ランキング24位
獲得票なし
ランキング13位
獲得票なし
ポメラニアン(英:Pomeranian、独:Zwergspitz)はドイツ原産の小型犬。ポメラニアンという名称は、バルト海に面し、ドイツ北東部からポーランド北西部にまたがるポメラニア地方にちなんでいる。この地方では、古来より様々なスピッツが飼育されていた。ポメラニアンはドイツで中型のスピッツから品種改良を重ねることで小型化し、誕生した犬種である。そのため国際畜犬連盟からもジャーマン・スピッツの一品種に分類されており、多くの国で小さなスピッツを意味する「ツヴェルク・スピッツ」(Zwergspitz)として知られている。
ポメラニアンが流行犬種となったきっかけは、17世紀以降多くの王族が飼育を始めたことによる。とくに愛犬家として知られるヴィクトリア女王が小さな体躯のポメラニアンを愛好し、熱心に繁殖させたことによってポメラニアンの小型化に拍車がかかり、世界的な人気犬種となっていった(一説には1888年、女王自らがこの犬をイタリアから持ち帰ったともいうが、一般にはもう少し以前からイギリスで飼われていたと考えられる)。ヴィクトリア女王の存命中にポメラニアンの大きさはそれまでの半分程度にまで小さくなった。概してポメラニアンは頑健で丈夫な犬種といえるが、膝蓋骨脱臼と気管虚脱を発症することがある。また、まれにではあるが、「黒斑病 (black skin disease)」と呼ばれる遺伝性の皮膚疾患による脱毛症に罹患することもある。日本やアメリカでは近年飼育数が常に上位15位までに入っている人気犬種である。小さいながらも丈夫な犬種で、粗く豊富な被毛と長い飾り毛のついた巻尾を持つ。首と背はひだ飾りのような、臀部は羽飾りのようなトップコートが密生している。
最初期のポメラニアンの毛色はホワイトがほとんどで、まれにブラックが見られた。ヴィクトリア女王は1888年にレッドの被毛を持つ小さなポメラニアンを飼育しており、19世紀末までこの毛色のポメラニアンが流行するきっかけとなった。現在のポメラニアンは、ホワイト、ブラック、ブラウン、レッド、オレンジ、クリーム、セーブル、ブラック・アンド・タン、ブラウン・アンド・タン、スポット、ブリンドル(虎毛)、そしてこれらのカラーのコンビネーションと、あらゆる犬種の中でもっとも多様な毛色を持つ犬種となっている。なかでもオレンジ、ブラック、クリーム、ホワイトが一般的な毛色である。
ポメラニアンの被毛は密生したダブルコートで手入れそのものは難しくはないが、密生しており、抜け毛も多いため飼育者は毎日ブラッシングすることが望ましい。トップコートは長く粗い直毛で、アンダーコートは短く密生した柔らかい被毛である。被毛はもつれやすく、とくにアンダーコートは年に二回換毛するため、この時期には抜け毛が多くなる。
● 性質
ポメラニアンは友好的で活発な犬種で、飼い主とともにいることを喜び、仲間の保護意識も旺盛である。飼い主に強く依存し、躾がされていない場合には飼い主と離れることに激しい不安を感じることがある。環境の変化にも敏感なため新しい外的刺激に対して吠えやすい傾向にあり、放っておくと無駄吠えの癖がついてしまうことがある。縄張り意識も若干強く、外部からの騒音にも激しく反応する。
● 健康
◎ 全般
ポメラニアンの平均寿命は12から16歳程度で、適切な食餌と運動を与え、定期的に被毛のトリミングを実施しているならば問題はほとんどなく、丈夫な犬種である。純血種には罹病しやすい特定の疾患があり、たとえば股関節異形成は多くの純血種に共通の疾患だが、ポメラニアンは体重が軽いためこの疾患にかかることはまずない。ただし、被毛、歯、耳、眼の手入れが適切ではない場合、健康上の問題が発生する可能性があるため、定期的なケアが望ましい。
活発で遊ぶことが大好きだが、足の骨が細く、関節トラブルや骨折などに注意が必要な犬種でもある。
◎ 知られている疾病
毛色がマールのポメラニアンでは軽度から重度の、難聴、高眼圧症、屈折異常、小眼球症、虹彩欠損症を発症しやすい。両親ともにマールのポメラニアンから産まれた犬であれば、さらに骨格異常、心臓異常、生殖異常のリスクが高まる。膝蓋骨脱臼はポメラニアンでは比較的多く見られる症例で、先天性異常や外傷によって発症する いったん筋肉が収縮してしまうと、膝蓋骨脱臼は自然には回復しない。犬は大腿骨と膝蓋骨がずれた瞬間には痛みを感じるが、一度ずれてしまうと椎間板破裂による痛みは感じない。
ポメラニアンは抜け毛、メラニン色素沈着を伴う「黒斑病」と呼ばれる皮膚病に罹患することがある。雌犬よりも雄犬に発症する傾向があり、遺伝的疾患ではないかと考えられている。この場合、停留している睾丸を外科手術で摘出する必要がある。なお、原産国のドイツでは、スピッツをサイズ別にウルフスピッツ、グロース、ミッテル、クライン、ツヴェルクと5段階に分類しているが、ポメラニアンはもっとも小さいツヴェルク・スピッツに含まれている。
ポメラニアンという名称は、バルト海に面し、ドイツ北東部からポーランド北西部にまたがるポメラニア地方にちなんでいる。この地方では、古来より様々なスピッツが飼育されていた。ポメラニアンはドイツで中型のスピッツから品種改良を重ねることで小型化し、誕生した犬種である。
ポメラニアンに関する最初期の記録は1764年11月2日のもので、ジェイムズ・ボズウェルがドイツとスイスを旅行していた時に記した日記で「フランス人男性がポメルという名前のポメラニアンを飼育しており、非常に可愛がっていた」という記述である。他に、ウェールズ人博物学者トマス・ペナント (:en:Thomas Pennant)が1769年の著作「スコットランド旅行記」に、ロンドンの商人がポメラニアンとオオカミを交配させた子孫のことを記述している。
二人のイギリス王族がポメラニアンの改良に大きな役割を果たしている。1767年にイギリス国王ジョージ3世の王妃シャーロットが二頭のポメラニアンをイングランドへと持ち込んだ。フィービーとマーキュリーと名づけられたこれらの犬はトマス・ゲインズバラの絵画にも描かれている。現在のポメラニアンよりも大型で、伝わっている話では14 - 23kg程度の体重といわれているが、豊富な被毛、立ち耳、背中に巻いた尾など、現在のポメラニアンと同様の外見で描かれている。ヴィクトリアのほかにポメラニアンを飼育していた当時の王族には、フランス皇帝ナポレオンの王妃ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネや、イギリス王ジョージ4世らがいる。
ポメラニアンの愛好クラブがイングランドに設立されたのは1891年のことで、1898年にアメリカのアメリカンケネルクラブに最初のポメラニアンが登録され、1900年には犬種として公認されている。
1926年に開催されたウェストミンスター・ケネルクラブ・ドッグショー (:en:Westminster Kennel Club Dog Show) の愛玩犬 (:en:Toy Group) クラスで、グレン・ローズ・フラッシュウェイが出陳したポメラニアンがチャンピオンを獲得した。これがウェストミンスターでポメラニアンが最初に賞を獲得した記録である。
国際畜犬連盟による犬種のスタンダードが1998年に改定され、ポメラニアンはキースホンドとともにスピッツ、ジャーマン・スピッツのカテゴリに分類された。このスタンダードによればポメラニアンなど「スピッツ系は魅力的」であり「ユニークな個性と気取った外観」であるとしている。日本でも1999年から2010年にかけて、つねに上位10位以内に入っており、2007年からは上位5位以内となっている。一方、イギリスでは2007年と2008年には上位20位にも入っていない。オーストラリアでは1986以来人気が減少しており、1987年にオーストラリア・ナショナル・ケネル・カウンシル (:en:Australian National Kennel Council) の登録頭数は1987年の1128頭がピークで、2004年には491頭、2010年にも561頭の登録にとどまっている。
2008年のアメリカ各都市別のランキングでは、デトロイトでアメリカン・ブルドッグ (:en:American Bulldog) と並んで10位、オーランドでも10位、ロサンゼルスで9位、シアトルでアメリカン・ブルドッグと並んでの7位、ホノルルではラブラドール・レトリバー、ジャーマン・シェパード・ドッグに続く3位など、大都市部で高い人気を誇る犬種である。
「ポメラニアン」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2025年2月4日6時(日本時間)現在での最新版を取得
好き嫌い決勝
好き嫌い準決勝
好き嫌い準々決勝
好き嫌い7位決定戦
好き嫌いTOP10圏内確定戦
犬の無作為ピックアップ
Powered by