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ビーンボール(Bean ball)とは、野球で反則行為とされている投球である。日本プロ野球でいう「危険球」。
● 概要
Beanは頭の意の俗語であり、多くの場合、野球において投手が打者の頭部に当てようと狙った投球を指す。打者を威嚇してのけぞらせる目的の投球である「ブラッシュバック・ピッチ(brush-back pitch)」とは区別されている。
『公認野球規則』(6.02c), (8.01d)ではビーンボールは固く禁じられている。審判員はチーム間に険悪な雰囲気が流れていると感じた場合には試合開始前でも警告を発することが可能であり、審判員は投手だけでなく、ビーンボールを投げるように命じた監督も退場させることができる。
● 頭部死球による事故
心理的な優位性を得るために投手はさまざまな理由でビーンボールを投げる。しかし、過去には頭部に当たる死球の結果としてさまざまな事故が引き起こされてきた。
◎ メジャーリーグベースボール
MLBにおいては8月16日に行われたニューヨーク・ヤンキース対クリーブランド・インディアンス戦で、インディアンスのレイ・チャップマンがヤンキースのカール・メイズの投球を左のこめかみ部分に受け、翌日死亡するという悲劇が起きている。対策としてこの事故の直後に、試合中に汚れたボールは審判員の判断でいつでも交換が可能になり、目視を難しくさせるボールに細工をする行為の対策が徹底された。翌春にはインディアンスの選手が当時のNFL選手が使用しているものを真似た革製ヘルメットを試験的に導入しており、後年の打撃用ヘルメットの開発につながった。
チャップマンの死亡事故以降も、幾つもの悲惨な事故が繰り返された。選手寿命を縮め、事故によって現役を引退した選手も存在した。
・ アメリカ野球殿堂入りの名捕手、ミッキー・カクレーンは5月25日に投球を右のこめかみ部分に受けて10日間意識不明に陥った後に復帰を諦め、そのまま現役を引退した。
・ ジョー・メドウィックはセントルイス・カージナルスからブルックリン・ドジャースにトレードされた6日後の6月18日にカージナルスのボブ・ボウマンの投球を頭部に受けてしまった。ボウマンは試合前にホテルでメドウィックやレオ・ドローチャー(ドジャース監督)と口論になっていたので、「ビーンボールではないか」と疑われた。当のボウマンはドジャースのチャック・ドレッセン三塁コーチのサイン盗みによって起こった事故だと非難した。メドウィックがカーブだと決め付けて前方に踏み出したところに、ボーマンは代わりにインコース高めに速球を投げ込んだ。脳震盪を起こしたが骨折はしておらず、5日か6日で退院して直ぐにチームに復帰したものの、この事故以後の彼の長打力は成りを潜めてしまった。
・ トニー・コニグリアロは8月18日にジャック・ハミルトンの投球を左目の下に受けて頬骨を粉砕骨折し、網膜の損傷で失明の危機に陥った。コニグリアロはにアメリカンリーグ史上最年少の20歳で本塁打王のタイトルを獲得。将来のアメリカ野球殿堂入りも有望視された選手だった。にカムバック賞を受賞して復活し、には自己最高の成績を残した。しかし、翌から視覚障害に苦しみ、若くして引退した。
・ ディッキー・トーンは4月8日に投球を左目に受けて眼窩底骨折してシーズンを棒に振ってしまう。トーンは前年にオールスターゲームに初選出され、シルバースラッガー賞も受賞していた。後遺症の奥行き知覚の障害を抱えたが、に奇跡的に改善して復活した。
・ カービー・パケットは9月28日にデニス・マルティネスの投球を頬に受けて顎を骨折してしまい、これが彼の現役最後の出場試合となってしまった。
◎ 日本プロ野球
日本プロ野球においても悲惨な事故が繰り返されてきた。
・ 田淵幸一は8月26日に外木場義郎の投球を左のこめかみ部分に受けて昏倒。後遺症は無いと言われていたが、後年、ファウルフライを追う際に方向が分からなくなるなどの影響が出た。これを契機に、打者用のヘルメットにはイヤーフラップ(耳当て)が徐々に付けられるようになった。
・ チャーリー・マニエルは8月4日に八木沢荘六の投球を顔面に受けて顎の骨を複雑骨折したが、フェイスガード付きヘルメットを着用して56日のスピード復帰を果たした。
・ 水谷実雄はの開幕戦で土屋正勝の投球を頭部に受けて戦線離脱。ボールを恐れる後遺症が残り、翌年に引退を余儀なくされた。
「ビーンボール」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年10月7日23時(日本時間)現在での最新版を取得
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