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キキョウ(桔梗、Platycodon grandiflorus)は、キキョウ科の多年生草本植物。山野の日当たりの良い所に育つ。日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに分布する。
● 形態
根は太く、黄白色。草丈は50-100cm程度。下面はやや白みがかっている。
秋の季語であり、また秋の七草の一つであるが、実際の開花時期は六月中旬の梅雨頃から始まり、夏を通じて初秋の九月頃までである。つぼみが徐々に緑から青紫にかわり裂けて星型の花を咲かせる。雌雄同花だが雄性先熟であり、まず雄しべが成熟して花粉が出て(雄花期)、その後に雌しべが開き柱頭が受粉可能になる(雌花期)。これは他家受粉の可能性を高めるための仕組みで、キキョウは雄性先熟の特徴を観察しやすい植物である。花冠は広鐘形で五裂、径4-5cm、雄しべ・雌しべ・花びら(花弁)はそれぞれ5つである。
なお、園芸品種には白色や桃色の花をつけるものや、鉢植え向きの草丈が低いもの、二重咲きになる品種やつぼみの状態のままほとんど開かないものなどがある。
● 名称
属名のPlatycodonは「広い釣鐘」を意味する。種小名のgrandiflorusは「大きな花の」という意味である。
なお、つぼみが風船のような形状であるため "balloon flower" という英名を持つ。
● 生薬
キキョウの根はサポニン(オレアナン型トリテルペンサポニン)を多く含むことから生薬として利用されている(Platycodi Radix、日本薬局方では桔梗根でキキョウという)。生薬としては、根が太く、内部が充実し、えぐ味の強いものが良品とされている。主な産地は韓国、北朝鮮、中国である。
鎮咳、去痰、排膿作用があるとされる。代表的な漢方処方に桔梗湯(キキョウ+カンゾウ)がある。炎症が強い場合には石膏と桔梗の組み合わせがよいとされ、処方例として小柴胡湯加桔梗石膏がある(桔梗石膏も参照)。
鎮咳去痰の漢方処方には清肺湯、竹筎温胆湯、参蘇飲などの漢方方剤がある。
● 文化
・ 「万葉集」で、山上憶良が詠んだ歌(巻八 1538)「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌の花」のうちの「朝貌の花」は本種を指す。
・ 俳句では秋の季語となっている。
・ 花の形から「桔梗紋」が生まれた。美濃の山県氏、土岐氏一族は桔梗紋を紋所にしていた事で知られている。明智光秀も土岐氏一族であり、桔梗紋を用いていた。
・安倍晴明が使用した五芒星を桔梗印と呼び、現在の晴明神社では神紋とされている。
・ 朝鮮民謡トラジ:トラジはキキョウのこと。
● 絶滅危惧種
:自生株は近年減少傾向にあり絶滅が危惧されている。
● 市の花
・ 龍ケ崎市
・ 伊勢原市
・ 塩尻市 - 市内に桔梗ヶ原という地名がある。
・ 一宮市
・ 掛川市
・ 多治見市
・ 土岐市
・ 瑞浪市
・ 名張市
・ 鎌ケ谷市
・ 山県市
「キキョウ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年10月14日20時(日本時間)現在での最新版を取得
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