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もののけ姫


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『もののけ姫』(もののけひめ、英題: Princess Mononoke)は、1997年にスタジオジブリが発表した長編アニメーション映画作品。監督は宮崎駿。キャッチコピーは、「生きろ。」。 興行収入193億円を記録し。

◎ 宣伝

◇ タイトル : 鈴木プロデューサーのもとに宮崎が訪ねてきて「鈴木さん、タイトル変えようと思うんだけど、『アシタカ𦻙記』でいこう」ということになり話はそこで終了した。鈴木敏夫プロデューサーは直感的に『もののけ姫』というタイトルが気に入っていたので、金曜ロードショー内で放送した製作告知CMの初報を『もののけ姫』のタイトルで強行して制作した。しばらくしてことの次第を聞き付けた宮崎はさらに食い下がることはなかった。
◇ キャッチコピー : 映画公開時のキャッチコピー「生きろ。」は、糸井重里によるもの。完成までには糸井と鈴木敏夫プロデューサーの間で激しいやり取りがあり、没になったコピー案は50本近くあった。主な候補に「おそろしいか、愛しいか。」「だいじなものは、ありますか。」「おまえは、まぶしい。」「昔々は、今の今。」「死ぬのと、生きるの、どっちが好きだ。」「死ぬなっ。」などがある。

◎ 音楽
: 音楽を担当した久石譲は、映画公開の2年前に宮崎駿と打ち合わせを行った際、映画の内容よりも今なぜこの作品を作らなければならないかという覚悟の話をされたという。宮崎の熱意に圧倒された久石は本作の音楽をフルオーケストラで書くことに決め、管弦楽は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が担当した。これまでの宮崎作品では臨時編成のオーケストラによる演奏であったが、本作で初めて常設のプロオーケストラが起用された。 : 久石は本作のためにYAMAHAのVP1や、AKAIのサンプラーなどを使用したデモを制作し、そこからさらに本編のためのオーケストラスコアを書き上げた。音楽はオーケストラが主体であるが、シンセサイザーが全編で多用されているほか、和太鼓、篳篥、龍笛などの和楽器や、南米のケーナが使用されている。久石は本作を次作の『千と千尋の神隠し』と共に、「スタンダードなオーケストラにはない要素を導入しながら、いかに新しいサウンドを生み出していくか、というチャレンジを試みていた時期ですね」と述懐している。 : 冒頭の「ドーン」という音は、サンプリングのグランカッサとエスニック系の太鼓、シティ・フィルの大太鼓、ティンパニなどをミックスした合成音で、映画館では椅子が振動する効果が出るほど一つの音に対してもこだわって作られた。久石は「今回は悔いが無くなるまで最後まで仕上げたと思ってます。ひきずるモノがまったくありません」「この仕事、終わってほしくない。でも寝てないから早く終われとか色々思いました(笑)」と述べている。 : これまでの宮崎作品のエンドロールは全て絵を入れていたが、本作では文字だけになっている。そこに主題歌とメインテーマが流れるが、宮崎は「これはやっぱりきちんと聴くに値する音楽になったなと思います」「その音楽だけはそのまま座って聴いていて欲しい」と語り、本作の音楽について「自分達の作品に最もふさわしい才能を探したあげく、結局、いつも久石さんにたどり着くという繰り返しだった」と述べている。

● あらすじ

◇ プロローグ : 中世(室町時代の頃)の日本が舞台。東と北の間にあると言われるエミシの村に住む少年アシタカは、村を襲ったタタリ神と呼ばれる化け物を退治した際、右腕に死の呪(のろ)いを受けてしまう。その正体は、何者かに鉛のつぶてを撃ち込まれ、人への憎しみからタタリ神と化した巨大な猪神(ナゴの守)であった。アシタカは呪いの為村を追われ、呪いを絶つ為にも猪神が来た西の地へと旅立つ。
◇ 序盤 : アシタカは旅の道中、乱妨取りに奔る地侍との戦いや謎の男ジコ坊との出会いを経て、古い神が棲むという"シシ神の森"に向かう。谷川の岸に辿り着くと、そこには谷に落ち川に流され、気絶している男たちがいた。彼らを岸に助け上げ対岸を見ると、そこには傷ついた山犬と1人の少女の姿があった。山犬と少女はアシタカをにらみつけ、その場を去っていく。 : その後アシタカ達は、森の端でコダマに会う。案内されるように森の中を進み、奥の池の岸に着くと、そこには金色に光る鹿のような生き物(シシ神)の姿があった。その姿を見た瞬間、アシタカの腕のあざが激しく反応する。 : シシ神の森を抜けて男達の村に着くと、そこは「タタラ場」と呼ばれる、鉄を作る村であった。その地を治めるエボシは「石火矢」と呼ばれる火砲を村人に作らせており、それを使って森に棲む「もののけ」や、村の鉄を狙う地侍たちから村を守っていた。 : 彼らは鉄を作る為に自然を破壊しているという自覚はあったが、シシ神やもののけ達を敬っている訳ではなかった。アシタカはそこで村人達の話を聞くにつれ、彼らにとってエボシという存在は、生きる希望を与えてくれるものである事を知る。そして同時に、自分に呪いを与えた猪神に鉛のつぶてを撃ち込んだのも実はエボシである、という事実を知る事になる。
◇ 中盤 : その夜、エボシの命を「もののけ姫」が狙いに来る。その正体はアシタカが川岸で会った、山犬に育てられた人間の娘、サンであった。アシタカは窮地に陥ったサンを救うが、同時に瀕死の重傷を負ってしまう。アシタカは倒れながら「生きろ」とサンに語りかけるも、人を憎むサンは聞く耳を持たず、アシタカを殺そうとする。しかしその時、サンはアシタカから「そなたは美しい」と言われて動揺し、思い留まる。 : その後サンは、アシタカを生と死を司るシシ神の住まう湖に連れて行く。シシ神がアシタカの傷を癒すのを見た彼女は、アシタカを生かす事に決め、介抱する。アシタカは次第に心を開いていくサンの姿を見て、森と人が争わずに済む道は無いのか、と思い悩むようになる。
◇ 終盤 : その頃タタラ場には、エボシにシシ神殺しをさせようとする怪しげな装束の男達が集結していた。彼らを率いるのはジコ坊である。男達は天朝よりシシ神殺しを許可され、不老不死の力があると噂されるシシ神の首を狙っていた。エボシ達もまた、森を切り開くのをもののけ達に邪魔されたくなかった為、協力を約束したのである。タタラ場を出発したエボシ達は、人間との最終決戦を行おうとする猪神の大群と大戦争を始める。ところが、エボシが留守にしたタタラ場は、鉄を狙っている侍の集団に襲われてしまう。 : 日が暮れる中、森の中でアシタカはシシ神の池に向かうエボシに会い、神殺しを止めて侍に襲われている村に帰るよう伝える。彼女と別れたアシタカはサンを探しに森の奥へ行くが、エボシは構わず湖に向かうのであった。
◇ ラスト : 池で月光を浴び、夜の姿に変わろうとするシシ神を見つけたエボシは、気絶したサンを抱えたアシタカが止めるのも構わず、遂にその首を取る。するとシシ神の体から不気味な体液が大量に飛び散り、それに触れた者達は死に、木は枯れてしまう。やがて体液は津波のような勢いで山を埋め尽くし、森は枯れ果てて、タタラ場も壊滅してしまうのであった。 : 目覚めたサンは、森を見て森が死んだと絶望し、人間に対する憎しみを爆発させる。しかし、アシタカはまだ望みはあるとサンを説得し、二人は協力して、シシ神の首を持って逃げようとするジコ坊を押し留め、首をシシ神に返す。シシ神は首を取り戻したが、朝日を浴びると同時に地に倒れて消える。その瞬間に風が吹き、枯れ果てた山には僅かながら緑が戻り、アシタカの腕の呪いも消えた。
◇ エピローグ : アシタカのプロポーズに対し、サンは「アシタカは好きだが、人間を許す事は出来ない」と答える。アシタカは「それでもいい、サンは森で私はタタラ場で暮らそう、共に生きよう」と語る。エボシもタタラ場の村人達に、「新たに良い村を作ろう」と語りかけるのであった。 : 最後に、倒れた一本の大木の上に芽生えた若木の横に、1体のコダマが現れて、頭を動かしカラカラと音を立てる場面で終わる。

● 登場人物


◎ 主要人物

◇ アシタカ : 本作の主人公。17歳。ヒイ様は「アシタカヒコ」と呼ぶ。エミシ(蝦夷、現在のアイヌ民族の祖とする説もある)がヤマト(大和、ヤマト王権または大和朝廷)との戦い(平安時代に起きた坂上田村麻呂の蝦夷征討)に敗れてから500年余り経過し、朝廷や将軍も衰えていた時代に、東と北の間にあると言われる村に生まれたエミシ一族の数少ない若者(エミシ一族も既に衰亡しつつある事をヒイ様達が口にしている)。かつて田村麻呂率いる朝廷軍と勇敢に戦った、エミシの勇者アテルイの血を引く高貴な生まれで、エミシ一族の族長となるための教育を受け、それにふさわしい気品を持つ。無口であるが正義感が強く、また潔く、村を襲おうとするタタリ神に矢を放ち、命を奪う事と引き換えに死の呪いを受ける。それがきっかけとなり、村を追われる。村を出る前に、ヒイ様たちの前でまげ(成人した男子の証)を切り、御神体の岩壁に捧げた。まげを切った時に、彼は村の人間として暮らす資格を捨てた。彼の鏃は黒曜石製。蕨手刀を持つ。 : 右腕には、呪いの印である「赤黒いあざ」が残る。それは「強大な力を与える代わりに、少しずつ呪いが進行して命を奪っていく」というものである。この呪いは強大な力を発揮する時に、黒い蛇状に変化する事があり、タタリヘビという。武器をもって人と争おうとしたり、タタリ神が恨みを持つ者が近くにいたりすると、突然呪いが暴れ出す。こうなると、アシタカに決して人を殺す気はなくとも、自分では制御できない呪いの力のせいで殺すことになる。人を傷つけたり、殺めた後には呪いがさらに進行している。タタリヘビが現れた時は不明であるが、呪いが暴れている時には、腕のあざが強く激しい痛みと熱を発するため、その力を使った後は、腕を水をかけたり水に浸したりして、痛みと熱を和らげる必要がある。首を奪われた事で命を奪う黒い体液をまき散らし、暴走していたシシ神に、サンと共に首を返し、シシ神の風を浴びた後、右手にわずかな傷あとは残ったもののあざは消え去り、ようやく呪いによる死から免れる事が出来た。 : 狩猟で鍛え上げた優れた弓術(作中で外したのは侍の兜に弾かれた時のみである)と、高い身体能力を合わせ持つ(侍の放った矢を至近距離かつ素手で受け止める離れ業をやってのけている)。また、トキいわく「いい男」で、タタラ場に住む女達にも大いにモテていた。敵対する相手には容赦の無い一方で、無益な殺生や不必要な暴力を望まない誠実で温和な性格でもあるため、牛飼の男達やジコ坊からも好感を持たれる。加えて山犬の娘のサンの心を開き、モロの君や乙事主からも一目を置かれ、シシ神もその命を助けている。エミシ一族は自給自足の為、硬貨を持たない。監督の話によると、エミシの村に近い東北は金の産地なので、彼は砂金の大粒を持っていた。
◇ サン : 本作のヒロイン。15歳。もののけ姫。犬神(山犬)に育てられた人間。モロの君によると「森を侵した人間が、我が牙を逃れる為に投げてよこした赤子」だという。顔に赤い逆三角形の入れ墨、白い山犬の尾付きの毛皮の外套、白い袖なしの服と、その下に紺色の袖なしの服、白い袋状の革靴といういでたち。戦う時は赤い土面と耳付きの白い山犬の毛皮を被る。山犬の牙で出来た短剣と槍を持つ。アシタカと会った時、彼女はモロの君が負った石火矢(いしびや)の傷から、鉛の毒を含む血を口で吸い取り、吐き出していた。 : 自分たちの住処である森を荒らされた恨みから人間を深く憎んでおり、巨大な山犬にまたがり、タタラ場や宿敵であるエボシ御前の命を狙って幾度となく襲撃を繰り返す。自分は山犬だと強く思い込むが、アシタカに会い、荒ぶる神々と人の間で心が揺れ動く。山犬を美しいと思い、自らを醜いと思っているが、アシタカの「美しい」との一言にひどく動揺する。アシタカがシシ神に助けられた後、彼を介抱し、彼に口移しで干し肉を食べさせたりした。その後、気絶していた彼が目覚めた時に、彼女が「(ヤックルが)話してくれた。お前の事も古里の森の事も」と言ったが、ヤックルは人語を話す事の出来ないごく普通の動物であるほか、後に彼女が無言の山犬から玉の小刀を受け取る場面や、終盤で彼女が無言の猪神から乙事主の居場所を教えてもらう場面などから、彼女には動物たちとテレパシーで会話できる能力があることを示唆している。また、森の外からの山犬の遠吠えを、彼女が森の中で聞き即座に意味を理解する場面から、彼女には山犬の吠え声を理解する能力もあることを示唆している。 : 名前は、1980年に宮崎駿がアニメ企画案として構想した作品のヒロインが「三の姫」(三番目の姫)であった事に由来する。 : 映画の最後に言った「アシタカは好きだが、人間を許す事は出来ない」は、アシタカのプロポーズに対する答えである。監督いわく「(あの後)二人はしょっちゅう会っている」。その証拠に、アシタカは「それでもいい。サンは森で、私はタタラ場で暮らそう。共に生きよう。会いに行くよ」と返している。 : アシタカが気絶して、山犬の巣である岩屋で数日間眠り続けている間に、密かに針と糸でアシタカの衣服を修繕するなど、山犬の子としてだけでなく人間としての家事能力も高い。

◎ もののけ

◇ シシ神(ディダラボッチ) : 生命の授与と奪取を行う森の神。イメージボードでは鹿神(ししがみ)。夜に命を奪ったり、命を与えたりしている。夜そのもので、神の中では下級に位置する。新月の時に生まれ、月の満ち欠けと共に誕生と死を繰り返す。その首に不老不死の力があると信じられている。昼の姿は枝分かれした、樹木の角が無数に頭頂部から生えた、猿のように赤い人面の鹿(人間のようなアーモンド型の目〈瞳の色は赤〉、山羊のような耳、猪のように前身が発達した胴体、カモシカのように長い体毛〈毛色は脚と尾および頭頂部から背面にかけては薄茶色、顔面の下から腹部にかけては白〉、小さな犬のような尾、3つの蹄のある鳥のような脚といった、無数の動物の様態〈角は植物で出来ている〉を持つ)のような生き物で、水面を浮いて歩く。地面では歩く度、足下で植物が一斉に成長しては枯れる。夜の姿は頭と背中に無数のとげのようなものがついたディダラボッチで、独特の黒い模様と半透明な体を持つ。身長十数mの巨人。体内で青い光を放ちながら、夜の森を徘徊し、森を育てている。人語を話す事は出来ない。アシタカが負った石火矢の傷を癒した。また、エボシに新石火矢で二回目に撃たれそうになった時に、新石火矢を見つめると、木の部分に枝葉が生え、撃てなくしようとした。 : 月光を浴び、夜の姿に変わり始めた瞬間にエボシの新石火矢で首を飛ばされた際は、シシ神の姿で首の付け根から黒い体液が飛び散った後、ディダラボッチの姿で首を求めて暴走を始め、あらゆる生物の命を吸い取った。アシタカとサンの手で首を返されたものの、朝日を浴びて倒れると同時に消滅してしまった。その際、辺り一帯に行き渡る程の暴風を起こし、その風の力によって枯死していた山々の植物を甦らせた。黒い体液は、水に浮き、水上では動きが遅くなる。 : アシタカとサンが首を返す直前に、首から流れ出る体液に触れ、タタリ神の黒いあざが二人の全身に拡がるが、首を返し、シシ神の風を浴びた後、二人の全身のあざが消え、アシタカの右腕の呪いのあざも、右手に薄く小さく傷あととして残る状態になり、呪いは消えている。 : さらにタタラ場の傷病者(甲六ら)やエボシ(右腕をモロに食いちぎられた)、アサノ軍の侍との交戦の矢によって負傷していたヤックル(アシタカが牛飼い頭に頼んで預けて、男衆と共にいかだでタタラ場に帰還途中に日の出を迎えた)、サンを乗せていた山犬の傷もシシ神の風で完全に治癒している。
◇ モロの君(きみ) : 二本の尾を持つ白い巨大な300歳の雌の山犬。シシ神の森の近くの山頂の洞穴にサンや子供達と共に棲む。乙事主とは百年ほど前まで恋仲であった。実子の2頭の山犬同様に、人間に捨てられたサンを育て、娘として愛している。人語を解し、高度な知能と強靭な力を持つ。犬神として恐れられているが、子供想いの母性的な性格であり基本的には温和で争いを好まない。サンと同様に人間を嫌っている。シシ神の森を侵すエボシ御前を憎み、命を狙っている。ナゴの守同様にエボシから石火矢による傷を負わされ、既に身体が弱り、寿命が迫っているが、タタリ神と化したナゴの守と違い己の死を受け入れている。サンを人として解放しようとするアシタカには厳しく当たる一方、サンに対して「彼と共に生きる道もある」と諭す場面もあった。最期は、タタリ神になりかけた乙事主からサンを取り返し、彼女をアシタカに渡した後に、力尽きて倒れ、首以外はシシ神の体液に触れるが、執念で首のみで動き、エボシの右腕を食いちぎり、そのままシシ神の体液の中に飛び込んでいった。 : モロ役について、美輪は声を吹き込む前に宮崎から「モロはいわば観世音菩薩なんです」と告げられた。加えて「普段の美輪さんのまま演じて下さればいいですよ」と告げられ、アフレコはある程度スムースにいった。 : しかし終盤モロが乙事主に「もはや言葉まで無くしたか」と言うシーンで、美輪は台本だけではモロの感情がつかめなかった。そこで美輪がシーンの意図を尋ねると、宮崎はニヤリと笑って「遠い昔モロと乙事主は"いい仲"(恋愛関係)だったんです」と告げた。この一言で美輪は全てを理解して演じると、一発でOKがもらえたとの事。

● 宮崎監督による解題


◎ 主題
宮崎監督曰く、この映画にはやりたくて溜めてきた素材が三つも四つも入っている。絵コンテを読むと、エンターテイメント作品には通常不向きと思われる現代の厳しい課題が詰め込まれている。浦谷年良が整理すると、五つになる。 子供たちの心の空洞 至る所に起こる差別 人間と自然との関わり 人間の憎悪の増幅作用、殺戮へ突き進む闘争本能 神秘主義と合理主義の対立 「問題がたくさん入りすぎていてハラハラしますね」と浦谷が水を向けると、監督は以下の通り語った。「解決不能な問題ですよね。今までの映画は、解決可能な小課題を作って、取り敢えず今日はそれを超えたと、それをひとつのセオリーにしてきたんですけどね。それが映画の枠内だと。それでやると、現代で僕らがぶつかっている問題とは拮抗しないという結論が出たんじゃないかなぁ」。

◎ 主人公の動機
監督の論では、日本の通俗アニメーションを腐らせている一つに「動機の喪失」がある。例えば、監督が以前チベット民話『犬になった王子』(文:君島久子、岩波書店)に触発されて描いた『シュナの旅』である。ヤックルに乗る主人公シュナは、自国を貧困から救う穀物の種、「金色の種」を求め旅に出る。この旅の動機は崇高であるが、貧乏というリアリティが無い中では「胡散臭い」ものでしかない。アシタカの旅には、観客が共感できる動機が必要であった。すなわち「理不尽にも傷付けられ、呪われたと自覚した少年が、その呪いを癒す鍵を探して旅をする」ことである。 さらには、アシタカは自発的にではなく、村を追い出されてやむなく旅に出る。それは受難のヒーローというより、ヒーローであることを裏切り続けるアンチヒーローである。そしてヒロインのサンもまた、傷付いた自分を醜いと思っているアンチヒロインである。同じ物語を辿りながら、通常の主役であることを徹底的に裏返しにしていく。

◎ 観客の予想を破壊すること
物語の図式は森と人界の対立。乙事主たちとエボシたちが激突する、ここまでは観客の予想図式と一致する。普通の映画ではこれで全部辻褄が合う、ただの宿命の対決となる。ここで予想を破壊する、宿命も何も無い、もっと暴力的な図式を提示する。乙事主たちとエボシたちがぶつかる、そのエボシたちの後ろから侍たちの大きな勢力が加わっている。さらにそれが進行した形態として、侍たちが突出してエボシたちを飲み込み、乙事主たちと直接ぶつかっている図が描かれる。 アシタカが事態に気が付いたときには、既にこの図式のようになっており、なぜこんなことが起こったのだろう、という形で事態が転化していく。それはその中で翻弄されるアシタカの心境であり、それは観客と同じ次元になる。事件に気が付き、発生した順番の逆から出会って行くのが現代であるためである。

◎ 過去の作品の否定
宮崎駿には、過去の自分の作品を一度徹底的に否定しなければ、本音で語ることはできないという思いが強烈にあった。スタジオジブリ作品への世間の期待について話が及ぶと、宮崎は(例えば自然保護に熱心なジブリなどの)期待に応えようとしてはいけない、一回期待を持つと、その期待を変えようとしないと返答した。

◎ 「生きる」というイメージ
宮崎駿は以下の通り述べている。

◎ 若者へのメッセージ
監督が言う「我々が直面している最大の課題」は、主人公アシタカの設定に集約されているという。今この世の中に生きている若者は、いわれのない、不条理な、肉体的にも精神的な意味も含めてババを引いてしまった人間達である。それは東アジア、アメリカやヨーロッパ、アフリカでも共通の運命である。その理由は、一人の人間が感じられる悲劇が、ローマ時代であろうと鎌倉時代であろうと同じ故である。人口が五百万人しかいなかった鎌倉時代の日本は、現代から見れば山紫水明、遥かに美しい所が多数存在したが、人間が悲惨の極みであったため、鎌倉仏教のような宗教が生まれてきた。破局の規模が大きいから悲劇が大きいというのは嘘で、一つの村が滅びることが、その人間にとっては全世界が滅びることに等しい、そういう意味を持った時代がある。その意味では人間が感じられる絶望も、その苦痛も量は等しい。恐らくそれは、歴史の様々な場所で感じ取られてきた。「ただ何となくスケールが大きいからね、こりゃ本当のドン詰まりと思っているだけで。でもそれが本当にドン詰まりなのかというと、そうは簡単に行かないことも、歴史は証明してるから」。 浦谷年良はこの発言を以下のようにまとめている。現代の若者達は、意識の奥でみんなババを引いてしまったと感じている。自分は悪くないのに、なぜか傷付けられていると感じている。マイナスの磁場のようなものを抱えている。その「心の空洞」に向かって「明るく元気に生きよう」「貧しさから抜け出して豊かになろう」と言っても通じない。こうした絶望、閉塞感を大きな歴史認識の中で捉え、考え直すことで「不条理な運命の中で生きる」ことを模索し、提示していく。 なお監督は、物語のその後について、「アシタカとサンは、その後も良い関係を続けていく」、「アシタカは引き裂かれ、傷だらけになりながらも、サンやタタラ場のために努力し、それを曲げずに生きていく人物である」と語っている。

● 舞台設定


◎ 世界観
本作は照葉樹林文化論の示唆を受けた世界観を舞台としている。参考とされたのは中尾佐助の『栽培植物と農耕の起源』であり、日本文化の基底が稲や稲作農民ではないことを明らかにする同書の内容が製作に大きく影響しているとされる。本作では稲作農民に代表される平地の「定住民」とは全く別の生活圏を持つ「遍歴民(山民・海民・芸能民など)」が多く取り上げられる。『もののけ姫』は、遍歴民の世界で展開される物語である。叶精二によれば本作は日本映画で中世史をアウトサイダーの側から描くという、「時代劇の革命」を意図するものであり、網野善彦は本作を「ずいぶん勉強した上でつくられている」と評している。 宮崎監督は作家の司馬遼太郎と対談した時、司馬が新聞記者時代に京都の岩屋不動志明院に宿泊した際、奇っ怪な体験をした話しを聞き『もののけ姫』の着想になったといわれている。

◎ エミシの村
かつて大和朝廷の支配に抵抗し、追われた人々。祭事の衣装や東北地方のマタギに似たアシタカの衣装、彼の使う「雅な椀」、娘の装束など、縄文時代の文化にブータンや北タイの焼き畑圏など照葉樹林文化圏の物が混ざった文化を形成している。 エミシ(蝦夷)を宮崎駿は、大和政権とその支配下に入った稲作農耕民から追われて本州北部の山中に隠れ住んだ、焼畑・狩猟・採集・工芸を生業とする原日本人の残党と解釈している。村をまとめているのは、占いで物事を決めていくという女性(ヒイ様)である。神社の中で拝んでいるのは岩倉(岩の壁)、御神体である岩の塊である。カヤが抜いた、刀身が直線的で先が尖っている刀は蕨手刀という。柄の方には輪が付いている。東日本各地から出土しており、東北地方を中心に8世紀ほどまで作られていた。生活雑器であるが武器にもなり、坂上田村麻呂と戦ったエミシの軍勢はそのような刀を持っていたと考えられている。また、未婚の女性が守り刀を男性に渡すという行為は、『粉河寺縁起』にもみられるように求婚の証であり、カヤが決して戻ってくることのないアシタカに守り刀を渡すという行為は、カヤが一生未婚のまま人生を全うすることを暗示しているとする指摘がある。

◎ 石火矢
劇中の石火矢は火銃が発想の源。中国、ヨーロッパのハンドカノンをエボシが改良した石火矢は少し火縄銃のようになっているが、まだ付け火のような棒で火を付けており、火縄銃のようにはいかない。火縄は硝酸を木綿の組み紐に染み込ませてあるもので、火を点けると灯っていき、ゆっくり燃える。それを瞬間的に吹くと、また少し火勢が強くなる。よって火縄銃を撃つ時は、構えてから息を急に吹き掛け、火縄を挟み込み、火蓋を開けて引き金を引くと火縄挟みが落ち、弾が発射される。その段階に到達していないため、後装になっている。弾と火薬が入っているものをそのまま入れて撃つことにより、先から弾を込めなくて済むようになっている。後装は古い大砲にあったものである。弾丸が入った部品に火薬を入れ、砲身に入れる。そして木の楔を打ち込み、点火して撃ち、楔を抜いてこれを引き出し、次弾を装填する。 日本の史実では、鉄砲は南蛮貿易でポルトガルから種子島に伝来したものが発祥(鉄砲伝来)であるとされるが、劇中では中国の明王朝が由来とされる。 通常の火縄銃のライフル銃形態(エボシがシシ神の首切断で使用、タタラ場から猩々を撃退する攻撃で使用など)だけではなく、大口径で両手持ちの長い柄を持つバズーカ砲形態(山犬モロ一族に牛飼いが襲われた際の迎撃で使用、地侍との戦で使用など)や火炎放射器形態(ナゴの守退治で森や猪神たちを焼き払う焼夷弾用途で使用)など、様々な形態が存在する。

◎ 非人
非人は中世では柿色の衣を着た人々で、一般平民とは区別されている。神人・供御人とも呼ばれる。非人に関連して浦谷年良は、宮崎駿が尊敬する作家、堀田善衛の『定家明月記私抄』を引用している。「元来天皇家というものが、これらの遊女、白拍子、舞人、猿楽、さらには武芸を事とする武人などの芸能民とともに、各種の職人、広い意味での宗教人など、いわば非農業民、それを別の言葉で言いかえるとして、『遊手浮食』の徒、『無縁の輩』などの『道々の輩』、すなわちこれら路上の遍歴民を統轄し保障をする存在であったことを確認しておきたい」。

◎ 着物
製作時にはヤックルの走りの分解図、カヤ達エミシの村の娘達の衣装、アシタカが扱うエミシの矢の形(鏃は黒曜石で三枚羽)など、細かい指定が大量に書かれていた。中でも特徴的なのが「帯の位置」である。現代では、古来の着物の常識が失われているため帯の位置は高くなっているが、本来はへそ下であると注意書きがされていた。一方、その下には「これは『七人の侍』の三船敏郎以来の結び方、アシタカだけに使う」とあった。これは主人公アシタカの「現代の若者性」「若さと未熟さ」といった暗示であるのか、と意味を問われた宮崎駿は「三船のあれは、子供だってことでしょ」と答えている。市場を行き交う人々や、特に、成熟した大人として描かれるジコ坊の帯の位置は低い。

◎ たたら場とエボシ御前
エボシのたたら場の構成員に対する態度は大きく2つに分かれる。戦争で人狩りにあって売られた女たちと、社会から差別を受けてきた癩者(ハンセン病患者)とみられる病者に対しては温かい手を差し伸べているのに対し、病者以外の男たちに対しては乙事主やその配下の猪神たちに対するおとりとして利用されて猪神ともども吹き飛ばされて命を失うことを承知の上でシシ神退治に動員し、その最後の様子を崖の上から眺めているなど、極めて冷淡な態度を取っている。 特に崖の下の牛飼いなど男衆には戦闘前にわざわざ防護柵を張り巡らせて敵の猪神の攻撃を防ごうとする姿勢は見受けられるが、実際は崖の斜面を登って来る敵の猪神を、唐傘連が震天雷を崖の上から落とし、崖に向かって来る猪神を、崖の下に地雷火を地中に埋めて吹き飛ばし、破片や猪神の死骸が落下して甚大な被害が出た。 だが、エボシは女たちに対しても重大な事実を隠している。それは、売られた鉄が武器に加工されて侍の手に渡り、戦争に用いられ、その結果、歴史学者の藤木久志が「奴隷狩り」と称した現象が引き起こされることである。つまり、女たちはエボシが作らせた鉄で作られた武器によって、奴隷として売られてエボシの下にやってきたのである。当然、エボシもこうした矛盾がいつかたたら場を崩壊させかねないことを認識していた。歴史学者の市沢哲はエボシがアシタカに告げた「私の秘密」の正体を社会的弱者である病者たちに新しい石火矢を作らせて同じ弱者である女たちに持たせて侍の鎧を打ち抜かせていくことで侍の力を奪い、鉄が侍のために使われるシステムを打破することで矛盾を解消し、さらに労働によって得られた果実の分配のあり方を変えていくという「国崩し」の実現を図ることとして捉え、森(=シシ神)との戦いはこの目的の中においては局所的なことに過ぎないとする。 その一方で、エボシの出現はサンの位置づけを根本的に変えた。元々サンは山の神(この場合はモロの君)へ生贄として捧げられたものである。しかしエボシが現れ人々が山の神に対抗しうる力を持ったことで、人々は神の力の前にただひれ伏す存在ではなくなった。それによりサンは宙ぶらりんの立場に追い込まれ、人でも神でもない、「もののけ」として生きざるをえなくなった。 女尊男卑する文化と建物構造も女重視で男軽視の構造になっている。 牛飼いたち男衆はタタラ場の中でも下層に住居も仕事場も全ての生活の場を構えており、敵と戦闘になった際は切り捨てて大屋根を含む上層だけを守り抜く構造になっている(しかし劇中では、アサノ軍に男たちがシシ神退治で留守中を狙われたので、トキたち女衆の防衛隊は最初から下層の防衛を捨てて上層の防衛に専念している)。

● ディズニーとの提携
本作はスタジオジブリが1996年7月23日にウォルト・ディズニー・カンパニー(WDC)ならびに日本法人のウォルト・ディズニー・ジャパン(WDCJ)の間で国内でのビデオソフト(「ジブリがいっぱいCOLLECTION」)発売および海外でのジブリ作品配給に関わる事業提携を締結したことに伴い、WDC(「ディズニー」表記)から初めて出資を受けた作品である。このため、『耳をすませば』までの「発売元:徳間書店・販売元:徳間ジャパン」ではなく、WDCJのビデオソフト部門であるブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント(のちのウォルト・ディズニー・スタジオ・ホーム・エンターテイメント)になった。ただし、レーザーディスク版のビデオソフトについては徳間からの発売・販売となった。 こうして本作のビデオは既に『アラジン』などで日本市場に大きな勢力を築いていたウォルト・ディズニー・ジャパン(実際はポニーキャニオンに委託)の流通ルートで販売された。また、アジアを除く全世界でWDC子会社のミラマックスが配給し、ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントからビデオとDVDが発売された。本作以降、ジブリはWDCならびにWDCJと親密になっていく。 映画のレイティングシステムは、日本(映倫)では「一般」に指定されているが、アメリカ(MPAA)では「PG-13」に指定された。 英語版のナレーションには同じくウォルト・ディズニー製作のアニメ『ガーゴイルズ』でナレーションを務めていたキース・デイヴィッドが起用された。

● 声の出演

 アシタカ  松田洋治  ビリー・クラダップ
 サン   石田ゆり子  クレア・デインズ
  カヤ  タラ・ストロング
 エボシ御前  田中裕子  ミニー・ドライヴァー
 ジコ坊  小林薫  ビリー・ボブ・ソーントン
 甲六   西村雅彦  ジョン・デミータ
  門番   (不明)
 ゴンザ  上條恒彦  ジョン・ディマジオ
 トキ   島本須美  ジェイダ・ピンケット=スミス
  エミシの少女A   (不明)
 山犬  渡辺哲   (不明)
 タタリ神  佐藤允   (不明)
 牛飼い頭  名古屋章   (不明)
 モロの君  美輪明宏  ジリアン・アンダーソン
 ヒイ様  森光子   デビ・デリーベリー
 乙事主   森繁久彌  キース・デイヴィッド
  エミシの老人   (不明)
 病者の長   飯沼慧   (不明)
  じいじ  
 牛飼い  坂本あきら
近藤芳正
菅原大吉
斉藤志郎   (不明)
 ジバシリ   冷泉公裕   (不明)
  牛飼い   (不明)
 キヨ  香月弥生   (不明)
 たたら場の女  藤貴子
山本郁子  トレス・マクニール
サリー・リン
デニース・ポワリエ
メアリー・エリザベス・マクグリン(歌声)
 エミシの少女B  飯沼希歩  
 ナレーター    キース・デイヴィッド
 その他  塚本景子
中村彰男
松山鷹志
小林和矢
松田健浩
藤巻直哉
深澤幸太
杉浦一恵
得丸伸二
ほうしげと
おちひろき
三宅重信
名倉勝利
瀬野雅彦
田代健二
桑原富和
浮部文雄
原田敦祥
渡辺伸一
福永大剛
荒井良章
小野亮太
加藤英二
外崎明彦
岡崎展久
近江徹大
増田良昭
吉見絹
角田文
村田和代
吉岡亜紀子
坂下しのぶ
安藤惠理子
高築さおり
鹿島優子
田島凛々
二階堂美由紀
植草和世  パメラ・アドロン
ルイス・アークェット
コーリー・バートン
アレックス・フェルナンデス
ジャック・フレッチャー
パット・フラリー
ジョン・ホステッター
ジョン・ラフター・リー
マッタ・マッケンジー
マイケル・マクシェーン
マット・K・ミラー
マーニー・モジマン
アダム・ポール
デヴィッド・ラズナー
ドワイト・シュルツ


● スタッフ


◎ 映像制作

  製作  徳間康快
  音楽  音楽
ピアノ  久石譲
 指揮  熊谷弘
 演奏  東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
  作画監督  安藤雅司、高坂希太郎、近藤喜文
  原画   大塚伸治、篠原征子、森友典子、賀川愛、小西賢一、遠藤正明、清水洋、粟田務、箕輪博子、三原三千雄、大谷敦子、稲村武志、芳尾英明、二木真希子、山田憲一、松瀬勝
桑名郁朗、松尾真理子、河口俊夫、野田武広、杉野左秩子、近藤勝也、金田伊功、笹木信作、山森英司、吉田健一、高坂希太郎、近藤喜文
テレコム・アニメーションフィルム
田中敦子
  動画チェック  舘野仁美、中村勝利、斎藤昌哉、中込利恵、小野田和由
  動画   手島晶子、大村まゆみ、北島由美子、真野鈴子、坂野方子、柴田和子、倉田美鈴、沢九里、鈴木麻紀子、鈴木まり子、菊池華、鶴岡耕次郎、田村篤、野口美律、藤井香織、米林宏昌
矢地久子、山田珠美、川田学、佐光幸恵、アレキサンドラ・ワエラウフ、ダビッド・エンシナス、東誠子、山浦由加里、西戸スミエ、槇田喜代子、富沢恵子、コマサ、土岐弥生、柴田絵里子
長嶋陽子、椎名律子、岩柳恵美子、藤森まや、近藤梨恵、常木志伸、西河広美、渡辺恵子、谷平久美子、矢野守彦、古屋浩美、安達昌彦、山本まゆみ、中山大介、田辺正恵、新留理恵、松下敦子
手塚寛子、原口ちはる
テレコム・アニメーションフィルム
飯盛夏子、渡邊奈津子、矢沢真由、東樹葉子、中路景子、毛利志乃舞、小高雅子、上田峰子、板垣伸、安留博子、富野昌江、式部美代子、与沢桂子、平井和子、藤倉雅代、宇田明彦
  作画協力  アニメトロトロ、OHプロダクション、スタジオコクピット、スタジオたくらんけ、グループどんぐり
  美術監督  山本二三
田中直哉、武重洋二、黒田聡、男鹿和雄
  背景   吉田昇、春日井直美、長縄恭子、斉藤久恵、伊奈涼子、平原さやか、荒井貞幸、太田清美、谷口淳一、長田昌子、佐々木洋明、田村盛揮
  特殊美術  福留嘉一
  特殊効果  谷藤薫児、橋爪朋二、村上正博、榊原豊彦、谷口久美子
  色彩設計  保田道世
  色指定  井関真代、森奈緒美、守屋加奈子
  仕上  彩色   小野暁子、熱田尚美、鍋田富美子、野村雪絵、山田和子、鈴木栄一、片山由里子
スタジオキリー
岩切当志子、高橋直美、宮本智恵美、清水まり子、森沢千代美、渡辺信子、平林和広、谷島香、石川香織、土屋裕美、工藤百合子、原井智恵、児玉淳、浦山和恵、平林ふみ子、泰野君子
石黒静、吉田美夜子、高木小百合、後藤恵子、大隈昌子、佐々木恵子、角田和子、中釜かおる
IMスタジオ
伊勢田美代子、尾崎美人、鉢田恒、浅井より子、西村豊美、森田薫、安味香織、大内一美、木村裕美子、天満友美、佐藤けい子、赤沼茂子、前原絹代、船崎幸子、板原多恵、小林一夫
トレーススタジオM
安斉直美、相原明子、杉山和歌子、金内順子、醍醐玲子、本橋恵美子、松尾めぐみ、大城ひろ子
東映動画
黒沢和子、奥西紀代美、坂野園江、入江三瓶子、五十嵐令子、古屋純子、藤橋清美、戸塚友子
テレコム・アニメーションフィルム
山本智子、人位万里、長嶋さゆり、太田真弥子、石川恵里子、西脇好美、宮川淳子、長岡純子
 トレスマシン   柚木脇達巳
 協力会社   スタジオOM青森ワークス、アニメハウス、はだしぷろ、ピーコック、ムッシュオニオン、スタジオOZ、スタジオアド
 デジタルペイント   石井裕章、佐藤麻希子、杉野亮、服部圭一郎
高橋プロダクション/T2Studio
高橋加奈子、石堂めぐみ、村田ゆき、下江由美子、恒田由紀子
DR MOVIE
T&V
  技術協力   村尾守
スタック
斉藤芳郎
内外カーボンインキ
太陽色彩
北村繁治
CHROMACOLOUR INTERNATIONAL LTD
ROY EVANS
  CG  菅野嘉則、百瀬義行、片塰満則、井上雅史
  撮影監督  奥井敦
  撮影   藪田順二、高橋わたる、古城環
  音響制作  オムニバスプロモーション
  音響監督  若林和弘
  音響助手  真山惠衣
  録音
整音  井上秀司
  録音助手  福原正博
  整音助手  浅倉務、高木創、内田誠
  音響効果制作  サウンドリング
  音響効果  伊藤道廣
  音響効果助手  石野貴久
  音響効果協力   VDX
猪飼和彦、渡辺基、時田滋
  音響効果取材協力   加藤隆雄、山村綱廣
愛知県鳳来町、東京都北区弓道連盟、正宗工芸
  音楽制作  会社  ワンダーシティ、スタジオジブリ
  マネージメント  山下幸郎
 A&R  滝川透、稲城和実
  エンジニア   レコーディング  大川正義、森本信、浜田純伸
  マスタリング  加藤正昭
  アシスタント  石原裕也、古川健司
  CD制作  会社  徳間ジャパンコミュニケーションズ
 A&R  岡田知子
 協力会社  ヤマハ
 フォトグラファー  落合淳一、浦谷年良
  録音スタジオ  音楽収録   ワンダーステーション、アバコクリエイティブスタジオ
 台詞収録   MITスタジオ
池場達也、西島理恵、八十嶋裕樹
アバコクリエイティブスタジオ
金井光晴、廣岡信貴
  録音所  東京テレビセンター
  タイトル  真野薫、吉田由香里
  リスマーク  CNT508
  編集  瀬山武司
  編集助手   水田経子、内田恵、田村眞子
  編集所   瀬山編集室
  監督助手  伊藤裕之
  演出助手  有富興二、石曽根正勝
  制作担当  川端俊之
  制作デスク  田中千義、西桐共昭
  制作進行  大塚浩二、居村健治、鈴木健一郎
  制作業務  野中晋輔、望月雄一郎
  キャラクター商品開発  今井知巳、浅野宏一
  インターネット  石光紀子
  プロデューサー補  米沢敬博
  出版担当  田居因
  予告編制作  ガル・エンタープライズ
板垣恵一、花本浩子
  海外プロモート担当  スティーブン・アルパート、森吉浩予、濱田啓路
  現像  会社  IMAGICA
 タイミング  平林弘明
 オプチカル  関口正晴
 デジタルフィルムI/O  辻英男
  DOLBY  技術協力   森幹生
コンチネンタル ファーイースト
 光学録音  上田太士
 デジタル光学録音  西尾昇
  アニメーション制作  スタジオジブリ
  プロデューサー  鈴木敏夫
  原作
脚本
監督  宮崎駿



◎ 製作委員会

  総指揮  徳間康快
  代表  氏家齊一郎、成田豊
  代表委員  山下辰巳、藤井睦夫
  推進指揮  漆戸靖治、間部耕苹、桂田光喜
  推進委員  大塚勤、萩原敏雄、俣木盾夫
  広報  山本珠実、長澤美奈子
  プロデューサー  菊川幸夫、武井英彦、中谷敏夫、渡辺哲也
  実行委員   徳間書店
小金井道宏、室井實、塚原昇、伊藤純子
日本テレビ
坂田信久、伊藤和明、長崎佳子、藤本鈴子、野元佳子、門屋大輔、紙谷知子
電通
百瀬伸夫、野田考也、勝田祥三、青柳教載、福山亮一、曽我有信
スタジオジブリ
古林繁、荒井章吉、一村晃夫、洞口朋紀、駒形正吾、藤津英子
  製作担当  奥田誠治
  企画協力  アニメージュ編集部
渡邊隆史、松岡光譲
   宣伝  プロデューサー  矢部勝
 係   東宝
新井重人、伴田雄輔
メイジャー
脇坂守一、岡村尚人、土屋勝、小柳道代、笹田文代、机ちひろ、福田のぞみ、加藤麻里子、原美恵子、渡辺美佳
 特別顧問  徳山雅也
  キャッチコピー   糸井重里
  特別協賛   日本生命
  特別協力   読売新聞
  配給  東宝


・ 英語版演出 - ジャック・フレッチャー
・ 英語版脚本 - ニール・ゲイマン

● 主題歌

◇ 「もののけ姫」 : 作詞 - 宮崎駿 / 作曲 - 久石譲 / 編曲 - 久石譲 / 歌 - 米良美一

● 挿入歌

◇ 「エボシ タタラうた」 : 作詞 - 宮崎駿 / 作曲 - 久石譲 / 編曲 - 久石譲 / 歌 - 新倉芳美、木村真紀、下成佐登子

● 興行と賞歴
1997年7月の公開後、興行収入193億円、観客動員数1420万人を記録し、当時の日本映画の歴代興行収入第1位となった。 日本歴代興行収入ランキング第1位の大当たりに、製作総指揮の徳間康快は仲のよい岡田茂東映会長から「百年に一度の奇跡だぞ」と言われた。徳間は「何本も当てて世界のアニメプロデューサーになる」と豪語した。 1999年1月22日に『金曜ロードショー』で初のTV放送がされ関東地区で35.1%、西日本地区で40.8%の視聴率を記録した。 香港での興行収入は654万香港ドル、全米では1000万ドル。
・ 第1回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞
・ 第52回毎日映画コンクール日本映画大賞・アニメーション映画賞
・ 第21回日本アカデミー賞最優秀作品賞
・ 朝日デジタルエンターテイメント大賞・シアター部門賞
・ アニメーション神戸'97・部門賞(演出部門)、部門賞(デジタル技術部門)、アワード(劇場映画の部)
・ マルチメディアグランプリ'97・MMCA特別賞
・ 第15回ゴールデングロス賞・最優秀金賞、特別功労大賞
・ 報知映画賞・特別賞
・ 日刊スポーツ映画大賞・監督賞
・ 石原裕次郎賞
・ 第39回毎日芸術賞・映像・映画部門
・ エランドール賞・特別賞
・ 日本映画ペンクラブ・97年度ベスト5日本映画部門1位
・ ブルーリボン賞・特別賞
・ おおさか映画祭・特別賞
・ 高崎映画祭・最優秀監督賞
・ 映画鑑賞団体全国連絡会議・日本映画作品賞
・ 文化庁優秀映画・優秀映画作品賞
・ 読売映画・演劇広告賞 優秀賞
・ 日経優秀製品・サービス賞、最優秀賞、日本経済新聞賞
・ 第39回日本レコード大賞・作曲賞、アルバム企画賞(サントラ)
・ 日本のメディア芸術100選アニメ部門選出

◎ 再上映
2020年、新型コロナウイルスの流行によって新作映画の供給が困難になったことを受け、同年6月26日から8月まで全国の映画館で本作の再上映が行われた。
◇ 再上映時の週間興行順位の推移
上映週週末日付順位備考
 1  2020年6月27日-28日    2位  
 2  2020年7月4日-5日  
 3  2020年7月11日-12日  
 4  2020年7月18日-19日    3位  
 5  2020年7月25日-26日  
 6  2020年8月1日-2日  
 7  2020年8月8日-9日    7位  


● 売上記録
(日本国内)
内容 記録 補足
  興行収入   201.8億円  
  フィルムコミック   180万部以上   4巻計
  『THE ART OF The Princess MONONOKE
もののけ姫』   10万部近く
 2  2001年1月26日(金)  26.9%
 3  2003年2月14日(金)  27.0%
 4  2004年11月19日(金)  23.3%
 5  2006年5月12日(金)  18.2%
 6  2010年1月8日(金)  18.4%
 7  2011年7月1日(金)  15.9%
 8  2014年7月4日(金)  21.9%
 9  2016年8月5日(金)  15.1%
 10  2018年10月26日(金)  
 11  2021年8月13日(金)  13.8%
 12  2023年7月21日(金)  12.6%


● DVD
現在発売されているDVDには、日本語、英語、フランス語、広東語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語の8か国語が収録されている。また、2001年には制作過程を描いたメイキングDVD『「もののけ姫」はこうして生まれた。』(ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント)が発売された。

● 舞台化
イギリスの若手劇団「Whole Hog Theatre」(ホール・ホグ・シアター)によって舞台化される。劇団が宮崎監督の友人であるニック・パークを通してオファーしたところ、劇団が作成したテスト映像を見た宮崎監督がGOサインを出したという。宮崎監督が自作の舞台化を許諾するのはこれが初。 イギリスではロンドンにあるニュージオラマシアターにて上演。2013年4月2日-6日のチケットは発売から72時間で、6月18日-29日の再演は4時間半で売り切れた。日本では2013年4月29日-5月6日、渋谷アイアシアタートーキョーにて上演される。キャストの中には、唯一の日本人、ニューヨークを拠点に活動中の女優・ダンサー・シンガーのYuriko Miyake(三宅由利子)が含まれている。作中のテーマソング『もののけ姫』も彼女が歌っている。人間以外のキャラクターは古着・ビニールやペットボトルなどの廃材を使用して作られたパペットで表現していた。

◎ スタッフ

・ 構成・演出:アレクサンドラ・ルター
・ 原作:『もののけ姫』宮崎駿
・ オリジナル音楽:久石譲
・ 舞台版編曲:ケリン・タットマン
・ 脚本翻訳/ドラマトゥルク:三宅由利子

● 関連商品


◎ 作品本編に関するもの

「もののけ姫」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/
2024年5月4日18時(日本時間)現在での最新版を取得

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