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須川 栄三(すがわ えいぞう、1930年〈昭和5年〉9月8日 - 1998年〈平成10年〉10月2日)は、日本の映画監督、脚本家。代表作に『野獣死すべし』『君も出世ができる』『蛍川』など。
● 略歴
大阪府大阪市西区新町で石綿(アスベスト)製造販売業の家に生まれ、旧制大阪府立八尾中学校(現・大阪府立八尾高等学校)、旧制姫路高等学校(現・神戸大学)を経て、1953年(昭和28年)東京大学経済学部を卒業、同局のドラマ銀河テレビ小説『父と娘の季節』で放送批評家賞(ギャラクシー賞)を受賞している。
● 人物
私生活では無宗教を貫き、1969年に女優の真理明美と再婚した際には「愛の契約書」を交わして挙式に代えた。また、映画作りにおいては妥協を許さない独自のこだわりを貫き、文芸映画を撮った際には原作者と衝突することもあった。『僕たちの失敗』では原作者の石川達三と衝突し、石川は「私はあんな屈辱に耐えたことはない」と激怒したという。
◎ 妻の薬物中毒死を映画に
なお、最初の妻は女優の清水谷薫で、睡眠薬を服用して急死したといい、脚本家の白坂依志夫は「葬式に駆け付けると、誇大妄想癖が少しあった(劇作家の)寺山修司が、私(白坂)の横にいてささやいた。“須川の奴、モテ余して殺したんだよ。あの奥さんを”」と書いている(月刊誌シナリオ2008年6月号別冊)。
また、大衆文化評論家の指田文夫は、須川の映画『ブラック・コメディ ああ馬鹿』(1969年)に狂言自殺や睡眠薬で眠った娘を抱えて彷徨い続けるシーンが登場する理由は、須川が「妻の呼吸がおかしいので病院に運び込む」体験したことをヒントにして、「変名“リチャード・スティガー”を使って原作を書いた」と分析。キネマ旬報の元編集長植草信和も、怪優小沢昭一の演じる「まさにブラックな不条理劇」で「ミステリアスで不気味なシーンが多い映画」の因果関係について言及している。
● 作品
◎ 映画
・危険な英雄(1957年、監督=鈴木英夫)※脚本
・青春白書 大人には分らない(1958年)
・野獣死すべし(1959年、原作=大藪春彦)
・山のかなたに(1960年、原作=石坂洋次郎)
・みな殺しの歌より 拳銃よさらば(1960年、原作=大藪春彦、脚本=寺山修司)
・愛と炎と(1961年、原作=石原慎太郎)
・ある大阪の女(1962年、溝口健二監督作品『浪華悲歌』のリメイク)
・僕たちの失敗(1962年、原作=石川達三)
・太陽は呼んでいる(1963年、原作=井上靖)
・君も出世ができる(1964年)
・けものみち(1965年、原作=松本清張)
・颱風とざくろ(1967年、原作=石坂洋次郎)
・サラリーマン悪党術(1968年)
・日本一の裏切り男(1968年)
・ブラック・コメディ ああ馬鹿(1969年、原作=リチャード・スティガー)
・日本一の断絶男(1969年)
・百万人の大合唱(1972年、原作=秋吉茂)
・野獣狩り(1973年)
・野獣死すべし 復讐のメカニック(1974年、原作=大藪春彦)
・日本人のへそ(1977年、原作=井上ひさし)
・螢川(1987年、原作=宮本輝)
・流転の海(1990年、原作=宮本輝、監督=斎藤武市)※脚本
・飛ぶ夢をしばらく見ない(1990年、原作=山田太一)
◎ テレビドラマ
・テレビ劇場『あなたの隣はだあれ』(1962年・NHK)※脚本
・夫婦百景(1962年・日本テレビ)※脚本
・おかあさん(1963年・TBS)
・第168回『鏡の中の鏡』(演出=実相寺昭雄)※脚本
・芸術祭参加作品『鋳型』(1963年・NHK、演出=和田勉)※脚本
・東京の空(1964年・NHK)※脚本
・松本清張シリーズ『顔』(1966年・関西テレビ)※脚本
・ナショナルゴールデン劇場『霧の旗』(1967年・NET)※脚本
・怪奇大作戦「伝説の海」(1968~9年・TBS)※脚本/未制作
・銀河ドラマ『父と娘の季節』(1969年・NHK)※脚本
・銀河ドラマ『てんてこまい』(1971年・NHK)※脚本
・はだれゆき(1973年・NHK)※脚本
・銀河テレビ小説『すべって転んで』(1973年・NHK)※脚本
・犯される(1977年・日本テレビ、監督=井上芳夫)※脚本
・土曜ワイド劇場『悪夢 恋人たちの24時』(1977年・テレビ朝日)※挿入歌の作詞も担当
・特捜最前線 (1978年・テレビ朝日)※第52話監督
・土曜ワイド劇場『青春の荒野』(1978年・テレビ朝日)
・七人の刑事(1978年・TBS)※脚本
・大空港(1978年~1980年・フジテレビ)※第42話脚本(山崎晶子と共同)
・人はそれをスキャンダルという(1978年・TBS)※第3、5話監督
・土曜ワイド劇場『翔んでる女が消えた善福寺池バラバラ殺人事件』(1979年・テレビ朝日、監督=丸山誠治)※脚本
・黒岩重吾シリーズ『愛の装飾』(1980年・毎日放送)※1~3話監督。4~6話は小沼勝監督。
・警視-K(1980年・日本テレビ)※第7話監督。
・土曜ワイド劇場『家元連続殺人事件・まぼろしの花』(1981年・テレビ朝日)※脚本
・土曜ワイド劇場『料理教室殺人事件 卵のトリック』(1981年・テレビ朝日、監督=斎藤武市)※脚本
・土曜ワイド劇場『二人の妻を持つ男 殺人証明』(1982年・テレビ朝日)
・月曜ワイド劇場『血液型などこわくない』(1983年・テレビ朝日)
・木曜ゴールデンドラマ『死の彼方までも』(1983年・よみうりテレビ)※脚本
・土曜ワイド劇場『火の坂道 乳母車はいつも5分前に通る 妻と別れてあの女と…未亡人の肉体は悪魔』(1983年・テレビ朝日)
・月曜ワイド劇場『雲の階段 ニセ医師をめぐる女二人』(1983年・テレビ朝日)
・土曜ワイド劇場『窓の中の殺人 離婚した女 嫌いな前夫が私を犯す…』(1983年・テレビ朝日)※脚本
・母と呼ばれて(1984年・東海テレビ)※脚本
・土曜ワイド劇場『授業参観の女 生徒の母がコールガール?まじめ教師のたった一度の非行』(1984年・テレビ朝日)※脚本
・別れた妻(1985年・東海テレビ)※脚本
・火曜サスペンス劇場『向日葵は知っていた』(1985年・日本テレビ、監督=木下亮)※脚本
・土曜ワイド劇場『赤いドレスの女 ファッションデザイナー殺人事件』(1985年・テレビ朝日)※脚本
・火曜サスペンス劇場『逢うときはいつも他人』(1985年・日本テレビ、監督=木下亮)※脚本
・夏樹静子サスペンス(1986年・関西テレビ)※脚本
・『崖の上の女』
・『質屋の扉 密室殺人男と女の危険な夜』
・『睡魔』
・土曜ワイド劇場『森村誠一の異常の太陽』(1986年・テレビ朝日、監督=田中登)※脚本
・土曜ワイド劇場『秋の特別企画 小樽殺人事件 北海道~能登~安曇野 黒揚羽蝶は死の予告オタモイ岬の女』(1986年・テレビ朝日)※脚本
・夏家族(1987年・東海テレビ)※脚本
・土曜ワイド劇場『奈良大和路茶の湯の旅 家元相続をめぐる女たちの華麗な闘い「野だて殺人が…」』(1987年・テレビ朝日)※脚本
・ザ・ドラマチックナイト『一日未亡人 不信の夫婦にせまる殺人者の罠』(1987年・フジテレビ)※脚本
・木曜ゴールデンドラマ『死者からの使者』(1988年・よみうりテレビ)※脚本(佐伯けいと共同)
・砂の家(1989年、東海テレビ)※脚本
・土曜ワイド劇場『北陸越前海岸、女たちの華麗な闘い ルビー、赤い炎の殺意』(1989年・テレビ朝日)※脚本
・木曜ドラマ『私を海まで流して』(1990年・テレビ朝日)
・おんなの砦(1991年・東海テレビ)
・凪の光景(1992年・東海テレビ)
・土曜ワイド劇場『森村誠一の完全犯罪の使者 伊良湖、恋路ケ浜に浮かんだ二つの死体切り取られた思い出帳に謎が…』(1993年・テレビ朝日)※脚本
・土曜ワイド劇場『北の果て襟裳岬婚約旅行殺人事件』(1993年・テレビ朝日)※脚本
・ドラマ30『トツゼン親娘』(1995年・CBC)※脚本
・松本清張ドラマスペシャル『白い闇 十和田湖奥入瀬殺人事件 消えた夫を捜す女の情念が完全犯罪を暴く』(1996年・テレビ東京)※脚本
・土曜ワイド劇場『日舞名門-家元相続殺人事件八百屋お七火だるま殺人、驚異のトリック』(2002年・テレビ朝日)※『家元連続殺人事件・まぼろしの花』リメイク作品
● 参考文献
・『日本映画・テレビ監督全集』(キネマ旬報社・1988年12月)
「須川栄三」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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