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石和温泉(いさわおんせん)は、山梨県笛吹市の旧東八代郡石和町地域にある温泉。近年では石和温泉に隣接する形で、同市の東方にある旧東山梨郡春日居町地域の春日居温泉も含めて石和温泉に事実上一本化されている。
● 概要
石和地区と春日居地区の宿泊施設や源泉位置が共に隣接していることから、同一の温泉街「石和温泉郷」として実質上一体化している。実際に道路標識では「石和温泉」「石和温泉郷」としか案内がされておらず、旅行雑誌などでも同一の「石和温泉」もしくは「石和温泉・春日居地区」などとして案内されており「春日居温泉」という単独での表記は少ない。春日居地区の「春日居共同源泉」が、石和地区の宿泊施設や療養施設に配湯されているケースも数軒あり、その逆のパターンも存在する。また「県営石和温泉給湯口」の2号源泉は春日居町に位置しているため、厳密には春日居温泉であるものの「県営石和温泉」に含まれている。同様の事例は温泉街に市町村境がある伊豆畑毛温泉でもみられる。
2000年代に入って以降、石和温泉駅周辺で栄えていた従来の温泉街から離れた郊外に、日帰り入浴施設や健康ランド、ビジネスホテル、病院、老人ホームなどが建設された。これらの施設でも「石和温泉」と名乗っており、これについても記述する。
● 歴史
戦前より葡萄畑栽培に必要な井戸を掘った農家が25℃前後、硫化水素臭のする水が出ていることから、温泉が出るのではないかと噂されていた。
1956年(昭和31年)12月、小松導平(1878~1938)の次男である小松安則が小松遊覧農場(2020年現在は日本中央競馬会の場外勝馬投票券発売所「ウインズ石和」)の敷地内で私費を投じ西洋式の最新ボーリング機材で井戸を採掘したところ40℃以上の温泉が湧出。これを受け、ローマ風呂や遊具などを設置し、昭和時代にレジャー施設として地元で人気を集めた。小松遊覧農場内にあった小松農園パブリックホールは、1985年に「ウインズ石和」が開業するまでプロレス興行にも使用された。なお、株式会社小松遊覧農場は存続しており、閉店した後は付近の施設に源泉供給を行っている。「ウインズ石和」の入口付近には「石和温泉発祥之地」の碑が建っている。
1957年(昭和32年)以降、小松遊覧農場の成功を聞いた地元の有力者が温泉を相次いで掘り当て、温泉開発が活発化する。現在の慶山、糸柳、泉山壮、新光、ふじ等のホテルが源泉を掘削し旅館を開業。
1961年(昭和36年)に旅館「いすみ荘」で温泉掘削を行った際、毎分2,000L、泉温49℃の温泉が湧出し、周辺の川や田畑に流れ出した。即席の露天風呂が作られ「青空温泉」とテレビで全国放映されたのが人気のはじまりである。その後、山梨県企業局や地域内の温泉宿によって掘削が行われ現在に至る。団体旅行客向けの歓楽温泉として知られ、コンパニオンを配置し「ピンクコンパニオンプラン」を売りにした温泉旅館が作られたほか、スナックやバーなどの酒場、さらにはストリップ劇場などの大規模な風俗街も作られた、実際はこれ以上の源泉数・毎分湧出量がある。これに加えて春日居温泉の湧出量を含めると毎分8,080Lが湧出していると推測されるが、先述の通り温度低下で廃止や、汲上制限に伴う湧出量減少により、実際はその数値よりは少ない。
山梨県企業局分は資源確保を目的に循環風呂で供給しているが。また、2020年4月から同じく「石和温泉旅館協同組合」に加盟している32施設で、県内産ワインに限り1本当たり1000円を徴収することで持ち込みを許可する「石和温泉BYOワインキャンペーン」を実施している。
◎ 石和温泉が登場する作品
・ 西部警察 - PART-I 第47話「笛吹川有情」(1980年9月7日放送)では当地や昇仙峡を中心にロケが行われた。
・ まえせつ - 第四幕「えいぎょう」のモデルとして、本温泉内にある「旅館きこり」がロケ地となっている。また、富士の国やまなしフィルム・コミッションがロケ支援を行なっている。
「石和温泉」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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