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妙義山(みょうぎさん)は、群馬県甘楽郡下仁田町・富岡市・安中市の境界に位置する日本三大奇景の一つとされる山である。いくつものピークから成り、最高峰は表妙義稜線上の相馬岳 (1,103.8m) で、また妙義山系全体の最高峰は裏妙義に聳える谷急山 (1,162.1m) となっている。
● 概要
赤城山、榛名山と共に上毛三山の一つに数えられる妙義山は、白雲山・金洞山・金鶏山・相馬岳・御岳・丁須ノ頭・谷急山などを合わせた総称で、南側の表妙義と北側の裏妙義に分かれている。特に下仁田側から眺望できる金洞山 (1,094m) は別名中之嶽と呼ばれ、親しまれてきた。奇岩がいたるところに見られる妙義山の中でも中之嶽の景色は、中腹を巡る第1石門から第4石門を始め、ロウソク岩・大砲岩・筆頭岩・ユルギ岩・虚無僧岩といったユニークな名前の岩石群は日本屈指の山岳美と讃えられている。石門巡りコースは中之嶽神社が発着点となっている。妙義山東面中腹には、白雲山を御神体とする荘厳な妙義神社が建立されている。江戸時代には火伏せや雷除けの霊験があると信じられていた。白雲山の北東に妙義富士がある。
妙義山はデイサイト溶岩、凝灰岩、礫岩で出来ている。いまから300万年前までの本宿カルデラを形成した火山活動があり、南西側にある荒船山と同時期に形成した溶岩体である。その後周囲の柔らかい堆積層が浸食され溶岩の岩体が露出したと考えられている。この険しい岩峰の尖った荒々しい山容の奇観から日本三大奇景の一つに数えられており、また国の名勝に指定され、日本百景にも選定されている。「上毛かるた」では、「も」の札に「紅葉に映える
妙義山」として採録されている。1984年には山岳関係の作品で有名な作家である深田久弥のファンクラブが制定した日本二百名山の中に加えられた。
● 登山
表妙義縦走路は岩稜帯が連続し、こぶ岩・鷹戻し・奥の院の鎖場等で多数の死亡・重傷等遭難が繰り返し起こっており、昭文社が作成する『山と高原地図』では難路の登山道(初級・中級・上級の分類の中で分類外の最上級)に分類、富岡市作成の『妙義山登山まっぷ』では上級登山道、と紹介されている。
この遭難の多さのため、2010年1月、群馬県・地元自治体・警察・消防・山岳会で妙義山系山岳遭難防止対策会議が発足し対策を話し合った。しかし登山を禁止したい行政と、登山を続けたい地元山岳会との間で対策法について意見が対立し、結局、鎖の増設と改良のみにとどまった。
2019年5月13日、プロアドヴェンチャーレーサー田中陽希は、「グレートトラバース3 日本三百名山 全山人力踏破」158座目に、妙義山の表妙義、白雲山(相馬岳)・金洞山(中之岳)に登頂している。
● 観光
妙義山の縦走路は上記のように危険個所が多く、遭難も多発しているので富岡市などから注意喚起がなされているが、その山麓では道路整備が行われ、通年での観光が一般客でも可能となっている。そもそも、妙義山は古代から続く山岳信仰の対象であり、宣化天皇2年(537年)創建と伝わる妙義神社は妙義山東側の白雲山を神体とし、その中腹に立地している。また、妙義神社の一の鳥居の近くには2000年に道の駅みょうぎが開業し、妙義山観光案内所やみょうぎ物産センターが併設されている。この道の駅が開業した当時はこの地域は甘楽郡妙義町だったが、2006年に(旧)富岡市と合併して改めて新設された富岡市の一部となった。
一の鳥居近くの三叉路はそれぞれ群馬県道である191号妙義山線、196号上小坂四ツ家妙義線、213号磯部停車場妙義山線の各終点となっており、近隣市町の中心市街地からつながっている他、東側では51号松井田下仁田線も通っている。この中で196号線は下仁田から妙義山南西側の中之嶽神社を通って妙義神社へ至る道で、富岡市では「妙義紅葉ライン」の愛称で紹介している。また、51号線は安中市内にある上信越自動車道の松井田妙義インターチェンジに接続し、広域観光での妙義山への主要ルートとなっているほか、上信越自動車道自体も表妙義の南東から裏妙義の西へと妙義山の北側を回り込むようなルートで1993年に開通している。
● 妙義山に因む名称
・ 群馬県内の小学校では、運動会の組分けを上毛三山の名前を用いて、「赤城団」「榛名団」「妙義団」の3組とし、対抗させる例が多数存在する。
・ 妙義山北麓を流れる中木川に建設された中木ダムのダム湖は、妙義山にちなみ妙義湖と名付けられた。
「妙義山」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年12月2日6時(日本時間)現在での最新版を取得
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