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バレーボールは、ネット越しにボールを打ち合うチームスポーツである。3回以内で相手コートに返球しあうことで点数を競う。大抵は1チーム6人で行われる。略称はバレー。なお、ビーチバレーボールに対して「インドアバレー」と呼ばれることがある。しかしながらルール上は屋外でも可能であり、1950年代までは屋外コートが一般的であった。 使われる用語については「バレーボールの用語一覧」参照。

● 概要
バレーボールは、1895年に子供、女性、高齢者でも楽しめるスポーツとして、アメリカ合衆国の体育教師ウィリアム・G・モーガンによって考案されたとされている。 試合では9メートルと18メートルのエリアを、中央をネットで分けたコートを使う。ネットの高さは年齢や性別などによって異なるが、大体2メートルから2.43メートルの間で設定される。このネットには試合中いかなる部分も触れてはならない。チームの人数は6人制や9人制があるが、6人制が主流である。 バレーボールは球技のうち唯一ボールを床や地面に落としてはならないスポーツであり、またボールを持つことや同一プレイヤーが2回連続で触ることはできない(ブロックを除く)。これらの基本的なルールのもとラリーは行われる。ラリーはボールを打つこと(サーブまたはサービス)から始まり、サーブを受けるチームが3回以内に相手コート内に返球し、以後コート内に落ちるかコート外に落ちる、もしくはいずれかのチームが反則を犯すまでラリーは続く。ラリーが終わるとラリーを制したチームに1点が加算され、ほとんどの場合25点を先に得たチームがセットを取る。先に3セット先取したチームがその試合に勝つ。(5セットマッチの場合)

● 歴史
バレーボールを1895年に考案したウィリアム・G・モーガンは当時25歳で、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ホルヨークのキリスト教青年会(YMCA)のアスレティックディレクターであった。子供、女性、高齢者も気軽に楽しめる室内スポーツとして考え出した。 発祥の日は特定されていないが、元になった「ミントン」が1895年の夏にYMCAキャンプ研修会で初めて紹介されていること、モーガンのホルヨーク着任が長男ルフス誕生(8月29日)より後とされていること、モーガンのホルヨークへの転任が報じられているのが1895年10月のYMCA会報であること、10月23日の地元紙『ホルヨーク・デイリー・エクスプレス』にはモーガンの活動のことが掲載されていること、積雪により屋外で野球やアメリカンフットボールがプレーできない冬季向けのゲームとして考案されたことから、秋から冬と考えられる。 当初の名称はMintonette(ミントネット)。これは1895年、英領インド帝国に派遣されていたマッコノーイによって紹介されたミントン(羽毛球を使った5人制のバドミントン)に由来する。バスケットボールはモーガンをYMCAに誘ったジェームズ・ネイスミスが1891年に冬期の屋内スポーツとして考案し、ラグビーなどで見られるタックルなどのラフプレーを防ぐためボールを保持したまま走れないようにするなどレクリエーション要素を考慮していた。しかしバスケットボールは主に男子学生向けの競技であり、身体的な接触による激しいプレーが好まれる風潮もあって、モーガンが受け持っていたホルヨークYMCAビジネスマンクラス(25歳から40歳)には不向きな競技となっていた。YMCAでは大人数で気軽に楽しむことができ、身体接触がない安全なゲームを必要としていた。 モーガンは学生がバスケットボール用のボールの中にある軽量なチューブで遊んでいる姿をヒントに、バドミントンのほか、テニスなどネットで対戦相手と区切られているスポーツのルールを参考にしたスポーツを考案した。このころのルールは非常に単純で、試合に集まった人たちを同じ数の2チームに分けて、相手コートに返す際の回数は決まっておらず、ボールを打ち合い、ボールを落としたほうが負けというものであった。しかしながら、当初から得点が入るのはサーブ権があるときのみ(サイドアウト制)であり、バドミントンの影響が大きい。この時点では、「味方にパスが可能、素手、ポールを使う」というミントン系のスポーツだった。 翌1896年7月、モーガンはこの新ゲームをスプリングフィールドで開催されたYMCA体育指導者会議の際に公開した。モーガンは当初このゲームをミントネット(Mintonette、ミントンもどき)と名付けたが、YMCAトレーニングスクール教官であるハルステッド博士の提案を受け、名称をバレー・ボール(ボレー・ボール、volley ball)に改めた。バレーボールのバレーというのは、テニスのボレー(ボールを地面につく前に打ち返すこと)からきているが、日本語公式ルールブック『バレーボール6人制競技規則2024年度版』(日本バレーボール協会)は第一部が削除されている。なお、第一部と第二部のうち大部分(第一編「試合」)の訳はブログ「vlastos」に掲載されている。 日本では、小学生は1セット21点(3セットマッチ、3セット目は15点まで)、中高生は1セット25点(3セットマッチ、3セット目も25点まで)で行われている。なお春高、国体の準決勝以上、インターハイ決勝、春高都道府県予選決勝のほとんど、インターハイ予選決勝の一部はルール通り5セットマッチである。

◎ 競技場
長辺18メートル、短辺9メートルの長方形のラインが引かれたコートを用いる。その中央にはコートを二分する形で幅1メートル、長さ約10メートルのネットが張られている。ネットの高さは成人男子が2.43メートル、成人女子が2.24メートルと定められている。ネットからそれぞれ3メートルにはアタックラインと呼ばれるラインがある。日本の高校バレーの都道府県大会では男子2.40メートル、女子2.20メートルである。中学生は男子が2.30メートル、女子は2.15メートルと定められている。1989年(平成元年)までは全国大会でも同様であった。これは9人制(男子2.25メートル、女子2.10メートル)の名残である。 コートの外には3メートル以上の空間(フリーゾーン)、天井までの高さは7メートル以上が必要とされる。国際バレーボール連盟および日本バレーボール協会主催の競技会では、フリーゾーンは最小限サイドラインから5メートル、エンドラインから6.5メートル、天井の高さは12.5メートル必要と定められている。また最低気温(10℃以上)や照度(1,000 - 1,500ルクス)なども規定がある。

◎ ボール
:ボールの色はどんな色でもよく、複数色の組み合わせとされるが、大会や試合では同一でなくてはいけない。円周は65 - 67センチメートル、重量は260 - 280グラム、内圧は0.30 - 0.325kgf/cm。現在、全国大会の取り扱いでは、0.31kgf/cmに統一することとなっている。このボールのことも「バレーボール」と呼ばれる。

◎ ユニフォーム
シャツ、パンツ、ソックスの色とデザインリベロ以外の全員がそろっていることが条件。リベロ・プレーヤーは対照的な色のユニフォームでないといけない。ユニフォームのナンバーは1番から20番を原則としているが、やむをえない事情があれば、99番まで使用することができる。数字の大きさは胸部が15センチメートル以上、背部は20センチメートル以上、字幅は2センチメートル以上でなければならない。チームキャプテンは、胸のナンバーの下に長さ8センチメートル、幅2センチメートルのマークをつける。

◎ チーム
1チームは、6人以上12人以内のベンチ入りプレーヤー、監督1人、アシスタントコーチ最大2人、チームセラピスト1人、医師1人で構成される。前衛・後衛それぞれ3人、計6人で競技を行う。プレーヤーのうち2人をリベロプレーヤーとして登録することができる。 ただし、国内大会の競技要項により、部長、マネージャーなどがベンチスタッフとして認められることがある。現在、全国大会やそれに準じる大会では、監督を含むベンチスタッフを置くには、コーチや指導者としての公認資格の有資格者がいることを条件としている。 国際バレーボール連盟および日本バレーボール協会主催のシニア競技会(公式戦)においてはリベロを2人登録した場合は最大14名のプレーヤーで構成できる。高校、大学の大会もほとんどこれに準じており、ルールブックどおり12名以内なのはインターハイ本戦、国体少年の部くらいである。なおVリーグは2018/19シーズンからリベロ1人でも13〜14名ベンチ入り可能となっている。
○ キャプテン
上記プレーヤーのうち、1名がチームキャプテンとなり、試合中コート内でプレーしている間はゲームキャプテンとして行動する。チームキャプテンがコート外にいるときはコート上のほかのプレーヤーがゲームキャプテンとなる。リベロもキャプテンになれる。 ゲームキャプテンは試合中断中のとき、競技規則の適用などについて審判員に説明を求めることができる。ゲームキャプテンは監督不在のとき、タイムアウトや選手交代の権限が与えられる。
◇ラリーポイント制 :サーブ権を持つチームの選手がサーブを行うことでボールの打ち合いが始まり、攻撃決定やミス、反則で打ち合いが終わる。これをラリーという。ラリーに勝ったチームが、1点を得ると同時に次のサーブ権を得る。 :1895年の誕生以来100年以上、サーブ権があるときのみ得点が入る「サイドアウト制」であったが、1998年からラリーポイント制に変更。 :なお極東ルール(9人制)では日本の提案で1930年過ぎからラリーポイント制に変更されていた。
◇5セットマッチ :先に25ポイント(第5セットに限り15ポイント)を取ったチームに1セットが与えられ、3セットを先に獲得したチームが勝者となる。ポイントが24 - 24(第5セットは14 - 14)となった場合はデュースとなり、どちらかが先に2ポイントの差をつけるまでそのセットは続けられる。第5セットではいずれかのチームが8点を先取したときにコートチェンジを行う。
◇3セットマッチ :上記のようにルール上3セットマッチは存在しないが、日本の高校バレーでは一般的であり、シニア大会の地区予選でも見られる。これは9人制(極東ルール)の名残と考えられる(1962〜1963年に掛けて日本のバレー界は6人制に移行したが、9人制では21ポイント、ラリーポイント制の3セットマッチであり、6人制の15ポイント、サイドアウト制5セットマッチはネット高とともに高校生の体力的な負担、運営の負担が過大という考えであろう)。先に25ポイントを取ったチームに1セットが与えられ、2セットを先に獲得したチームが勝者となる。ポイントが24 - 24となった場合はデュースとなり、どちらかが先に2ポイントの差をつけるまでそのセットは続けられる。第3セットではいずれかのチームが13点を先取したときにコートチェンジを行う。

◎ タイムアウト
各チームは1回につき30秒間のタイムアウトをとることができる。各チームはこの間に作戦を練ったり、選手を休憩させたりしている。タイムアウトの回数制限は両チームとも各セット2回ずつで、たとえ使わなくても、次のセットに持ち越すことはできない。 また、国際試合などでは、第5セット以外にどちらかのチームが8点と16点を先取した場合、自動的に「テクニカルタイムアウト」となっていたが、現在では廃止されている。Vリーグでは12点先取時に残っている。テクニカルタイムアウトの休憩時間は60秒間

◎ 選手交代
先発選手は1セットにつき1回だけ交代によりコートを離れることができ、1回だけ元のポジションに戻ることができる。交代選手は1セットにつき1回だけ先発全集と交代して試合に出ることができる。先に交代した選手とだけ代わってベンチに戻ることができる。 1セットにつき6回までの選手交代を要求できる。2人以上の選手を同時に交代させることができる。 以上は正規の選手交代であるが、負傷、病気、退場でプレーを続行できなくなった場合は例外的な選手交代を行うことができる。

◎ プレー中の動作
チームはネットを越えてボールを返すために最大で3回ボールに触れることができる。1人の競技者は連続してボールに触れることができない。ただし、6人制の場合、正当なブロックは1回として数えない(このため、6人制の場合は同一の競技者が正当なブロック後にレシーブなどで触ることができる。その結果、チームで3回を越えて触ることになるがルール違反ではない)。また、チームの最初のヒットでは、1つの動作中であれば、ボールは身体のさまざまな部分に連続した接触をしてもよい。よってレシーブの際には基本的にはダブルコンタクト(ドリブル)は取られない。現行のルールではボールを返す際に体のどの部位を用いてもよい。これらは審判による主観的な判定を廃し、プレーの連続性を重視するためである。

● ポジションとローテーション
各プレーヤーはそれぞれ次に示すポジションにつく。
・前衛(ネットに近い側):左からフロントレフト(FL)、フロントセンター(FC)、フロントライト(FR)
・後衛(ネットから遠い側):左からバックレフト(BL)、バックセンター(BC)、バックライト(BR) 後衛のプレーヤーはネット際でのスパイクやブロックを禁止されるなど、ポジションに応じてプレーに制限がある。 ポジションはサーブ権を獲得するごとに時計回りに入れ替わり(これをローテーションという)、新たにバックライトにつくことになったプレーヤーがサーブを打つ。ローテーションの順序は、バックライト→バックセンター→バックレフト→フロントレフト→フロントセンター→フロントライトの順。 1998年からは後衛の選手と何度でも入れ替わりが可能な選手、リベロプレーヤーが国際ルールに正式採用された。リベロプレーヤーは、後衛の選手と入れ替わってコートに入り、ローテーションが進行して前衛にまわる前に元の選手と交代してゲームを離れる。リベロプレーヤーの入替(リベロリプレイスメント)は、ラリーが完了した時に特にゲームを中断せずに行われる。リベロプレーヤーには、後衛に課せられるプレー上の制限に加えてフロントゾーンでのネットより上方のトスや、ネットよりも上方でボールに触れて相手コートに返球することも禁止される。リベロプレーヤーは同一チームであっても他の選手と異なる色のユニフォームを着用する。

◎ 主な反則行為

◇ダブル・コンタクト(ドリブル) :同じプレーヤーが連続してボールに触れた場合。ブロックとレシーブ(チームの最初のヒット)は除く。ブロックタッチ後のレシーブも最初のヒットとして扱われる。通称ドリ。
◇キャッチ(ホールディング) :ボールをつかむ、または投げること。一瞬でも静止すると反則がとられる。通称ホール。
◇ボール・アウト :ボールがコート外に落ちたり、サイドマーカー(通称アンテナ、ネット付近でのコートの内外を示すネットに取りつける棒)に触れたり、その外側を通過して相手側コートに返ったりした場合。
◇タッチ・ネット :ボールをプレーする動作中の選手による両アンテナ間のネットへの接触(ユニフォームなども含む)は反則である。通称ネッチ。
◇オーバーネット :相手側のコート(フリープレー空間)にあるボールに触れた場合。ブロックでは相手のプレーを妨害しない限りネットを越えてボールに触れることができる。アタックヒットを自チームのフリープレー空間で行ったあとに、その手がネットを越え、相手空間入っても良い。1964年東京オリンピックのバレーボール競技では、相手(ソ連)のオーバーネットによって日本の金メダルが決まった。当時、相手ブロックのオーバーネットを誘うのが日本の戦術であった。東京五輪後、ルール変更によりブロックのオーバーネットは許容された。
◇フォア・ヒット(オーバータイムス) :自コートから相手コートに返球する間に4回以上ボールに触れた場合。ブロックは1回には数えない。
◇インターフェア :相手のアタックヒットの前、または最中に相手側のコートにあるボールに意図的に触れた場合や、相手選手のプレーを妨害した場合。
◇ペネトレーション・フォールト(パッシング・ザ・センターライン) :プレーヤーの両足(足首より下)がセンターラインを越して相手側のコートに入った場合。片足の一部でもセンターラインに触れているか、センターライン真上の空間にあれば反則にならない。
◇ポジショナル・フォールト(アウト・オブ・ポジション、ローテーションミス) :サーブを打つ瞬間にプレーヤーが規定のポジションについていない場合。リベロ・プレーヤーの交代が正当でない場合にも適用される。
◇アタック・ヒットの反則 :バック・プレーヤーがフロント・ゾーン(アタックラインの延長線上よりネットに近い区域も含む)から跳び上がって、ネット上端より完全に高い位置のボールを相手コートへ返球した場合。 :相手チームのサービスしたボールがネット上端より完全に高くフロントゾーンにあるときに、選手がアタックヒットを完了したとき。
◇アシステッド・ヒット :プレーヤーが味方の他プレーヤーや外部の構造物などの助けを借りてボールをプレイした場合。
◇サーブに関する反則 :1.主審がサーブの許可を出したあと、8秒以内にサーブを打たなかった場合(ディレイ・イン・サービス、いわゆる8秒ルール違反)。 :2.サーブ順を間違えた場合。 :3.ヒットまたは踏み切りの瞬間、サービスゾーン外やエンドラインに触れてサーブした場合。 :4.味方プレーヤーがスクリーンを形成して、サービスヒットおよびサービスボールの軌道が相手チームに見えないように妨害した場合。
◇ブロックに関する反則 :相手チームのサービスをブロックすること。バックプレーヤーがブロックに加わり、それが完了したとき。アンテナの外側から相手空間内のボールをブロックしたとき。リベロがブロックを試みたとき。

◎ 6人制と9人制の共通点と違い
9人制はおもに「ママさんバレー」として日本では行われているが、世界的には普及しておらず、国際試合は6人制で行われている。9人制では、6人制と比較して、次のような違いがある。
・一般男子はコートがやや広い。
・ネットの高さがやや低い。
・ボールはママさんバレーは白色とカラーボール(全国大会のみ白一色)、一般は6人制と同じ(6人制はカラーボール)。
・交代要員は3人以内(6人制では6人以内)。
・3セットマッチ、21ポイントで1セット。
・アタックライン、リベロ、ローテーションがない(6人制ではある)。
・プレー中、ネットにボールが触れた場合には、4打以内に相手コートに返せばよい(6人制ではネットに触れても3打以内)。
・サーブの打ち直しが1回に限り可能(6人制では不可)。
・ブロックを1打に数える(6人制では1打に含まない)。
・どの選手もスパイクを打てる(6人制では後衛の選手はアタックラインを越えてスパイクを打てないが、9人制にアタックラインはない)。
・サーブブロック(スパイクでも可)が有効(6人制では反則)。ただしブロックのオーバーネットは反則(6人制では有効)。

● 技術・戦術の変遷
前述のように当初はレクリエーション要素の強いスポーツだったが、ルールが改正されるたびに競技が高度化したため、選手にはジャンプ力と短距離ではあるが前後左右に素早く移動する俊敏性、それを反復するスタミナ、アタックやサーブに必要な筋力、空中での姿勢を維持するバランス力、ボールを跳ね返す一瞬で方向をコントロールする技術、複数の選手の動きを瞬時に把握する思考力が必要となり、接触は無いが身体に負荷がかかる激しい競技に変容していった。 戦術面でも、ボールを保持できず3回以内に返すという制約から時間的猶予が少ないため、あらかじめ決めた作戦パターンから選択するようになった。相手のブロックを欺くためのフェイント動作、ブロックに止められることを想定し落下が予測される場所にあらかじめ移動するなど、攻撃に参加していない選手も考えながら常に動き続ける競技になっている。また故意にブロック当てブロックアウトを狙うスパイクに対し、ブロック中に指を伸ばさずに通過させアウトにするなど、空中にいる僅かな時間での心理戦も展開されている。 戦略面でも、プロや国の代表チームには技術スタッフとして専門のアナリストが帯同し、対戦相手に合わせた作戦を考案するなど高度化している。しかしレシーブには関係ないため、一部でブロックを諦め全員でレシーブに専念するという戦法もある。従来はオリンピックのたびに4年ごとのルール変更だったが、1994年からは変更頻度が上がった。
・ 1965年 ブロックのオーバーネットの許容。
・ 1967年 サーブ5秒以内(1999年に8秒以内に変更)。
・ 1969年 アンテナをサイドラインから20センチメートル外側に取りつけ。ボール重量270グラム±10グラム。
・ 1973年 パッシング・ザ・センターラインの緩和。
・ 1977年 ブロックのワンタッチをカウントしない。アンテナはサイドバンド上に取りつけ。スリーボールシステム(1試合に3つのボールを使用しデッドタイムをなくす)の導入。
・ 1984年 サーブに対するブロックの禁止(FIVBロサンゼルス五輪総会にて)。ファーストコンタクト(1回目のレシーブのこと)における、ドリブル(現在のダブルコンタクト)を許容(アンダーハンドのみ)。
・ 1989年 5セット目のみをラリーポイント制に。セット間2分間。プレー中にベンチからの指示を許可。
・ 1994年 サービスゾーンが、従来の右隅から3メートルの範囲から、エンドラインいっぱい(9メートル)に広がる(FIVBアテネ世界選手権総会にて)。
・ 1995年 膝から下での打球も反則ではなくなる。ファーストコンタクトではオーバーハンドも含め、ダブルコンタクト・ホールディング(現在のキャッチ)をとらないことになる。
・ 1998年 リベロ制の正式導入(低身長の選手にも活躍の可能性を与えることが目的)。ボールの内気圧の低減(最大値を0.425kgf/cmから0.325kgf/cmへ)。カラーボールの使用許可。
・ 1999年 サーブのネットインを認める。5セットマッチの全ラリーポイント制の導入(サーブ権ポイント制では試合時間が一定せず、テレビ放映権が売りにくかったことによる変更)。デュースの際の勝敗は、2点差がつくまで無制限になる。サーブ8秒以内。
・ 2007年 ネット上で両チームの選手がボールを押し合った場合も、プレー続行となる(以前はプレーを止めノーカウントとした)。
・ 2009年
 ・ リベロ2人制の導入。国際試合などでは、リベロを2人登録した場合は14人までベンチ入り可能となる。
 ・ 両足より上部の身体のいかなる部分が、相手コートに触れても、相手のプレーを妨害しない限り許される(以前は両手などがセンター・ラインを超えて相手コートに触れると反則であった)。
 ・ 競技者がネット(上部の白帯とアンテナ以外)に触れても、相手のプレーを妨害しない限り許される(以前はネットのいかなる部分も触ると反則であった。ネットに触れてもいいものの、わざとネットを引き下げアタックを打つなどの行為をすると、スポーツマンシップに反する行為として、罰則が与えられる可能性がある)。この変更は2014年に撤回された。
・ 2011年 第1リベロと第2リベロ同士の交代制限撤廃。
・ 2013年 前年の総会で承認された、指を用いたオーバーハンドサーブレシーブにおけるダブルコンタクト・キャッチの厳罰化適用を、実施延期と発表。
・ 2013年
 ・ チャレンジシステム(ビデオ判定)の試験導入。各チームごと、1セット2回失敗するまで要求可能。
 ・ 10月に開催するU-23世界選手権で次の2つの特別ルールを試行。
 ・現行の25点制を21点制に変更、これによりテクニカルタイムアウトは8点・16点から、12点に。
 ・主審の吹笛後にサーブを打つまでの時間を、現行の8秒から15秒に変更。
・ 2014年 ボールをプレーする動作中の選手による両アンテナ間のネットへの接触は反則とし、2009年の緩和が撤回となった。2015年度から適用。
・ 2015年 この年のW杯など、勝ち点よりも勝数が順位決定方法で優先されるようになった。
・ 2016年 チャレンジシステムは当該プレー後5秒以内の申請となり、ラリー中にも適用されることとなった。

● 用語


◎ 技術に関するもの

◇サーブ(サービス):相手コートに向かってボールを打つことをいう。サーブには、手を下から振り出すアンダーハンドサーブ、ボールを高く上げてジャンプしながら強く打つスパイクサーブ(ジャンピングサーブ)、ジャンプしないでコントロール重視で打つフローターサーブ、助走をつけて軽くジャンプし、その後トスを上げて打つブロードサーブ、ジャンプしてフローターの動作で打つジャンプフローターサーブ、アンダーハンドで高く打ち上げる天井サーブなどの方法がある。
◇アンダーハンドパス :相手からの強い返球を低い位置で受けるときに効果的なプレイ。そのためレシーブと呼ばれることもあり、大別してサービスレシーブとスパイクレシーブの2種類がある。とりわけスパイクレシーブをディグ(Dig)と呼ぶ。両腕を体の正面に伸ばして、片手でもう一方の手を軽く握り、手首の付近でボールを弾く動作がよく用いられる。低い位置のボールを受けるには都合がいい。その反面、ボールのコントロールは比較的難しい。また姿勢を低くするために構えるのに時間がかかり、走るために構えを止めるまでにも時間がかかる。また構えながらの素早い移動が難しいため、手から僅かに離れた場所へボールが来ると取れないこともある。
◇オーバーハンドパス :緩やかな速さのボールを、頭の上方で、両手でボールを軽く押し上げるような姿勢でボールを弾くプレイ。トスとも呼ばれる。コントロールを重視する次のアタックの前に行うことが多い。移動やジャンプ中にも出来るが、スパイクなど速く打ち下ろす球を処理するのは難しい。上を向くため視界が制限され周囲の状況を把握しにくくなる欠点もある。
◇スパイク(アタック) :跳躍しながらネット越しにボールを打つ動作がスパイクである。相手コートに叩きつけるように下向きに打つことが基本だが、相手のブロックにボールを当ててコート外にボールを出す「ブロックアウト」や、タイミングをずらして相手のブロックを避ける「時間差」などの戦法もある。
◇ブロック :相手のスパイクに対してタイミングよくジャンプし、両手を上に伸ばして自分のコートにボールが打ち込まれることを防ぐ、またはその威力を軽減させるプレイ。ブロックによるボールへの接触は、6人制では返球までの1回に数えないが、9人制では1回に数える。ブロックする人数は「枚」で数えることが多い。難易度は高いがブロックをかわしやすい。
◇バックアタック :後衛のプレーヤーがアタックラインの後ろから行う攻撃。
◇パイプ攻撃 :バックアタックの中でも、短いトスで速攻気味に中央から行う攻撃。
◇時間差攻撃 :ボールに触れる予定のない「おとり」のプレーヤーがジャンプすることで、相手のブロックのタイミングを狂わせる戦術。
◇一人時間差 :スパイクを打つ選手が自らが本来のジャンプをする前にジャンプのフェイントを入れることで、相手のブロックのタイミングを狂わせる戦術。発案者は日本の森田淳悟。
◇移動攻撃(ブロード) :センタープレイヤーが、Cクイック・Dクイック・ライト平行の位置に走り、片足で流れながら打つ。セッターは長く低いトスを上げる。
◇ツーアタック :通常セッターがトスを上げるはずの2回目での攻撃プレイ。

◎ その他

◇チャンスボール :ボールの操作が容易な返球のこと。
◇バレーボール3大大会 :オリンピック、世界選手権、ワールドカップのこと。
◇お見合い :ボールを2人のプレーヤーが取りに行った結果、譲り合ってしまいボールを落としてしまうこと。

● 派生してできたスポーツ


◎ 屋外

◇ビーチバレーボール :砂浜でやるバレーボール。現在は、2人制が主流。4人制もある。
◇スノーバレー :雪上でやるバレーボール。現在は、3人制が主流。
◇泥んこバレーボール :田んぼで行うバレーボール。「泥田バレーボール」「パディバレーボール」などとも呼ぶ。
◇パークバレー :4人制。パーク(公園)で行う。
◇バルーンバレーボール :ビーチボールを使うバレーボール。
◇風船バレー :風船(使うのはゴム風船の方。風船玉を使う場合もある)を使うバレーボール。

◎ 軟式ボールを使用したバレーボール

◇ソフトバレーボール(ミニバレーボール) :ボールがゴム製でバレーボールよりやや大きい。4人制。
◇ミニバレー :4人制。
◇トリムバレーボール :バレーボールより一回り大きく、軟らかいボールを使用。

◎ ゆるスポーツ

◇手錠バレー :手錠を着けて両手を固定する。軟らかいボールを使用。

◎ パラバレーボール

◇シッティングバレーボール:座って行うバレーボール。パラリンピックの正式種目。
◇フロアバレーボール:視覚障害者にも対応したバレーボール。ボールをネットの下から通過させる。6人制。
◇ローリングバレーボール :フロアバレーボールをベースに考案された。6人制。
◇デフバレーボール:聴覚障害者に対応したバレーボール。

◎ ローカルバレーボール

◇家庭バレーボール:宮城県生まれのバレーボール。家庭婦人バレーボールとは違う。
◇キャッチバレーボール:東京都練馬区桜台地区の小学校体育教師らが1970年(昭和45年)の集まりで、男子にとっての野球のように女子が熱中できるスポーツが必要ということで考案した。ボールを打つのではなく投げ、キャッチする。
◇スカッシュバレーボール :高知県で生まれたバレーボール。3人で行う。ボールはゴム製のものを使い、必ず3回で返球する。コートはバドミントン用。
◇ビーチボール :富山県朝日町発祥。ビニール製のビーチボールで行う。4人制でバドミントンコートを使う。

◎ 大人数

◇混合バレーボール :男女各3人ずつの6人制。ネットの高さは224センチメートル。
◇9人制バレーボール :9人で行うバレーボール。ネットの高さは最長2.38メートル。

● 類似スポーツ

◇ファウストボール :バレーボールの前身とも言われる。
◇キンボール :4人制。直径122センチメートル、重さ1キログラムの巨大なボールを使用。
◇ボサボール :3 - 5人制。トランポリンを使用。 ほかにもインディアカは、ネットを介したラリー競技で、素手で行うノーバウンドルールという共通点がある。羽根のついたボールを使用し、4人制など、相違点もある。

● バレーボールを題材とする漫画・アニメ・ドラマ

・ 転校少女y
・ 燃えろアタック
・ ハイキュー
・ High球いんぷれっしょん
・ アタックNo.1
・ アタック
・ アタック
・ アタッカーYOU
・ サインはV
・ ハリガネサービス
・ リベロ革命
・ 神様のバレー
・ 少女ファイト
・ てのひらにアイを
・ エース‼︎
・ 健太やります
・ はるかなレシーブ
・ 2.43 清陰高校男子バレー部
・ ヨリが跳ぶ

● バレーボールを題材とするビデオゲーム

◇ アタック・フォー :1986年、パックスソフトニカよりMSXで発売されたゲームソフト。下記ファミリーコンピュータ版バレーボールの元となったソフト。
◇ バレーボール :1986年、任天堂よりファミリーコンピュータ ディスクシステムで発売されたゲームソフト。
◇ スーパーバレーボール :1989年、ビデオシステムより発売されたアーケードゲーム。1990年にPCエンジンとメガドライブ、2005年にPlayStation 2に移植。
◇ スーパーバレー'91 :1991年、ビデオシステムより発売されたアーケードゲーム。
◇ スーパーバレーII :1992年、ビデオシステムよりスーパーファミコンで発売されたゲームソフト。
◇ バレーボールTwin :1992年、トンキンハウスよりスーパーファミコンで発売されたゲームソフト。
◇ マルチプレイバレーボール :1994年、パック・イン・ビデオよりスーパーファミコンで発売されたゲームソフト。
◇ バーチャルバレーボール :1995年、イマジニアよりセガサターンで発売されたゲームソフト。
◇ ヴィクトリー・スパイク :1996年、イマジニアよりPlayStationで発売されたゲームソフト。
◇ わくわくバレー :1998年、アテナよりPlayStationで発売されたゲームソフト。
◇ ブレイクバレー :1999年、アクアルージュよりPlayStationで発売されたゲームソフト。2001年にディースリー・パブリッシャーより「SIMPLE1500シリーズ Vol.54 THE バレーボール」のタイトルで発売された。
◇ SIMPLE2000シリーズ Vol.41 THE バレーボール :2003年、ディースリー・パブリッシャーよりPlayStation 2で発売されたゲームソフト。
◇ わくわくバレー2 :2003年、サクセスよりPlayStation 2で発売されたゲームソフト。
◇ バレーボール ワールドカップ ~ヴィーナス エボリューション~ :2007年10月、スパイクよりPlayStation 2で発売されたゲームソフト。
◇ スパイク バレーボール :2019年7月、オーイズミ・アミュージオよりPlayStation 4で発売されたゲームソフト。

● 専用体育館
2015年、岩手県紫波町に日本初のバレーボール専用体育館ができた。

「バレーボール」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/
2025年2月7日19時(日本時間)現在での最新版を取得

好き嫌い決勝

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1位 vs 2位


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1位 vs 2位


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好き嫌い準決勝

好きなスポーツは どっち?

3位 vs 4位


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嫌いなスポーツは どっち?

3位 vs 4位


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好き嫌い準々決勝

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5位 vs 6位


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嫌いなスポーツは どっち?

5位 vs 6位


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好き嫌い7位決定戦

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7位 vs 8位


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7位 vs 8位


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好き嫌いTOP10圏内確定戦

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9位 vs 10位


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9位 vs 10位


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