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キョウチクトウ(夾竹桃、学名: var.)は、キョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑低木もしくは常緑小高木。庭園樹や街路樹に使われるが、中毒事例がある危険な有毒植物としても知られており、強力な毒成分(強心配糖体のオレアンドリンなど)が含まれ、キョウチクトウを植えた周りの土壌や燃やして出た煙にも毒性が残る(参照:毒性、薬用)。
● 名称
中国名は夾竹桃、毒成分は強心配糖体のオレアンドリンなど(薬用も参照)。腐葉土にしても1年間は毒性が残るため、腐葉土にする際にも注意を要する。
中毒症状は、嘔気・嘔吐(100%)、四肢脱力(84%)、倦怠感(83%)、下痢(77%)、非回転性めまい(66%)、腹痛(57%)などである。治療法はジギタリス中毒と同様である。
古代インドでは、キョウチクトウの有毒性を利用して、堕胎や自殺に用いられた。
◎ 中毒事例
・ 日本では、1877年(明治10年)の西南戦争のときに、官軍の兵が折った枝を箸代わりに利用し、中毒した例がある。
・ 1980年に、千葉県の農場で牛に与える飼料の中にキョウチクトウの葉が混入する事故があり、この飼料を食べた乳牛20頭が中毒をおこし、そのうちの9頭が死亡した。混入した量は、牛1頭あたり、乾いたキョウチクトウの葉約0.5g程度だったという。家畜がキョウチクトウを食べることで中毒症が問題になる。致死量は乾燥葉で50mg/kg(牛、経口)という報告がある。
・ 福岡市では、2009年12月、「毒性が強い」として市立学校に栽植されているキョウチクトウを伐採する方針を打ち出したが、間もなく撤回している。
・2017年、香川県高松市内の小学校の校庭に植えられたキョウチクトウの葉を3枚から5枚食べた2年生の児童2人が、吐き気や頭痛などの中毒症状を起こし、一時入院した。
◎ アレルギー
・ 環境省によれば、1970年に喘息の発生が報告されている。
● 利用
◎ 植栽
乾燥や大気汚染に強いため、工業地帯や市街地緑化の街路樹などに利用される。神奈川県川崎市では、長年の公害で他の樹木が衰えたり枯死したりする中で、キョウチクトウだけはよく耐えて生育したため、現在に至るまで、同市の緑化樹として広く植栽されている。高速道路沿いの植栽でもよく見られ、米国カリフォルニア州のヨセミテ国立公園から州都サクラメントまでのハイウェイの両脇には、延々とキョウチクトウが植栽されている。さらに、広島市はかつて原爆で75年間草木も生えないといわれたが、被爆焼土にいち早く咲いた花として原爆からの復興のシンボルとなり広島市の花に指定された。
燃えにくく火に強いため(防火樹)としても知られる。
◎ 薬用
全体に有毒であるが、葉は強心剤や利尿剤になり、麻酔にも使われる。キョウチクトウの全部位には、オレアンドリンなど様々な強心配糖体が含まれており、強心作用がある。
● 文化
キョウチクトウの花言葉は、「危険な愛」「用心」とされる。
◎ 文学
・『夾竹桃の家の女』中島敦 青空文庫
・『夾竹桃忌』檀一雄
◎ 絵画
・『キョウチクトウ』ヴィンセント・ファン・ゴッホ
◎ 楽曲
・『夾竹桃の咲く頃』(美空ひばり) 作詞:中村メイコ、作曲:神津善行
・『夾竹桃のうた』(反戦歌) 作詞:藤本洋、作曲:大西進
・『軽忽な救済を待つ醜さには一片の夾竹桃を』(作者、作曲)こんにちは谷田さん
◎ 市町村の花・木
・ 千葉県:千葉市(市の花木)、夷隅郡御宿町(町の木)
・ 兵庫県:尼崎市(市の花)
・ 広島県:広島市(市の花)
・ 鹿児島県:鹿児島市(市の花)
このほか、長崎県佐世保市でも市の花に指定されていたが、毒性を理由として指定を取り消されている。
● 近似種
日本には同属は分布していない。琉球諸島には別属のミフクラギ(別名オキナワキョウチクトウ)が分布する。花は白くて、ややキョウチクトウに似ているが、多肉質の葉や大きな実をつけるので、印象はかなり異なる。
● キョウチクトウ属
キョウチクトウ属(キョウチクトウぞく、学名:)は、キョウチクトウ科の属の一つ。
・ セイヨウキョウチクトウ
・ キョウチクトウ var.
・ ヤエキョウチクトウ var. 'Plenum'
「キョウチクトウ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年10月13日11時(日本時間)現在での最新版を取得
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