また、皇宮警察本部や法務省では「五三の桐」が紋章として使われている。
花札では12月の絵柄として、「桐に鳳凰」、カス3枚が描かれる。
「キリ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年10月14日19時(日本時間)現在での最新版を取得
好き嫌い決勝
好き嫌い準決勝
好き嫌い準々決勝
好き嫌い7位決定戦
好き嫌いTOP10圏内確定戦
花の無作為ピックアップ
Powered by