ランキング55位
獲得票なし
ランキング21位
獲得票なし
三段跳(さんだんとび)は、陸上競技の跳躍競技に属する種目で、ホップ・ステップ(スキップ)・ジャンプと3回跳び、その距離を競う競技。助走をつける走り三段跳と助走をつけない立ち三段跳があるが単に三段跳といえば通常走り三段跳を指す。
● 解説
ホップとステップは同じ脚で連続的にすることになる。例えば、右足で踏み切った選手はさらにステップも右足、ジャンプを左足で行う。なお、ワールドアスレティックスのルールでは「ホップでは、踏み切ったのと同じ足を競技者はまず地面につけなければならない。ステップでは反対側の足をつけなければならず、そこから続いてジャンプが遂行される」となっており、ホップとステップは着地によって定義されている。
多くの世界的・国内の主要な試合では、踏み切り板は砂場の手前の端から13m離れている。ただし、高校においては11m、中学においては9mなど、競技者のレベルに合わせて調節される。
日本の織田幹雄は1928年アムステルダムオリンピックで15m21を跳び、日本人初となるオリンピック金メダルをもたらした。
また同じく日本の南部忠平 (1904 - 1997) は、1932年に開催されたロサンゼルス五輪の三段跳に出場し、15m72の世界記録(当時)を樹立して金メダルを獲得。さらに、1936年ベルリンオリンピックでは田島直人が16m00の世界記録(当時)で金メダルを獲得し日本人選手で3連覇となり、その後の競技の発展に大きく貢献した。
陸上競技における正しい表記は三段跳であるが、学校教育や新聞記事など陸上競技関係者以外が多く関わる場面では三段跳びと表記されることもある。
女子は1926年から日本記録として公認されてきたが、戦後一旦公認対象種目から外された。その後1986年から再度日本記録として公認されて現在に至っている。
● 歴史
三段跳の起源は古代アイルランドまで遡り、水溜まりをいかに少ない歩数で渡りきれるか、という遊びが競技化したという説が有力である。
古代オリンピックの歴史的文献には時々、15m以上の跳躍記録が出てくる。スポーツ史研究家たちは、これらは複数段の跳躍の記録に違いなく、三段跳の起源にあたると結論づけている。しかし三段跳が古代オリンピックの種目だった証拠は無く、それらの異常に長い跳躍距離は、正確な記録をつけるというより、勝利を祝う詩人たちの芸術的放埓さによる可能性がある。
三段跳は、初の近代オリンピックであるアテネ大会の種目になったが、当時は同じ足で2回ホップを踏んでジャンプするというものだった(踏み切り→同じ足でホップ→またホップにより跳躍)。最初の近代オリンピック金メダリストのジェームズ・コノリーはその三段跳の選手であった。女子の三段跳が種目に加わったのは1996年のアトランタ大会からである。
初期の近代オリンピックには助走をつけない立ち三段跳もあったが、第2回(1900年・パリ)と第3回(1904年・セントルイス)で種目に採用されたのみで、オリンピック以外を含めても今日行われることは稀である。
日本では1874年(明治7年)に海軍兵学寮で開かれた競闘遊戯会(運動会)の1種目「うさぎのつきみ」が三段跳の始まりであるとされる。日本陸上競技選手権大会の種目に加わったのは1918年(大正7年)の第6回大会からで、当時は英語名の hop step and jump をそのままカタカナにした「ホップステップアンドジャンプ」を正式な種目名としていた。これではあまりに長いので、新聞では「ホ・ス・ジャンプ」と略記し、選手の間では「ホスジャン」と呼んでいた。1929年(昭和4年)、これに日本語名を付けようと関東学生陸上競技連盟(関東学連)の北沢清が提案し、織田幹雄がドイツ語名の Dreisprung やフランス語名の Triple saut を参考に「三段跳」と「三回跳」の2案を考案した。関東学連は役員会で、「三段跳の方がしっくりくる」との理由で三段跳の名称を採用し、同年の関東学生陸上競技対校選手権大会(関東インカレ)のプログラムで初めて「三段跳」の文字が登場した。当初、新聞業界は「三段跳」という名称を批判したが、漢字3文字で表記できる便利さからこの名称で定着した。
● 男子
・ 風速 (m/s) は追い風を+で表記、向かい風を-で表記する。
世界記録
世界 18m29 +1.3 ジョナサン・エドワーズ 1995年8月7日
U20世界 17m87 +1.3 ジェイドン・ヒバート 2023年5月13日
U18世界 17m41 +1.0 2018年6月8日
エリア記録
アフリカ 18m07 ±0.0 ユーグファブリス・ザンゴ 2021年1月16日
アジア 17m59 +0.0 Li Yanxi 2009年10月26日
ヨーロッパ 18m29 +1.3 ジョナサン・エドワーズ 1995年8月7日
北中米カリブ 18m21 +0.2 クリスチャン・テイラー 2015年8月27日
オセアニア 17m46 +1.7 Ken Lorraway 1982年8月7日
南米 17m90 +0.4 2007年5月20日
日本記録
日本 17m15 +0.9 山下訓史 日本電気 1986年6月1日
U20日本 16m38 −0.4 宮尾真仁 東洋大学 2023年6月5日
U18日本 15m84 +0.0 渡邉容史 愛媛県立松山北高等学校 1997年10月28日
学生 17m00 +1.3 伊藤陸 近畿大学工業高等専門学校 2021年9月19日
高校 16m10 +0.8 山本凌雅 長崎県立諫早農業高等学校 2013年10月7日
中学 14m58 +1.8 小栗忠 浜松市立笠井中学校 1992年10月4日
● 女子
世界記録
世界 15m67 +0.7 2021年8月1日
U20世界 14m62 +1.0 テレザ・マリノワ 1996年8月25日
U18世界 14m57 +0.2 Huang Qiuyan 1997年10月19日
エリア記録
アフリカ 15m39 +0.5 フランソワーズ・ムーバンゴ 2008年8月17日
アジア 15m25 +1.7 2010年9月4日
ヨーロッパ 15m50 +0.9 イネッサ・クラベッツ 1995年8月10日
北中米カリブ 15m29 +0.3 ヤミレ・アルダマ 2003年7月11日
オセアニア 14m04 +2.0 Nicole Mladenis 2002年3月9日
南米 15m67 +0.7 2021年8月1日
日本記録
日本 14m16 +0.7 森本麻里子 内田建設AC 2023年6月3日
U20日本 13m03 +1.7 山崎りりや 鳴門渦潮高等学校 2024年10月11日
U18日本 12m92 +0.2 村山梢 初芝高等学校 1995年11月3日
学生 13m81 −0.2 船田茜理 武庫川女子大学 2022年8月7日
高校 13m03 +1.7 山崎りりや 鳴門渦潮高等学校 2024年10月11日
中学 12m03 +1.3 剱持早紀 山梨市立山梨南中学校 2009年11月1日
● 世界歴代10傑
1
18m29 +1.3 ジョナサン・エドワーズ 1995年8月7日
2
18m21 +0.2 クリスチャン・テイラー 2015年8月27日
3
18m18 −0.3
2024年6月11日
4
18m14 +0.4 ウィル・クレイ 2019年6月29日
5
18m09 −0.4 ケニー・ハリソン 1996年7月27日
6
18m08 +0.0 2015年5月28日
7
18m07(室内) ±0.0 ユーグ・ファブリス・ザンゴ 2021年1月16日
8
18m04 +0.3 テディ・タムゴー 2013年8月18日
9
17m97 +1.5 ウィリー・バンクス 1985年6月16日
10
17m92 +1.6 フリスト・マルコフ 1987年8月31日
+1.9 1995年5月20日
世界陸連記録参照
1
15m74
(室内)
±0.0 2022年3月20日
2
15m50 +0.9 イネッサ・クラベッツ 1995年8月10日
3
15m39 +0.5 フランソワーズ・ムバンゴ 2008年8月17日
4
15m34 −0.5 タチアナ・レベデワ 2004年7月4日
5
15m32 +0.9 クリソピギ・デベツィ 2004年8月21日
6
15m31 +0.0 カテリーン・イバルグエン 2014年7月18日
7
15m29 +0.3 ヤミレ・アルダマ 2003年7月11日
8
15m28 +0.9 ヤルヘリス・サビヌ 2007年8月31日
9
15m25 +1.7 2010年9月4日
10
15m20 +0.0 サルカ・カスパルコワ 1997年8月4日
−0.3 テレザ・マリノワ 2000年9月24日
世界陸連記録参照
● 世界記録の変遷
・ 水色の背景は世界陸連から世界記録と公認されなかった記録を意味する。
15m52
イギリス
1911年5月30日
15m52
ニック・ウィンター
1924年7月12日
15m58
+0.5
織田幹雄
1931年10月27日
15m72
南部忠平
1932年8月4日
15m75
原田正夫
1934年9月16日
15m82
大島鎌吉
1934年9月16日
15m78
ジャック・メトカーフ
1935年12月14日
16m00
+0.6
田島直人
1936年8月6日
16m00
+1.6
アデマール・ダ・シルバ
1950年12月3日
16m01
+1.2
1951年9月30日
16m12
1952年7月23日
16m22
+0.7
1952年7月23日
16m23
+1.5
レオニード・シチェルバコフ
1953年7月19日
16m56
+0.2
アデマール・ダ・シルバ
1955年3月16日
16m59
+1.0
Oleg Ryakhovskiy
1958年7月28日
16m70
+0.0
オレグ・フェドセーエフ
1959年5月3日
17m03
+1.0
ヨゼフ・シュミット
1960年8月5日
17m10
+0.0
ジュゼッペ・ジェンティーレ
1968年10月16日
17m22
+0.0
1968年10月17日
17m23
+2.0
ヴィクトル・サネイエフ
1968年10月17日
17m27
+2.0
ネルソン・プルデンシオ
1968年10月17日
17m39
+2.0
ヴィクトル・サネイエフ
1968年10月17日
17m40
+0.4
1971年8月5日
17m44
-0.5
ヴィクトル・サネイエフ
1972年10月17日
17m89
+0.0
ジョアン・カルロス・ジ・オリヴェイラ
1975年10月15日
17m97
+1.47
ウィリー・バンクス
1985年6月16日
17m98
+1.8
ジョナサン・エドワーズ
1995年7月18日
18m16
+1.3
1995年8月7日
18m29
+1.3
1995年8月7日
世界陸連(IAAF)記録参照
14m54
+1.1
1990年8月25日
14m95
−0.2
イネッサ・クラベッツ
1991年6月10日
14m97
+0.9
1993年6月18日
15m09
+0.5
1993年8月21日
15m50
+0.9
イネッサ・クラベッツ
1995年8月10日
15m67
+0.7
2021年8月1日
15m74
±0.0
2022年3月20日
世界陸連(IAAF)記録参照
● 日本歴代10傑
1
17m15 +0.9 山下訓史 NEC 1986年6月1日
2
17m02 +2.0 杉林孝法 ミキハウス 2000年7月16日
3
17m00 +1.3 伊藤陸 近畿大学工業高等専門学校 2021年9月19日
4
16m98 +1.5 石川和義 筑波大学 2004年10月10日
5
16m88 +1.2 小松隆志 高知県立高知農業高等学校教員 1994年10月14日
5
16m88 +0.2 長谷川大悟 日立ICT 2016年4月29日
7
16m87 +1.8 山本凌雅 順天堂大学 2017年4月29日
8
16m85 −1.1 山下航平 筑波大学 2016年5月22日
9
16m76 +1.8 中西正美 日本体育大学研究員 1981年4月29日
10
16m75 ±0.0 池畠旭佳瑠 駿河台大学AC 2020年7月26日
1
14m16
+0.7
森本麻里子
内田建設AC
2023年6月3日
2
14m04 +1.1 花岡麻帆 三英社 1999年10月1日
3
13m83
+1.6
髙島真織子
九電工
2024年3月30日
4
13m81 −0.2 船田茜理 武庫川女子大学 2022年8月7日
5
13m65
+0.3
河合栞奈
大阪成蹊大学
2019年9月15日
6
13m52 +0.7 宮坂楓 ニッパツ 2016年10月15日
7
13m50 +0.4 吉田文代 中央大学 2003年6月6日
8
13m42 +1.8 剱持早紀 長谷川体育施設 2019年4月21日
9
13m40 +1.3 西内誠子 須崎市立上分中学校教員 1998年4月29日
10
13m39
−0.8
佐藤友香
七十七銀行
2004年10月27日
● 日本記録の変遷
10m96
原川五郎
日本体育大学
1918年11月3日
11m57
森田俊彦
東京農業大学
1919年4月19日
11m86
松本兼二郎
東京大学
1919年4月27日
12m31
奥山一三
神戸高等商業学校
1919年9月7日
12m45
佐藤信一
東京高等師範学校
1919年11月8日
12m48
坂東誠吾
法政大学
1920年4月25日
12m76
1920年11月3日
13m45
佐藤信一
東京高等師範学校
1922年4月23日
14m27
織田幹雄
広島高等師範学校
1923年5月22日
14m35
1924年7月12日
14m805
早稲田大学
1925年9月27日
15m343
1927年8月6日
15m355
1927年8月29日
15m41
1928年5月19日
15m45
1929年5月26日
15m48
早稲田大学クラブ
1931年6月28日
15m50
1931年10月11日
15m58
+0.5
1931年10月27日
15m72
南部忠平
浪速倶楽部
1932年8月4日
15m75
原田正夫
京都大学
1934年9月16日
15m82
大島鎌吉
浪速クラブ
16m00
+0.6
田島直人
三井鉱山株式会社
1936年8月6日
16m48
小掛照二
大昭和製紙
1956年10月7日
16m48
岡崎高之
八幡製鐵
1964年4月9日
16m58
村木征人
東京女子体育大学教員
1969年8月3日
16m63
東海大学教員
1972年4月23日
16m67
+0.6
井上敏明
法政大学
1972年10月27日
16m76
中西正美
日本体育大学研究員
1981年4月29日
16m77
+1.4
山下訓史
筑波大学
1985年6月2日
16m92
1985年10月5日
17m15
+0.9
日本電気
1986年6月1日
月刊陸上競技記録参照
12m23
城戸律子
新日本製鐵八幡
1986年11月3日
12m30
土屋由美子
大昭和製紙
1987年5月3日
12m30
古閑昭美
筑波大学
1987年10月11日
12m44
+1.3
土屋由美子
大昭和製紙
1988年6月17日
12m54
1988年11月3日
12m60
+0.2
磯貝美奈子
ナイキジャパン
1989年6月17日
12m77
土屋由美子
大昭和製紙
1989年8月26日
12m81
+1.6
前川明子
添上クラブ
1990年6月9日
12m86
森岡洋子
大昭和製紙
1992年10月25日
13m06
1993年5月5日
13m23
橋岡直美
あさひ銀行
1993年8月1日
13m23
+1.0
ゼンリン
1995年6月9日
13m31
+1.4
阿部祥子
福岡大学
1995年10月19日
13m35
+1.9
西内誠子
高知女子クラブ
1996年10月6日
13m35
花岡麻帆
順天堂大学
1998年4月29日
13m40
+1.3
西内誠子
高知女子クラブ
13m69
+1.0
花岡麻帆
順天堂大学
1998年5月17日
13m72
三英社
1999年10月1日
14m04
+1.1
14m16
+0.7
森本麻里子
内田建設AC
2023年6月3日
月刊陸上競技記録参照
● 高校歴代10傑
1
16m13
+0.6
宮尾真仁
洛南高等学校
2022年11月4日
2
16m10 +0.8 山本凌雅 長崎県立諫早農業高等学校 2013年10月7日
3
16m05 +1.4 野﨑千皓 洛南高等学校 2015年10月17日
4
16m04 +1.9 荒木基 和歌山北高等学校 2018年10月8日
6
15m84 +0.0 渡邉容史 愛媛県立松山北高等学校 1997年10月28日
+0.7
廣田麟太郎
長崎日本大学高等学校
2020年10月24日
7
15m82 +1.3 田中宏祐 摂津高等学校 2019年9月8日
8
15m81 +1.1 小松隆志 高知県立安芸高等学校 1985年10月21日
9
15m80 −0.6 井村慧士 太成学院大学高等学校 2019年5月27日
10
15m79 +0.8 北川凱 東海大学付属静岡翔洋高等学校 2021年8月22日
1※
13m10 +0.7 王迪 富山県立富山商業高等学校 2001年8月18日
1
13m03
+1.7
山崎りりや
鳴門渦潮高等学校
2024年10月11日
2
12m96 +0.9 河添千秋 愛媛県立松山北高等学校 2018年6月18日
3
12m92 +0.2 村山梢 初芝高等学校 1995年11月3日
+1.6 竹田小百合 北海道恵庭北高等学校 2007年8月19日
5
12m89 +0.8 吉田文代 成田高等学校 1999年8月27日
+0.4 前田和香 奈良県立添上高等学校 2008年11月3日
7
12m86 +1.2 中村紗華 神奈川県立伊志田高等学校 2017年10月8日
8
12m81
+0.6
田口侑楽
国際学院高等学校
2023年5月13日
9
12m80 +1.4 三木麗奈 兵庫県立姫路商業高等学校 2021年7月10日
10
12m79
+1.7
田中美憂
埼玉県立松山女子高等学校
2021年10月22日
※王迪の記録は高校国内国際記録(WHR)
● 五輪・世界選手権における日本人入賞者
1924 第8回オリンピック競技大会(パリ) 織田幹雄 6位 14m35
1928 第9回オリンピック競技大会(アムステルダム) 織田幹雄 15m21
南部忠平 4位 15m01
1932 第10回オリンピック競技大会(ロサンゼルス) 南部忠平 15m72
大島鎌吉 15m12
1936 第11回オリンピック競技大会(ベルリン) 田島直人 16m00
原田正夫 15m66
大島鎌吉 6位 15m07
1952 第15回オリンピック競技大会(ヘルシンキ) 飯室芳男 6位 14m99
・1924年パリオリンピックで織田幹雄が6位入賞し、1928年アムステルダムオリンピックでは織田がこの種目で優勝し金メダルを獲得。1928年の同大会から1936年ベルリンオリンピックまで日本人男子選手が3連覇を達成した。
「三段跳」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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