ランキング54位
獲得票なし
ランキング20位
獲得票なし
走高跳(走り高跳び、はしりたかとび)は、陸上競技の跳躍競技に属する種目で、助走をつけて片足で踏み切り、飛び越えるバーの高さを競う競技である。近代陸上競技としては19世紀のイギリスで始まった。「はさみ跳び」「ベリーロール」「背面跳び」などの跳躍方法があり、現在では「背面跳び」が主流となっている。2024年現在の世界記録は、男子は1993年のハビエル・ソトマヨルによる2.45m、女子は2024年のヤロスラワ・マフチフによる2.10mである。
● ルール
◇ シューズ
・ 靴底のスパイクは長さ12㎜以内のものが11本まで取り付け可能で、靴底の厚さは20㎜以内のものが使用できる。
◇ マーカー
・ 助走の目安となるマーカー(目印)を2個まで置くことができる。
・ 主催者側がマーカーを用意していない場合は、選手側が用意した粘着テープなどを使うことができるが、チョークやその類似品、消えないマーカーは使用できない。
◇ 試技時間
・ 試技開始の合図があってから、競技者が4人以上の場合は1分以内、競技者が2-3人の場合は1分30秒以内、競技者が最後の1人の場合は3分以内、競技者が2人以上の場合で同一競技者が同一の高さを連続して試技を行う場合は2分以内に、試技を行わなければならない。
・ 混成競技の場合は、競技者が4人以上の場合は1分以内、競技者が2-3人の場合は1分30秒以内、競技者が最後の1人の場合は2分以内、競技者が2人以上の場合で同一競技者が連続して試技を行う場合(高さが変わっても適用)は2分以内に、試技を行わなければならない。
◇ 試技
・ 審判員より事前告知された高さのうち、競技者は任意の高さから開始してもよい。
・ 跳躍は、片足で踏み切らなければならない。
・ 跳躍中の動作により、バーが落下した場合は無効試技(失敗)となる。
・ バーを越えずに、バーの向こう側に触れたり身体の一部が出た場合は、無効試技(失敗)となる。ただし、跳躍になんら有利でないと審判が判断した場合は無効試技とはならない。
・ 3回続けて失敗すると、次の跳躍をすることが出来ない。。
・ ある高さを跳ばずにパスをして次の高さを試技することができる。
・ ある高さの1回目あるいは2回目を失敗した状態でパスをすることもできるが、次の高さは「3-(前の高さで失敗した回数)」回しか試技が行えない。
・ 最後の1人の試技では、試技者の希望の高さを聞いてバーを上げる。
◇ 順位決定方法
・ 複数の競技者で最後に超えた高さが同一の場合は、順位を以下のように決定する。
最後に超えた高さの試技回数が最も少ない方。
上記1が同一の場合、試技全体(最後に超えた高さおよびそれまでの高さまでを含めた試技数の全体)のうち、無効試技数の少ない方。
・ なおそれでも1位が決定しなかった場合は当事者どうしの決戦試技(ジャンプオフ)がおこなわれる。ただし、競技者は決戦試技を拒否することができ、この場合は同率1位となる。2位以下の場合は同順位となる。
● 跳躍方法
◇ はさみ跳び(英語:Scissors jump)
バーに近い脚→バーから遠い脚を交互に振り上げてバーを超す方法。
1874年頃にはすでに用いられており、 ウィリアム・バード・ページ(William Byrd Page)が1874年にバーから遠い脚をやや後方に配置する跳び方に改良した。
バー正面からの直線助走で行う「はさみ跳び」は日本においては「正面跳び」と呼ばれた。
◇ イースタンカットオフ(英語:Eastern Cut-off)
バー正面から助走し、脚を交互に広げ、クリアランス時に体がバーと水平になる様に前屈方向に回転させることでお尻をより持ち上げる跳び方。19世紀後半にが編み出した。この頃は「バー正面から助走を行い、膝を曲げて跳び、足から安全に着地する」といった跳び方で、高さを競うとともに跳躍姿勢の美しさも求められるものだった様である、この当時の最も効率的な跳び方として、主流の跳躍方法となった。
「ベリーロール」で、1956年にはが2.15m、翌1957年にはソ連のをが2.16mを記録したほか、1960年にはほぼすべての競技者が「ベリーロール」を使用する様になっていた。1950年代から始まるソ連の指導者・選手による「ベリーロール」の技術改良により、1963年にはワレリー・ブルメルが228cmまで記録を伸ばした。
背面跳びの登場(1968年)後の1970年代も、ベリーロールを用いる選手と、背面跳びを用いる選手が混在し、互いに競っていたが、1978年にが出した室内記録2.35m、屋外での記録2.34mが、「ベリーロール」での最後の世界記録となった。
◇ 背面跳びの登場
1960年代半ばには、着地用マットの整備が進むと、「曲線で助走し、背面を下側にバーを越え肩や背中で着地する」といった新しい跳躍方法「背面跳び」がディック・フォスベリーにより編み出された。
● 記録
◎ 世界記録の変遷
1850年9月21日 1.675m フランシス・テンプル(Francis Temple)
1860年3月27日 1.70m ロバート・バートン(Robert Burton)
1864年7月9日 1.705m トーマス・ミッチェル(Thomas Mitchell)
1866年3月5日 1.725m ジョン・ルーペル(John Roupell)
1866年3月23日 1.75m トーマス・リトル(Thomas Little)
1866年3月23日 1.75m ジョン・ルーペル
1871年4月3日 1.765m ロバート・ミッチェル(Robert Mitchell)
1873年7月7日 1.785m トーマス・ダヴィン(Thomas Davin)
1874年3月30日 1.80m
1876年3月17日 1.83m 「a feet first technique」
1876年4月7日 1.89m
1880年7月5日 1.90m パトリック・ダヴァン(Patrick Davin)
1887年8月15日 1.91m ウィリアム・バード・ページ(William Byrd Page)
1887年10月7日 1.93m
1892年10月8日 1.935m イースタンカットオフ
1895年8月19日 1.945m ジェームズ・ライアン(James Ryan)
1895年8月28日 1.955m マイケル・スウィーニー
1895年9月2日 1.965m
1895年9月21日 1.97m イースタンカットオフ
1912年3月29日 1.985m ジョージ・ホーリン ウエスタン・ロール
1912年5月18日 2.00m
1914年5月2日 2.01m
1924年5月27日 2.03m ハロルド・オズボーン
1933年5月13日 2.04m
1934年4月28日 2.06m ウォルター・マーティ
1936年7月12日 2.07m コーネリアス・ジョンソン ウエスタン・ロール
1936年7月12日 2.07m デビッド・アルブリットン ベリーロール
1937年8月12日 2.09m ウエスタン・ロール
1941年4月26日 2.10m ベリーロール
1941年5月24日 2.105m
1941年6月17日 2.11m
1953年6月27日 2.12m ウエスタン・ロール
1956年6月29日 2.15m ベリーロール
1957年7月13日 2.16m
1960年4月30日 2.17m ジョン・トーマス
1960年6月24日 2.18m
1960年7月1日 2.22m
1961年6月18日 2.23m ワレリー・ブルメル
1961年7月16日 2.24m
1961年8月31日 2.25m
1962年7月22日 2.26m
1962年9月29日 2.27m
1963年7月21日 2.28m
1970年11月8日 2.29m
1973年7月11日 2.30m ドワイト・ストーンズ 背面跳び
1976年6月5日 2.31m
1976年8月4日 2.32m
1977年7月3日 2.33m ベリーロール
1978年6月16日 2.34m
1980年5月25日 2.35m ヤチェク・ウショラ 背面跳び
1980年8月1日 2.36m ゲルト・ベッシク
1983年6月11日 2.37m 朱建華
1983年9月22日 2.38m
1984年6月10日 2.39m
1985年8月11日 2.40m ルドルフ・ポバルニツィン
1985年9月4日 2.41m イゴール・パクリン
1987年6月30日 2.42m パトリック・ショーベリ
1988年9月8日 2.43m ハビエル・ソトマヨル
1989年7月29日 2.44m
1993年7月27日 2.45m
1911年7月12日 1.27m エミリー・コンスタブル(Emily Constable) はさみ跳び
1918年6月16日 1.32m
1918年6月29日 1.335m
1918年6月29日 1.335m
1919年4月27日 1.40m テア・バーショウ(Thea Barschow)
1920年11月13日 1.42m エリーゼ・コンスタン(Elise Constant)
1921年3月26日 1.472m
1921年7月17日 1.50m ヴァルトラウデ・シュミット(Waltraude Schmidt)
1923年6月10日 1.51m ゲルトルード・デューリンク(Gertrude Döring)
1925年7月11日 1.524m フィリス・グリーン(Phyllis Green)
1926年7月21日 1.536m ヴィオラ・エドワーズ(Viola Edwards)
1926年8月2日 1.552m フィリス・グリーン
1926年9月6日 1.58m エセル・キャサーウッド
1927年3月10日 1.585m
1928年6月23日 1.60m
1929年3月30日 1.603m
1929年8月18日 1.605m リエン・ヒソルフ
1930年4月19日 1.612m ジーン・シャーリー
1932年6月12日 1.62m リエン・ヒソルフ
1932年8月7日 1.65m ジーン・シャーリー
1932年8月7日 1.65m ベーブ・ディドリクソン=ザハリアス 「ダイビング・ロール」
1939年5月29日 1.66m ドロシー・オーダム
1943年5月30日 1.71m フランシナ・ブランカース=クン はさみ跳び
1951年7月7日 1.72m シーラ・レーウィル ベリーロール
1954年5月22日 1.73m アレクサンドラ・チュジナ はさみ跳び
1956年5月5日 1.74m ベリーロール
1956年7月14日 1.75m ヨランダ・バラシュ はさみ跳び
1956年12月1日 1.76m ミルドレッド・マクダニエル ベリーロール
1957年11月17日 1.77m イースタンカットオフ
1958年6月7日 1.78m ヨランダ・バラシュ はさみ跳び
1958年6月22日 1.80m
1958年7月31日 1.81m
1958年10月4日 1.82m
1958年10月18日 1.83m
1959年9月21日 1.84m
1960年6月6日 1.85m
1960年7月10日 1.86m
1961年4月15日 1.87m
1961年6月18日 1.88m
1961年7月8日 1.90m
1961年7月16日 1.91m
1971年9月4日 1.92m イローナ・グーゼンバウアー ベリーロール
1972年9月24日 1.94m ヨルダンカ・ブラゴエワ
1974年9月8日 1.95m ローズマリー・ヴィチャス
1976年5月8日 1.96m ローズマリー・アッカーマン(旧姓:ヴィチャス)
1977年8月14日 1.97m
1977年8月26日 2.00m
1978年8月4日 2.01m サラ・シメオニ 背面跳び
1982年9月8日 2.02m ウルリケ・マイフェルト
1983年8月21日 2.03m
1983年8月21日 2.03m タマラ・ブイコワ
1983年8月25日 2.04m
1984年6月22日 2.05m 背面跳び
1984年7月20日 2.07m リュドミラ・アンドノワ
1986年5月31日 2.08m ステフカ・コスタディノヴァ
1987年8月30日 2.09m 背面跳び
2024年7月7日
2.10m
ヤロスラワ・マフチフ
◎ 世界歴代10傑
1 2.45m ハビエル・ソトマヨル 1993年7月27日
2 2.43m ムタズ・エサ・バルシム 2014年9月5日
3 2.42m パトリック・ショーベリ 1987年6月30日
ボーダン・ボンダレンコ 2014年6月14日
イワン・ウーホフ
2014年2月15日
6 2.41m イゴール・パクリン 1985年9月4日
7 2.40m ルドルフ・ポバルニツィン 1985年8月11日
1990年6月20日
チャールズ・オースチン 1991年8月7日
2000年8月5日
2014年4月25日
2014年7月3日
2018年7月21日
1
2.10m
ヤロスラワ・マフチフ
2024年7月7日
2 2.09m ステフカ・コスタディノヴァ 1987年8月30日
3
2.08m
カイサ・ベリークヴィスト
2006年2月6日
ブランカ・ブラシッチ 2009年8月31日
5 2.07m リュドミラ・アンドノワ 1984年7月20日
アンナ・チチェロワ 2011年7月22日
7
2.06m
ヘストリー・クルーテ 2003年8月31日
エレーナ・スレサレンコ 2004年8月28日
アリアネ・フリードリヒ 2009年6月14日
マリア・ラシツケネ 2017年7月6日
◎ 世界各エリア記録
アフリカ 2.38m ジャック・フライターク 2005年3月5日
アジア 2.43m ムタズ・エサ・バルシム 2014年9月5日
ヨーロッパ 2.42m パトリック・ショーベリ 1987年6月30日
北中米カリブ海 2.45m ハビエル・ソトマヨル 1993年7月27日
南アメリカ 2.33m 1994年10月17日
オセアニア
2.36m ティム・フォーサイス 1997年3月2日
2018年8月26日
アフリカ 2.06m ヘストリー・クルーテ 2003年8月31日
アジア 2.00m 2021年6月8日
ヨーロッパ 2.10m ヤロスラワ・マフチフ 2024年7月7日
北中米カリブ海 2.05m 2010年6月26日
南アメリカ 1.96m 1997年9月8日
オセアニア 2.03m ニコラ・マクダーモット 2024年1月27日
◎ U20世界記録
1 2.37m 1990年8月12日
スティーブ・スミス 1992年9月20日
3 2.36m ハビエル・ソトマヨル 1986年2月23日
4 2.35m ディートマー・メーゲンブルク 1980年5月26日
5 2.34m 1978年6月16日
ティム・フォーサイス 1992年7月4日
7 2.33m 朱建華 1982年12月1日
パトリック・ショーベリ 1983年7月9日
2017年7月22日
10 2.32m 2006年8月17日
1 2.05m ヤロスラヴァ・マフチフ 2018年10月15日
2 2.01m 1986年7月7日
1989年6月18日
4 2.00m ステフカ・コスタディノヴァ 1984年8月25日
アリーナ・アスタフェイ 1988年7月29日
6 1.99m 2017年6月23日
7 1.98m 1983年7月11日
エレーナ・エレシナ 1988年8月13日
アンジェリーナ・トピッチ
2024年5月19日
10 1.96m 1981年4月4日
1986年8月11日
2000年7月26日
ブランカ・ブラシッチ 2002年7月20日
2011年8月21日
2013年12月7日
男子 2.33m ハビエル・ソトマヨル 1984年5月19日
記録名前国籍日付
女子
1.96m
1981年4月4日
1984年9月7日
2013年12月7日
2015年8月1日
アンジェリーナ・トピッチ
2022年6月26日
◎ 日本歴代10傑
1 2.35m 戸邉直人 つくばツインピークス 2019年2月2日
2 2.33m 醍醐直幸 富士通 2006年7月2日
3 2.32m 君野貴弘 順天堂大学 1993年9月18日
4 2.31m 吉田孝久 ミズノ 1993年5月9日
真野友博 九電工 2020年9月20日
赤松諒一 SEIBU PRINCE 2024年8月10日
7 2.30m 阪本孝男 東海スポーツ 1984年5月6日
衛藤昂 AGF 2017年4月16日
9 2.28m 氏野修次 近大和歌山高校教員 1984年7月21日
井上基史 筑波大学 1987年6月7日
野中悟 洛北高校教員 1993年6月13日
宇野雅昭 福岡大学 1993年8月8日
尾上三知也 スズキ 1997年5月5日
高張広海 日立ICT 2015年5月10日
平松祐司 筑波大学 2015年5月16日
藤田渓太郎 佐竹食品AC 2020年10月24日
1 1.96m 今井美希 ミズノ 2001年9月15日
2 1.95m 佐藤恵 福岡大学 1987年5月17日
1.95m 太田陽子 ミキハウス 2002年7月21日
4 1.93m 福光久代 大昭和製紙 1981年6月7日
5 1.92m 青山幸 吹田市立第一中学校教員 2004年7月3日
6 1.90m 八木たまみ 関東学園大学 1978年10月19日
貞廣千波 中京女子大学 1994年11月2日
8
1.88m
髙橋渚
センコー
2024年5月3日
9 1.86m 松井昌美 京都府立桃山高等学校教員 1988年7月9日
岩切麻衣湖 プレジャー企画 2001年5月26日
◎ 日本ジュニア記録
男子 2.29m 君野貴弘 順天堂大学 1992年9月20日
記録名前所属日付
女子 1.93m 太田陽子 日本体育大学 1993年9月18日
1 2.24m 中谷魁聖 福岡第一高等学校 2024年8月1日
2 2.23m 戸邉直人 専修大学松戸高等学校 2009年10月5日
3 2.22m 境田裕之 北海道旭川北都商業高等学校 1989年7月16日
2.22mi 中澤優 富山県立富山商業高等学校 2015年2月8日
5 2.21m 山本寿徳 岡山県美作高等学校 1979年10月28日
小林俊一 八千代松陰高等学校 1994年10月31日
平松祐司 京都府立西城陽高等学校 2015年3月22日
8 2.20m 小野晃司 静岡県立浜松北高等学校 1984年11月3日
吉田孝久 神奈川県立上郷高等学校 1987年8月4日
葛西広一 東海大学第四高等学校 1989年6月23日
海鋒佳輝 八千代松陰高等学校 1989年8月4日
君野貴弘 堀越高等学校 1990年6月23日
野村智宏 堀越高等学校 1993年5月1日
眞鍋周平 香川県立高松高等学校 2000年6月4日
1 1.90m 佐藤恵 新潟市立沼垂高校 1983年7月10日
男子 2.10m 境田裕之 旭川市立春光台中学校 1986年11月2日
記録名前所属日付
女子 1.87m 佐藤恵 新潟市立木戸中学校 1981年10月25日
◎ オリンピック・世界選手権における日本人入賞者
男子
1928年 第9回オリンピック・アムステルダム大会 木村一夫 6位 1.88m
1932年 第10回オリンピック・ロサンゼルス大会 木村一夫 6位 1.94m
1936年
第11回オリンピック・ベルリン大会
矢田喜美雄 5位 1.97m
朝隈善郎
6位
1.94m
田中弘
女子 1992年 第25回オリンピック・バルセロナ大会 佐藤恵 7位 1.91m
「走高跳」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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