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島(しま)とは、一般的には周囲を海や湖で囲まれた陸地のことをいい、内陸部のものを含む。
地理学上は大陸よりも小さい陸地をいう。海洋法に関する国際連合条約では「自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるもの」と定義されている(とうしょ)、アイランドともいう。「嶼」は小島を意味する漢字である。
● 概説
地理学上、大きな陸塊が大陸、小さな陸塊が島に分類される。
現在、世界最小の大陸はオーストラリア大陸、最大の島はグリーンランドである。右図にこれらの陸塊の比較を示す。グリーンランドに次いで世界で2番目に大きい島はニューギニア島で、以下、3位がボルネオ島、4位がマダガスカル島、5位がバフィン島、6位がスマトラ島、7位が本州、…… と続く(島の一覧 (面積順)を参照)。
居住者のいる島を有人島、いない島を無人島という。世界最大の無人島は、カナダのデヴォン島であり、面積はカナダの島の中で第6位である。世界の島の中でも第27位であり、島としては世界第5位の人口を有する台湾島(面積38位)や、同じく12位の九州本島(面積36位)と、それぞれアジア有数の都市を擁する2島をも上回る。
複数の島がまとまって存在する場合、集団になっているものを諸島、塊状のものを群島、列状のものを列島などと呼ぶ場合もある。日本の国土地理院が1990年に刊行した「新版日本国勢地図」では諸島について「二つ以上の島の集団をいう。そのうち列状をなすものを特に列島という。」と定義している。ただし、諸島と群島に関しては概念としては同じで、明確に区分できるわけではない。
この条件から外れると領海を形成するために有効な領土ではなくなる。日本が沖ノ鳥島に消波ブロックなどを設置し、波浪による侵食によって満潮時に水没しないようにしているのはこのためである。
同条約同条2項では「島の領海、接続水域、排他的経済水域及び大陸棚は、他の領土に適用されるこの条約の規定に従って決定される。」とされている。一方3項では「人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。」としている。すなわち、広義の「島」であっても狭義の「島」と「岩」に条約上の扱いが分かれるので注意が必要である(この場合の「岩」は領土であり領海は持つ)。
以上の国際条約とは別に各国、各地域、各機関で様々な定義が行われている。
● 島の生物
島には、特殊な生物相が見られることがよくある。固有種が多く、また、飛べない鳥の出現なども広く見られることである。島の生物の生態についての研究は、島嶼生物学が扱う。
洋島では、漂着する生物が定着する事によって生物相ができることから、両生類や哺乳類を欠くといったような、大陸に比べて偏った生物相になりやすい。ガラパゴス諸島やハワイ諸島、小笠原諸島などが有名である。
陸島でも、大陸では絶滅した群が生き残っているなど、特殊な生物が見られる例が非常に多い。
しかし逆に何らかの要因で外来種が入ってくると島の固有種に壊滅的なダメージを与えたり、固有種と外来種の雑種が生まれたりするなどの影響が出ることが多い。
● 統治形態
小島嶼国の完全独立国には、サモア、トンガ、フィジーなどがある。
パラオ、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦については自由連合盟約(Compact of Free Association)をアメリカ合衆国との間で結んでおり、国防と一部外交権を委ねている。
プエルトリコと北マリアナ諸島は、いずれもアメリカ合衆国のコモンウェルスで独自の憲法と内政自治権をもつが、独立国でもアメリカ合衆国の州でもなく、アメリカ合衆国の特別自治領(自治連邦区)となっている。
アメリカ領サモア(米国領サモア、アメリカンサモア)やグアムはアメリカ合衆国の準州で、連邦税の支払義務が免除され、アメリカ合衆国議会に議決権のない代表を送ることができるが、大統領を選ぶ投票権は認められていない。
また、各国の海外領土として、イギリス領ヴァージン諸島(イギリス)、オランダ領アンティル(オランダ)、フランス領ポリネシア(フランス)、マン島(イギリス)、ケイマン諸島(イギリス)、マルチニーク(フランス)などがある。
● 「島」という言葉・文字
「島」という漢字は、意符「山」と音符「鳥」からなる形声文字である。異体字として「㠀・嶋・嶌」などがある。和語「しま」は四方を囲われた狭または締の意味。朝鮮語で島を意味する固有語「섬(seom)」の語源である百済語の「斯馬」と同語源だという説もある。
● 「島」の表現を当てるもの
◎ 湖沼・河川の中にある陸地
湖沼や河川の中にある陸地は四方を水域に囲まれているため島と呼ばれることがあるが、海洋ではないため地政学における島に当たらない。河川の中にある陸地は中州と呼ばれることもある。
◎ 独立したものの象徴としての「島」
◇ 陸地地名としての「島」
: 日本語の「島」には古来より、さまざまな意味がある。川沿いの耕地、一定の領域,集落、盆地の小高い処など。日本各地の内陸には、「島」がつく地名があるが、それらはこれに由来するものも多い。静岡県の蛭ヶ小島、長野県の島々や川中島など。
◇ 縄張り
: 「区画」という意味から、ヤクザが独占的に勢力を及ぼす範囲。「シマ」と片仮名表記されることが多い。
◇ 臓器の「島」
: 膵臓中でインスリンなどのホルモンを分泌するランゲルハンス島は、顕微鏡下の観察で他の膵細胞から独立して見えたことに由来する。
◎ 形からの連想で「島」と名付けられたもの
◇ 島式プラットホーム
: 線路に挟まれたプラットホームのことを「島式ホーム」と呼ぶ。
◇ 島(パチンコ、パチスロ用語)
: 遊技台が設置されている取り付け台を、通路に挟まれている様から「島」と呼ぶ。
◇ デスクや陳列棚の「島」
: オフィスの机や店舗の陳列棚などが数個まとめて配置され、その四方が通路で囲まれているものを島と呼ぶことがある。スーパーマーケットの陳列棚の場合、それぞれの島の両端には店側の最も売りたい商品が並べられていることが多く、大抵は買い得な価格が設定されている。コミックマーケットなどの同人誌即売会では参加者がジャンルごとにまとまって配置されることから、特定のジャンルの参加者が集まっている一帯をジャンルごとに「(作品名)島」「評論島」などと呼ぶ。
◎ 庭園を指す「島」
平安時代末期から鎌倉時代初期に記されたと考えられている日本最古の造園書である『作庭紀』(さくていき)は、庭の主たる構成要素として築山、池、島、南庭白砂、鑓水を挙げている。これが転じて、池や築山のある日本庭園のことを島と呼ぶこともある。
「島」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年12月6日23時(日本時間)現在での最新版を取得
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