好きな漢字
ランキング33位
獲得票なし
嫌いな漢字
ランキング34位
獲得票なし


  • 50%


  • 50%
なぜ好きなの?
なぜ嫌いなの?

は、従来国営で行われてきた郵政事業の組織構成を組み換えて、民間企業に改編することである。郵政民営化においては郵便事業の民営化と郵便局の金融業の民営化が存在している。世界的に郵便需要の激減を受け、民営化や既存民間企業への業務委託、赤字の郵便局やポストの削減、デジタルポスト化といった改革が進んでいる。

● 需要激減以後の世界の改革
世界的にインターネットの普及とデジタル化の進展により、手紙文化は年々薄れ、郵便物の減少が続いている。日本でもメールやSNSの台頭により、かつては大きな収益源だった年賀状を含め、将来的にも手紙やはがきの需要回復は無理であることが分かっている状況である。企業間の領収書や請求書などの書類送付もデジタル化が進み、郵便サービスは各国で転換期を迎えている。政府や公的機関からの通知をポータルサイトやアプリを使って受け取るデジタルポストを推進するデジタル先進国であるデンマークの国営郵便サービス「ポストノルド」は2025年6月から郵便ポストの撤去に着手し、同年末にすべての手紙の配達を終了すると発表した。オランダでは郵便配達の頻度縮小が議論されており、ドイツの郵便局「ドイツポスト」は8000人を削減する改革案を発表された。

● アメリカ合衆国
アメリカ合衆国にはかつて郵便貯金の制度が存在したが1966年に廃止された。廃止直前には利用者が減少傾向にあり、現金自動預け払い機(ATM)などのオンラインシステムが発達する前であったためそれほど混乱は生じていないとされる。アメリカ合衆国では口座維持手数料を設けることが一般的で低所得者層を中心に金融機関に口座を持っていない人が少なくない。民営化批判論者からよく反対論として指摘されることである。郵便事業については公共企業体(USポスタルサービス)により運営。郵政事業を民営化するという法律案はこれまでに2回提出されたがいずれも成立せず、2002年には「一律サービスを民間で行うのは不可能」と結論づけ、事実上郵政民営化は断念した状態となっている。一方で、郵便事業は慢性的な赤字経営であり、職員や日曜配達の削減、毎年のような郵便料金の値上げなどを重ねても赤字は解消されていない。

● イギリス
イギリスでは、窓口会社、郵便会社、小包会社といったように分割されている。貯金事業は独立行政法人の郵便局とはまったく別のナショナルセービングにより運営される。ナショナルセービングは店舗を持たず郵便窓口会社に業務を委託する形をとる。競合他社との激しい競争により郵便会社や小包会社は必ずしも順調な経営状態ではない。 2013年10月11日、郵便事業会社ロイヤルメールの株式が民間に公開となり、イギリスの郵政事業は民営化された。

● オーストラリア
オーストラリアでは、1989年に公社化されたオーストラリア郵便公社(以下、ポスト)が運営する。競争事業者の250グラム以内の信書便はポストの4倍以上の料金を請求する規制がある。ポストは小荷物、銀行や政府の窓口業務受託、文房具・包装用品などの分野で規制のない競争関係にある。売却が議論されている。

● スイス
スイスではスイスポストによって運営されている。ユニークなものとしてはポストバスの存在があげられる。これは、郵便物をバスで輸送し、そのバスに一般の乗客も有料で乗車できるというものである。

● ドイツ
ドイツの郵政民営化は日本とは異なり、おもに郵便事業の国際化を企図して行われたものである。EU圏成立後、増大する同圏内での小荷物輸送(宅配便)の需要に応え、ドイツ国内を超えた事業展開をより容易にするため、小荷物部門については特にDHLとして別会社化し、グローバルに展開している。小荷物以外の軽量郵便についてはドイツポストに独占権が認められている。民営化後、直営の郵便局数が約5000まで激減したため社会問題化した。 いっぽう、貯金部門の民営化については混迷を極めた。当初は郵便事業と銀行事業に2分割する予定だったが、民営化された郵便銀行が、85%の郵便局から撤退を表明したため、再びドイツポストの子会社化せざるをえなかった。ドイツと日本の郵政民営化は経営の民業化にとどまらず、株式や資産をも放出するという世界でも珍しい私有化政策(払い下げ)ではあるが、ドイツでは政府がまだ50%程度は株式を保有している。また連邦制を施くドイツでは、貯蓄銀行制度において連邦政府が経営する郵便銀行(Postbank)が占める割合は小さく(12%程度)、貯金の大半は州政府など各地方自治体が運営する貯蓄銀行(Sparkasse)に預けられている。この貯蓄銀行は原則公営で、街のいたるところに支店があり、日本のかつての郵便貯金と同じ役割を果しているのはこちらである。大都市の貯蓄銀行にはわずかながら私立のものもあるが、金融不安や経営悪化を背景に次々と公営化されていっており、貯蓄銀行については公営化が進んでいるといえる。一般にドイツの銀行界では公営銀行(州立銀行、貯蓄銀行)が占める割合が高く、民間銀行は日本でいえば証券会社にあたる、富裕層を対象にした投資銀行であることが多い。

● 日本


◎ 民営化以前の構造・郵便事業の慢性的赤字体質問題
日本における郵政の民営化とは、日本政府および小泉内閣が1990年代末から2000年代にかけて行った郵政三事業(郵便・簡易保険・郵便貯金)を民営化する政策である。「民営化」議論によって「郵政四事業」として語られるようになったが、従来の「(郵政)三事業」に包含されていた、郵便事業から「郵便局窓口での接客サービス」である「窓口業務」を別事業として区分したものである。 民営化以前の郵便局では郵便配達以外に、「郵便貯金」という銀行業務や「簡易保険」という保険業務が行われており、全国の郵便局には、北海道拓殖銀行や日本長期信用銀行の経営破綻により、合計350兆円もの資金が集まっていた。郵便局からこの資金が日本国政府(旧大蔵省資金運用部)に貸し出され、日本国政府はこれらを日本国債の購入、旧日本道路公団や住宅金融公庫などの特殊法人へ貸し出す「財政投融資の原資」にした。 貸し出された側では、郵便局に集まる郵便貯金を当てにできたため、費用対効果をあまり省みないで活動ができたため、赤字の高速道路が漫然と作られるような状況となっていた。そこで、
・ 郵便局が扱う資金を日本国政府が利用する仕組みはやめ、特殊法人はできるだけ民間会社として、自ら市場から資金調達し収益を上げる。
・ 郵便局の仕事自体も民間の仕事とし、郵便局が銀行業務や保険業務として扱う資金は、自らの創意工夫で収益を上げる。 ようにした。2007年時点の郵政民営化では、日本郵政はいままで払っていなかった法人税など日本の租税の徴収対象となり、かつての「護送船団方式」と称される行政保護政策の適用対象から外れ、経営面においても政府による特別の支援措置や保護の枠外となった。これにより、金融市場や物流業界における他の民間企業と同様に市場競争にさらされる経営環境へと転換されたはずだった。 しかし、実質2年で小泉政権下で定められた「郵政民営化」は自民党郵政族が結党した国民新党で構成されている民主党連立政権で潰えた。そして、同年11月には東京証券取引所第一部に「日本郵政グループ」は上場と共に、傘下のゆうちょ銀行とかんぽ生命保険も上場された。3社の株の売り出しがなされ、1987年上場のNTT以来となる大型の民営化案件となった。日本郵政と傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社の、東京証券取引所第1部に株式を同時上場に対して、買い注文が多かったために初値は3社とも公開価格を上回り、順調な滑り出しとなった。 しかし、2025年時点の石破内閣下にて、絶大な政治力を持つ全国郵便局長会(全特)が望む「制度面でも経営面でも郵政の官業回帰」の流れになっている。世襲出来る特定郵便局の統合反対し、垂れ流した郵便事業の赤字を現場のノルマで負担させる彼らは、公社時代からの慣習を残したまま民営化逆行させる政治活動と不祥事を繰り返している。 平成12年度(2000年度)の単年を例とすると、同年度だけで全国の24,778局ある郵便局のうち19,423局に対して「渡切費(わたしきりひ)」として総額911億円余が支給されていた。2001年に全特による不正発覚で、2002年7月31日に会計法第23条を削除する旨の日本郵政公社法施行法が成立し、2003年4月1日の施行以降は渡切費制度は廃止された。年に1度大規模な総会を開催しており、2025年には札幌ドームでの開催が予定され、全国から約1万人の特定郵便局の局長が参加する見込みでる。この総会に関して、参加費が1人あたり約20万円であり、その費用は局長個人の自己負担となっている。参加が事実上義務であることから、経済的負担の大きさに対する不満の声も出ており、社内ネットワーク上では一部の局長が経済的困窮を訴える投稿を行われている。郵便局長による金銭絡みの不祥事は過去にも複数報告されており、その背景の一端として、全特の慣行や経済的負担の大きさが影響していると指摘されている。2023年には優れた調査報道を顕彰する「第3回調査報道大賞」の地方紙・専門紙部門の優秀賞に、西日本新聞の「全国郵便局長会による会社経費政治流用のスクープと関連報道」が選出された。旧特定郵便局は「小泉政権による郵政民営化」が、2009年の民主党への政権交代と郵政族の影響力回復で中途半端な民営化へと改変されたことで赤字郵便局が統廃合がされずにほぼ民営化決定以前とほぼ同数残っておりいる。。 旧特定郵便局の世襲による元局長(60代男性)が、長崎市の長崎住吉郵便局で約25年にわたり知人らから現金を不正に集めていたことが、2024年1月に発覚した。きっかけは同年1月27日、被害者の1人が「預けた貯金を解約できない」として、ゆうちょ銀行長崎店に相談したことであった。日本郵便が社内調査を行った結果、元局長は自身の供述で金銭詐取を認め、「遊興費などに使った」と説明した。日本郵便が同年5月6日に行った記者会見によれば、被害者は少なくとも50人に上り、被害総額は10億円を超える可能性があるとされる。1996年3月から2019年3月まで長崎住吉郵便局の局長を務めていた元局長は、在職中の1996年11月頃から定年退職後の2021年1月まで、知人に対して「高利率の特別な貯金がある」などと持ちかけ、架空の「金融商品」の名目で現金を集めていた。元局長は嘘の「証拠」として、1993年にすでに廃止されていた郵便貯金の証書を用いており、社内調査に対し、詐取した金額などの詳細は「覚えていない」と述べた。事件が発覚した後、日本郵便は長崎県警と金融庁に報告し、刑事告発の準備を進めていること、被害者に全額補償する方針を示した。元局長の勤務していた長崎住吉郵便局は旧特定郵便局で同氏の父親も元局長という世襲であり、「長年地域に根ざして郵便・貯金業務を担ってきた」背景から、住民の信頼を背景にした長期的な詐欺行為が可能であった。

◎ 小泉政権の郵政民営化法・全特勢力による形骸化

○ 小泉政権の4社枠組みと完全民営化
「郵政民営化の基本方針」は、2004年(平成16年)9月10日に日本政府が閣議決定した、郵政民営化の実施に関する方針文書である。小泉純一郎内閣のもとで策定され、日本郵政公社を解体し、民間会社へ移行するための基本的な枠組みと考え方を示した。本方針は、郵便・郵便貯金・簡易生命保険・郵便局の窓口業務という日本郵政公社の主要機能をそれぞれ独立した株式会社として分離し、それらを傘下に持つ持株会社を設立する構想を提示している。2007年を目途に、郵政事業を段階的に民営化することを目的とした。 下記の基本方針に基づき、2005年に郵政民営化関連法案(郵政民営化法など)が国会に提出され、同年10月に可決・成立。2007年10月1日をもって、日本郵政公社は廃止され、日本郵政グループが発足した。
○ 郵政事業の完全民営化の目的
基本方針では、郵政民営化の目的として以下の点が挙げられている。最国有化路線となり、「郵貯が(民営化だと)外資に乗っ取られる」とする意見に対し、高橋洋一は「そのようなことはあり得ない」と反論している。その理由として、郵貯は民営化により銀行法上の銀行になるが、銀行には三つの主要株主規制があるからだと指摘している。 2001年1月6日に実施された中央省庁再編により、郵政省の郵政行政および郵政事業部門は、それぞれ総務省郵政企画管理局と郵政事業庁に再編された。その後、2003年4月1日に郵政事業庁が特殊法人である日本郵政公社となった。
○ 第二次橋本内閣による財政投融資への委託廃止
かつて郵便貯金の資金運用は大蔵省資金運用部に全額預託されていた(財政投融資)。この預託金利は市場より割高に設定(0.2%上積み)されており、その差益は割高な貸出金利を特殊法人に貸し出すことで捻出され、結果的にその負担は特殊法人への税金投入という国民負担となっていた。 1997年の第2次橋本内閣の財投改革により預託義務は廃止され、郵政公社は資金運用を自主運用することが求められる事となった。しかし官営である郵政公社の資金運用は原則として国債のみに制限されており、これは金融商品の中で最も利回りが低く、このままでは経営が成り立たない。大蔵省預託による割高金利という「ミルク」が享受できなくなった以上、国債以外の金融商品にて資金運用を行うためには、経営リスクを背負える組織がふさわしい。結果的に郵政民営化は避けられない状態であった。
○ 小泉内閣による郵政民営化方針時代
小泉純一郎が内閣総理大臣に就任すると、小泉内閣は郵政民営化を重要施策の一つとして掲げ、小泉自身も「行政改革の本丸」であると主張した。小泉は1979年の大蔵政務次官就任当時から郵政事業の民営化を訴え、宮澤内閣時の郵政大臣在任時や、第2次橋本内閣の厚生大臣在任時にも訴え続けていた。一方で郵政三事業の民営化は行政サービスの低下につながるとして激しい反対論が野党はもとより与党である自民党内からも噴出し、衆議院で否決される事態となった。 郵政民営化関連法案は、第162回通常国会で一部修正のうえ、2005年7月5日、衆議院本会議においてわずか5票差でかろうじて可決されたものの、2005年8月8日、参議院本会議においては否決された。衆参どちらの採決においても、自民党執行部の党議拘束にもかかわらず、多数の自民党国会議員が反対に回っていた(造反議員の一覧については郵政国会を参照のこと)。 この結果を受けて、小泉は郵政民営化の賛否を国民に問うとして、衆議院を解散した(郵政解散)。反対派の一部は自民党を離脱し、新党(国民新党・新党日本)を結成。その一方で離党せず自民党に残った議員は、党公認を得られず、無所属候補として第44回衆議院議員総選挙に出馬することになった。また、郵政民営化に反対した国会議員の小選挙区すべてに、小泉自民党は対立候補(いわゆる「刺客候補」)を送り込んだ。これら刺客候補を送られ対立した議員の多くは、次期政権の安倍政権によって多くの議員が自民党へ復党している。 そして9月11日に実施された第44回衆議院議員総選挙では、与党で3分の2の議席を超える「圧勝」という結果になった(ただし公明党は3議席を失い敗北する)。自民党は選挙後、郵政民営化に反対した国会議員に対して、党紀委員会で除名や離党勧告などの重い処分を科した。のちの特別国会で、10月14日に同内容の関連法案が可決・成立された。 その後、民主党や国民新党などが郵政民営化を見直す法案を提出したが、与党側は「現在の法律や制度でも、株式を売却する前に、日本郵政グループの完全民営化に関する見直しを行うことはできる」として廃案となった。 2007年10月1日には東京・霞が関にある日本郵政の本社で「日本郵政グループ発足式」が行われた。グループの持株会社となる日本郵政の西川善文社長、福田康夫首相、増田寛也総務大臣に加え、郵政民営化を推し進めた小泉も出席した。小泉は発足式の中で、従来は全政党が反対していた「郵政民営化」を実現できたのは国民による支持があったからこそであると述べた。
○ 民主党連立政権による再国有化への転換
民主党、社民党、国民新党の三党は2009年(平成21年)8月14日、同月30日に投開票される第45回衆議院議員総選挙に向けての共通政策として、郵政民営化の抜本的な見直しを掲げた。そして、後述のように小泉政権下で制定された方針や法律通りの郵政民営化は、実質2年で潰えた。 翌21日、同相は次期社長として元大蔵省事務次官である斎藤次郎を起用すると発表した。 2010年(平成22年)5月8日、郵政グループ内の約20万人の非正規社員のうち、勤続3年以上などの6万5,000人を正社員として採用すると発表した。また、同月には、西川の経営手法を批判し、「客観的公平性に欠ける取引や財産の処分」があるとする「郵政民営化を検証する日本郵政ガバナンス問題調査専門委員会」(委員長:郷原信郎総務省顧問)による報告書が出された。 2012年(平成24年)4月27日、第180回国会(常会)において、郵政民営化法の改正案(郵政民営化法等の一部を改正する等の法律。平成二十四年法律第三十号)が可決・成立した。これによって、2012年10月1日付で郵事業株式会社と郵便局株式会社を合併し、「日本郵便株式会社」として統合することとなり、日本郵政グループは小泉政権案の5社体制から4社体制に再編された。 2012年に成立した郵政民営化法の一部を改正する法律では、ゆうちょ銀行およびかんぽ生命保険の政府保有株について、完全売却は行わない旨が明記された。これにより、日本郵政グループの金融子会社は引き続き、日本政府の影響下に置かれることとなり、事実上の「再国有化」と路線変更された。この過程を経て、郵政民営化の施行期間は、事実上2007年10月から2009年10月までの2年間に限定され、その後は官民折衷的な体制に戻ったとされる。経営陣には名目的に民間出身者を残しつつも、実質的には公的セクターによる統制が強まる構図となった。なお、郵政事業は2000年代初頭の時点で既に将来が厳しい環境にあり、電子メールの普及による郵便需要の減少、金融部門における低金利と財政投融資依存による収益性の悪化などが指摘されていた。当時の骨格経営試算では、10年から15年で財務的に持続困難となり、「第二の国鉄」に陥る可能性も示されていた。郵便・貯金・保険の各事業の黒字も、郵便貯金資金を財務省に預託し、市場金利を上回る「かさ上げ金利」によって支えられていた面が大きく、年間約1兆円規模の補填が税金から行われていたと指摘されている。このため、当時の国会審議においては郵政の形式的黒字に対する実質的な懐疑が共有されていた。民営化により全ての問題が解決される保証はなかったものの、旧来の構造のままでは減り続ける郵便需要の中での時間経過とともに、財政的負担が拡大するリスクが懸念されていた故の郵政民営化であった。そのため、民主党連立政権による再国有化後について、長期的な収益性・持続可能性の観点からの検証が求められている。

◎ 組織構造
郵政民営化関連の法律では日本郵政グループを以下の5つの組織に分けている。
◇ 日本郵政株式会社(JP 日本郵政 JP HOLDINGS、明るい赤色) : 日本郵便株式会社の全ての発行済み株式を保有・管理し、経営管理や業務支援を行う。
◇ 日本郵便株式会社(JP 日本郵便 JP POST、赤色) : 郵便事業及び郵便局の運営を行う。 : 2012年10月に郵便局株式会社が郵便事業株式会社を吸収合併し、現行の体制となった。
◇ 株式会社ゆうちょ銀行(JP ゆうちょ銀行 JP BANK、緑色) : 従来の通常郵便貯金などを郵政公社から継承し、預貯金や融資などの銀行業務を行う。
◇ 株式会社かんぽ生命保険(JP かんぽ生命 JP INSURANCE、青色) : 生命保険業務を行う。
◇ 独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(郵政管理・支援機構) : 従来の郵便貯金契約(通常郵便貯金などを除く)・簡易生命保険契約を承継・管理する。 : 2019年4月に「郵便貯金・簡易生命保険管理機構」より改称。 資金運営と新規預金や保険、総合口座の残額管理については郵便貯金銀行、郵便保険会社に移管されるため、長期的には郵政管理・支援機構は廃止が視野に入れられている。ただし、郵政民営化法や独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法では、廃止についてはまったく言及がない。旧勘定がなくなった段階で「廃止される見込み」とあるがその法的根拠がないため、道路公団のように、一時的と考えられた特殊法人が長期化することを予想する声もあるをはじめとした、系列子会社への出向・転籍制度もある。

◎ 不動産の帰属
日本郵政公社が所有していた不動産についても民営分社化によって振り分けられた。
・ 東京霞ヶ関の本社社屋は日本郵政が所有。
・ 支社社屋および社宅については郵便局会社が所有。
・ 郵便局舎については郵便局会社が所有しているが、郵便事業の支店のある郵便局舎は郵便事業株式会社が所有している場合もある。郵便事業株式会社が所有する郵便局舎については郵便局会社は勿論、併設するゆうちょ銀行・かんぽ生命直営店は所有する郵便事業の支店に家賃・光熱費を払って入居しているかたちをとっている。
・ 貯金事務センター・郵便貯金地域センターは、ゆうちょ銀行が所有。
・ 簡易保険事務センターは、かんぽ生命が「サービスセンター」と改称して引き継いだ。
・ 逓信病院および宿泊施設は日本郵政の所有となった。 しかし、2012年10月1日に郵便事業会社と郵便局会社の統合により、これまでの2社が所有していた不動産はすべて日本郵便が所有することになり、これまで別会社扱いとして郵便局会社が郵便事業会社に家賃・光熱費を払って同居しているといった煩わしさから解消されることとなった(ただし、ゆうちょ銀行・かんぽ生命の直営店が同居している郵便局舎に関してはこれまでと何ら変わりない)。

◎ 完全民営化実行時の行政改革効果
小泉政権の国鉄、電電公社、専売公社の民営化を上回る戦後最大規模の改革とも謳われ、その目的の一つに財政投融資の廃止があった。これにより、約340兆円という潤沢な郵貯資金を特殊法人などに代表される政府機関ではなく、個人や民間企業に融資できるようにすることで、日本経済の活性化が図れるとされている。加えて、これまでは免除されていた法人税・法人事業税・固定資産税・印紙税や郵便事業会社・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険から郵便局会社に支払われる委託手数料にかかる消費税、民営化会社の株式を政府が売却することで得られる収益によって財政再建も図れるとしている、簡易郵便局においては、民営化直前に一時閉鎖や貯金・保険業務の廃止が相次いでいる。しかし民営化後は局数も増加し、全国郵便局長会の反対の影響で統廃合が全く進んでいない。 一部支店では書留やゆうパックの配達開始時間を早朝から始めたり、集配センターから支店を経由せず配送したりするようになった地域では、従来より郵便物の届く時間が早くなっている事例もある。なお、よりいっそうの業務合理化を目指すため従業員数の大規模な削減と契約社員化が報道されている。 貯金事業に関しては、料金区分が変わったため一律ではないものの、おおむね各種手数料が値上げとなっているのは、民営化により民間の銀行と同じく印紙税を負担しなければならなくなるための措置である。また、従来は採算度外視ともいえる料金だった普通為替の手数料も値上げされており、定額小為替では1枚あたりの発行手数料が従来の10円から100円となったため、為替の額面金額と同額またはそれ以上の手数料がかかる場合が発生している。これらの価格改定については、旧公社は民営化前より告知していた。 これまで禁止されていた郵便局舎・庁舎の賃貸業務が可能となることから、一部の郵便局内には「ポスタルショップ」として、ローソンやam/pmなどのコンビニが出店しているほか、印刷などを請け負う「ポスタルスクウェア」の出店も進んでいる。しかし、この動きに対して、建築学的に貴重な局舎が安易な再開発によって失われるとの懸念の声もある。 民営化法案では、民営化後10年以内(2017年9月末まで)にゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式を完全に売却することが定められている。このため、郵便局においてはこれまでのゆうちょ銀行とかんぽ生命との事業に制約されない新たなサービスを期待する意見がある。たとえば、既存の金融機関や保険会社が郵便局の窓口ネットワークを活用できるようになるといったことである。すでに首都圏にある一部の郵便局では、損害保険会社の自動車保険を「損害保険代理店」として受託販売している。

◎ 国民に対する告知
全ての広告媒体において、モデルの吉村美樹をイメージキャラクターに起用していた。
○ テレビ
当初は、郵便局のCMの終盤で少し告知する程度や、民営化・分社化の準備として行われた2007年5月4日 - 5月6日のオンラインサービス休止前に、告知CMを流した程度にとどまっていた。ナレーションは倍賞千恵子が担当した。 その後、民営化が2か月後に迫った8月中旬ごろから、「〒10.1 もうすぐ民営化」と題した、郵便局(郵政サービス)は民営化後も従来通り利用できることを伝えるCMを放送し、民営化直前となった9月中旬ごろからは、9月30日のオンラインサービス休止の告知CMと、JR各社や日本たばこ産業発足時のように新会社を周知させる、「ひとりを愛せる日本へ。」と題した、日本郵政グループの企業CMを放送していた。
○ 新聞
2007年7月1日には、全面広告「〒10.1 もうすぐ民営化」が、8月16日には、民営化・分社化についての情報を詳細に説明した全面見開き広告が、全国紙・地方紙にそれぞれ掲載された。9月18日には、「ひとりを愛せる日本へ。」と題した全面広告を掲載し、民営化についての意気込みを紹介した。
○ パンフレット・チラシ
2007年8月17日から順次、全国の家庭・事業所に対して、民営化についての情報をまとめたパンフレットが配達された。発送部数は全体で5,756万部(日本郵政公社発表)となった。また、簡易生命保険の契約者に対しても、民営化についての情報をまとめたパンフレットが配達された。郵便貯金の契約者に対してはパンフレットは配達されなかったが、簡易生命保険用のパンフレットとともに郵便局に置かれていたため、自由に受け取ることができた。 加えて、民営化後の郵便サービスについての情報をまとめたパンフレットや、郵政サービス全体についての情報をまとめたチラシ、ゆうちょ銀行のサービス・手数料についての情報をまとめたチラシも置かれていた。
○ インターネット
公式サイトでも民営化・分社化について詳しく説明されていた。

● ニュージーランド
ニュージーランドでは、1987年に政府の行財政改革の一環として、これまで郵便・郵便貯金(金融)・電気通信の3事業を取り扱ってきた郵便事業省の、民間企業への売却を前提とした分割・公社化が行われた。郵便貯金事業を担っていた「ポストバンク」は1989年にオーストラリアのオーストラリア・ニュージーランド銀行グループに売却された。この結果、公務員数の削減、郵政事業への税金投入の全廃を達成した。また独立採算制と民間の参入の自由化により効率化を迫られた郵政公社は、徹底した経営の効率化を迫られ、郵便窓口の外部委託(薬局や書店が兼業)や配達業務の外部委託(入札制)などを採用し、郵便料金の長期据え置きを実現している。郵便窓口業務を民間委託しているため、営業時間の延長や顧客態度の向上など大幅にサービスは向上した。また郵便窓口数(店舗数)は政府との合意により最低窓口数規定を取り決め、実際には最低窓口数より多くの窓口を開設している。しかし一部の農村地域等では金融業務、郵貯業務を持たない金融空白地帯を生じた。これにより国民から郵貯の復活を求められニュージーランド労働党と旧連合党の連立政権は2002年に旧郵便事業を担ってきた公社化された「ニュージーランド・ポスト」に対して、郵便局の窓口を利用した金融機関「キーウィ銀行」を100%子会社として設立させた。

● ハンガリー
ハンガリーは国営のマジャール・ポシュタが郵便事業を行っているが、郵政民営化と上場が検討されている。民営化の行方はヨーロッパ連合の郵便事業の規制緩和と関連しており、2011年ごろに民営化する見通しであったが、いまだ実現していない。

「郵政民営化」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/
2025年7月1日14時(日本時間)現在での最新版を取得

好き嫌い決勝

好きな漢字は どっち?

1位 vs 2位


VS

好きな漢字を お選びください。

嫌いな漢字は どっち?

1位 vs 2位


VS

嫌いな漢字を お選びください。

好き嫌い準決勝

好きな漢字は どっち?

3位 vs 4位


VS

好きな漢字を お選びください。

嫌いな漢字は どっち?

3位 vs 4位


VS

嫌いな漢字を お選びください。

好き嫌い準々決勝

好きな漢字は どっち?

5位 vs 6位


VS

好きな漢字を お選びください。

嫌いな漢字は どっち?

5位 vs 6位


VS

嫌いな漢字を お選びください。

好き嫌い7位決定戦

好きな漢字は どっち?

7位 vs 8位


VS

好きな漢字を お選びください。

嫌いな漢字は どっち?

7位 vs 8位


VS

嫌いな漢字を お選びください。

好き嫌いTOP10圏内確定戦

好きな漢字は どっち?

9位 vs 10位


VS

好きな漢字を お選びください。

嫌いな漢字は どっち?

9位 vs 10位


VS

嫌いな漢字を お選びください。

漢字の無作為ピックアップ

好きな漢字は どっち?

投票すると漢字ランキングが閲覧できます!


VS

好きな漢字を お選びください。

現在 43回の投票があります!

嫌いな漢字は どっち?

投票すると漢字ランキングが閲覧できます!


VS

嫌いな漢字を お選びください。

現在 37回の投票があります!


Powered by イーオンラインサービス   楽天ウェブサービスセンター