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石(いし)は、岩(いわ)より小さく、砂(すな)よりも大きい、鉱物質のかたまり。
● 概説
広辞苑の説明の1番目のものから解説すると、石というのは、岩より小さく、砂よりも大きい、鉱物質のかたまりのことである。たとえば、18世紀の博物学における分類体系においては大抵、「動物界」「植物界」「鉱物界」が並置されていたのである。そのため狩猟、農耕、調理といったあらゆる用途に利用されてきた。
人類と石器とのかかわりのはじまりは250万年以上昔にさかのぼると推定されている。「石器時代」という用語は、人類の歴史をその利器の材質で区分する用語であり、石器時代・青銅器時代・鉄器時代と3つに区分する歴史の区分法のひとつである。
年代や地域も明記せずにやや乱暴に説明すると「石は加工性・成形性・精密性に劣り、大型の容器を成形できなかったため、"時代が下るとともに" 石器から粘土製の土器へ移行した。なおアナログ式クオーツ時計においては可動部が少ないため、石の数は機械式時計に比べて少ない (安価なものに関してはないものも多い)。
◎ 武器・兵器としての石
石は投げつけることで相手を殺傷することができる。古代から狩猟に使われたり、戦闘の武器・兵器として使われた。
石はありふれていたので、人は戦う時、とりあえず手近にある石を手にとる、ということをしてきた歴史がある。日本では手で投石する戦闘行為を「印地」(いんじ)といい、熟練者を「印地打ち」と称した。戦国時代には石合戦などの行事が行われていた、石つぶて隊とも。
やがて何らかの機構を使って手で投げるよりも遠くへ飛ばそうとするようになり、多くの国で投石器・カタパルト・バリスタ・石弓・弩(石も跳ばせる様にした物)などが開発され、投石専門の投石兵が組織された。
古代イスラエルのダビデは、石でゴリアテを倒したとされる。そのダビデの姿を描いたミケランジェロの有名なダビデ像は左肩に帯状のものをのせているが、これは投石のための道具である。
なお、闘いで石を手にとる、という行為は古代や中世で終わったわけではない。現代でも例えばパレスチナの人々は、彼らを迫害するイスラエル人と闘おうとする場合、銃などを手に入れられない代わりに、地面に落ちている石を拾い投げつけて抗議行動を行った(第一次インティファーダ)。
◎ スポーツ
カーリングには花崗岩で作られた「ストーン」が用いられる。
◎ 碁石
囲碁やオセロなどの一部のボードゲームでは駒のことを「石」と呼ぶ。
囲碁や連珠で使われる石は碁石と呼ばれ、黒いものと白いものがある。高価なものになると、黒石は那智黒石という石から作られている。白石のほうは、ハマグリの貝殻から作られているものが多い。安価なものでは黒・白ともにプラスチックや硬質ガラスなど、石以外の素材で作られるが、すべて石と呼ばれる。
「布石」「定石」「捨て石」といった語は、石を使う囲碁の用語として生まれ、のちに転用されたものである。
オセロでは一般に樹脂製のものが使われるが囲碁に倣って石と呼ばれる。
◎ 食
石焼として鉄板のように使用することがある。また、アフリカのケニアでは、odowa と呼ばれる石を食用とする。この石は歯よりも柔らかく、歯を磨く効果もあるという。味は塩みも甘みもなく、食感が楽しめる。鉄分が含まれるため、鉄分が不足しやすい妊婦などが好む。
石を食べない動物(犬や豚など)が、石を口に含んだり飲み込んだりする行動をStone chewingと呼ぶ。
● 収集・鑑賞
珍しい石(奇石・怪石)を収集・鑑賞する営みは、中国や日本では「文人趣味」の一種として古くからある。絵画や陶磁器の文様に石が描かれたり、水石や盆石として体系化されたりもした。
宋代中国では、太湖石を愛した徽宗皇帝や、米芾、蘇軾が石の収集家として活動した。
● 半導体や集積回路
半導体を使う製品では、古くよりラジオなどの性能を表すのに真空管の本数を示して「5球ラジオ」のように呼んでいたことに倣い、トランジスタラジオなどの性能を示すのにトランジスタの個数を示して「5石ラジオ」のように呼んだ。これにはトランジスタの原料であるシリコンが石英や長石と同じ珪素化合物であることも関連している。 鉱石ラジオでは検波のために鉱石をひとつ使うが、これは様々な代用品が使われることもあった。
なお現在でも古くからパーソナルコンピュータ(PC/AT互換機)などを扱っていた人の間で、ジャーゴンとしてCPUやGPUなどを「石」と称する場合がある。
「石」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2025年1月28日11時(日本時間)現在での最新版を取得
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