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今はすっかり平和なスポットだから
自殺の名所
東尋坊(とうじんぼう)は、福井県坂井市三国町安島に位置する崖。越前加賀海岸国定公園の特別保護地区に指定されている。
● 概要
日本海に面した海食崖で、険しい岩壁が続き、最も高い場所で約25mの垂直の崖がある。東尋坊を構成する岩は、輝石安山岩の柱状節理で、これほどの規模を持つものは世界に3ヶ所だけであり、地質上極めて貴重とされ、国の天然記念物および名勝に指定されている。観光地として開発されており、遊歩道や遊覧船、展望用のタワーや商店街などもある。
地名の由来は、乱暴あるいは恋愛関係で恨みを買って此処から突き落とされた平泉寺(勝山市)の僧の名前による。
● 由来
由来や伝承は複数あるが、雄島の大湊神社では以下のような由来を紹介している。
昔、平泉寺には数千人僧侶がいた。その中にいた東尋坊という僧は、怪力を頼りに、民に対して悪事の限りをつくした。東尋坊が暴れ出すと手がつけられず、誰も彼を押さえることが出来なかった。東尋坊はまさにやりたい放題、好き勝手に悪行を重ねていたので、当然のように平泉寺の僧侶は困り果てていた。また東尋坊はとある美しい姫君に心を奪われ、恋敵である真柄覚念(まがらかくねん)という僧と激しくいがみ合った。
そんな寿永元年(1182年)4月5日、平泉寺の僧たちは皆で相談し東尋坊を海辺見物に誘い出す。一同が高い岩壁から海を見下ろせるその場所へ着くと、早速岩の上に腰掛けて酒盛りが始まった。その日は天気も良く眺めの良い景色も手伝ってか、皆次第に酒がすすみその内、東尋坊も酒に酔って横になり、うとうとと眠り始めた。東尋坊のその様子をうかがうと一同は目配せをし、真柄覚念に合図を送った。この一同に加わっていた真柄覚念は、ここぞとばかりに東尋坊を絶壁の上から海へ突き落とした。平泉寺の僧侶たちのこの観光の本当の目的は、その悪事に手を焼いた東尋坊を酔わせて、高い岩壁から海に突き落とすことにあった。
それから49日の間、海は大荒れとなった。
● 観光
◇ 東尋坊観光遊覧船
:有料の観光船。1周約30分で、北西にある雄島の近くまで遊覧する。なお、通常は東尋坊の岩場から遊覧船に乗るが、海の状態によっては南方に1.6kmほど離れた場所にある三国サンセットビーチ乗り場から運航されることがある。
◇ 東尋坊タワー
:東尋坊の先端から350mほどの位置にある、有料の展望台である。360度の眺めがあり。高さ55mで竣工は1964年9月27日。下部は土産物店や飲食店になっている。かつては、遊園地やヘルスセンターを擁していたこともある。後者では内部にヘビ園があった。
● 周辺エリア
● その他
◇ 救いの電話
: 東尋坊は自殺の名所としても有名だが、地元では各所に自殺を思いとどまらせるための句碑や看板を設置し、自殺を防ぐ努力をしている。加えて、公衆電話にテレホンカードや10円硬貨を常備して誰かに相談ができるようになっている「救いの電話」を設置し、自殺を思いとどまらせるようにしている。
◇
◇ NPO心に響く文集・編集局
: 自殺志願者の支援活動団体で2004年に発足。理事長は元福井県警察警察官の茂幸雄。各種周辺パトロールによる遭難者や自殺志願者の保護、保護した後の福祉面・金銭面での生活支援を行っている。また茂はおろしもち屋を経営しており自殺志願者に振る舞い、同時に自殺をやめるよう説得をしている。ただし、地元の議員などからは、「自殺者が減れば"自殺の名所"である東尋坊の集客力が落ちかねない」という批判も受けている。
:2017年5月、上記NPO法人は小型無人機ドローンを導入した。同月26日からパトロールに活用し、陸と空からの監視でより多くの命を救うと報道された。
◇ 男はつらいよの舞台
: 東尋坊は、第9作の男はつらいよ 柴又慕情で登場している。
◇ 映画えちてつ物語〜わたし、故郷に帰ってきました。の舞台
: 東尋坊は、主人公の山咲いづみ(横澤夏子)が、養女であることを整備士の南部信也(辻󠄀本祐樹)に告げる場面で登場している。
◇ 恋愛の舞台
: 東尋坊と真柄覚念が女性を巡っての恋敵同士でもあったという逸話を前面に押し出す形で、『悲恋の舞台』としてのアピールを行い、自殺の名所としてのイメージを払拭する試みも行われている
◇ 監禁殺人事件
: 2019年10月18日、少年ら7人が男性を監禁、暴行の上、東尋坊の崖から飛び降りさせ死亡させるという事件が発生した。
● 交通アクセス
・ 京福バス 東尋坊線 「東尋坊」停留所下車、徒歩すぐ
・ えちぜん鉄道三国芦原線の3駅と接続。 三国駅停留所から84・96系統「芦原温泉駅」行きで約10分、三国港駅前停留所から同約5分、あわら湯のまち駅停留所から85・97系統「龍翔博物館前」行きで約30分。
・ JR西日本北陸新幹線、ハピラインふくい線との接続は、芦原温泉駅から85・97系統「龍翔博物館前」行きで約45分。
・ 北陸道 金津ICから車で約15分
● 周辺
・ 東尋坊タワー
・ 雄島
・ 越前松島
・ 荒磯遊歩道
「東尋坊」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年10月4日21時(日本時間)現在での最新版を取得
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