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紙(かみ)またはペーパーとは、植物などの繊維を絡ませながら薄く平(たいら)に成形したもの。日本産業規格 (JIS) では、「植物繊維その他の繊維を膠着させて製造したもの」と定義されている。
● 概要
広義の紙は、直径100マイクロメートル以下の細長い繊維状であれば、鉱物・金属・動物由来の物質、または合成樹脂など、ほぼあらゆる種類の原料から作れる。例えば、不織布は紙の一種として分類されることもある。しかし一般には、紙は植物繊維を原料にしているものを指す。やがて筆記可能な紙が開発され、パピルスや羊皮紙またはシュロ・木簡・貝葉などに取って代わり情報の記録・伝達を担う媒体として重宝された。西洋では工業的な量産化が進行し、木材から直接原料を得てパルプを製造する技術が確立された。
材料としては種類や加工法が豊富、加工の技術が比較的容易、安全などの特徴がある。
● 紙の原料
製紙用として使用される繊維素材には、植物性天然繊維、動物性天然繊維、人造繊維などがある。
◎ 植物性天然繊維
紙の原料である植物繊維細胞壁の成分は、セルロース・ヘミセルロース・リグニンに細分される。セルロースが骨格を、ヘミセルロースが接続を、リグニンが空隙充填を担う。
・ サトウキビ(バガス) - インド・中国や南米諸国では、製糖時に発生したサトウキビの絞りかすであるバガスからバガスパルプを製造し、紙の原料としている。バガスには、森林保護や、省エネルギー、地球温暖化への対策などのメリットがあるとされる。
○ 果実繊維
種子毛では木綿、果実ではカポック、殻ではココナツやヤシなどが原料になる。
◎ 動物性天然繊維
動物性天然繊維では羊毛や絹などが利用されるなど。名刺、クリスマスカードやバレンタインカードなどプレゼントカード、ペーパークラフトおよび手芸用・壁紙用紙材などに利用される。
・ 羽毛 - 粉砕したパウダー状の羽毛由来ケラチンの吸油性・撥水性・強靭性を生かしてコーティングすることで包装紙やチラシなどに利用される。
・ 卵殻膜 - 粉砕したパウダー状の卵殻膜をパルプに配合したもの。高い吸油性や皮膚治癒機能を生かしパーマ用ワインディングペーパーやあぶらとり紙に利用される。。
・ ストーンペーパー - ストーンペーパーは粒子の細かい石灰石粉を高密度ポリエチレン樹脂でシート状に固めた合成紙である。強靭な耐久性と筆記性を持つ。木材原料の代替として開発され製造時に水を使わないので汚水を排出しない。
・ ガラス繊維・炭素繊維 - ガラス繊維紙は耐熱・断熱性、電気絶縁性、耐食・耐薬品性、軽量性と強靭性や補強性を生かし電設資材や家電の絶縁材、建材や自動車などの断熱・防水材や成型材に使われる。炭素繊維紙も同様に車や飛行機や自転車、家電やヘルメットなどの成型材や耐食性を生かし耐食タンク、導電性を生かし電設資材や家電の導電材に用いられる。
特に陶紙や不燃紙など填料(後述)を一般用紙よりもはるかに多く(50%以上)内添して機能化した紙を高填料充填紙という。
・ 金属酸化物
・ 金属そのものが紙になるわけではないが、金属の酸化物などを紙に漉き込むことで、従来の紙よりも薄く丈夫で透けない高品質の紙を作ることが可能である。元々、白い色合いを持つ酸化チタンなどが使用される場合が多く、長期間に渡って使用、保存される本に使用される。
・ 高填料充填紙で機能性填料に水酸化アルミニウムなどの金属酸化物を利用したものは不燃紙、防炎紙に使われている。7世紀初めまでに中国から伝来した紙が日本独自に発展したもので、ガンピ・コウゾ・カジノキ・ミツマタなどが原料である。洋紙に比べて繊維が長く丈夫で軽い。蔡倫の考案した紙は薄く均質で滑らかな表面の文字を書くのに便利な為「蔡侯紙」と呼ばれ、宮中で絹帛に代わって用いられるようになったことから、蔡倫は文字の記録媒体としての紙の製造法を確立した人物という説が一般的である。西晋の時代(3世紀)には、左思の『三都賦』を写すために紙の価格が高騰したという記録が『晋書』に記載されており、「洛陽の紙価を高からしむ」という故事成語になっている。
紙はその後も改良され、唐時代(8世紀)には樹皮を主原料とした紙や、竹や藁を原料として混ぜた紙が作られるようになった。宋や明の時代(10世紀以降)には、出版が盛んとなったため大量の紙が必要となり、竹紙が盛んに作られた。明末の1637年に刊行された『天工開物』には、製紙の項目で、竹紙と樹皮を原料とした紙の製法を取り上げている。
紙は羊皮紙や絹に比べれば1/100以下の価格だったが、それでも日常用途で使用するのは上流階級と役所が中心であり、宋代の紙は今の物価で1枚数十円と高価なものであった。11世紀の詩人であった蘇舜欽は、自分が勤めていた役所で出た反古紙(書き損じの紙、役所で使用する紙は民間用途の2倍以上の価格で高級品)を売って、その代金で宴会を開いたために横領で糾弾されている。清の雍正帝(第5代皇帝)は質素・倹約を掲げていたので、重要な公文書などでない限り、紙は裏返して使うように勧めていた。
◎ 日本への伝播
製紙技術は中国から7世紀までに伝えられた。この技術が改良され、「和紙」となった。
布・楮・三椏・麻・梶・桑・雁皮など、材料は色々工夫され、用途に合わせて様々な品質の紙が製造された。しかし日本においても紙は高価であり、ゆえに日本各地の特産物として生産された。一方、紙の再利用も行われており、使用後に裏紙部分に再度筆記(紙背文書)したり、漉き直しつまりリサイクルして使用された。漉直しの紙は「漉返紙(宿紙、紙屋紙)」と呼ばれた。朝廷では図書寮紙屋院でこの作業が行われており、このリサイクル紙は朝廷の正規の文書でも略式命令(綸旨など)などの場合には使用された。
欧州から「洋紙」が入ってくるのは安土桃山時代以降、洋紙の本格的な製造は明治時代以降となる。
◎ イスラム世界への伝播
紙の製法が中国からイスラム世界に伝わった契機は751年のタラス河畔の戦いで、アッバース朝軍に捕えられた唐の捕虜に紙職人がいたことである。サマルカンドでは、757年に製紙工場が造られた。イスラム世界では紙の原料となる植物が存在しなかったため、紙の原料として亜麻を使ったり、サイズ剤として小麦粉から作ったデンプンを使うなどの工夫がされた。こうした紙はイスラム世界で広く知られるようになった。
その後、バグダッド・ダマスカス・カイロ・フェズなどイスラム世界の各都市に製紙工場が造られ、その技術は1100年にはモロッコまで伝わった、おし叩いて接着したもの。なお、「papyrus」は英語で紙を意味する「paper」の語源となっている。誤解されがちだが、古代エジプトはパピルスだけを使用していたのではなく、樹皮・粘土・木材・金属・陶器など、滑らかな表面を持つものは全て、文字を記すために使われた。
オストラコン
古代ギリシャ、古代エジプト
主に陶器の破片を利用したもの。少ない文言のメモから、長文のものまで存在した。エジプトでは「シヌヘの物語」や「夢のオストラカ」が書かれた長文も出土する。ギリシャでは政治家の信任投票に使われたことで著名であり、陶片ではなく投票記入専用のオストラコンが製造された。その投票「陶片追放」(オストラキスモス)の語源でもある。
蝋板
西アジア・ヨーロッパ
木枠で囲んだ板の表面を蝋(ワックス)の層で覆ったもの。書き直しが容易で携帯に便利な事から、メモ、速記、経理などに用いられた。長期保存ができない、改竄が簡単にできるのが欠点である。
羊皮紙
西アジア・ヨーロッパ
動物の皮を筆記用に加工したもの。羊・仔牛・山羊・鹿・豚の皮革を原材料にしたもの。表面を削れば、書き損じの修正や、再利用ができるのが利点であるが、他方、改竄が容易になるのは欠点である。
貝多羅葉(貝葉)
インド、東南アジア
主に椰子の葉を筆記用に加工したもの。写経などに使われた。かさばるため、大量の筆記には不向き。
アマテ
中南米
(アステカ・マヤ・オルメカ文明など)
Ficus insipidaなどのクワ科やイチジク属の木の樹皮を煮て石で叩き伸ばし、のち整形したもの。
その他樹皮
各地
東南アジアでは桑の樹皮が写経などに使われた。欧州北部ではシラカバの樹皮が用いられた。
木簡・竹簡・経木
中国・朝鮮・日本
木や竹を、墨で筆記できるように細長い板にしたもの。風雨や衝撃に対して紙より丈夫であり、また削って再利用できる利点があることから、紙が普及してからも荷札などで便利に使われた。一方で簡単に改竄ができてしまうのが欠点であった。
帛書
中国・朝鮮・日本
絹の布。高価なため希少であり、のちには高級な書や工芸品に使用された。格下の用途としては木綿布や麻布も使用された。
● 紙の製造
◎ 紙の作り方
紙は、植物繊維から次の手順で作る。
植物繊維を取り出す
紙をすく
脱水・乾燥する
こうした紙の作り方は、古代中国で発明されて以来、基本的には変わっていない。中国で明末の1637年に書かれた『天工開物』では、竹紙の作り方を次のように記述している。
斬竹漂塘 - 竹を切り、ため池に漬ける
煮楻足火 - 十分に煮る
蕩料入簾 - 竹麻を簾(れん)ですく
覆簾壓紙 - 簾をひっくり返し、紙を積み重ねる
透火焙乾 - 火を通し、紙を焙り乾かす
○ 植物繊維を取り出す
伝統的な製紙方法では、原料となる植物や木綿やアサのぼろを、アルカリ性の溶液で煮て、軟らかくする。こうして取り出した植物繊維は、パルプに相当する。また、古紙を水につけてパルプを作ることもできる。例えば、牛乳パックからパルプを作ることができる。
植物から繊維を取り出して紙をすくときには、パルプを叩き、繊維が切断・水和・膨潤・絡み合うようにする作業が必要である。こうした作業を叩解(こうかい) という。パルプを叩解すると、繊維はまず内部フィブリル化し、次に外部フィブリル化する。
・ 内部フィブリル化 - 繊維の組織がゆるみ、軟らかくなる。
・ 外部フィブリル化 - 繊維の表面から、ごく短い繊維の束(フィブリル)が出てくる。
○ 紙をすく
水に溶かしたパルプを簀の子(すのこ)や網の上に広げることを「すく」という。「すく」は、手で行う場合は「漉く」、機械で行う場合には「抄く」と表記する。手漉きの場合、紙は1枚ずつすく。一方、機械抄きの場合は連続して紙をすくため、高速で紙を製造できる。
◎ 紙料
パルプを水に溶かして散らしたものを紙料(原質、完成原料)といい、紙料から紙は作られる。製紙会社によく見る、巨大な塔はこの蒸解釜である。
○ 調成工程
調成工程では、各種パルプを混合し、叩解し、薬品を添加する。叩解には、かつてはビーター、現在はリファイナーという機械が使われる。調成工程を経たパルプを、紙料という。
○ 抄紙工程
抄紙工程では、抄紙機を使い、紙料を1%程度に水で薄めたものを原料に、次の工程で紙を抄く。
ワイヤーパート- 紙料を、網(ワイヤー)の上に流して薄く平(たいら)にすることで、湿紙を作る。水分が重力によって脱落し、紙料の水分は99%から80%程度になる。
プレスパート - 湿紙にフェルト(毛布)を当てて上下から圧縮することで、水分を搾り取る。この工程で、湿紙の水分は55%程度になる。
ドライヤーパート - 湿紙を加温して水分を蒸発させ、水分が8%程度になるまで乾燥させる。
○ 塗工工程
塗工紙の場合は、コーターを使い、紙の表面を顔料などで塗工する。コーターには、抄紙機と直結することで抄紙・塗工を1工程とするオンマシン式と、抄紙とは別工程とするオフマシン式がある。
○ 仕上・加工工程
乾燥し、抄紙機またはコーターから出てきた紙は、次の工程で仕上・加工する。
カレンダリング
リールによる巻き取り
ワインダーやカッターで断裁
包装
出荷
◎ 紙に添加される薬品
各種洋紙に添加される主な薬品は次の通り。薬品は、調成工程でパルプに混合されたり、塗工工程で紙の表面に塗工されたりする。機械抄き和紙にも合成ねり(粘剤)などの薬品が用いられている。詳細は製紙用薬品を参照。
◇ サイズ剤
: 水性インクなどのにじみを防ぐ。かつてはロジンと硫酸バンド(硫酸アルミニウム)が広く使われており、そうした紙は酸性紙という。酸性紙は寿命が50年から100年で、図書館での蔵書の保管などで寿命が短すぎることが大きな問題になった。中性紙は、硫酸バンドの代わりに、AKDやASAなどの中性サイズ剤を用いており、寿命は酸性紙の4倍から6倍といわれている。現在、印刷用紙やPPC用紙では中性紙が使われることが多く、酸性紙は新聞や雑誌など長期保存の必要がない用途で使われる。
◇ 填料
: 繊維間の隙間を埋め、不透明度・白色度・平滑度・インク吸収性を向上させる。従来からカオリンなどのクレー(白色粘土)やタルク(滑石)が使われているほか、中性紙では炭酸カルシウムが使われる。填料は、印刷用紙やPPC用紙などには5%から20%程度、辞書などに使う薄葉印刷用紙では25%程度が含まれる。
◇ 紙力増強剤
: 紙の強度を高くする。紙が乾いた状態での強さを上げる乾燥紙力増強剤と濡れた状態での強さを上げる湿潤紙力増強剤に分かれる。主にデンプンやポリアクリルアミドが使われる。
◇ 染料
: 染料は、紙に色を付けたり、白さを高めたりする。白さを高めるには、繊維の黄色の補色である青色の染料が使われる。また、書籍などでは、文字を読みやすくするため、淡い黄色の染料を使う。蛍光染料は、白さを特に高めるために使う。
◇ 塗料
: 高級印刷用紙などの美感や平滑さを高める目的で塗料が紙の表面に塗布されることがあり、そうした紙は塗工紙という。塗料は、カオリンや炭酸カルシウムなどの白色顔料と、デンプンやラテックスなどのバインダー(接着剤)を混合して作る。
◎ 生産・消費量
日本製紙連合会の調べによれば、2012年における世界の紙・板紙の生産量は、前年比0.4%増の約4億トン。国別生産量のトップは中華人民共和国で10,250万トン。次いでアメリカ合衆国の7,438万トン、日本2,608万トンは世界3位に位置している。国民1人当たりの消費量のトップはベルギーで約318kg。次いでオーストラリアの約252kg、ドイツの約243kgが続く。日本は約218kg。
2017年の世界の紙・板紙生産量は、4.2億トンと2016年比1.7%増加。北米や欧州、日本などのこれまでの紙パルプ産業をけん引してきた国が、シェアを落とす中、アジア地域の存在感が増してきている。
● 紙の物性
◎ 基本物性
紙の基本物性と評価には、以下のような項目がある。
◇こわさ
:紙が自重を支える性質(紙のこし)を表す。幅2cmのテープ状に切った紙を水平に保持し、垂れ下がり始める長さで測る。また、垂直に保持して左右に傾け、それぞれの方向で垂れ下がる角度の計が直角になった時の長さをcm単位で計測し、長さの3乗を100で割った値をクラークこわさと言う。紙箱など、紙のみで形を維持させるような場合には強いこわさが求められる。
◇引張り強さ
:紙が引きちぎる力に抵抗する性質を表す。幅15mm、長さ20cmの試験片を用意し、両端各1cm幅を挟んで引張り試験機で測定する。破断時の荷重やエネルギーおよび紙の伸びを計測し、単位面積当たりの仕事量をタフネスとして示す。また、この結果から断裂長を導くこともある。これは、紙を非常に長いテープ状にして吊り下げた場合に破断を起こす長さに換算したもので、km単位で表される。
◇耐磨耗強さ
:紙同士、または紙と他の物質が繰り返し摺り合わさった場合に生じる紙表面のムケなどを調べる。テーパー型磨耗試験などを用いて一定の時間・速度・圧力で摺り合わせを行い、単位質量の減少で測定する。
◇引裂強さ
:紙が横方向に引き裂かれる時の強さを表す。4枚重ねて両端を固定した紙の中央下部端に2mmの切れ目を入れ、片方に振り子をつけて揺らす。これにより起こる引裂きの抵抗値を測定する。この数値を16枚重ね相当に換算した値をエレメンドルフ引き裂き強さ(内部引裂強さ)と言う。
◇破裂強さ
:内容物がある紙袋の破裂に対する強さを表す。中央に円形の穴があるドーナッツ状の抑え板で紙を挟み、穴の部分にゴム製の風船を当てて膨らます。やがて紙が破れた際の圧力を破裂強さと言う。
◇衝撃引張り強さ
:紙に強い衝撃が加わった際に抵抗する強さを表す。アイゾット衝撃試験を行う。
◇耐折れ強さ
:繰り返し折りたたみ、開かれることに対する紙の強さを表す。
:実際に折り開くことを繰り返して、紙の強さを測定する。また、折りたたみによって起こり紙の破断は、背側に亀裂が入り起こることが多い。そこで、紙に罫線(表面だけに加わった切り込み)を入れて、それを背に折りたたみ割れの状態を観察する方法もある。
◎ 要求物性
紙は、その用途に応じた性能が求められる。印刷を前提とした紙にはインクを沁み込ませる機能が必要となり、吸水度をクレム法やコップ法などで計測する。逆に包装材料の中には防水や耐水性を付与した紙もある。食品包装用には油や脂質への耐性が求められるものも多くある。壁紙では難燃性が求められるで209.3kg、薄いものは純白ロール紙34kgがある。ただし、紙質によって同じ厚みでも密度は異なるため、あくまで目安。同質の紙同士で厚みを比較する際にはよい参考になる。厚さについて言及する際、単に「キロ(グラム)」と言った場合は(四六判にした時の)連量を指す。
● 現代社会と紙
◎ 紙とコンピュータ
コンピュータなどの電子技術が普及すれば、紙を使わなくなるペーパーレスが実現し、印刷や配布、紙の保管などのコストを削減できるだろう、とする予想があった。
しかし、コンピュータが高度に普及した現代においても、紙の使用量は減少していない。紙に代わるデジタルドキュメントシステムで、移行の手間などやはり大きなコストが発生すること、紙のアフォーダンスを再現することが難しいことなどが原因としてあげられる。
◎ 紙と環境問題
紙は、環境問題で議論の対象となることが多い。日本国内で生産される紙の原料の約6割は古紙だが、残りの約4割は木材などを原料としたバージンパルプである。バージンパルプの原料には、丸太を製材に加工する際に発生する残材(端材)なども使われるが、丸太を2~3cmの大きさに砕いた木材チップが用いられている。木材チップは国内産のものもあるが、日本国外から輸入されるものの方が多い。木材チップの原料には、主にユーカリやアカシアなどの植林木が用いられている。しかし、植林を行なうためにその土地の天然林を伐採している事例もあるとの指摘がある。また、木材チップの原料の一部には天然林から伐採された丸太も用いられており、環境団体からは、天然林の伐採対象には生物多様性が豊かな原生林も含まれていることが指摘されている。
「紙」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2025年2月16日1時(日本時間)現在での最新版を取得

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