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奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)は、青森県十和田市の十和田湖東岸の子ノ口(ねのくち)から北東に、焼山(十和田市法量(大字)焼山(字))までの約14 kmにわたる奥入瀬川の渓流。十和田八幡平国立公園に属する。国指定の特別名勝及び天然記念物(天然保護区域)。1928年(昭和3年)には十和田湖とともに名勝及び天然記念物となった。
中流域(雲井の流れ~奥入瀬バイパス入口付近)は阿修羅の流れや雲井の滝など景勝地が連続する。
奥入瀬渓谷は、元々はカルデラから噴出した膨大な火砕流堆積物の軽石や火山灰などが堆積して圧縮・固結した溶結凝灰岩で構成された火砕流台地であったが、現在の十和田湖水の流出口の「子ノ口」部分が決壊し、大洪水が発生して侵食されたことにより深い谷ができ、現在みられるような滝や切り立った岩壁が形成された。1908年(明治41年)紀行作家・大町桂月が雑誌『太陽』編集長・鳥谷部春汀と奥入瀬渓流を訪れる。1912年(明治45年)武田知事が東奥日報紙で「十和田保勝論」を発表し、国立公園指定への気運が高まる。河岸の水はけの良い場所や河岸段丘などにはブナ林が発達し、北日本の落葉広葉樹に多いブナやブナ科のミズナラがみられる。滝や湧水など水が豊かで、地すべりが起きそうな地形にはトチノキ、ハルニレが生育し、渓流の流れの中の中洲には、ドロノキ、シロヤナギ、ハンノキなど、軽石にはミズナラ、カエデ類、ツツジ類、タニウツギなどの生育がみられる。奥入瀬渓谷の谷の上部にはブナ林が広がる。
● 水資源の利用
十和田湖からの水は発電や灌漑に利用されてきたが、導水路を山中に通し十和田湖にある青撫取水口より、奥入瀬渓流下流にある十和田発電所へ送水されている。十和田湖に水源となる大きな流入河川が無く、水源は外輪山のブナ林に降った雨や雪による湧水である。十和田発電所に送水するにあたり、導水路の途中にある奥入瀬渓流へ流入する各支流からも取水しているが、発電、灌漑、河川維持放流などにより使用する水量は、湖への流入量以上の水が利用されるため、湖面水位低下は避けられない。毎年5月から9月は農業用水に必要な水量で発電が行われ、それ以外の時期は水利用を極力抑えながら、冬期の電力ピーク需要や十和田湖の水位回復のため、水量を調整しながら発電を行っている。
「奥入瀬渓流」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年10月13日10時(日本時間)現在での最新版を取得
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