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神戸ルミナリエ(こうべルミナリエ、英:Kobe luminarie)は、1995年から12月に神戸市の旧居留地で開催されている祭典および、開催期間中に電飾が施されているエリアの名称である。独特の幾何学模様で構成されたイルミネーション(電飾)を通りや広場へ展示することによって、昼間とは異なる風景を現出させている。
2020年(令和2年)以降は、新型コロナウイルス感染症が世界規模で流行している影響で休止中。同年には開催を予定していた期間(12月4 - 13日)に2点のイルミネーション作品を展示していたほか、2021年(令和3年)には「ロソーネ まちなかミュージアム」、2022年(令和4年)には「カッサアルモニカ/音楽の宝箱」という代替行事を開催している。
イタリア人のヴァレリオ・フェスティ(Valerio Festi)と神戸市在住の今岡寛和が第1回から共同でプロデュースを手掛けてきたが、2011年(第17回)および、2015年(第21回)以降はイタリア人デザイナーのダニエル・モンテベルデ(東京都在住)がプロデューサーを務めている。
● 概要
阪神・淡路大震災の発生を契機に、鎮魂と追悼、街の復興を祈念して震災で激減した神戸への観光客を呼び戻す目的で開催。発災した1995年から2019年までは、毎年開催されていた。
日本において、一般的に「ルミナリエ」とは、この祭典の事として著名ではあるが、語源のイタリア語では、「luminaria」の複数形「luminarie」であり、小電球などによる電飾(イルミネーション)の事を言う。商標としての「ルミナリエ」は株式会社アイ・アンド・エフにより商標登録(第4117138号ほか)されているが、「KOBEルミナリエ」のロゴは財団法人神戸国際観光コンベンション協会の登録商標(第4117139号ほか)である。
『ガレリア』と呼ばれる光の回廊はメインストリートである仲町通を貫いており、複数基のアーチを並べることで正面から見ると光のトンネルに見えるように設計されている。これは遠くからでも滑らかな視覚効果を上げるため、『フロントーネ』(ルミナリエの入口に当たる装飾)からの距離ごとにアーチ間の間隔は微妙に調整していた構造になっている。
● 歴史
1995年1月17日発災の阪神・淡路大震災で甚大な被害受けた神戸市に「復興の灯」を灯す意図の下に、同年12月に第1回を開催。兵庫県から観光復興イベントリレー開催支援事業に認定されてはいたが、当初は震災犠牲者への鎮魂行事として、1回で終了する予定だった。しかし、神戸商工会議所の副会頭として12月5日の開幕式典に立ち会っていた太田敏郎(神戸市に本社があるノーリツの創業者・代表取締役社長=肩書はいずれも当時)が、光の装飾に感涙したことをきっかけに、翌1996年以降も開催を継続することを提唱。100社以上の地元企業の社長への直談判を通じて協賛金を集めるなど、兵庫商工会議所ぐるみで推進役として尽力した結果、1996年に観光復興イベントリレー開催支援事業として第2回の開催に漕ぎ着けた。太田は、1997年以降も毎年のように地元企業からの協賛金集めに奔走したことから、「ルミナリエおじさん」と呼ばれた(2020年1月15日に92歳で永眠)。なお、1997年7月からは、神戸市から復興特定事業の新産業構造形成プロジェクトににも認定されている。
1996年、経営企画センターの社員であった今岡寛和がヴァレリオ・フェスティと共に株式会社アイ・アンド・エフを設立し独立。経営企画センターによる運営から、株式会社アイ・アンド・エフによる作品権利へと移行した。
● 開催状況
兵庫県・神戸市などが共同で設立した「神戸ルミナリエ組織委員会」が主催。西日本旅客鉄道(JR西日本)が、特別協賛社として名を連ねている。
当初から毎年12月に開催されているため、近年では「神戸の年末の風物詩」として定着している。当初の会期は2週間であったが、経費節減の影響で、2007年度から12日間、2015年度には10日間に短縮されている。
メイン会場は、旧居留地内の仲町通、および東遊園地。会期中は、「ガレリア」と呼ばれるアーチ状の電飾が、仲町通の夜を彩る。東遊園地では、「スパリエーラ」(光の壁)など、複数の作品が敷地を取り囲むように立てられる。かつては、山陽新幹線新神戸駅前、神戸ハーバーランド、異人館も、「サテライト会場」として一部の作品を設置していた。しかし、2005年以降は、会場を仲町通と東遊園地に集約。仲町通では、経費節減などの影響で、2015年と2016年は「ガレリア」の設置ゾーンを短縮していたが2017年からは短縮以前の設置ゾーンに戻った。
会場内では、歩行者は元町側から東遊園地方面への一方通行とする順路が設定されている。また、会場周辺の道路では、開場時間の前後に車両通行止などの交通規制を実施する。
東遊園地への順路については、開催当初、仲町通から東進するだけのルートを設定していた。しかし、隣接都市である明石市内で2001年に発生した明石花火大会歩道橋事故をきっかけに、会場全般の警備体制を強化。2005年以降は、元町駅周辺から仲町通にかけて、長い迂回ルートを設けている。実際には、警備関係者が来場者数に応じて、複数のルートを使い分けながら来場者を誘導する。
全国各地からルミナリエの観覧を目的とした団体旅行が主催されるほど認知度は高まったが、来場者の増加とともに警備費用も増加し、一方で周辺道路の渋滞や駐車場の混雑などによって一般客が敬遠したり、日帰りバス旅行の利用者は滞在時間が短いなど、周辺企業のクリスマス商戦に支障をきたすようになった。それらの問題点がひいては企業協賛金の減少というかたちで跳ね返ることもあり、2005年以降はクリスマス期間の前に開かれている。
また、2005年には震災復興関連の補助金拠出が終了。企業からの協賛金も減少した影響で、2005年と2006年には赤字を計上した。2007年からは、会期を12日間に短縮するとともに、会場内で「1人100円募金」を開始。来場者に対して、翌年の開催のための募金を呼び掛けている。さらに、会場内の特設ブース、神戸市役所、公式サイトで「神戸ルミナリエ公式グッズ」を販売するとともに、売上の一部を開催事業費に充当。2015年には、会期を10日間に短縮する一方で、クラウドファンディングによる期間限定の寄付プロジェクトを初めて実施した。
このように会期の短縮が相次いだことに加えて、イルミネーションやプロジェクションマッピングを利用したイベントや作品の展示・上映が日本各地で年々増えていることなどから、総来場者数は2004年をピークに減少基調で推移(詳細後述)。2015年には、「阪神・淡路大震災の記憶を後世に語り継ぐ」という基本姿勢を引き継ぎながらも、開催の趣旨を「復興」から「まちのさらなる魅力発信と神戸地域への集客」に変更した。2017年からは、総来場者数が再び増加へ転じている。
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生した2011年以降は、関西電力からの節電要請、省エネ志向、経費削減の観点から、一部の作品にLED電球を採用。その一方で、鎮魂や復興の趣旨から温かみのある色を表現する目的で、2014年までは大半の作品に白熱電球が用いられていた。
2015年以降は、全ての作品にLED電球を使用していた。白熱電球のような温かみやぬくもりをLEDの光に持たせることは、LED電球の採用を始めて以来の課題であった。制作ディレクターのダニエル・モンテベルデには、この課題を解決すべく、発色の良いLEDをイタリアで選んだ後に輸入させるようになった。その結果、LEDの色合いは年を追うごとに進化している。25回目の開催になった2019年には、「開催の原点に立ち返る」との趣旨の下に、白熱電球の使用を一部の作品で特別に再開した。
◎ 新型コロナウイルス感染拡大の影響による中止
○ 2020年
2020年(令和2年)には、年頭から新型コロナウイルス(COVID-19)への感染が拡大していることを踏まえて、7月17日に開催の中止が発表された。電飾を製作する職人がイタリアから日本へ入国する目途が同月の時点で立っていないことに加えて、例年会場が混雑することを背景に、組織委員会が「開催の規模を縮小しても感染防止策の徹底は難しい」と判断したことによる。
・ 会期は第26回神戸ルミナリエの開催を予定していた2020年(令和2年)12月4日から13日までの10日間で、会場を東遊園地に縮小。『カッサ・アルモニカ』(2005年にイタリアから神戸市へ寄贈されていた光の装飾作品)を東遊園地内のグラウンド、ルミナリエプロデューサーのモンテベルデと装飾作品を手掛けるイタリアの工房が共同で神戸市に寄贈した『希望のアーチ』(およそ6,800個のLED電球でハート形の装飾の中に市章を施した電飾アーチ)を「1.17希望の灯り」(阪神・淡路大震災メモリアルモニュメントの1つとして常設されているガス灯)に設置した。また、会場近辺の街頭ビジョンで過去の祭典の映像を放映する。
・『カッサ・アルモニカ』の設営については、例年作業を担当する職人をイタリアから招聘できないことから、史上初めて日本人だけで担当。ただし、デザイナーのモンテベルデが作業を監督したほか、前述した職人も電話やオンラインで指示やアドバイスを送っていた。
・ 全体の事業費は前年(2019年)の1/10(4,500万円以内)の規模で、開催に際しては協賛金を募らなかった。
・ COVID-19への感染拡大を防止すべく、来場を呼び掛ける広報活動や、東遊園地近辺での交通規制・募金の呼び掛けなどを実施しなかった。「カッサ・アルモニカ」についても、点灯・消灯の時刻を特に定めず、観覧者には作品や他の観覧者から一定の距離を取ることを求めていた。
※ 特別番組
神戸市に本社のある独立局のサンテレビでは、第26回神戸ルミナリエの中止を受けて、過去25回のルミナリエに関する思い出のエピソードを「私と神戸ルミナリエ」という特設サイトで募集。寄せられたエピソードを基に、投稿者・関係者への取材映像、生前の太田敏郎へのインタビュー映像、過去25回分のダイジェスト映像を交えた30分間の特別番組を、上記サイトと同じタイトル(『私と神戸ルミナリエ』)で代替イベント最終日(12月13日)の19:00 - 19:30に放送した。
阪神・淡路大震災への被災を経て第1回を会場で鑑賞した戸田恵梨香(神戸市出身の女優)が、ナビゲーターとして出演。テレビ神奈川・テレビ熊本・TOKYO MX・三重テレビ・日本海テレビ・KBS京都でも、2020年内に順次放送した。
○ 2021年
2021年(令和3年)には春先から日本国内でCOVID-19のワクチン接種が開始したが、例年の開催時期(12月の初頭)までの感染拡大傾向の収束を見込める状況にないことから、6月22日に開催の中止が発表された。中止が前年よりおよそ1ヶ月早く決まったのは、前年と同様の事情に加えて、イタリアへの資材発注の可否を判断する期限が間近に迫っていたことにもよる。
組織委員会では前年に続いて、開催を予定していた期間(12月3 - 12日)に小規模の代替イベント「神戸ルミナリエ presents『ロソーネ まちなかミュージアム』」を実施。過去のルミナリエでガレリアの最終地点に設置されていた『ロソーネ』(イタリア語で「バラの窓」を意味する左右対称で直径約3mの作品)9基を、イタリアから改めて空輸したうえで、東遊園地内の「慰霊と復興のモニュメント」付近をはじめ、三宮・元町エリアの7ヶ所に設置した。東遊園地では開催期間中にリニューアル工事を実施しているため、前年の代替イベント中に設置していた『カッサ・アルモニカ』の展示を見送る一方で、ルミナリエの歴史や過去の展示作品を振り返るパネルを、工事用の万能塀に設置。三宮・元町エリアの他の地点にも、一部のパネルを展示した。
組織委員会では、2023年以降のルミナリエの再開を視野に、開催を計画していた期間(12月9 - 18日)に、「神戸ルミナリエ presents『カッサアルモニカ/音楽の宝箱』」を実施。なお、2018年のルミナリエでは毎年初日に三井住友銀行神戸本部ビル前広場で『フロントーネ』の点灯式を実施していたが、この年はいずれの装飾でも再開を見送っている。
◎ 記録
メイン会場の来場者数、開催日数、テーマは以下のとおりである。
年 回数 来場者数 開催
「神戸ルミナリエ」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2023年6月1日11時(日本時間)現在での最新版を取得

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