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葉(は)は、陸上植物の植物体を構成する軸性器官である茎に側生する器官である。維管束植物の胞子体においては根および茎とともに基本器官の一つで、シュート頂から外生的に形成される側生器官である。普通、茎に側生する扁平な構造で、維管束からなる脈系を持つ。コケ植物の茎葉体(配偶体)が持つ扁平な構造も葉と呼ばれる。 一般的な文脈における「葉」は下に解説する普通葉を指す。葉は発達した同化組織により光合成を行い、活発な物質転換や水分の蒸散などを行う。 葉の起源や形、機能は多様性に富み、古くから葉の定義や茎との関係は議論の的であった。ゲーテ以降、葉を抽象的な概念に基づいて定義しようという試みが形態学者によりなされてきたが、ザックス以降、発生過程や生理的機能、物質代謝、そして遺伝子の発現や機能などに解明の重点が置かれている。茎と同様にシュート頂分裂組織に由来するが、軸状構造で無限成長性を持つ茎とは異なり、葉は一般的に背腹性を示し、有限成長性で腋芽を生じない。維管束植物の茎はほぼ必ず葉を持ち、茎を伸長させる分裂組織は葉の形成も行っているため、葉と茎をまとめてシュートとして扱う。葉は茎に対して、種ごとに特定の葉序をもって配列する。 なお、コンブやワカメのような褐藻類でも、付着器・茎状部・葉状部という高度な組織分化がみられる例があり、それぞれ俗に根・茎・葉と呼ばれることもあるが、陸上植物とは別のスーパーグループに属すため、進化的起源や構造は大きく異なり、真の葉とは区別される。 本項では、初めに概説にて、葉の多様性について示し、葉の種類を大別する。次に、特に種子植物が持つ大葉における、普通葉の外部形態について概説する。続いて普通葉の外部形態では取り上げられなかった特殊化した葉の様々な外部形態について述べる。その後、葉の内部形態について述べる。次に、概説の内容を拡張し、葉の進化的起源について述べる。葉の器官発生と胚発生における葉についてを発生節で述べる。次に、葉上から他器官を生じる特殊な例について葉上生節で述べる。葉が行う生理的な現象については、生理機能で述べる。他の生物との相互作用は生態系における葉節で述べ、最後に人間とのかかわり節でヒトによる利用について述べる。

● 概説
{{cladogram  title=現生陸上植物の系統関係  align= right  caption=系統関係は に基づく。太字はその系統で獲得した葉の種類を示す。  cladogram={{clade  style=width:32em
◇font-size:80%
◇line-height:100%  label1=陸上植物  1={{clade  label1=茎葉体の葉  sublabel1=  1=コケ植物  label2=維管束植物  2={{clade  label1=小葉  sublabel1=  1=小葉植物  label2=大葉植物  2= }} }} }} }} 陸上植物は胞子体(核相 2n)と配偶体(核相 n)の2つの世代が繰り返す生活環を持っている。また、現生の陸上植物はコケ植物、小葉植物、大葉シダ植物、種子植物(裸子植物と被子植物)に分けられ、右のような系統関係となっている。コケ植物以外の現生陸上植物は、いずれも維管束を持ち、まとめて維管束植物と呼ばれる。コケ植物では配偶体世代が優先し、主な植物体を構成する一方、維管束植物では胞子体世代が優先し、主な植物体を構成する。葉はいずれも主な植物体に形成されるため、コケ植物では配偶体(茎葉体)に、維管束植物では胞子体に葉をつける。特殊化した葉を除き、いずれの群にも共通する性質として、茎に側生する器官であること、扁平な構造であることが挙げられる。また、頂端から外生的に発生する。 コケ植物は、種によって茎葉体を形成するものと葉状体を形成するものするものが知られるが、葉は茎葉体にのみ存在する。この葉は維管束植物が持つ葉(leaf)と区別して、phyllid と呼び分けられる。ただし、これは上記の通り配偶体に形成されたものであり、構造や発生においても維管束植物の葉とは大きく異なるため、葉を維管束植物に限定して扱うことも多い。 維管束植物において、葉は根・茎とともに胞子体が持つ基本器官の一つである。そのため、葉状突起しか持たないマツバラン類を除く現生の全ての群で葉を持つ。しかし、維管束植物においても葉は複数の起源を持つと考えられており、小葉植物、大葉シダ植物、種子植物はそれぞれ独立して葉を獲得したと考えられている。つまり、地上に上陸したばかりの植物は葉を持たず、小葉植物、大葉シダ植物、種子植物のそれぞれの祖先が分岐した後で、それぞれが葉を別々に進化させた。小葉植物が持つ葉は葉脈を原則1本のみ持ち、小葉(しょうよう)と呼ばれる。大葉シダ植物と種子植物の葉はまとめて大葉(だいよう)と呼ばれるが、大葉は最大で11回独立に進化してきたと考えられている。特に、大葉シダ植物トクサ類の持つ楔葉(けつよう)、その他の大葉シダ植物や化石裸子植物が持つ羽葉(うよう)、裸子植物針葉樹類が持つ針葉(しんよう)、被子植物の持つ広葉(こうよう)などが区別される。種子植物(木質植物)の葉は、羽葉とは異なり求基的に成長する。 また、葉は一つの植物の中でも複数の形態や働きを持ち、光合成を行う普通葉(ふつうよう、foliage leaf)以外にも、胚発生直後の一時期のみにつける子葉(しよう)、小型化して芽や花を覆う鱗片葉(りんぺんよう)、大葉シダ植物や裸子植物の胞子嚢をつける胞子葉(ほうしよう)、被子植物の花を構成する花弁や雄蕊などの花葉(かよう)などが見られる。

● 外部形態
葉緑体を持ち、光合成を行う葉を(ふつうよう、foliage leaf)と呼ぶ。普通葉の多くは扁平であるが、針葉樹の(しんじょうよう、needle leaf)やネギ属 (ヒガンバナ科)やイグサ属 (イグサ科)が持つ(かんじょうよう、tubular leaf)も普通葉に含まれる。また、1個体に異なる形態の普通葉が生じる現象を異形葉性(いけいようせい、heterophylly)と呼ぶ。より広義には、普通葉の形態に限らずその種の特徴として常に2種類以上の異なる形態の葉を持つことを指す。異形葉性を示す葉を異形葉(いけいよう、heterophyll)という。 葉の構成部分は基部から順に、托葉、葉柄、葉身の3部に大別される。托葉(たくよう、stipule)は葉の基部付近の茎または葉柄上に生じる葉身とは異なる葉的な器官で、葉柄(ようへい、petiole)は茎と葉身を繋ぎ、葉身を支持する。被子植物の葉が持ち、普通扁平な光合成を行う主要な部分を(ようしん、lamina, blade)という。葉身の組織は葉脈、葉肉、表皮からなる。 托葉や葉柄を欠く葉も多い。葉柄を欠く葉を無柄葉(むへいよう、sessile leaf)という。また、葉身を欠くものもあり、偽葉(ぎよう、phyllode)と呼ばれる。 普通葉の形状から木本植物を大別した場合、広葉樹(こうようじゅ、broad-leaved tree, hardwood)と針葉樹(しんようじゅ、needle-leaved tree, acicular tree)に分けられる。基本的には系統関係と対応しているため、イチョウ (イチョウ科)、ソテツ (ソテツ科)、ナギ およびイヌマキ (マキ科)といった裸子植物は広葉をもつが広葉樹ではない。このうち、マキやナギは、鱗状葉を持つヒノキやイブキ(ヒノキ科)、針状葉を持つマツ科や旧スギ科とともに針葉樹に含まれる。ガンコウランやツガザクラなどの針状の葉(エリカ葉)を持つ広葉樹もある。イチョウやソテツ、ヤシ類はどちらにも含まれない。また、針葉樹の葉は形態によって針形葉、線形葉、鱗形葉に分けられる(下記「針葉樹の普通葉」節を参照)。 被子植物で最長の葉はラフィアヤシ で、20 m になるが掌状複葉であるためいくつかの小葉に分かれており、単葉ではインドクワズイモ が最大で最長となる。大葉シダ植物では葉頂端幹細胞により無限成長を行う種が知られ、コシダ属の一種 や、(ともにウラジロ科)では1個の葉が30 m 以上の樹上まで伸びる。 葉の形態は植物の種によって異なり、特に木本植物では同定の重要な鍵となる。一方、体系的な分類は花や果実といった生殖器官に基づいて行われてきた。しかし、生殖器官をつける時期はごく短期間であることが多いうえ、樹木の場合高い位置につけることが多く、野外ではこれを使った同定は難しい。また、樹皮も種ごとの特徴を反映することがあり、生殖器官とは違って用いやすいが、幼木と成木、老木ではそのパターンが変わりやすく、これを同定に用いるのも難しい。これらに対し、葉は年間のうち半分以上はつけていることが多く、成長に伴い変化するものはあるものの、一般的に成長しても特徴が変化しにくく、確かな同定形質となりうる。

◎ 複葉
葉身が複数の小部分に分かれた葉のことを複葉(ふくよう、compound leaf)とよぶ。それに対し、葉身が1枚の連続した面からなる葉を単葉(たんよう、simple leaf)と呼ぶ。複葉は単葉の葉身の切れ込みが深くなり、主脈の部分にまで達した状態であると解釈される。 複葉における、分かれている葉身の各片を小葉(しょうよう、leaflet)、小葉が付着する中央の軸部を(ようじく、rachis)と呼ぶ。小葉が柄を介して葉軸につく場合、その柄は(しょうようへい、petiolule)と呼ばれる。葉片が単葉か複葉の一部かは腋芽の有無によって区別され、複葉の小葉柄の基部には腋芽ができない。 大葉シダ植物の複葉(羽葉)の場合、小葉に当たる部分は羽片(うへん、pinna)と呼ばれる。

◎ 葉縁の形質と裂片
葉縁にみられる鋸の歯のような細かな切れ込みを鋸歯(きょし、serration, teath)という。鋸歯を持たず、切れ込みもないことを全縁(ぜんえん、entire)という。 凹凸が大きく葉全体の形にかかわるほどの切れ込みがある単葉を分裂葉(ぶんれつよう、lobed leaf)と呼ぶ。この突出部を裂片(れっぺん、lobe)という。それに対して裂片のない葉を不分裂葉という。切れ込みが浅いものを浅裂(せんれつ、lobed, lobate)、やや深く切れ込むものを中裂(ちゅうれつ、cleft)深く裂けていれば深裂(しんれつ、parted, partile)、完全に裂けたものを全裂(ぜんれつ、dissected)という。裂片が放射状に配置し、掌のようになったものを掌状(しょうじょう、palmate)、裂片が左右に列をなし、鳥の羽のようになったものを羽状(うじょう、pinnate)という。裂ける深さと形を組み合わせて、葉の形状を表現することが多く、例えばヤツデの葉は掌状深裂、ヨモギの葉は羽状深裂する。

◎ 根生葉
根生葉(こんせいよう、根出葉、radical leaf)は地上茎の基部の節に付き、根から生じているように見える葉である。大葉シダ植物や草本性被子植物に多い。バラの花冠状に放射状に重なり合ってつき、地表に密着して越冬する根生葉をロゼット葉(ロゼットよう、rosette leaf)と呼ぶ。 なお、根生葉に対し伸長した地上茎に側生する葉は茎生葉(けいせいよう、茎葉、cauline leaf)と呼ぶ。

◎ 楯状葉
葉柄の先に雨傘状の葉身を持つ葉を楯状葉(盾状葉、じゅんじょうよう、peltate leaf)という。ハスやジュンサイ、ノウゼンハレン、サンカヨウ属、ミヤオソウ属、テンジクアオイ属、ハスノハカズラ属などで見られるほか、ヤブレガサやタイミンガサのように葉身が放射状に分裂しているものもある。また、楯状葉葉身の葉縁の拡大があまり進行せず、葉身の葉縁方向への平面成長が進んだ形態は、杯状葉または嚢状葉と呼ばれる。(盃状葉、はいじょうよう、aecidial leaf)は奇形として知られており、ラッパイチョウやクロトン、シナガワハギなどによく観察されている。

◎ 単子葉類の葉
単子葉植物の葉は、単純な線形から長円形で、葉柄および葉身の分化がないものもあれば、大型ではっきりした葉身を持ち葉柄が分化したもの、葉柄の一部が葉鞘に変化し、茎を包むものなどがある。典型的なものでは、全縁の単葉であり、一次側脈の先端が葉の先端部で融合する閉鎖葉脈系を作り、平行脈葉(へいこうみゃくよう)である。ヤシ科、ショウガ科、バショウ科では二次側脈も一次側脈に平行に走り、特異的な平行脈を形成する。 ヤシ科の葉は裂開によって形成され、掌状複葉(しょうじょうふくよう)や羽状葉をなす。穴あき(あなあき)によって複葉的な葉が形成される場合や、被子植物の複葉と同様に小葉原基が分化するものも知られる。 単子葉植物の多くは有鞘葉(ゆうしょうよう、sheathing leaf)となるものが多い。有鞘葉は扁平な部分と基部の(ようしょう、leaf sheath)からなる。葉鞘はイネ科、カヤツリグサ科、ツユクサ科、ショウガ科、ラン科などに一般的で、ユリ科の一部にも見られる。葉鞘が托葉と相同かどうかは議論がある。 葉鞘はつねに地上茎の節から生じるわけではなく、地下茎から直接生じて順次内側の葉鞘を包み、筒状となって地上茎のように見えることがある。こうした葉鞘の集まりを(ぎけい、pseiudostem)と呼ぶ。ガマ科、ショウガ科、テンナンショウ属 (サトイモ科)、シュロソウ属 (シュロソウ科)、スズラン属 (キジカクシ科)などに見られる。 葉身が発達せず、葉鞘だけの葉を(しょうよう、sheath leaf)と呼ぶ。鞘葉はイグサ科のイグサ やミヤマイ 、カヤツリグサ科のワタスゲ やホタルイ 、カンガレイ 、フトイ 、ハリイ属 などに見られる。これらでは稈の基部に小数個の鞘葉が重なり合っている。また、ホシクサ属 (ホシクサ科)では茎の下部に常に1個の鞘葉がある。 また、有鞘葉のうち花序に腋生するものを(ほうしょう、bract sheath)という。スゲ属 の苞は苞鞘であることも無鞘であることもあり、シバスゲ節 sect. やシオクグ節 sect. の小穂の苞は少なくとも最下が苞鞘である。

◎ 針葉樹の普通葉
古くから針葉樹類と言われた裸子植物の系統は、分子系統解析が進んだ現在ではマツ科と残りの針葉樹類(広義のヒノキ目)の2系統が含まれることが分かっている。現生針葉樹類の普通葉は全て単葉である。その中でも、多くの針葉樹類の葉は細くて先細りとなるため、針葉(しんよう、needles)と表現される。ただし、ナギモドキ属 やナンヨウスギ属 (ナンヨウスギ科)、マキ科(ナギ属)では著しく幅の広い葉を持つ。ヒノキ科以外の多くの針葉樹類の葉は長枝に発生し、螺旋葉序または互生葉序となる。ヒノキ科では全て十字対生葉序か輪生葉序である。 現生針葉樹の葉は、その形態によって針形葉、線形葉、鱗形葉と呼び分けられる。 は現生針葉樹類の葉を、その3つにナギなどの幅広い葉を加えた4つのタイプに分類した。 針状で扁平ではないものを(しんけいよう、針状葉、針葉、needle leaf)という。スギは針形葉が螺旋状につき、葉の基部が小枝と一体化している。マツ属 ではシュートに長枝と短枝が分化し、針形葉が短枝に分類群ごとに1–5本の一定の数ずつつく。この短枝は俗に「松葉」と呼ばれる。クロマツでは短枝に2本の針形葉、ダイオウマツは短枝に3本の針形葉、ゴヨウマツは短枝に5本の針形葉をつける。また、マツの葉は等面葉である。 幅が狭く扁平なものを(せんけいよう、線状葉、線葉)という。中脈が明らかで、背軸面には気孔が気孔帯がみられることが多い。モミ、ツガ(マツ科)、カヤ、イヌガヤ(イチイ科)などには2本の気孔帯が認められる。イヌマキ(マキ科)の線形葉は中脈が顕著である。コウヤマキ(コウヤマキ科)の線形葉は短枝につく2本の葉が合着したものである。 扁平な葉が十字対生して茎を包んでいるものを(りんけいよう、鱗状葉、鱗葉、scale like leaf)と呼ぶ。ヒノキ科の普通葉に多く、ヒノキやサワラ、アスナロやコノテガシワに見られる。ビャクシンの葉は普通、鱗形葉であるが、ときどき針形葉を交じる。

● 葉の特殊化
葉は地上の茎に付属し、扁平で光合成を行うのが典型であるが、付く位置や形、機能においてさまざまな特殊化がみられる。こうした葉と相同と考えられるものの光合成を担うわけではない器官と普通葉とを合わせて総称的に(ようてききかん、phyllome, foliar appendage、フィロム)と呼ぶこともある。葉的器官には普通葉や芽鱗、苞、花器官などが含まれる。

◎ 鱗片葉
普通光合成を行わず、普通葉に比べ著しく小型化した葉を鱗片葉(りんぺんよう、scale leaf, scaly leaf)と呼ぶ。裸子植物の鱗片葉は雄性胞子嚢穂(雄性球花)、イチイ科の雌性胞子嚢穂(雌性球花)、マツ科の長枝等にみられる。 鱗片葉はさらに特殊化し、その位置により様々に呼び分けられる。芽を覆う鱗片葉は芽鱗(がりん、bud scale)、花芽を腋にもつ鱗片葉は苞(ほう、苞葉、bract)と呼ばれる。苞は位置や形により、総苞、苞、小苞、苞鞘、苞穎などに分けられる。 生殖シュートにおいて、胞子嚢とそれに由来する構造以外の要素は葉に由来すると考えられている。萼片、花弁、雄蕊、心皮といった被子植物の花を構成する鱗片葉を(かよう、floral leaf)または花器官(はなきかん、floral organ)という。雄蕊や雌蕊は胞子葉(ほうしよう、sporophyll)が変形してできたものである。また、裸子植物の雌性胞子嚢穂(雌性球花、球果)を構成する鱗片葉は種鱗(しゅりん、ovuliferous scale, seed scale)と苞鱗(ほうりん、bract scale)の2種類からなり、それらが癒合して種鱗複合体(しゅりんふくごうたい、seed scale complex)を構成する。種鱗複合体は果鱗(かりん、fructiferous scale, cone scale)や苞鱗種鱗複合体とも呼ばれる。 シュートの下部に形成される鱗片葉は(ていしゅつよう、cataphyll)と呼ばれる。低出葉には鞘葉、芽鱗、芽鱗に似た托葉だけの葉、実生の上胚軸の下部に作られる鱗片葉などがある。鞘葉は単子葉類の茎の下部にみられる。芽鱗は鱗芽をもつ木本に普通にみられる。托葉だけの葉はキジムシロ属のキジムシロ 、イワキンバイ var. 、ミツモトソウ などにみられる。クスノキ科のタブノキ属 、クロモジ属 などの実生では、子葉の間から伸びた上胚軸が地上に出ると互生する鱗片葉を形成する。この鱗片葉は次第に普通葉へ移行する。多くの被子植物では、シュート発生の際に周期的に低出葉の形成が起こる。また、こうして作られた側枝の最下の低出葉は(ぜんしゅつよう、prophyll, fore-leaf)と呼ばれる。前出葉は側芽に最初に作られ、特殊な形態を示すことが多い。ミカン属 の葉腋に出る刺やイネ科の小穂の第一苞穎および第二苞頴、スゲ属の果胞および小穂の柄の基部に生じる鞘葉は前出葉である。 シュートの上部に形成される花葉以外の特殊な葉を(こうしゅつよう、hypsophyll)と呼ぶ。高出葉は狭義には総苞片、苞、小苞などの鱗片葉が含まれるほか、広義にはシュートの上部にあって変質や退化した葉も含まれる。ウスユキソウ属 (キク科)の頭花群の下に伸びる毛深い苞、トウダイグサ属 (トウダイグサ科)の杯状花序の基部にある対生葉、ネコノメソウ属 (ユキノシタ科)の花序に含まれる苞以外の黄色い部分などがその例である。

◎ エリカ葉
エリカ葉(エリカよう、ericoid leaf)はツツジ科のガンコウラン属 やツガザクラ属 、エリカ属 などが持つ小さく針状の葉で、重複葉(ちょうふくよう、duplicate leaf)とも呼ばれる。葉縁付近の背軸側(腹側)に襞状の突起ができ、葉の背軸側に空洞部分ができることで気孔をその空洞の内側にのみ持つようになっている。左右の葉縁が背軸側に折れ曲がったように見えるが、実際は発生の途上に背軸側の基本組織中に新たに生じた分裂組織から二次的に作られたものである。この部分を重複葉身(ちょうふくようしん、duplicate blade)という。気孔が分布する空洞に面していない部分は厚いクチクラに覆われ、クチクラ蒸散を極度に減らしている。また、気孔の分布する空洞部分と外界を連絡する溝の両側は毛が覆い、空気の流通を妨げている。逆に葉の向軸側の表皮下には日射の強い高山において光合成効率を上げるため柵状組織が発達している。こうした構造により蒸散を最小限に抑え、高山に適応している。

◎ 水生植物の葉
水生植物の葉は水辺環境に適応して特殊化しており、水面との位置関係により沈水葉、浮水葉、抽水葉が区別される。また、ホテイアオイ (ミズアオイ科)などの浮遊植物では浮き袋(うきぶくろ、air bladder)を持つ。
◇ 沈水葉(ちんすいよう、submerged leaf)は、水中にある沈水性(ちんすいせい、submergence)を持つ葉である。一般に軟弱で、機械的組織の発達が悪い。バイカモ var. (キンポウゲ科)、マツモ (マツモ科)、タヌキモ (タヌキモ科)、クロモ やセキショウモ (トチカガミ科)、エビモ (ヒルムシロ科)など見られ、これらは全ての葉が沈水性を持つ。バイカモの沈水葉は葉身が発達せず、軸状の裂片が立体的に分枝する構造をしている。
◇ 浮水葉(ふすいよう、浮葉、floating leaf)は、水面に浮かぶ浮水性(ふすいせい、floatage)を持つ葉である。気孔は水面と反対の向軸面にある。デンジソウ (大葉シダ植物デンジソウ科)、ヒツジグサ (スイレン科)、ジュンサイ (ハゴロモモ科)、ヒシ (ミソハギ科)、トチカガミ (トチカガミ科)、ヒルムシロ (ヒルムシロ科)、アサザ やガガブタ (ミツガシワ科)などが持つが、若い葉では沈水性を持つことが殆どである。イチョウバイカモ (キンポウゲ科)は多くが沈水葉だが、僅かに水面上か水中にある扇形の浮水葉を持つ。
◇ 抽水葉(ちゅうすいよう、挺水葉、emergent leaf)は、水面に抜き出る抽水性(ちゅうすいせい、emergence)を持つ葉である。浅水域に生える、ハス (ハス科)、コウホネ (スイレン科)、オモダカ やクワイ 'Caerulea'(オモダカ科)、ガマ (ガマ科)などが持つ。ハスやコウホネは若い葉は浮水性を持つ。
◇ 水生シダ類のサンショウモ の葉は異形葉性を示し、水面に浮かぶ2枚の浮葉(気葉)のほかに、水中に分枝した根状の根葉(こんよう、root leaf)を持つ。これは沈水葉の1つである。

◎ 捕虫葉
食虫植物が持つ、昆虫などの動物を捕らえるように変形した葉を(ほちゅうよう、insectivorous leaf)という。捕虫葉の形は様々で、様々な捕虫の方法がある。モウセンゴケ類 の捕虫葉は葉縁や葉の表面に長い腺毛を持ち、触れると粘液を出して葉身を巻き込み虫を捕まえる。ムシトリスミレ やコウシンソウ (タヌキモ科)の捕虫葉は表面に腺毛と無柄の腺が密生し、前者からは粘液、無柄腺からは消化液を分泌し、虫を捕らえる。 捕虫葉が嚢状に変化して、(ほちゅうのう、insectivorous sac)を形成するものもある。(のうじょうよう、pitcher)または嚢状捕虫葉とも呼ばれる。タヌキモ属の葉は葉身が小さな捕虫嚢となっており、内部を減圧することで虫を吸い込む。ウツボカズラ属 の葉は葉の先が葉巻きひげとなり、その先が捕虫嚢となっている。サラセニア属では葉柄が漏斗状の捕虫嚢となっている。特にムラサキヘイシソウ では、その形成過程が明らかになっている。シロイヌナズナのような平面葉と同様に向背軸を規定する遺伝子が発現するが、葉の基部側の細胞分裂の方向が変化することにより、嚢状葉が形成される。ウツボカズラ属やサラセニア属の捕虫嚢内部には毛が生えて虫の脱出を防いでいる。

◎ 葉巻きひげ
植物が持つ巻きひげのうち、托葉や葉柄、小葉や葉身の一部を変形させてできたものを葉巻きひげ(はまきひげ、葉性巻きひげ、leaf tendril)という。バイモ (ユリ科)の上部の葉の先や葉全体が、トウツルモドキ (トウツルモドキ科)では葉の先が巻きひげとなる。マメ科のソラマメ属やレンリソウ属では頂小葉が巻きひげに置き換わった羽状複葉である巻きひげ羽状複葉を形成する。シオデ属 (サルトリイバラ科)では托葉、ボタンヅル では葉柄、カザグルマ (ともにキンポウゲ科)では小葉柄が巻きひげとなる。なお、葉巻きひげに対し、葉ではなく茎が変形してできた巻きひげになったものは茎巻きひげと呼ばれる。

◎ 葉針
葉針(ようしん、leaf spine/needle/thorn)は、葉全体または複葉の小葉、托葉などが硬化して鋭い突起に変形したものである。光合成の機能を持たない。特に托葉が変化した葉針を(たくようしん、stipular spine)という。葉針に対し、茎が変化したものは茎針、根が変化したものは根針といい、相似器官である。 多肉植物であるサボテン(サボテン科)の刺は葉針の一種である。また、メギ やヘビノボラズ (メギ科)では、長枝上に単一または三岐した葉針を生じ、その腋に短枝を形成し、普通葉をつける。ニセアカシア (マメ科)は托葉針を持つ。

◎ 多肉葉
柔細胞が多量の貯蔵物質を具え、多肉質になった葉を貯蔵葉(ちょぞうよう、storage leaf)という。ユリ属 やネギ属 の鱗茎(地下茎)は肥厚した貯蔵葉が集合してでき、(りんけいよう、bulb leaf)と呼ばれる。クロユリ (ユリ科)のもつ鱗茎葉は米粒から豆粒大の立体形をしている。 多肉植物はサボテンのように葉を矮小化させるものもある一方、葉を多肉化させ、多肉葉を形成するものもある。多肉葉はハマミズナ科、ベンケイソウ科、リュウゼツラン科、ワスレグサ科ツルボラン亜科のアロエ属などに知られる。リュウゼツランやアロエの葉では、葉肉が貯水組織となっている。 ハマミズナ科の葉は高度に多肉化することが多く、マツバギク やリトープス属 、コノフィツム属 などがよく知られる。フェネストラリア属 では、太い棒状の等面葉を形成する。リトープス属、コノフィツム属、フェネストラリア属などの多肉葉の頂端は葉緑体を欠く窓となって半透明を呈す。窓はキク科のミドリノスズ や弦月 、ワスレグサ科ツルボラン亜科のハオルチア属 、コショウ科のペペロミア・コルメラ などにも見られる。 光合成は葉の構造的特性と機能的特性に影響される。葉の内部構造や葉の方向は光合成のための光吸収を最大化するようになっている。また、葉肉細胞では細胞間隙に面する細胞壁が大きく、気体の交換がしやすいようになっている。この表面積を大きくする構造は車のエンジンを冷却するために襞状をしたラジエーターに喩えられることもある。光合成を行う細胞の二酸化炭素の需要と、孔辺細胞による二酸化炭素の供給の協調作用が純CO2吸収として測定される光合成速度に影響する。 また、葉は生育環境に対し馴化する。陸上植物は生育する環境の光条件に応じて形態的、生理的に異なった性質を持つ葉を作ることが多い。弱光下で形成された葉を(いんよう、shade leaf)、強光下で形成された葉を(ようよう、sun leaf)という。これは1つの種が複数の形態を持つ葉をつける不等葉性の一つである。種によって陰葉と陽葉の分化の程度は異なる。陰葉と陽葉のどちらが分化するかは、葉が発生するシュート頂ではなく既に成熟している葉に対する光環境で決まる。木本植物だけでなく、オオアレチノギクやセイタカアワダチソウのような草本植物でも陰葉と陽葉を分化することが明らかにされている。 陰葉と陽葉には以下のような違いがある。
  形態的特徴   (相対的に)面積が大きい   (相対的に)面積が小さい
  厚さが薄い   厚さが分厚い
  柵状組織の発達が悪い   柵状組織が発達し、多層になる
  生化学的特徴
  クロロフィルa/b比が小さい  クロロフィルa/b比が大きい
  弱光下でも光合成効率をあげられるように、
反応中心あたりのクロロフィル量が多い   ルビスコを多く持ち、炭酸同化を増加させ、キサントフィルサイクルの構成要素の
プールを大きくすることにより過剰エネルギーを放散する
  生理的特徴   光飽和時の葉面積当たりの光合成速度が小さい   光飽和時の葉面積当たりの光合成速度が大きい
  葉面積当たりの呼吸速度が小さく、光補償点が低い   葉面積当たりの呼吸速度が大きく、光補償点が高い
単位葉面積当たりの重さを比葉重(ひようじゅう、LMA, leaf matter per area)といい、単位は g/m2 である。比葉重の大きな葉は物理的な強度が高い傾向にある。陰葉より、強風などのストレスを受ける開けた環境の陽葉の方が比葉重が大きい。また、草本植物に比べ木本植物の方が比葉重は大きく、木本の中でも落葉樹より常緑樹の方が比葉重が大きい。常緑樹の葉は長い場合10年もの寿命を持つことがあり、長期間にわたって生存できるため、比葉重が大きい葉を作る。 また、ギャップ形成などにより植物が置かれた環境が変わると、植物はその環境に適応する。葉が生育環境に適した性質を持つように生化学的および形態学的に調節された発生学的過程を馴化(順化、じゅんか、acclimation)という。馴化は新たに展開する葉においても、既に成熟した葉においても起こりうる。

◎ 蒸散と排水
葉の裏では、気孔を通じて蒸散(じょうさん)が行われる。2個の孔辺細胞の働きにより開閉し、蒸散量の調整を行う。葉で蒸散が行われると、根で吸収された水が吸い上げられる。夏の日中などの蒸散が激しく行われるときには、水の吸い上げが追いつかず、葉は一時的に萎れる。 一方、蒸散が活発でないときには根から押し上げられた水が、陽圧によって葉縁の鋸歯にある水孔などの排水組織(はいすいそしき)から水滴として排出される。この現象を排水(はいすい)または出滴(しゅってき)という。蒸散速度が低くなる、(特に夏の)夜から早朝にかけてよく観察される。葉内間隙の気相を維持する機能があると考えられている。

◎ 運動
マメ科植物の葉は、太陽光線の強さに応じて角度を変化させる調位運動や就眠運動を行う。クズの葉は、早朝と夕方には太陽光線に葉を向け、一方日中は太陽光線を避けて葉を立てる。

◎ 紅葉
秋に葉が赤く色付く現象を紅葉という。落葉に先立って葉柄基部に離層が形成され、糖類の移動が妨げられることで葉に色素が蓄積することが、紅葉の起こりやすい条件であると考えられている。この色素はアントシアンやフロバフェンで、葉に蓄積した糖やアミノ酸から作られる。 一方、葉内のクロロフィルや蛋白質が秋の落葉前に分解されて移動する結果、残されたカロテノイドを主体とする黄色色素により葉が黄色を呈する現象を黄葉という。これにより窒素やリンなどの栄養素が回収される。アントシアン形成とカロテノイドの多寡により葉は様々な色調を呈し、紅葉と黄葉は同じ葉に起こることもある。 日本では紅葉はカエデ属、黄葉はイチョウやカバノキ属に顕著である。
○ 葉の色と生理
多くの植物で光合成を行う普通葉は、葉緑体を含むため、緑色を呈することが多い。しかし、種や条件により他の色を呈するものも知られる。 例えば、上記の紅葉のほかに、多年生の木本植物などの芽が休眠を打破して形成される新葉(しんよう)には、赤く色付くものがある。 新葉や落葉前の紅葉を含む、赤く色付いた葉の究極要因として、2つの仮説が考えられている。1つは、葉を過度の光から保護するためであると考えられている。ブドウでは、マグネシウム欠乏により、葉肉が黄色くなり、葉脈だけが緑色に残る「トラ葉」と呼ばれる形態を示す。

● 生態系における葉
大葉シダ植物や被子植物の葉上にはカビゴケ やヨウジョウゴケ のような生葉上苔類(せいようじょうたいるい、epiphyllous liverworts)が生育する。 また、葉面に分布する気孔からの蒸散は、植生地における潜熱の大部分を陸域生態系から大気へ輸送するのに機能する。

◎ 被食と防衛
葉は昆虫など様々な動物に摂食される。一方植物では、昆虫に食害されると、食害された葉などから食害を行った虫の天敵となる捕食者を誘引するための植食者誘導性植物揮発性物質を放出するものも知られている。 一般的に葉を摂食する昆虫を食葉性害虫という。葉肉中に潜り込み、葉肉細胞を摂食する昆虫も知られ、リーフマイナー(、ハモグリ)と呼ばれる。コノハチョウ属の鱗翅目昆虫は、枯葉を模して葉脈やカビの模様のように見える翅を持つ。枯れ葉への擬態は、ムラサキシャチホコやアケビコノハのような鱗翅目昆虫以外に、クモの一種、ナンヨウツバメウオ幼魚のような魚類でも知られる。

● 人間とのかかわり


◎ 食用
種々の草本植物の葉が葉菜類として栽培され、食用に供される。普通は貯蔵根が食用となる根菜類であるダイコンやワサビも、葉の部分を食用としてそれぞれ「大根葉」、「葉ワサビ」として親しまれる。香辛料(ハーブ)として、臭み消しや香りづけに用いられることもある。例えば、ゲッケイジュ(クスノキ科)の葉はローリエとして用いられる。ローズマリー(シソ科)も肉料理や魚料理の臭い消しに用いられる。ミツバ(セリ科)や、「大葉」と呼ばれるシソ(シソ科)などの葉菜類は「薬味」として用いられる。 特定の木本植物の葉や芽、薄嚢シダ類の若い葉は山菜として食される。特に後者はフィドルヘッド(
◇ ワラビ巻き)と呼ばれ、各地で食用とされる。日本では、樹木の若い芽としてウコギ科のタラノキやコシアブラ、タカノツメなどが食用となる。サンショウ(ミカン科)の若い葉は「木の芽」と呼ばれる山菜となる。シダ類の若い葉としては、ゼンマイ(ゼンマイ科)やワラビ(コバノイシカグマ科)、クサソテツ(コウヤワラビ科)などが食用となる。 桜餅に用いられるサクラの葉のように、樹木の成葉を塩漬けなどに加工して、食用にする場合もある。 チャノキ(ツバキ科)の葉からの抽出物は、茶として飲まれる。トチュウ(トチュウ科)、ビワ(バラ科)、アマチャヅル(ウリ科)、クワ(クワ科)のように、それ以外の植物の葉から抽出されたものも、茶外茶と総称される茶として飲用に供される。 イチョウの葉(イチョウ葉)やヨモギの葉(艾葉)のように、薬効があるとして抽出物が医薬品として用いられるものもある。

◎ 文化

◇料理の装飾 :日本料理では器に盛りつける際、食用としない植物の葉を食物の下に敷いて料理をあしらう掻敷(かいしき、皆敷、苴)が用いられることもある。多くは常緑樹の葉が用いられ、ナンテン(メギ科)。下記の食品の包装と同様に、殺菌のためと説明されることもある。
◇食品の包装 :葉は、笹寿司や柿の葉寿司などのように食品を包むのに用いられる。東南アジア諸国では、バナナ(バショウ科)の葉で包んだ料理が作られる(banana leaf も参照)。例えば、インドネシアではバナナの葉で包んで蒸すペペス (Pepes) と呼ばれる調理法が知られる。また、日本では柏餅や信玄餅、ちまきのように菓子を包むことも多い。これには、全国各地で34種類の葉が用いられるという研究結果がある。また、奄美大島を初めてとする南西諸島では、クマタケランやゲットウ(ともにショウガ科)の葉で包んだかしゃもちが食される。植物の葉で包む風習は保存のためであると考えられる。
◇断熱材 :アルプス山脈で発見された紀元前3300年頃の遺体であるアイスマンの遺留品からは、カエデの葉が発見されている。アイスマンはアルプス越えの旅の途中で、カンバの樹皮でできた容器に火種のための温かい炭火を入れ、それを新たに摘んだカエデの葉で包んで断熱材として利用したと考えられている。ナギ(マキ科)の葉は、や「梛の葉守り(なぎのはまもり)」や「なぎ守」として各地の神社でお守りとして頒布される。四つ葉のクローバーは幸運の象徴とされる。また、日本ではシュロの葉から作ったバッタを模したものや、笹舟など、葉を使った玩具を作る文化がある。

◎ 飼料
家畜の飼料(牧草)として、ネズミムギ やチモシーとして知られるオオアワガエリ などイネ科草本の(主に)葉や、アルファルファと呼ばれるムラサキウマゴヤシ などのマメ科草本の葉が用いられることが多い。場合によっては、クワ(クワ科)のような木本植物の葉がヤギなどの飼育に用いられることもある。 絹を採るためのカイコの飼育(養蚕)では、餌としてマグワ (クワ科)の葉が用いられる。新葉や紅葉のように一時的なものだけでなく、成葉で発現するものも知られる。色は赤、黄、白、斑入りなど様々なものが用いられる。

◎ バイオミメティクス
生物の持つ機能や構造を真似て工学的に利用することをバイオミメティクスというが、その中でもハスの葉の撥水する機能は「ロータス効果」と呼ばれ、汚れが付着しにくい微細構造へと応用されている。

◎ 意匠
イチョウ(銀杏紋)やフタバアオイ(葵紋)など、特徴的な形の葉は紋章やロゴマークなどのデザインにもなる。

「葉」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/
2025年2月16日1時(日本時間)現在での最新版を取得

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