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中山 美穂(なかやま みほ、1970年〈昭和45年〉3月1日 - 2024年〈令和6年〉12月6日)は、日本の女優、歌手。ビッグアップル最終所属。
作詞家として活動する際は北山 瑞穂(きたやま みずほ)、一咲(いっさく)のペンネームを使用していた時期もあった。
実妹は女優の中山忍。ほかに実母と義父との間に生まれた12歳下の弟がいる。
● 来歴
◎ 生い立ち
1970年3月1日、長野県に生まれる。幼少期は長野や群馬に住んでいた。母親からは、中山が妹と長野の小さな町から上京した、とだけ聞かされていた。戸籍に父親の名はなく、実父の記憶がかすかに残っている程度だった。自身の出生については他に何も聞かされたことはなく、聞こうとも思わなかったという、義父も歌手を目指して上京した人物であり。小学校は両親の転居に伴い、小金井市立前原小学校、小金井市立本町小学校、小金井市立緑小学校と移り。
○ 1985年(昭和60年)
1月8日、TBS系ドラマ『毎度おさわがせします』のツッパリ少女・のどか役で女優デビュー。女優としてより、テレビデビューできたことが幼少期からの夢を叶えたと思えた、人気も急上昇。一躍トップアイドルとなる。以後も主演ドラマの主題歌を自ら歌ってヒットさせ、女優と歌手を完全な両輪とするアイドルの先駆者となった。実年齢以上に大人びたビジュアルは昭和の歴代アイドルの中でもトップクラスとの評価があり、若くして大人のムードを秘めた大型アイドルとして期待されていた。評論家筋からは、「岸惠子以来のド美人」「日本映画の全盛時代なら、ゆうに〈神秘的な美少女〉になれる素材」とも評され、長らく美人の代名詞的存在となった。
1985年10月、ニッポン放送『中山美穂 ちょっとだけええかっこC』、文化放送『中山美穂のまんまるキューピット』の2本のラジオのレギュラー番組のパーソナリティとなる。
1985年12月14日公開の東映『ビーバップ・ハイスクール』で映画初出演。清水宏次朗と仲村トオルが演じる不良高校生コンビのマドンナ・泉今日子を演じた。同映画は薬師丸ひろ子主演の『野蛮人のように』との併映で14億5千万円の配収を上げる大ヒット作となり、シリーズ化する。主題歌となったシングル『BE-BOP-HIGHSCHOOL』もオリコン週間チャートで自己最高の4位のヒット曲となる。同曲で『ダンシング・ヒーロー』の荻野目洋子と共に『ザ・ベストテン』(TBS)に初ランクインする。
年末には、新人アイドルが豊作だった中で、その頂点に達する日本レコード大賞(TBSテレビ・ラジオ) 最優秀新人賞を史上最年少で受賞するなど活躍が続いた。歌手デビュー同期の女性アイドルには浅香唯、網浜直子、石野陽子、井森美幸、大西結花、岡本舞子、おニャン子クラブ、河合その子、斉藤由貴、佐野量子、志村香、本田美奈子、松本典子、南野陽子、村田恵里、森川美穂、森口博子、森下恵理、芳本美代子などが居り、アイドルシーン第二次黄金期とも称されるハイレベルな顔ぶれであった。
○ 1986年 (昭和61年)
前年に続きトップアイドルとして多くのテレビ番組に出演した他、企業からのCMやイメージガールのオファーも殺到。日立製作所やロッテ、サントリーなど大手企業のCM出演も多くなるなど名前も全国区となる。
資生堂の春のキャンペーンガールに起用され、CMソングとなった『色・ホワイトブレンド』が20万枚以上のセールスを記録するヒット曲となる。5月リリースのシングル『クローズ・アップ』もスマッシュヒット。8月、前年に続きヒロイン・泉今日子役で出演した映画『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎哀歌』公開。主題歌『JINGI・愛してもらいます』は、1990年代のヒットメーカー・小室哲哉のプロデュース楽曲となる。
春に続き資生堂の秋のキャンペーンソングとなった『ツイてるねノッてるね』はオリコンチャートで自己最高の週間3位、『ザ・ベストテン』(TBS)でも自己最高の3位、8週連続(8→4→4→4→3→4→8→9位)ランクインした。化粧品会社のキャンペーンとして、カネボウの国生さゆりとの美女アイドル対決としても話題となった。主演ドラマの主題歌となった『WAKU WAKUさせて』は23.7万枚とそれまでで最高のセールスを記録。
連続ドラマでは高校生の恋愛を描いた『な・ま・い・き盛り』(フジテレビ系)、学園アクションドラマ『セーラー服反逆同盟』(日本テレビ系)の2作に主演。その他ラジオのレギュラー2本、歌番組への出演や雑誌取材など前年以上の活躍を見せた。また全国からのファンレターも一日100通以上届くようになる。ファンレターの多くが女子小中学生からのもので、同性のファンが多かった。
○ 1987年 (昭和62年)
最高視聴率28.6%を獲得した主演ドラマ『ママはアイドル』(TBS)の役柄・中山美穂の愛称ミポリンが、実際の中山の愛称としても定着した。番組主題歌の『「派手」』もスマッシュヒット。そのキャンペーンの様子がドラマの劇中で描かれるなど、現実の活動とリンクする展開も斬新だった。出演する番組がことごとく高視聴率を獲得し、「ブラウン管のクイーン」とも称された。
7月、フジテレビ系『火曜ワイドスペシャル・オールスターハワイ大旅行団』出演。田原俊彦、近藤真彦、中森明菜、小泉今日子などのトップアイドルを集めたこの番組は、製作費1億7000万円という豪華な内容であった。ハワイではヘリの事故が相次いでいたことから、番組でヘリに乗った中山には5億円の保険がかけられた。
10月、角松敏生プロデュースによる『CATCH ME』で初のオリコンチャート週間1位を獲得。11月リリースのベスト・アルバム『COLLECTION』も週間チャート1位を獲得。50万枚以上のセールスを記録した。同年ブロマイド売上枚数が女性部門でトップになる。しかし、11月に過労から溶連菌感染症に罹り、主演ドラマ『おヒマなら来てよネ』(フジテレビ系)の撮影中断を余儀なくされ、当初の予定より1話減らした9話で完結することになった。
この年、ドラマ主題歌の『「派手」』、小室哲哉プロデュースの『50/50』、『CATCH ME』の三曲をリリースし、いずれもヒット曲となった。日本レコードセールス大賞アーティスト別年間シングルセールスでは南野陽子、中森明菜、少年隊に次ぐ4位となるシルバー賞を受賞した。アーティストトータルセールスでは中森明菜、安全地帯、荻野目洋子、BOØWY、CBSソニー・サウンドトラックに次ぐ6位となった。
○ 1988年 (昭和63年)
2月、角松敏生プロデュースのアルバム『CATCH THE NITE』リリース。スタジオ・アルバムで初の週間チャート1位を獲得し、LP・カセット・CDの三部門で1位となる三冠を達成。シングル『You're My Only Shinin' Star』も1位を獲得し、アルバムの1位と合わせて四冠を達成した。春のコンサートツアー『MIHO Catch '88』では自身最多の全国63公演を行う。
7月、TBS系ドラマ『若奥さまは腕まくり』主演。同ドラマ主題歌の『人魚姫 mermaid』も週間チャート1位を獲得。1988年のオリコンシングル年間ランキングでも9位となり、1980年代の中山のシングルでは最大のヒット曲となった。12月、『第39回NHK紅白歌合戦』(NHK総合・ラジオ第1、NHK紅白歌合戦出場歴参照)に初出場。以後1994年の『第45回NHK紅白歌合戦』まで7年連続で出場した。1988年のアーティスト別年間トータルセールスでは光GENJI、BOØWY、久保田利伸に次ぐ第4位となった。
おニャン子クラブが解散し、新しい時代に突入したこの年、中山と並びアイドル女優路線の先駆者と称された南野陽子、浅香唯に、おニャン子クラブ・うしろ髪ひかれ隊から一気にブレイクした工藤静香を加えてアイドル四天王と称され、1980年代末のアイドル・シーンを席捲した。
○ 1989年 (昭和64年/平成元年)
1月、フジテレビ月9枠のドラマ『君の瞳に恋してる』に主演。当時、アイドルの主戦場は『ザ・ベストテン』(TBS)の「木9」から「月9」へと移行しようとしていた。「月9」ヒロインになることが時代のヒロインとなる条件であった。男性だけではなく女性からも憧れを誘う存在となって、以後、その月9枠の常連となり、主演が7作品と、女性では最多を記録している(男性を含めると木村拓哉に次ぐ第2位)。主演と主題歌を担当した作品も4作で、最多である。
2月、資生堂の春のキャンペーンガールに起用され、CMソングとなった『ROSÉCOLOR』が週間チャート1位を獲得。シングル5作連続オリコン1位を記録(通算8作)。
8月、初主演映画『どっちにするの。』公開。9月リリースのスタジオ・アルバム『Hide'n' Seek』がアルバムチャート1位を獲得。映画主題歌となった杏里作曲のシングル『Virgin Eyes』でこの年の第40回NHK紅白歌合戦(NHK総合・ラジオ第1)に出場した。
別冊宝島の調査によると、1980年代のシングル総売上げは年間ベスト50位以内のものに限定しても245.6万枚と、当時の女性アイドル中5位。年間ベスト50位以内ランクイン曲数は10曲と、当時の女性アイドルでは中森明菜、松田聖子に次ぐ第3位であった。『ザ・ベストテン』(TBS)のランクイン回数は104回で歴代12位。女性歌手では松田聖子、中森明菜、山口百恵、小泉今日子に次ぐ第5位となっている。また、同番組の番組後期の期間(1986年1月-番組終了まで)においては最多の登場回数を記録している。
◎ 歌手と女優の両立 -1990年代-
1990年代に入り、1980年代にデビューした多くのアイドルが歌手活動を離れ、女優もしくはバラエティーアイドルへと転向を図る中、自身は歌手活動を継続し、年1本の連続ドラマ、映画、CM、アルバム発売、コンサートツアーと、歌手業と女優業を両立させる。特に『月9』枠作品の多くで主演を務め、1990年代ドラマを代表する女優となった。
1990年:1月、TBS系ドラマ『卒業』主演。10月、フジテレビ系月9枠ドラマ『すてきな片想い』主演。『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』へ続くフジテレビの「純愛3部作」で、主題歌の『愛してるっていわない』も36.1万枚のセールスを記録するヒット曲となる。
1991年:7月、シングル『Rosa』リリース。週間チャート最高3位ながらオリコンチャート登場週数は『世界中の誰よりきっと』の28週に次ぐ27週を記録するロング・ヒットとなった。遠距離恋愛がテーマのドラマで、主題歌の『遠い街のどこかで…』も67.3万枚の大ヒット曲となった。主題歌の『ただ泣きたくなるの』が104.8万枚のミリオンセラー(オリコン最高位1位)を記録し、自身単独名義での初ミリオンヒットとなる。
2003年7月、それまでの全映像作品を収録したDVDボックス『Miho Nakayama Complete DVD BOX』が発売された。
2004年1月、長男を出産。育児に専念していたが、2005年6月にキリンビバレッジ「茶来」のCMで3年ぶりにメディア出演をした。2006年3月、シングルを全て収録したCDボックス『Complete SINGLES BOX』が発売された。
2007年から集英社の女性月刊誌『LEE』でエッセイの連載を開始。同年、日本コカ・コーラ「ジョージア」や味の素のCMにも出演。また、製作延期とされていた主演映画『サヨナライツカ』の製作が監督をはじめとするスタッフ・キャスト陣を改め2008年より新たに敢行された。
2009年10月から2010年3月にかけて『中山美穂"恋ドラ"DVDコレクション』として、フジテレビで放送された中山の主演ドラマ『君の瞳に恋してる』『すてきな片想い』『逢いたい時にあなたはいない…』『誰かが彼女を愛してる』の4作品がDVD化された。さらにドラマ『おいしい関係』『For You』及び1991年に公開された映画『波の数だけ抱きしめて』がDVDとして2010年3月から順次DVDリリース。
◎ 2010年代
2010年1月23日、主演映画『サヨナライツカ』(イ・ジェハン監督作品)公開。2009年10月、2001年のドラマ「Love Story」の制作発表以来となる公の場である制作発表記者会見及び試写会に登壇した。また同年末から映画が公開される年初にかけ数多くのテレビ番組に出演。2010年7月7日にはベスト・アルバム『中山美穂 パーフェクト・ベスト』が発売。
2011年3月21日、3月11日に起こった東日本大震災の被災地へ向け作詞した楽曲「I am with you(とおくはなれてても)」を動画共有サイト・YouTubeで公開した旨を(当時の)夫でミュージシャンの辻仁成が自身のツイッターで明らかにした。“新曲”は、2000年12月に発表した配信限定曲「キミがいるから」以来、10年3ヶ月ぶり。同曲を制作した辻のアコースティックギターの伴奏にあわせ、久々に歌声を披露した。辻はツイッターで「この歌が、被災された方々の心によりそえますように」とメッセージを贈っている。
2012年3月、2002年の『ホーム&アウェイ』以来10年振りに日本のテレビドラマに復帰した。
2014年7月8日、辻仁成と協議離婚が成立し、日本に帰国。親権は辻が持つ。同年、音楽家の渋谷慶一郎との交際が報じられる。翌年に破局し、以後、歌手や女優としての芸能活動を精力的に展開した。
2015年12月2日、フジテレビ系列の年末大型音楽番組『2015 FNS歌謡祭』で、18年ぶりの音楽番組出演及び19年ぶりの『FNS歌謡祭』出演を果たし、「世界中の誰よりきっと」「ただ泣きたくなるの」の2曲を披露した。
2016年3月、デビュー30年にして初となる、本格的舞台『魔術』(共演:萩原聖人、橋本淳、勝村政信)に出演し、東京公演のほか全国6か所で公演を行った。
2016年8月、連続ドラマ『賢者の愛』に主演。自身初の土曜日放送の連続ドラマの主演となり、これにより週7日すべての曜日において連続ドラマ主演を務めた稀な俳優となる。
2018年春、日韓合作映画『蝶の眠り』で『新しい靴を買わなくちゃ』以来5年ぶりの映画主演。韓国の俳優キム・ジェウクと共演し、公開に先駆け2017年秋に釜山国際映画祭でワールドプレミアとして上映が決定。
2019年に音楽活動を本格的に再開。同年12月4日に20年ぶりのニューアルバム「Neuf Neuf」を発売。
◎ 2020年代
2020年3月に開催予定であったバースデーライブが、新型コロナウィルス感染症の世界的流行により中止となる。同年12月23日に35周年記念盤「All Time Best」を発売。
2022年5月21日に自身初のファンミーティングをclubmixで2公演開催。いずれもファンクラブイベント会員限定公演であったが、満員即売。同年12月、ビルボードライブ東京にて、『Miho Nakayama Billboard Live 2022』を開催。
2023年に24年ぶりの全国ツアーを中山美穂コンサートツアー「Miho Nakayama Concert Tour 2023 -Trois-」開催し、ツアー最終日の6月24日には山梨県河口湖ステラシアターで「中山美穂歌手デビュー38周年記念ライブ」も行われた。
2024年にも全国ツアー「Miho Nakayama Concert Tour 2024 Deux」を開催し、全国19都市21公演を行った。
◎ 突然の訃報
2024年12月6日、この日大阪市のビルボードライブ大阪で行われる「Miho Nakayama Christmas Concert 2024 in Billboard Live」を控え午前9時に品川駅で関係者と移動の待ち合わせをする予定となっていたが、本人が姿を見せず電話にも応じなかったため関係者が知人とともに渋谷区内の自宅を訪れたところ、水が張られた浴槽の中に前かがみの状態で倒れている中山を発見した。直ちに119番通報されたが、ドクターカーで駆けつけた医師によりその場で死亡が確認された。。その後渋谷警察署による検視が行われ、家族も身元を確認したという。
先述のコンサートは中山の「体調不良」を理由として6日14時7分に公式サイト上で中止が発表されたが、この時点で中山は既に死去していた。その僅か50分後(14時57分)にNHKが中山の訃報をニュースサイトとテレビの速報テロップで伝えた。
前日(12月5日)夜には自身のInstagramに投稿しており、事務所関係者が最後に連絡を取ったのは同日23時頃とされている。その後6日午前2時半ごろに中山からスタッフへ仕事に関するメールを送信したが、スタッフはすでに就寝しており、起床後にメールに気付き午前7時ごろに中山へLINEで返事を送ったが、既読になることはなかったという。
警視庁は入浴中の事故や病死の可能性があるとみて、8日に死因などを特定するための死因・身元特定法に基づく解剖を実施した。その結果目立った外傷はみられず事件性もなく、入浴中の不慮の事故によるものと判断された。溺死とみられている。同月12日、妹の中山忍を喪主として家族葬が執り行われた。後日、お別れの会の実施を予定している。
前述のとおり映画などを通じて東アジアを中心に海外でも人気を集めていたことから、韓国や中国大陸、香港、台湾、アメリカ、イギリス、フランスのメディアも相次いで訃報を報じた。
中山の葬儀に際し、喪主を務めた妹の忍は、以下のコメントを残した。
● 人物
◎ 生い立ち
中山が3歳の頃に両親が離婚。中山は幼い妹と共に東京の伯母夫婦の下に預けられた。伯父は「子供に罪はない」と言って、全てを投げだした中山の母親を助け、中山と妹の面倒を見た。中山は、大きな心をもって面倒を見てくれた伯母夫婦には心から感謝していると語っている。子供時代はおしゃべりでひょうきんな性格で、1970年代の大人びた歌謡曲を歌うのが何より楽しく、歌手になると豪語してところ構わず歌ってよく注意されたという。従妹と分け隔てなく愛情を注いでくれた伯母の家では、正月やクリスマスも経験できた。だが、母親は働くため、中山をいろんな家に預けた。突然の引っ越しで幸福な時間は消滅する。
中学時代の中山は脱色した茶髪に長いスカート、明菜ちゃんカットに潰したカバンを手に提げ、家でも学校でも反抗していた不良少女であったという。しかしドラマデビューを期に髪を黒く染め直し、「母を幸せにしたい」という思いから14歳で芸能界に入った。この日から中山は「みんなのもの」となり、家族の生活を担うことになる。ある女の子とは文通もしたという。ドラマや歌番組よりも、そうしたファンの反応が直接伝わるライブは特別なものだと語っている。デビュー後瞬く間にトップアイドルとなり、ドラマに歌番組、映画と多忙を極めた。『ママはアイドル』『若奥さまは腕まくり』の脚本家・吉本昌弘は、当時の中山について次のように語っている。1989年、月9ドラマ『君の瞳に恋してる』の主演以降はアイドルを脱皮して、テレビドラマを支えるトップ女優となっていく。時代がトレンディドラマから純愛ドラマへと移り変わっていく中で、そのキャラクターを買われて主演女優に起用され、"女王"と称される活躍を示した。
トップ女優として活躍する一方、仕事をこなすことに追われ「自分を出せない」もどかしさも募った。
中山は2020年のインタビューにおいて、「しばらく仕事から離れていた時期がありまして、“もう、やらないんだろうな”という印象を持たれていたんじゃないかと思うんです。だから、積極的にやりますよ! っていう姿勢を見せたくて(笑)」「「若いころは、無理に大人にならなくちゃいけないと思っていました。物事ひとつひとつをものすごくまじめに考えていたし、ひとりですべて抱えていましたね。みなさんが持ってくださるイメージを壊しちゃいけないというのもありました。いまは、いい具合で自由になった気がします。」と語り、晩年はバラエティ番組への出演や、刺激的な役柄や幅広い役柄にも挑戦していた。
◎ 人柄
キングレコードで中山のプロモーターを務めた竹中善郎は、「一般的なアイドルとは違うタイプだった」と明かし、「普通のアイドルは挨拶から元気いっぱいだけど、美穂は静かで大人しい印象だった。ただ、他の子とは違う圧倒的な"何か"を感じた」と語った。『ザ・ベストテン』で最後の司会者の柄沢晃弘は、「圧倒的なオーラがあるのに、飾らない人柄で、素が見える感じの方でした。微妙に天然なところもあって、女優としてのすごみと実際のご本人の印象は違いましたね。」と語った。映画『サヨナライツカ』で共演した石田ゆり子は、「同じ年なのに、会うたびに緊張したし、でもなんだかドキドキしたのだ。出会う人みんなを吸い込んでしまうような、そんな魅力を持ったひと」と語った。
アイドル歌手としてデビュー同期の浅香唯は、「85年デビューの同期という中でも美穂ちゃんは一目置かれる特別な存在」とし、人見知りの自分を気遣うように優しい笑顔で話しかけてくれたと語った。同じくデビュー同期の南野陽子は、「同期であることが誇らしく感じる人でした」と中山を偲んだ。同期で中山と同じキングレコード所属であった森口博子は、携帯電話が無かった時代に夜中にファクシミリを送り合っており、中山は本名で森口のことを呼んでいたといい、仕事が凄く忙しかった時期に、中山から「“心は元気ですか?” “明日も頑張りすぎないで楽しんでね”」と森口を労わるメッセージが送られてきたことがあったと明かした。
プライベートでは雄と雌の猫を計2匹飼っており、遺品には食器など様々な猫グッズがあった。本棚には、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの『星の王子さま』やウィリアム・モリスのデザイン集、茨木のり子の詩集、自身が気に入っていたというアルバム『Merry Merry』のCDなどがあった。健康志向で料理が上手く、玄米や天然製法の塩など、こだわりの食材や調味料を揃えていた。中学では手芸部に所属するなど子供の頃から手芸好きで、一時期はオートクチュールの学校に通うなどプロ級の腕前があった。ワイン好きで、恵比寿や中目黒で飲むことが多かった。ショットバーを訪れた際は、一杯ずつショットでウオッカ・トニックを飲んでいたという。トップ女優でありながらフラットでストレートな性格で、カラオケ付の飲食店で一般客に混じり、『世界中の誰よりきっと』や『ツイてるねノッてるね』などの自身の曲を歌うこともあった。
○ 音楽性
1985年に『「C」』でアイドル歌手としてデビュー。この時点から、中山とスタッフが一緒になって中山美穂の将来像を作っていこうという方針で、アイドルのプロデュースにおける、オーソドックスないわゆるスター・システムとは違う形でスタートしている。デビューから数年は松本隆・筒美京平のコンビによるシングルが多く、ディスコやアッパーなユーロビートを取り入れた作品がヒットした。『ツイてるねノッてるね』は数ある筒美作品の中でも最高に攻撃的なノリを持った楽曲とされ、『WAKU WAKUさせて』は筒美流ダンス・ナンバーの最高傑作との評価がある。中山と同時期に斉藤由貴の作品にも関わった松本隆は、文学少女的雰囲気の斉藤に対し、中山はザ・歌謡曲テイストで、というのはあったかもしれないと語っている。
松本・筒美の王道路線の他にも、角松敏生・久保田利伸・小室哲哉など若手の新進気鋭のアーティストの作品提供を受けており、ブラック・コンテンポラリー的なビート感を取り入れた楽曲と、しっとりと女性の気持ちを伝える楽曲との2通りの作品を展開した 日本テレビ 主演・山県ミホ 仙道敦子、山本理沙、後藤恭子
A-JARI/SHADOW OF LOVE
1986年10月16日 - 12月18日 な・ま・い・き盛り NHK BSプレミアム 主演・蒔岡鶴子 高岡早紀、伊藤歩、中村ゆり
2018年4月19日
未解決の女 警視庁文書捜査官
※第1話ゲスト出演
テレビ朝日
嶋野泉水
波瑠、鈴木京香
平井堅/知らないんでしょ?
2018年10月11日 - 12月13日 黄昏流星群 人生折り返し、恋をした フジテレビ ヒロイン・瀧沢真璃子 佐々木蔵之介、黒木瞳、藤井流星
平井堅/half of me
2019年5月10日 東京二十三区女「板橋区の女」
※第5話主演 WOWOW 主演・薫 マフィア梶田、浅川悠、小木茂光
2019年10月25日 時効警察はじめました
※第3話ゲスト出演 テレビ朝日 琴吹町子 オダギリジョー、麻生久美子、別所哲也
2020年1月11日 - 2月29日 彼らを見ればわかること WOWOW 主演・内田百々子 木村多江、大島優子、上地雄輔、長野博、生瀬勝久
2021年3月19日 西荻窪 三ツ星洋酒堂
※第6話ゲスト出演 毎日放送 才川尚美 町田啓太、藤原季節、森崎ウィン I Don't Like Mondays./ENTERTAINER
2021年4月30日 - 7月2日 警視庁ゼロ係〜生活安全課なんでも相談室〜 SEASON5 テレビ東京 保科玲 小泉孝太郎、松下由樹 德永英明/tomorrow
2021年7月31日 - 9月18日 ザ・ハイスクール ヒーローズ テレビ朝日 真中瑠璃子 岩﨑大昇、那須雄登、佐藤龍我、藤井直樹、金指一世、浮所飛貴
KAT-TUN/EUPHORIA
2022年7月18日 魔法のリノベ
※第1話ゲスト出演 関西テレビ・フジテレビ 西崎万智 波瑠、間宮祥太朗
2025年1月9日・23日〈予定〉 日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった
※第1話・第3話 フジテレビ 園田美奈子 香取慎吾、志尊淳 香取慎吾/Circus Funk(feat. Chevon)
2025年1月14日 家政夫のミタゾノ 第7シーズン
※第1話ゲスト出演 テレビ朝日 田中令子 松岡昌宏
◎ 単発ドラマ
放送年月日 タイトル 放送局 役名 共演
1986年3月3日 月曜ドラマランド
藤子不二雄の夢カメラ KADOKAWA(日韓合作) 主演・松村涼子 チョン・ジェウン キム・ジェウク、石橋杏奈
2019年1月25日 愛唄 -約束のナクヒト- 東映 橋野冴子 川村泰祐 横浜流星、清原果耶
GReeeeN/約束×No title
2019年10月25日 108〜海馬五郎の復讐と冒険〜 ファントム・フィルム 綾子 松尾スズキ 松尾スズキ
星野源/夜のボート
2020年1月17日 ラストレター 東宝 サカエ 岩井俊二 松たか子、福山雅治、広瀬すず、森七菜、豊川悦司
森七菜/カエルノウタ
2022年5月6日 死刑にいたる病 クロックワークス 筧井衿子 白石和彌 阿部サダヲ、岡田健史、岩田剛典(EXILE、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)
◎ その他のテレビ番組
・ おはようスタジオ(1985年4月 - 9月23日、テレビ東京) - 月曜日アシスタント
・ パーティー野郎ぜ(1985年4月 - 9月、朝日放送) - アシスタント
・ 日曜スペシャル「小泉今日子&中山美穂 二人は楽園ハンター」(1999年5月23日、日本テレビ系)
・ 日曜スペシャル「中山美穂のカリブ楽園共和国」(2000年10月22日、日本テレビ)
・ 中山美穂・魂の旅 小説アルケミストの世界を旅して (2002年7月7日、NHK BS2)
・ 趣味Do楽「パティシエ青木定治とつくる あこがれのパリ菓子」第7回・第8回(2013年1月21日・1月28日、NHK Eテレ) - 生徒 役
・ ザ・ノンフィクション(2021年12月19日、フジテレビ) - ナレーター
・ 幸せのホテルが誘う旅〜ルレ・エ・シャトーへようこそ〜(2020年1月3日、BS-TBS) - 旅人(スイス)
・ 推しといつまでも 7「『中山美穂』が我が家にやってきてスーパーマリオに大苦戦!」(2023年5月29日、毎日放送・TBS系列)
◎ 舞台
・ リーディング公演『HAKUTO〜白兎(しろうさぎ)〜』(2015年10月、博品館劇場) ※中村メイコとダブルキャスト
・ 『魔術』(2016年3月 - 4月、東京本多劇場、ほか神戸、名古屋、高知、愛媛、仙台、北海道公演)
・ 『葵上』『弱法師』-「近代能楽集」より-(東京公演:2021年11月8日 - 28日、東京グローブ座 / 大阪公演:2021年12月1日 - 5日、梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ) - 六条康子 / 桜間級子 役
・ 日本テレビ開局70年記念舞台『西遊記』(2023年11月3日 - 5日、オリックス劇場 / 11月10日 - 23日、博多座 / 12月27日 - 2024年1月2日、御園座 / 1月6日 - 28日、明治座) - 鉄扇公主 役
◎ NHK紅白歌合戦出場歴
1988年(昭和63年)/第39回
Witches
1/21
光GENJI
紅組トップで出演、紅組代表として選手宣誓も務める。
1989年(平成元年)/第40回
Virgin Eyes
3/20
男闘呼組
1990年(平成2年)/第41回
愛してるっていわない
2/29
吉田栄作
1991年(平成3年)/第42回
Rosa
3/28
吉田栄作 (2)
1992年(平成4年)/第43回
世界中の誰よりきっと
10/28
少年隊
後半戦トップバッター、WANDSと共演。途中コーナーでは森高千里・西田ひかると共に『キャンディ・キャンディ』のテーマ曲を披露。
1993年(平成5年)/第44回
幸せになるために
14/26
少年隊 (2)
1994年(平成6年)/第45回
ただ泣きたくなるの
8/25
藤井フミヤ
◎ CM
・ TDK AD-S SPLENDOR(1983年 - 1984年)
・ 明治製菓(現:明治)
・ コーンスナック スペースコマンダー(1983年)
・ アーモンドチョコレート、メルティキッス(2000年)
・ サントリー ジェットストリーム(1985年)
・ 日立家電 Lo-D 8ミリビデオカメラ(1985年 - 1991年)
・ 資生堂 インテグレート、ラステア(1986年 - 1989年、1993年)
・ エスエス製薬 ブロン液W、新エスタックW、新エスタック12、エスタックイブ(1986年 - 1997年)
・ ロッテ 雪見だいふく、トッポ、アロマスティック他多数出演(1987年 - 1995年)
・ 丸昌 晴れ着の丸昌(1987年 - 1990年)
・ シチズン ライトハウス(1988年 - 1989年)
・ 協和銀行 - 協和埼玉銀行 - あさひ銀行(1990年 - 1992年)
・ アサヒグループホールディングス
・ アサヒ飲料 ティークオリティ(1991年 - 1993年)
・ アサヒビール アサヒSlat(すらっと)(2012年3月20日 -)
・ 全日空(1992年 - 1993年)
・ 日産自動車
・ パルサー(1992年 - 1994年)
・ セフィーロ(1997年 - 1998年、桃井かおりと共演)
・ エステDEミロード(1992年 - 1994年)
・ 東芝 新・GINGA、快速銀河、パワステヘッド他多数出演(1992年 - 1996年)
・ 角川書店 ザテレビジョン正月超特大号<お茶の間編>(1993年)
・ ローソン(1994年 - 1996年、高嶋政伸、大塚寧々、松本明子、ともさかりえ、矢田亜希子らと共演)
・ フィリップモリス スーパーライト(1996年 - 1997年)
・ UCC上島珈琲 UCCレギュラーコーヒー(1996年 - 1997年)
・ コーセー
・ アンテリージェ、WHITIST、ドゥセーズルミナス、サロンスタイル(1996年 - 2003年)
・ KOSE ESPRIQUEシリーズ【ESPRIQUE Eclat】(2017年10月 -)
・ キリンホールディングス
・ KIRIN キリンビール
・ ラガー(ハリソン・フォード・唐沢寿明、伊東四朗と共演)
・ 一番搾り(役所広司、香取慎吾と共演)
・ KIRIN キリンビバレッジ 茶来(2005年 -)
・ NEC バリュースターNX(1998年 - 2001年、ほしのあきと共演)
・ ロート製薬(1999年)
・ ONWARD 23区(1999年 - 2002年、細川茂樹と共演)、自由区(2008年 -)
・ JCB(2001年 - 2002年)
・ マックスファクター イリューム(2006年 -)
・ ザ・コスギタワー(2006年)
・ P&G パンテーン(2006年 -)
・ 日本コカ・コーラ ジョージア ヴィンテージーレーベル(2007年、渡哲也と共演)
・ 味の素 やさしお(2007年 - 2008年)
・ ドクターデヴィアス(2008年 -)
・ P&Gパンテーン(2011年2月 -)
・ MVNE(2014年4月 -)
・ ヤマザキビスケット ノアール(2017年12月 -)
他多数出演
◎ ラジオ
・ 中山美穂のまんまるキューピッド(1985年10月 - 1987年3月、文化放送)- 「新てるてるワイド 吉田照美のふッかいあな」内包番組
・ 文化放送サタデープレミアム 中山美穂 "Neuf Neuf"ラジオ〜中山美穂35年の軌跡〜(2020年2月22日、文化放送)
◎ 映画
・ 『波の数だけ抱きしめて』(1991年度)
・ 第15回日本アカデミー賞話題賞
・ 『Love Letter』(1995年度)
・ 第20回報知映画賞最優秀女優賞
・ 第17回ヨコハマ映画祭主演女優賞
・ 第10回高崎映画祭最優秀主演女優賞
・ 第38回ブルーリボン賞主演女優賞
・ 『東京日和』(1997年度)
・ 第21回日本アカデミー賞優秀主演女優賞
・ 12回高崎映画祭最優秀主演女優賞
◎ ドラマ
・ 1995年
・ 第4回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 主演女優賞(『For You』)
・ 1998年
・ 第19回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 主演女優賞(『眠れる森』)
◎ その他
・ エランドール賞新人賞(1987年)
「中山美穂」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2025年1月15日22時(日本時間)現在での最新版を取得
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