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は、商品の販売やサービスの提供などの取引に対して課される租税である。
付加価値税はフランスで1959年に初めて導入され、その後160カ国以上で導入された。フランスによる1950年代の付加価値税を真似た各国は制度導入時の国内の反対論に妥協し、後に専門家から事務コストの高さや効率性の悪さから単一税率にすべきと批判される軽減税率を導入している。OECD加盟国で付加価値税(消費税)を導入していないのは、州ごとに税制が大きく異なり、売上税(sales Tax)と物品税(excise tax)が導入されているアメリカ合衆国のみである。州税と地方税の合計である売上税の税率は各州の市ごとに0%-10%と異なっている。
日本では1989年の消費税法制定で他国よりも遅れて導入された。消費税税率1%の上下で約2.6兆円の税収が増減する。事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供、商品の販売や運送、広告など、対価を得て行う国内の取引のほとんどは課税の対象となり、外国から製品を輸入する場合も課税される。ニュージーランドでは、1986年に同国左派第一党であるニュージーランド労働党のデビッド・ロンギ政権にて、社会保障給付の増加問題・保護主義的経済政策で膨張した財政赤字削減・物品ごとに異なる複雑かつ免税範囲の多い物品とサービスに関する税制度を改革するため、単一税率10%で消費税を導入した。1999年にニュージーランド政府は単一税率による一律徴収後に再分配するメリットと効果の検証結果を踏まえて、方針の維持を再確認している。ニュージーランドでは社会保障費制度の再設計において、単一税率で徴税した消費税税収を再分配する仕組みが効率的であるとの説明を国民が受け入れたため、軽減税率無しの10%での消費税導入の前後に、日本の消費税導入反対ような反発が起きなかった。
◎ デンマーク
駐日デンマーク大使館は2025年5月15日に公式Facebookにてデンマークの消費税制度について解説している。デンマークにおける消費税(付加価値税、VAT)は25%であり、世界でも高い部類に属する。1967年に10%の税率で導入され、段階的に引き上げられた後、1992年に現在の25%になってから上下とも変動されていない。日本の消費税(1989年導入、2025年時点で標準税率10%、軽減税率8%)と比較しても倍以上の税率であるが、国民の間では一定の受容がなされている。VATの高率にもかかわらず社会的な合意が形成されている背景には、税制の簡潔さ、徴収制度の整備、福祉国家としての高い公共サービス水準があるとされる。 デンマークのVAT制度の特徴のひとつは、軽減税率を一切設けていない点にある。日本などでは食料品等に対し軽減税率を適用しているが、デンマークでは生活必需品も含めすべての商品・サービスに一律25%が課される。特定品目に対する税率の調整を行わず、低所得層への配慮は福祉給付や所得再分配によって対応している。日本と同様に公的医療・教育に対しては非課税措置が取られている点は共通している。 また、中小企業に対する簡易課税制度も存在せず、すべての事業者が同様の方法でVATの計算と納付を行う。これにより、「益税」(本来納付すべき税額が事業者に残る現象)の発生が抑制され、制度の透明性が保たれている。 徴税手続きのデジタル化も早期から進んでおり、1967年の制度導入当初からインボイス制度が存在する。国・自治体との取引においては電子インボイスの使用が義務付けられており、民間間取引においても広く普及している。国税当局の申告・納税システムは直感的なUI/UXにより構築されており、企業の業務用ソフトウェアとの統合も進んでいる。このような制度的整備と長年の運用実績から、「インボイス制度が企業の負担である」とする議論はほとんど見られない。 消費者保護の観点から、消費者向けの価格表示にはVAT込みの総額表示が義務化されており、税抜き価格のみの提示は禁止されている。これは、実際の支払額を消費者に明確に示すためであり、誤認を防ぐ目的がある。一方、事業者間の取引においては、VAT抜き価格での提示が慣例とされている。 旅行者に対しては、一定額以上(300クローネ、約6,000円相当)の購入についてタックスフリー制度が適用されており、出国時の還付が可能である。
◎ 歳入構成の比較
2021年のニュージーランドは所得税10.5%-39.0%、法人税実効税率28%(内資・外資同一税率)、消費税15%(単一税率)である。同年のOECD加盟38カ国の平均法定実効税率は約23%であり、ニュージーランドの28%で少し平均よりも高い。日本の法人所得に対する法定実効税率はニュージーランドに近い29.74%で、加盟国中7番目に高い税率となっている。OECDで法定実効税率が最も高いのはポルトガルの31.50%、最も低いのはハンガリーの9.0%である。
● OECD加盟国ごとの消費税率・歳入に占める割合
一般消費税による税収の全税収における割合はOECD加盟国平均で20.2%であり。
◎ OECD諸国における消費税
米国 0 0 0
カナダ 5 4.5 13.2
チェコ 7.7 3.1 11.3
豪州 10 3.5 12.4
日本 10 4.9 14.9
韓国 10 4.2 15.1
コスタリカ 13 4.5 19.7
ニュージーランド 15 10.4 30.6
メキシコ 16 4.2 23.8
イスラエル 17 7.1 23.9
ルクセンブルク 17 5.7 14.9
トルコ 18 4.6 19.2
チリ 19 8 41.1
コロンビア 19 5.4 28.7
ドイツ 19 6.5 17.2
OECD平均 19.2 6.7 20.2
オーストリア 20 7.4 17.6
エストニア 20 8.9 26.7
フランス 20 7 15.4
英国 20 6.5 20.1
スロバキア 20 7.4 21
ベルギー 21 6.4 15
チェコ 21 7.4 21.3
スペイン 21 6.3 17.1
リトアニア 21 7.9 25.6
ラトビア 21 8.7 27.5
オランダ 21 7.4 18.5
イタリア 22 6 14.1
スロベニア 22 7.5 20.2
アイルランド 23 3.4 17.2
ポーランド 23 7.8 22.4
ポルトガル 23 8.4 23.8
フィンランド 24 9.2 22.1
ギリシャ 24 7.8 20.1
イスラエル 24 8 22
デンマーク 25 9.8 20.8
ノルウェー 25 9.1 23.6
スウェーデン 25 9.2 21.6
ハンガリー 27 9.8 27.1
◎ 日本の低負担中福祉是正への提言
日本は2015年度時点でOECD加盟国の中でデータのないトルコを除いた33カ国のうち、国民負担率は27位である。NHKによると先進国中、フランスは68.2%、1位のルクセンブルクは93.7%などヨーロッパでは高く、日本の国民負担率は全体で下位であり、日本はいわゆる「低負担・中福祉」の国と報道している。高齢者向けになっている社会保障を「全世代型」の社会保障を目指している日本政府の方針を伝えている。
木寺元は日本の消費税が他国より低い理由に取引高税失敗とシャウプ勧告で官僚主導時代に一般消費税の導入自体が遅れたこと、一般消費税導入を目指した時の自民党政権が選挙に負け続けたことで、「相当な覚悟がないと消費税には手を出せない」という空気が政界で支配的となったからと解説している。
民主党政権下の政府税制調査会専門家委員会委員を務めた三木義一青山学院大学法学部教授は日本は低負担中福祉となっていることについて、「高福祉高負担、低負担低福祉のどちらか又は中間の中負担中福祉なのかを日本は選ぶ必要がある」と指摘している。三木は「増税が必要な局面では、政治家が前面に出てその必要性を訴えなければ国民の理解も深まりません。それなのに、与党も野党も選挙での人気取りのために、社会保障の充実と減税を同時にアピールするような都合のよい主張が目立ちます」と日本経済新聞とともに日本にはびこる財政ポピュリズムを批判している。
2018年時点のOECD加盟国の(標準)消費税率平均は約19.6%で、時事通信社によると高福祉・高負担の代表国のスウェーデンの消費税率は25%と国民負担率負担が高い半面、大学までの学費が無料など恩恵は大きい。国民負担率33.1%で低福祉・低負担とされる米国では政府が徴収する消費税がなく、市や州が税率を定めて小売売上税(地方税)を課している。
日本は中福祉・低負担国であり、東京大学教授の福田慎一は、増税による応分負担または、国債と併せると歳出の58%を占める上に膨張し続けている社会保障費約36兆削減の選択の議論が必要だとしている。
◎ デンマークの歳入内訳
2017年のデンマーク歳入の構成は、OECD(データ対象: 2017)によると所得税52.9%で半分以上を占めている。残りは消費税31.8%、法人税7.2%資産課税(固定資産税、相続税など)3.9%、社会保険料:0.1%、その他:4.1%である。
● 各国の制度
◎ 略年表
・ 1954年 - 前年にフランス大蔵省の官僚モーリス・ローレが考案し、世界で最初に旧付加価値税制度を導入
・ 1967年 - デンマークで導入
・ 1969年 - スウェーデンとオランダで導入消費税の税率が全て一律なため、世界で最も課税ベースが広く、経済に対して最も中立的な付加価値税であるのでC効率性は世界最高の96.4%となっている。1999年にニュージーランド政府は最小のコストで安定した税収を得るためには、課税ベースの拡大と単一かつ定率の消費税だとの方針を確認している。1986年の軽減税率無しの10%の消費税導入に日本のような国民の反発はなかった。背景として、ニュージーランドでは社会保障費の制度を中負担中福祉にすることや低所得者への対応を消費税による税収から後で再分配する方が小売店も役所の負担が軽減されて効率的との政府の方針を国民が受け入れたためである。2006年に付加価値税収の総税収に占める割合は24.4%である。
VATの場合は特に、輸出に還付金が渡され輸入には課税される点、法人税引き下げとセットにされやすい点など、議論の焦点となってきたことが、アメリカの公文書に多く残っている。「歳出を減らす方がはるかに良い」と提言された。2013年には22%に増税された。2016年予算安定化法案で2017年1月から24%への増税が定められていたが、2017年予算法で増税時期は先送りされ、2018年1月に引き上げ実施予定になった。軽減税率は4%と10%の二つがあることもあり、C効率性は38.2%である。EUでも「EU域外への輸出」・EU域内非課税納品にはVAT非課税としている。加盟国以外の国の事業者かつ現地で売り上げがないケースで、VAT負担した際には還付申請することで税額還付される。
◎ 消費税導入政権連敗による導入の遅れ
日本の55年体制下ではフランスにおける1959年の世界初導入から30年遅れた1989年(平成元年)4月1日に初めて3%の消費税が導入された。消費税を導入しようとした度に、歴代自民党政権が反対する野党に選挙で敗北し続けたことで、経済成長期やバブル景気末期より前に消費税を導入出来なかったことが、日本における赤字国債の拡大の一因ともされる。笹貸し、反対している野党も政権交代に成功し、細川非自民・非共産連立政権、民国連立政権など政権を実際に担当する立場になると、国民福祉税(消費税率7%化)導入や消費税増税を訴えた。政権担当してなかった万年野党時代の消費税導入や引き上げ反対の立場から転換し、消費税導入や増税で赤字国債を削減する政策を打ち出している。この消費税導入に伴う間接税の整理によって、パチンコ場等などの娯楽施設を対象とした地方税の娯楽施設利用税・トランプ類税・物品税等などの間接税が廃止され、酒税やたばこ消費税などが改定された。税の用途は、社会保障と少子化対策として規定されている(2012年法改正)。
◎ 社会保障費膨張下における消費税増税と社会保障削減の改革案
日本の付加価値税はOECD諸国中で3番目に低く、OECD平均である19%の半分にすぎない。C効率性は65.3である。日本のVAT率が、OECD平均を下回っている理由について、木寺元は間接税比率を高める直接税中心主義の是正を推奨したシャウプ勧告、フランスで世界初導入された付加価値税が世界に広がった後も、自民党が与党だったとしても一般消費税導入・税率引き上げを目指す度に歴代政権が選挙に負け続けたために「相当な覚悟がないと消費税には手を出せないという空気が政界(自民党内部)では支配的となった」ことが消費税の導入自体を遅らせたからだと指摘している。
2014年4月1日に日本の消費税率は5%から8%に上げられた。また、2019年10月に8%から10%への消費税率引き上げと同時に、複数税率(8%の軽減税率)が導入された。この際には安倍政権は消費税の増収分を赤字国債返済だけでなく、「3-5歳までの子どもの保育料の無償化」、待機児童解消に用いる方針に変更した。 安倍首相(当時)は当初案だと増収分で肥大する高齢者向け社会保障費による赤字国債返済に回す割合が多いこと、現行の社会保障費の使い道が高齢者向けの政策に偏っていることを問題視した。安倍首相は、「もっと現役世代に振り向けるべきだ」と指摘し、上記のように子供向けの割合を増やす形で使い道を変えた。2017年9月25日、当時の内閣総理大臣・安倍晋三は、2019年10月に予定されていた消費税率10%への引き上げに伴う増収分の使途を見直し、従来の「財政健全化」に充てる予定のうち約2兆円を、幼児教育の無償化や高等教育の負担軽減など、いわゆる「人づくり革命」施策に振り向ける方針を打ち出した。この方針を掲げて衆議院解散・総選挙に踏み切ったことで、教育分野への重点投資が大きな政策テーマとなった。従来、消費税率の引き上げによる増収はすべて社会保障4経費(年金・医療・介護・子育て支援)に充当されることが、2012年の社会保障と税の一体改革により制度化されていた。このうち、1%分(約2.8兆円)は社会保障の「充実」、残り4%分(約11.2兆円)は「安定化」に充てられ、後者には基礎年金国庫負担割合の引き上げや、既存施策の恒久財源化、物価変動による自然増加分への対応が含まれていた。今回の使途変更は、従来「社会保障の安定化=財政赤字の削減」に充てられていた部分を、新たな教育施策へ振り替えるものである。そのため、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標(2020年度)達成が一層困難になるとされ、安倍首相も達成年次の先送りを示唆している。2019年10月時点では消費税率引き上げによる増収は満年度に達しておらず(約5兆円強)、教育充実に即時対応するための財源確保が課題となった。その手段として、①従来の歳出を抑制して教育分野に振り向ける案、②すでに引き上げられていた8%分の増収(2014年施行)を再配分する案、③償還期間を短期に限定した「子ども特例公債」を発行する案などが議論された。2020年度において、消費税21.0兆円、所得税19.2兆円、法人税11.2兆円と、歳入の租税及印紙収入において消費税が最大の歳入になっている。なお、国債発行による歳入である公債金は、2020年当初予算において90.2兆円にまで肥大化し、国債の利払い費用だけで9兆円にも及んでおり、さらに3回の補正予算による追加で、公債金の総額は112.6兆円に達している。消費税を減税すると富裕層・非現役世代から取れなくなり、「逆進性」との主張にも低所得者層ほど支払った税金総額よりも分配などによる税制度による負担よりも受益が上回っていることを指摘している。そして、経済学者の八代尚宏からも「シルバー民主主義: 高齢者優遇をどう克服するか」において、軽減税率無しの消費税率一律15%、という現役世代以外からも「多額消費者ほど多く納めることになる」仕組みで効率的に一旦徴税した後に分配するニュージーランドの消費税制度を目指すべきと指摘されている。
消費税導入反対や増税反対ばかりだった野党において、野党第一党には変化が起きており、立憲民主党の枝野幸男は党首として臨んだ2021年の衆議院選挙で掲げた消費税減税はポピュリズムであり、2022年に間違いであった反省を述べた。2024年8月25日に枝野元代表は消費税減税を改めて否定し、来たる党代表選に勝利すれば衆議院総選挙を通じてポピュリズムと戦うと語っている。同年9月の党代表選挙では野田佳彦が当選したが、首相在任中に消費税を5%から8%に引き上げることを決定した張本人であり、2024年8月時点では、消費税減税には否定的であった。
○ 「高福祉高負担」北欧の税制度と社会保障削減改革と日本比較
土田陽介三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部副主任研究員によると、「福祉国家」の理想形としてしばしば称賛対象にされている北欧の「高福祉・高負担」モデルが極めて戦略的な財政設計に基づいて成立していることが、日本国では十分に理解されていないと述べている。具体的な例として、スウェーデンでは、個人には高い所得税や消費税を課す一方で、企業に対しては国際競争力の維持を目的に比較的低い法人税率を適用しており、この構造を高福祉を支える財政的基盤としている。このように、スウェーデンの福祉国家モデルは「高福祉・高負担」と「企業競争力の維持」を両立させる制度設計であり、実際には社会的公正と経済効率の両立というバランスの上に成り立っている。スウェーデンは戦後の高度成長期にこのモデルを確立し、高水準の社会保障制度を築いたが、1990年代に入ると不動産バブルの崩壊や人口増加率の鈍化、経済停滞によって国家財政が急激に悪化し、政府債務はGDP比で約90%にまで膨らんだ。当時の日本と同様に「借金大国」として国際社会から懸念を示されたスウェーデンは、その危機を放置することなく、迅速かつ大胆に制度改革に乗り出した。具体的には、スウェーデン政府は年金制度において基礎年金を廃止し、所得比例年金へと一本化し、保険料率を固定することで財政の予見可能性と安定性を高めた。医療制度では、慢性的な入院(いわゆる「社会的入院」)を削減し、在宅ケアや地域医療への転換を進めるとともに、医療費補助も見直すなど、サービスの質と効率性の両立を図った。さらには、失業手当の給付水準の見直しや就労支援の強化など、支出の適正化と自立支援を進める多角的なアプローチがとられた。これらの改革により、スウェーデンは財政の健全化に成功し、政府債務はGDP比で5割程度にまで抑制された。加えて、2000年代以降も経済状況や人口構成の変化に応じて、年金や失業手当などの給付水準を柔軟に見直し続けており、「高福祉」は決して固定的なものではなく、時代に応じて制度のあり方を調整し続けるという柔軟かつ現実的なスタンスが一貫して維持されている。こうした弾力的な制度運営が可能なのは、福祉制度を「不断に見直すべき公共財」として捉える政治文化が国民の間に広く共有されている。逆に、日本の社会保障制度は、戦後の高度経済成長期に構築された「世代間扶養」モデルを基盤としており、現役世代が高齢世代を支える仕組みが前提となっている。その結果、年金、医療、介護などの支出は高齢者向けに偏重し、現役世代・将来世代への支援は手薄である。さらに政治的にも、選挙権を持つ高齢世代の比重が大きいため、高齢者に負担を求める改革には強い抵抗が根強く、社会保障制度の抜本的見直しは長らく棚上げされてきた。財政赤字が拡大を続け、少子高齢化が深刻化しているにもかかわらず、給付拡大と借金増大が並行して進行し、制度の持続可能性は著しく損なわれている。土田三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部副主任研究員は、このような構造的問題に直面している日本にとって、スウェーデンから真に学ぶべきなのは、制度の「かたち」ではなく、その変化を受け入れる「態度」や「文化」であると指摘している。スウェーデンでは、社会全体で痛みを分かち合いながら、制度を維持・再設計していくという合意形成の力があり、それが福祉制度の柔軟性と持続性を支えている。持続可能性なき福祉制度の放置は現役世代の世に重荷になっており、社会的分断と世代間対立を深める。だからこそ日本の有権者には、福祉の理想と財政の現実の間に合理的な折り合いをつけるための、成熟した民主主義と政治的意思決定力が求められている。
スウェーデンの財政は、消費税が占める税収構成比は日本とほぼ同じパーセントなものの、法人税率が日本よりかなり低いために「法人税入」の割合は日本の1/3で、「個人に対するの税金が高率」 の国である。具体的には、スウェーデンの高福祉を支える税収内訳は日本の約4倍も高い個人所得税を課税しており、「消費税が高い国」と言われるが、実際には「個人所得課税が多い国」である。スウェーデンの法人税率は1989年に60%であったが1991年の冷戦崩壊期に30%、その後も現状維持期間を挟みながらも段階的に引き下げ、2024年で20.60%・個人所得税は52.00%である。
◎ 社会保障給付費の膨張問題・消費税による勤労者の税負担集中抑制効果
1980年 24兆9290億円 12.23%
1985年 35兆6894億円 13.70%
1990年 47兆4238億円 13.67%
1995年 64兆9918億円 17.10%
2000年 78兆4062億円 20.10%
2005年 88兆8529億円 23.89%
2010年 105兆3647億円 28.89%
2015年 116兆8133億円 29.75%
2019年 123兆9241億円 30.88%
2025年
(2018年の予測)
140兆8000億円
2040年
(2018年の予測)
188兆5000億円
○ 法人税増税による勤労者負担
消費税導入以前は、納税とは所得税や法人税など現役世代に多い勤労者負担によるモノが中心だった。 グローバル化が進み続ける中で日本企業の国際競争力のためにOECD加盟国の中でも高い法人税(法定実効税率)を引き下げるべきだと指摘されてても、一般人の認識では「法人税増税時の負担は企業」「法人税減税は企業優遇」との誤解が多い。しかし、経済学者では常識であるように、実際は法人税負担は転嫁されるため、 労働者(賃金)・消費者(価格)・債権者(利子)・株主(配当)という各々利益の抑制または減少の形で負担する。更に、資本所得と労働所得に区分けし、法人税引き上げ時の負担がどこにいったかを分析すると、労働者層負担に集中する結果となることも判明している。具体的に、法人税引き上げ時の最初の四半期を「第1期」とすると、法人税率引き上げ分の負担は翌期(第2期)には労働所得に6.2%帰着し、資本所得に93.8%帰着する。そして、4期目には労働所得に20%弱で資本所得80%強が帰着するのように労働者所得負担の比率は上昇していき、第15期には労働者所得への負担帰着が資本所得と同率である50%ずつになる。以降も労働者所得負担は100%まで毎期右肩上がりしていく結果となっており、第80期前後以降は労働所得に対する法人税増税分の負担帰着率100%となる。そして、不景気などは個人所得・法人所得が減少時に納税額(税収)が大きく減少するため、消費税(付加価値税)は景気や経済情勢に左右されない内需型の課税として考え出された。更には、少子高齢化が悪化するほど、増加抑制困難な公的年金・介護保険・健康保険などの社会保障給付は肥大していき、それを社会保険料などの形で現役世代の負担集中度が増していくサイクルになっている。そのため、消費税の減税・廃止論・増税反対は非勤労者層による税負担激減を意味し、その意見が強い日本では対価として、社会保険料引き上げなどで現役世代層の負担率が大幅に上昇してきた歴史がある。消費税とは現役世代目線では長期的な社会保険料増加速度の抑制の恩恵があり、高齢者など非現役労働者層にも税負担をさせる仕組みである。消費税が社会保障の財源とされる背景には、他税との比較において、現役世代といった特定の世代にのみ負担が集中しない点、税収が景気などの変化に左右されにくい点、経済活動に中立的である点から適していることにある。
◎ 年収や世帯構成別の全税負担額と全受益額の比較
消費税減税とは多額消費する富裕層ほど金額的に得をし、不労所得層を含む非現役労働層は多額消費しても税負担をしなくてよくなり、所得税・法人税など現役労働者層のみに負担がいく税中心の制度となる。そして、消費税反対論として、「低所得者ほど逆進性」の主張があるが、これは、低所得層における税による受益部分を見ずに消費税単体しか見ていない意見である。実際には、非課税世帯など低所得者層ほど消費税を中心とした「支払った税金総額」よりも、消費税以外での各種支払減免金額・自己負担上限・控除・還付・給付金などを合算すると徴税分配による受益総額の方が多いため、実体は「低所得者ほど受益超過」状態である。
2017年の厚生労働省の所得再分配調査報告書でも、日本の所得別の徴税負担・受益還元の実態が示されている。再分配前所得約472万円だと再分配所得482.0万で受給超過、再分配前所得約523万円だと再分配所得約513万円で拠出超過である。つまり、再分配前所得500万円前後こそが実際の「日本の税負担における逆進性」の境目となっている。具体例として、高齢者世帯は再分配前所得が約100万円であるのに再分配所得は約365万円である。つまり、単身世帯を含む一世帯当たり265万円の受給超過と高齢者世帯はなっている。
◎ 労働者負担である社会保険料負担との比較
2021年の日本における社会保険料負担総額は、労働者負担39.8兆円・企業負担35.7兆円の合計75.5兆円である。社会保険料は所得から計算されるので主に現役世代負担なのに対して、消費税は現役世代から高齢世代まで広く薄く負担する仕組みである。そのため、現役世代の社会保険料負担10%軽減額≒消費税率約4%引き上げ金額分の関係となっている。つまり、70歳未満の現役世代目線では、社会保険料減税を対価とした消費税増税の方が税負担が軽減される。70代未満世代の中でも特に40代だと「社会保険料10%減額の代わりに消費税増税約4%」を実行されると8.4万円も税負担が減る。
「消費税」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2025年7月1日14時(日本時間)現在での最新版を取得









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