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とは、水面の高低運動である。浪、濤とも書き、とも言う。
多方向からの波が合成されてできるピラミッド状の波を三角波と言う。
◇大きさによる分類
特に、確率的に発生する相対的に波高がかなり大きな波や、あるいは絶対的な観点から波高が巨大な波を、巨大波と呼び分類する。海洋遭難防止の観点から、この名称でこのような波を分類し、研究が進められている。
● 波浪(風浪とうねり)
波浪とは風によって起こる波のことである。波浪にはとうねりの2種類がある。(→風浪)
◎ 風浪
その場で吹いている風によって引き起こされた波は風浪あるいはと呼ばれる。風が海面に当たると、風と海水の摩擦で海面が波立つ。遠地の台風や低気圧などによって発生している高波が、減衰しながら時間をかけて長距離を伝播していくものであり、例えば日本近海で発生したうねりはハワイにまで到達することがある。うねりの波長は100m以上、周期は8秒以上であることが多い。
通常、波は大小が入り混じっていて、その大きさをひとつの数字で言い表すことはできない。しかし最大波高や最小波高を用いると、人間の実感ともかけはなれる。
京都大学防災研究所教授の森信人らによる研究では、地球温暖化は海面上昇だけでなく大気の対流を促して風による波のエネルギーを増大させ、砂浜など海岸の地形や生態系に大きな影響を与えると警鐘を鳴らしている。
● 津波
津波は、地震によって引き起こされる波のことである。長波の性質を持ち、その進行速度は重力の加速度と、水深の積の平方根となる。気象庁では、地震が起こると直ちに震源地、震源の深さ、地震の強さなどを計算し、津波が予測される場合は、津波の程度により、大津波警報、津波警報、津波注意報を出す。
● 高波
台風や季節風などにより発生したうねりが遠くまで伝わり、干満差の影響も加わると沿岸部が高波に襲われ大きな被害を受けることがある。
◎ 高波の主な被害
・1934年9月21日 - 室戸台風に伴う高波が大阪湾沿岸部を襲い、大阪市街地の大部分が水没。死者2702名、全壊家屋3万8771戸、流水家屋4277戸の被害(高波以外の被害も含む)。
・1966年9月24日、25日 - 昭和41年台風第24・26号の接近により、静岡県富士市吉原海岸に防波堤を越える波浪が押し寄せ、死者13人、負傷者64人の被害。
・2004年9月8日 - 台風第18号の接近による高波で北海道神恵内村の国道229号大森大橋が大破。数年間にわたり通行止となる。
・2008年2月24日 - 強い冬型の気圧配置の中、富山湾で寄り回り波が発生、湾内一帯で死者1名、重軽傷者15名、住家全壊4棟、半壊7棟の被害。
・2018年9月4日 - 台風第21号の接近による高波で、関西国際空港が水没する等、大阪湾一帯に被害。
◎ 記録
有義波の高さでみると、世界の観測史上最高の波は以下のようになっている。
・船舶による観測:2000年2月8日22時14分(協定世界時)、北大西洋の(イギリス(スコットランド)・セント・キルダ島西方約250キロメートルの地点)の位置で観測された18.5メートル。
・ブイによる観測:2013年2月4日6時(協定世界時)、北大西洋の(セント・キルダ島の北西約230キロメートルの地点)で観測された19.0メートル。
● 波と文化
波は人間にとって、大切な遊び相手である。海水浴、サーフィン、ボディボード、ウィンドサーフィンなどで、波を体感して楽しむ人々も多い。
また波は形(視覚的要素)でも人々を魅了する。世界的に見れば波をテーマとして追求している画家やカメラマンたちが多数いる。大型書店には波の写真集が通常何種類も並んでいる。
また、波の音も人々を魅了する。波の音は波音(なみおと)という。波の音には適度な規則性と適度な不規則性「ゆらぎ」が含まれている。おだやかな波音を聞いていると、そうでない時よりもずっと熟睡できる、という人も多いため、近年では海から離れて都会で暮らしている人々のために、波音を録音したCDも販売されている。
● 物理理論
一部の分野では水の波、そのなかでも波が砕け散ったりしないようなものを「水面波」という用語で呼ぶこともある。水面波は、物理学的に説明する場合、波動の一種という位置づけになる。水面波も他の波動と同様に屈折、回折、反射、透過、減衰などの性質をもつ。
ここでは、主として海の波に関する理論を挙げる。
◎ 波のパラメータ
・ 波長 L、周期 T、波速 C (=L/T)
・ 波高 H、振幅 a (=H/2)
・ 水深 h
・ 水面波形 η
◎ 波の分類
波は、水深によって、
・ 深海波 (沖波, )
・ 浅海波
・ 極浅海波 (長波, , )
に分類される。
水面変動の振幅が水深に対して十分小さい波のことを微小振幅波といい、その仮定における理論を微小振幅波理論という。それに対して、波高がそれほど小さくない場合、有限振幅波という。
◎ 微小振幅波理論
流体力学における連続の方程式であるラプラス方程式
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は、ある仮定および境界条件のもとで解くことができる。すなわち、波の振幅が微小であること、海水が完全流体(非圧縮・非粘性)であることなどの仮定、および、水底・水面における力学的・運動学的境界条件から速度ポテンシャル φ(x, z, t) を求めると、
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となる。H は波高、ω は角周波数 (=2π/T)、k は波数 (=2π/L)、cosh は双曲線余弦関数である。
速度ポテンシャルを微分すると速度が求められ、この式から、海水の水粒子は楕円軌道を描いて運動しており、深海波では円軌道に近くなることが分かる。
また、水粒子が水面から飛び出すことなく水面の動きに追随すること(水面における運動学的境界条件という)から、分散関係式
が得られる。tanh は双曲線正接関数である。
◎ 有限振幅波理論
ストークス波、クノイド波、孤立波などの理論がある。
◎ 浅水変形
波は沖から岸に近付くにつれて形を変える。水深が小さくなるにしたがって、波高が大きくなり波長は短くなる。沖での波高をH0としたとき、Ks = H/H0 を浅水係数といい、波高の増減の具合を示す。
● 他の媒体での波
水の波に類似した現象は自然界では広く見られる。例えば、音、光、電磁波などが挙げられる。
物理学などでは、音、光、電磁波などの波を「波動」という用語で表現している。
たとえば、重力波、地震波、偏西風波動(大気循環で見られる現象)などがある。
また海波によって発生した微小な波のことを脈動といい、地震計によって観測することができる。
● 比喩
社会的、心的な要素も含めて、様々な変動を波と呼ぶ。
例:「時代の波」「感情の波」、アルビン・トフラー『第三の波』。
「波」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2025年2月16日2時(日本時間)現在での最新版を取得














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