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生駒山上遊園地(いこまさんじょうゆうえんち)は、奈良県生駒市と大阪府東大阪市にまたがる生駒山の山上にある遊園地である。
近畿日本鉄道(近鉄)が所有し、近鉄グループ傘下にある株式会社近鉄生駒レジャーが信貴生駒スカイラインとともに運営する。
1980年代には「スカイランド・生駒山上遊園地」、1990年代以降は「スカイランドいこま」という愛称を併用していた時期があったが、現在は使われていない。
● 概要
標高642mの生駒山頂周辺に1929年(昭和4年)に開園した遊園地。
入園料は無料だが、遊具利用は有料。平野部に比べ気温が3 - 5度低いことから夏の行楽地として特に人気を呼び、ファミリー向けの近鉄あやめ池遊園地(2004年閉園)に対し、おもに若者やカップル向けの遊園地として定着した。現在は12月から3月中旬の間、冬季休園している。2015年11月3日まで「ペットふれあいの森・生駒」も併設していた。
園域は大阪府および奈良県にまたがっており、土地は近鉄本社が保有している。近鉄あやめ池遊園地および奈良ドリームランド閉園後の奈良県では県内唯一の遊園地である。園内に設置された飛行塔は遊園地のシンボルとなった。
第二次世界大戦中は営業を中断し、飛行塔は軍の防空監視塔に使われた。
戦後はあやめ池遊園地、玉手山遊園地とともに近鉄子会社の近鉄興業が運営。1963年(昭和38年)に100万ドル回転展望台を設置。1980年(昭和55年)には宙返りコースターを導入するなど若者層をターゲットにしたいわゆる「絶叫マシン」を積極的に設置した。当時の関西では、ナイター営業を行う遊園地は当園だけで、1980年代には入園者のピークを迎えた。
しかし1992年(平成4年)の約73万人を最後に、東京ディズニーランド(1983年開園)などの後発の大規模テーマパークとの競合や遊園地離れの影響で入園者は減少した。開園70周年の1999年(平成11年)に入園料の無料化に踏み切ったが、2001年に大阪市内にUSJが開園した影響を受け、2003年度(平成15年度)以降閑散期の冬季休園を余儀なくされ、2004年(平成16年)の入園者数は約17万5000人に落ち込んだ。
同年の近鉄グループレジャー事業再編では、生駒山上遊園地の事業単体では赤字であったものの、跡地の再開発利用が困難であること、また一体運営を行っている信貴生駒スカイラインなどの事業総体では黒字であることを理由に閉園を免れ、同年7月に近鉄興業から近鉄レジャーサービス(2002年設立)に事業譲渡された。
事業移管後の同園は「花と緑に囲まれ、みんなが安心して遊べる遊園地」を新しいテーマとし、2005年(平成17年)に10万株の花植栽を開始する一方、宙返りジェットコースターなどの絶叫系遊具を順次廃止して園内遊戯施設の見直しを進めるなど対象を子供・ファミリー向けに変更し、2007年(平成19年)には入園者数が20万人台に回復した。
2023年7月に近鉄グループのレジャー事業再編に伴い、運営会社の近鉄レジャーサービスが中間持株会社の近鉄レジャークリエイトに社名を変更し、志摩スペイン村などの事業などを同社の傘下に収めるとともに、生駒山上遊園地の運営は近鉄レジャークリエイトの子会社として設立した近鉄生駒レジャーが担う形に変更した。
生駒山上遊園地の飛行塔はほかの土井式飛行塔と異なり、当初展望台を兼ねていたため、内部にエレベーターが設置されているのが特徴である。エレベーターのかご室は塔体上部から張り出したアームから吊下がる飛行機形ゴンドラの釣り合い重り(カウンターウエイト)を兼ねており、ゴンドラが上昇するとエレベーターが下降、ゴンドラが下降するとエレベーターが上昇するしくみになっている。
飛行塔は近鉄生駒鋼索線と共に2021年(令和3年)9月28日に土木学会選奨土木遺産に認定された。
● アクセス
・ 近鉄生駒駅徒歩3分の鳥居前駅から近鉄生駒ケーブル生駒山上駅下車。
・ 信貴生駒スカイライン - 阪奈道路生駒登山口から約4km(かつて阪奈道路・スカイライン経由で梅田から近鉄バスが路線バスを走らせていた)。
● 参考文献
「生駒山上遊園地」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
2024年3月29日21時(日本時間)現在での最新版を取得
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