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『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』(めいたんていコナン てんごくへのカウントダウン)は、2001年4月21日に公開された劇場版『名探偵コナン』シリーズの第5作目にあたる。上映時間は100分。興行収入は29億円。劇場版『名探偵コナン』5周年記念作品。キャッチコピーは「脱出不可能!危険な罠の時間を止めろ」。
● 概要
劇場版5周年を迎えた本作では、原作者の青山剛昌が景色をテーマに挙げ、第1作『時計じかけの摩天楼』で主人公・江戸川コナンの正体である工藤新一が脚光を浴びた西多摩市を舞台として、1974年公開のアメリカ映画『タワーリング・インフェルノ』のようなパニックものを提案した。そこでコナンの宿敵である黒ずくめの組織を劇場版に初登場させ、前々作『世紀末の魔術師』から登場していた組織の脱退者である灰原哀(宮野志保)にスポットを当てている。そのため、従来の作品よりも新一と毛利蘭のラブコメを少なめにし、全編に渡って少年探偵団が本格的に事件に絡んで活躍するストーリーを作り上げている。
テレビシリーズの登場人物からは、第1作以降の毎回恒例となった冒頭の解説にて姿だけは描かれているジンとウォッカ、灰原の姉・宮野明美(死亡済みということもあり、コナンによるイメージとレコーダーの声のみ)、警視庁鑑識課のトメさんが初登場している。
本作でも、青山が原画を担当した蘭と新一の特別なシーンがある。
本作のオープニングの後半は阿笠博士が担当し、コナン以外がオープニングの語りを担当するのは第26作『黒鉄の魚影』までで、本作と次々作『迷宮の十字路』(担当者は服部平次)のみ。また、恒例の博士によるダジャレクイズ出題のタイミングは、基本はオープニング後の序盤だが、本作はオープニング前になっている。
作中には自分の未来の顔を予測して映し出す機械が登場し、この機械によってレギュラー陣の未来での姿が描かれる(蘭を除く。小五郎については後述。)が、コナンや灰原のような「イレギュラーに存在する人間」の場合は映らないのか、2人がマシーンを使用した際にはそろってエラーを出してしまった。未来での姿が描かれるというアイディアは、10年後の未来の世界が舞台となったOVA『10年後の異邦人』でも活用されている。
白鳥任三郎の声は、2000年5月10日に死去した塩沢兼人に代わり、本作以降は井上和彦が演じている。
本作から劇場版独自のストーリー路線がほぼ定着することになり、原作やテレビシリーズとはパラレルワールドのように描写されることが、2013年に第17作『絶海の探偵』のプレストーリーがテレビシリーズで放送されるまで続く。本作における一例として、原作やテレビシリーズでは組織に何もかも処分されたはずの明美のマンションが、組織に知られないよう借りていた隠れ家が残されている点などが挙げられる。一方、本作以降も映画で描かれた設定が後に原作やテレビシリーズに導入されて描写されることもある。また、本作オリジナルのゲストとして登場する風間英彦は『時計じかけの摩天楼』で事件の犯人だった森谷帝二の弟子であり、舞台も西多摩市であるなど、同じ劇場版としての設定が受け継がれている。
本作からオープニングに英語版映画タイトルも登場した(第2作『14番目の標的』から前作『瞳の中の暗殺者』までの英語版タイトルは劇場販売の映画ロゴ入りグッズなどで先行公開されていたが、本編映像やパンフレットに英語タイトルが併記されるようになったのは本作が最初となる)。
クライマックスでは、観客の子供にはわかりにくい加速度運動などの数式が登場しているが、その検算は監督のこだま兼嗣と青山の親族が行って確認してもらったそうである。
博士、灰原を含む少年探偵団、鈴木園子、回想・イメージを除き毛利小五郎がエピローグに初登場し、小五郎についてはモノローグだが締めの台詞を飾った。
2006年に読売テレビの『名探偵コナン』公式サイトにて開催された第9作『水平線上の陰謀』までの歴代映画9作品対象のテレビ放映リクエスト投票で、今作は総投票数55,529票のうち15,892票(総投票数のうち29%、次点『迷宮の十字路』は投票数15,520票・28%で僅差)を獲得し、1位を獲得した。
2016年にサイバード公式サイトにて開催された歴代映画19作品の人気投票で、今作は4位を獲得した。
アメリカ合衆国ではファニメーションによる英語吹き替え版が制作された。英語名は「Case Closed: Countdown to Heaven」。
● ストーリー
コナンは、阿笠博士や少年探偵団と西多摩市でのキャンプからの帰り道に、ツインタワービルの見物へ向かう。車中での暇潰しにと、何も見ずに30秒を当てるゲームを行うが、歩美のみが成功する。前日の夜に、灰原が公衆電話をかけていた場面を目撃していた元太は、彼女に相手を尋ねるが、電話をかけたこと自体を否定される。ビルに着くと、入口に小五郎、蘭、園子の姿があった。ツインタワービルのオーナー・常盤美緒は小五郎の大学の後輩であり、オープン前に特別に招待されていたのである。コナンたちは美緒の秘書・沢口ちなみと専務の原佳明にビルを案内してもらい、最新のゲーム等を楽しむ。その後、広大な富士山が一望できるA棟最上階のパーティー会場で出迎えてくれた美緒から、パーティーに出席する日本画の巨匠であり美緒の絵の先生でもある如月峰水、市議会議員の大木岩松、ビルの設計者・風間英彦を紹介される。各々がビルからの景色を楽しんでいる中、玄関前にジンの愛車である黒のポルシェ356Aが停まっていたことを知ったコナンは黒ずくめの組織がビルへ干渉する理由をいぶかる。その夜、ビルにあるスイートルームの一室で大木が何者かに刺殺される。遺体の横には2つに割られた猪口が置かれていた。
コナンと少年探偵団は大木殺害事件の調査を始める。風間は聴取に応じてくれたが、如月には子供が警察の真似をするなと一喝されてしまう。翌日、新しいゲームの感想を聞かせてほしいと元より招かれていた原のマンションを訪れるが、彼はすでに遺体となっていた。その場にも割れた猪口が置かれていたため、警察は連続殺人として捜査を進める。原はチョコレートケーキを切り分けているところを犯人に襲われており、手には銀のナイフが握られていた。また、死亡推定時刻は如月が少年探偵団と会っている時間帯だったため、彼のアリバイが成立する。警察は常磐財閥が事件に大きく関係していると考え、美緒にオープンパーティーの延期を要請するが、美緒は中止どころか、パーティーにコナンたちまでも招待する。
その一方で、博士も灰原が深夜に電話をかける場面を目にする。阿笠は灰原を信用しながらも、恐怖から黒の組織へ寝返った可能性も否定できないとコナンに話すが、灰原が電話をかけていたのは、組織に殺害された姉・宮野明美が生前ひそかに借りていた部屋の番号であった。姉を偲び、わずか10秒足らずの留守電の声と会話をしていたのだと孤独感を吐露する灰原に対し、コナンは「お前は独りじゃない」と告げ、探偵団の面々を示す。灰原が近況報告をした録音はすぐさま削除したものの、折悪しく明美の隠れ家を突き止めたジンとウォッカが居合わせており、灰原(シェリー)がオープンパーティーに参加することを知られてしまう。
パーティーのためビルに向かう折、コナンと灰原が今回の被害者たちや殺人犯が黒の組織の関係者である可能性を検討していると、園子が髪をウェーブにして現れる。それを見たコナンは、髪型を変えた園子がシェリーこと、元の姿の灰原に似ていることに気づく。パーティーでは余興として、キャンプの帰りに行われたのと同じ30秒を当てるゲームが催される。景品は展示されていたフォード・マスタングで、これは小五郎が的中させる。続いて如月の富士山の絵を紹介するため照明が落とされるが、明かりがつくと絵の前に美緒がつるされており、死亡が確認される。彼女のネックレスにはピアノ線につながったフックが付けられており、絵が下がるのと反対につり上げられる仕組みとなっていた。またしても現場に猪口が置かれていたが、今回は割られていなかった。
コナンが事件を解き明かした直後、黒の組織によって仕掛けられた爆弾が、地下の電気室と発電機室、地上40階のコンピューター室で爆発する。電源は破壊されたが、VIP用の展望エレベーターのみは別電源となっており稼働していた。最大積載量が少ないため、女性と子供・老人のみが順にエレベーターで1階まで降り、搭乗を拒否した如月も含め、それ以外の人物は非常階段で60階まで降り、連絡橋からB棟へ避難することになる。
コナンは蘭や園子とともに最後まで残るが、エレベーターで下りる途中、ジンが園子をシェリーと誤認し、狙撃しようとしていることに気づく。コナンの機転で銃弾は回避され、取り乱した園子を見たジンは別人であることに気づき狙撃を中断するが、エレベーターは停止してしまう。エレベーターから脱出したのは連絡橋のある45階で、コナンたちはそこからB棟へ避難しようとするが、避難する人々のなかにシェリーを発見できず、シェリーが上に残っていると考えた組織によって2つの連絡橋が落とされ、コナンと蘭は取り残されてしまう。2人は消防用のホースを使ってビルの外側にぶら下がり、火元より下の階の窓から再突入することによって脱出に成功する。
少年探偵団と、阿笠に監視を頼んだ人物の姿が見当たらず、コナンが探偵団に連絡を取ると、彼らは60階の連絡橋の前で立ち往生していた。コナンはB棟からターボエンジン付きスケートボードで連絡橋を飛び越える。スケートボードは落ちてしまったが、コナン自身は探偵団との合流に成功する。
コナンは警察に避難用のヘリコプターを頼み、探偵団の3人を先に屋上へ行かせ、自身は灰原とともにパーティー会場へ戻る。そこには大木と美緒を殺害した犯人である如月がいた。美緒のネックレスは外しやすいように細工を施したうえで如月が贈ったもので、暗がりの中でこれを外した後、つけ直してやる振りをしてあらかじめフックをとりつけてある別のネックレスをつけたのだった。如月は原の殺人に関してアリバイがあるが、これは如月が原を殺害するのに訪れた際、すでに別人に殺されていたのを発見し、連続殺人に仕立て上げ他の容疑からも外れるために、後から猪口を置いていた。動機は富士山画家である彼が長年通い、3年前からは仕事場を兼ねた家まで建てた丘からの富士の眺めを、ツインタワービルによって阻害されたことであった。割られた猪口はビルで分断された富士山を表しており、美緒のときは連続殺人であることを示すために猪口だけは置いたが、富士の絵を美緒の体で遮っていたため割る必要がなかった。犯行を暴かれた如月は服毒を図るが、コナンが麻酔銃で阻止する。
警察のヘリコプターが屋上へ着陸しようとするが、組織による放火で阻まれる。コナンたちはパーティー会場で鎮火を待つつもりだったが、そこには大量の時限爆弾が仕込まれていた。ヘリポートの鎮火より先に爆発してしまうため、コナンは展示してあったマスタングで、A棟より背の低いB棟の屋上にある、開閉式ドーム付きのプールへ飛び移る方法を思いつく。パーティー会場では十分な速度まで加速することはできないが、コナンは爆風の勢いを利用してそれを補おうとする。そのためには爆発と同時に窓の外へ飛び出す必要があったが、車に乗り込むとタイマーが見られない。光彦はキャンプの帰りに正確に時間を当てた歩美に計測してもらうことを提案する。元太は彼女が余興の際は外していたことを懸念するが、歩美はコナンが側にいればできると言う。灰原が30秒までタイマーを見ながら読み上げ、以後を歩美に引き継いで車に飛び乗ることになったが、実行の段になると、灰原は30秒を切り、歩美が数えはじめても計測をやめようとしない。自身が犠牲となるつもりでこの方が正確だと嘯く灰原だったが、元太が駆けつけて灰原を強引に車に乗せる。車は眠ったままの如月も含めた6人を乗せてタイミングよく窓から飛び出すものの、その勢いで灰原が車から投げ出されてしまう。しかし光彦が彼女の手をつかみ、車外にぶら下げる形で保持する。しかしそのままでは灰原が装飾用の柱にぶつかってしまうところだったが、コナンがとっさに歩美にかぶせていたヘルメットをキック力増強シューズを使って柱にぶつけて破壊し、全員無事に着水に成功する。
ジンとウォッカはシェリーがパーティーに来なかったと判断する。彼らの本来の目的は原の殺害と、原がハッキングした組織のデータの破壊であったためシェリーには拘泥せず、楽しみは後にとっておくとほくそ笑んで去る。
灰原は光彦と元太に礼を述べ、歩美から「コナンの側にいると心臓が高鳴り、その鼓動で時間がわかる」と告げられたコナンに対しては「吉田さんを泣かせたら許さない」と冗談めかして言い、彼らとの絆を確かめるのだった。
● 登場人物
◎ レギュラーキャラクター
○ 江戸川コナンと周辺の人物
本作では、黒の組織の暗躍が絡み、コナンたちも様々な立場で事件に関わっていく。
◇ 江戸川 コナン(えどがわ コナン)
: 声 - 高山みなみ
: 本作の主人公。本来の姿は「東の高校生探偵」として名を馳せている工藤新一だが、黒ずくめの組織に飲まされた毒薬・APTX4869の副作用で小学生の姿になっている。
: ツインタワービルを訪れた黒の組織の動向に不審を抱く。父・優作から自動車の運転を教わっていたことが判明する。
◇ 毛利 蘭(もうり らん)
: 声 - 山崎和佳奈
: 本作のヒロイン。新一の幼なじみかつガールフレンドで、関東大会で優勝するほどの空手の達人。
: ツインタワービル設置のコンピューターマシーンで10年後の姿を予測計算してもらい、姿こそ映っていないものの、小五郎は「若い頃の英理にそっくり」だと評している。ツインタワービルA棟の爆破火災で45階の連絡橋の崩落でコナンと共に取り残されるも、腰に消火栓のホースを巻きつけ、コナンを抱きかかえながら決死のバンジージャンプを敢行して窮地を脱する。
◇ 毛利 小五郎(もうり こごろう)
: 声 - 神谷明
: 蘭の父親で「眠りの小五郎」の異名で有名な私立探偵。コナンの保護者。元警視庁捜査一課強行犯係の刑事。
: ツインタワービル設置のコンピューターマシーンで10年後の姿を予測計算は「10年後の老けた自分の面なんざ、見たくもねえ」と彼のみしていないが、コナンについては「10年後のおめぇのクソ生意気な面を拝んでやる!」と強引に測定させている。
: ツインタワービルのオープンパーティーのゲームで、懸賞品であるフォード・マスタング コンバーチブルを獲得する。なお、小五郎がこのゲーム開始直前の意気込みと当てた時の感想から、彼が自家用車を持たないのは経済的理由であることが明確になった。
◇ 工藤 新一(くどう しんいち)
: 声 - 山口勝平
: コナンの本来の姿で高校生探偵。
: 蘭がツインタワービル爆破火災で追い詰められて決死のダイブを敢行する際に、蘭がコナンに新一の面影を見て彼女の心の支えとなる。それ以外はコナンが変声機を使った蘭との電話の会話である。
◇ 灰原 哀(はいばら あい)
: 声 - 林原めぐみ
: 本作のキーパーソン。本名は宮野志保。元黒の組織の一員かつAPTX4869の開発者で、「シェリー (Sherry)」のコードネームを与えられていた科学者。姉の宮野明美を殺されたために自ら薬を飲み、小学生の姿になって脱走した。コナンの正体を新一と知る数少ない人物の1人。
: ツインタワービル設置のコンピューターマシーンで10年後の姿を予測計算は、元太と光彦にマシーンに乗せられた。
: 孤独の悲しさから姉・宮野明美に電話をして紛らわしていたが、コナンと少年探偵団の支えで乗り切る。
◇ 阿笠 博士(あがさ ひろし)
: 声 - 緒方賢一
: コナンの正体を新一と知る数少ない人物の1人で、発明家。
: ツインタワービル設置のコンピューターマシーンで10年後の姿を予測計算したところ、現在と外見が全く変わっていない結果が出た。
: 犯人の目星がついたコナンにその人物の尾行を頼まれるが、途中ではぐれてしまう。
◇ 吉田 歩美(よしだ あゆみ)、小嶋 元太(こじま げんた)、円谷 光彦(つぶらや みつひこ)
: 声 - 岩居由希子(歩美)、高木渉(元太)、大谷育江(光彦)
: 本作のキーパーソン。少年探偵団の3人。コナンや灰原と共にクライマックスにて重要な役割を担う。
: ツインタワービル設置のコンピューターマシーンで10年後の姿を予測計算したところ、歩美はかなりの美少女になっていたのに対し、元太と光彦は不満だった様子。
: 元太は「米粒一つでも残すと罰が当たる」と母の教えを光彦と灰原に話す。
: 歩美はコナンのことが好きだが、コナンが蘭のことを好きだと見抜いており、その旨を蘭に相談している。同じく光彦は歩美が好きだったが、最近は転校してきた灰原にも魅かれている自分を自覚し、その旨を蘭に相談している。
◇ 鈴木 園子(すずき そのこ)
: 声 - 松井菜桜子
: 蘭の同級生で親友。鈴木財閥の令嬢で、蘭や新一とは幼なじみでもある。
: ツインタワービル設置のコンピューターマシーンで予測計算された10年後の姿に不満を持ち、灰原の様に髪型をウェーブ気味にするが、これが原因でジンに「シェリー(灰原)」と誤認されて、危うく射殺されかけそうになる。
◇ 目暮 十三(めぐれ じゅうぞう)
: 声 - 茶風林
: 警視庁刑事部捜査一課強行犯捜査三係の警部。
: 一連の殺人事件の捜査を担当する。
◇ 白鳥 任三郎(しらとり にんざぶろう)
: 声 - 井上和彦
: 警視庁捜査一課のキャリア組警部。
◇ 高木 渉(たかぎ わたる)
: 声 - 高木渉
: 警視庁捜査一課の刑事で巡査部長。
◇ 千葉刑事(ちばけいじ)
: 声 - 千葉一伸
: 警視庁捜査一課の刑事で巡査部長。
◇ トメさん
: 声 - 中嶋聡彦
: 警視庁鑑識課の鑑識官。「トメさん」と愛称で呼ばれているが、フルネームは作中では不詳。
○ 黒の組織
新一に薬を飲ませて幼児化させた世界規模の犯罪組織。
◇ ジン (Gin)
: 声 - 堀之紀
: 組織の実行部隊のリーダーで射撃にも優れている。
: 宮野明美の留守電から、シェリーがツインタワービルに行くことを突き止め、別のビルからライフルで射殺しようとした。
◇ ウォッカ (Vodka)
: 声 - 立木文彦
: 組織の幹部でジンの腹心。
: ジンとは別の場所でツインタワービルにいるはずのシェリーを捜索する。
◇ 宮野 明美(みやの あけみ)
: 声 - 玉川紗己子
: 元・黒の組織の一員で、故人。灰原の正体である宮野志保の姉で、死ぬ間際にコナンの正体を新一と知らされた。
: 本作では、電話に録音された声とコナンのイメージのみ登場。
◎ オリジナルキャラクター
○ 容疑者
◇ 常盤 美緒(ときわ みお)〈36〉
: 声 - 藤田淑子
: TOKIWAの社長で、ツインタワービルのオーナー。
: 常盤財閥の令嬢。美人で商才もあるが未だ独身。小五郎が在籍していた米花大学のゼミの後輩で、ツインタワービル完成前に彼らを招待した。
: 現在はビルの最上階にあるVIPルームを自宅にしており、胸には自身で購入したという変わった形のブローチを着けている。
: 日本画の師匠である如月峰水とは、如月の絵画を買い占めた挙句に高値で売りさばいたことが発覚して以来、険悪な仲である。
: パーティーでは、高級車のフォード・マスタングコンバーチブルをプレゼントする30秒当てゲームが企画され、小五郎が獲得した。
◇ 大木 岩松(おおき いわまつ)〈55〉
: 声 - 渡部猛
: 市議会議員。ツインタワー建設に大きく貢献した西多摩市の市議。
: 実際には市長よりも権力があり、ツインタワービルを建設するために社長の美緒と専務の原から賄賂を渡され、建築に関する市の条例を強引に改正させた。
: 小五郎のことを「眠りの小五郎」ではなく「居眠り小五郎」と呼び間違えている。この時の彼は昼間からかなり酔っ払っており、コナンは鼻をつまみながらモノローグで「酒臭え」といった。
: 風間からは下品なおっさんと言われている一方で、市の条例を変更してくれたおかげで仕事がもらえたと感謝されていた。この一件から美緒ですら頭が上がらず、最上階のスイートルームにオープン前に泊まらせるよう要求していた。
◇ 沢口 ちなみ(さわぐち ちなみ)〈29〉
: 声 - 久川綾
: TOKIWAの社長秘書。
: コナン一行を出迎えてツインタワービルを案内した。猪年生まれで猪突猛進な性格。それについて原からはからかわれた。
: 完成披露パーティーでは、如月が描いた日本画の操作を担当していた。
: 犯行現場に残されていた猪口から、猪年生まれで苗字に「口」が付き、さらに汚職事件を追及する記者だった父親(故人)の正義感を受け継いでいるとして小五郎から犯人だと指摘される。ツインタワービル爆発事件が発生したことで一旦解放され、炎上するビルからコナンと女性陣の避難誘導に尽力する。
: その後、崩落する連絡橋を園子と女性陣と共に命からがら渡りきり、B棟45階に避難したことから人目を掻い潜ってA棟75階に戻り、コナンと灰原と対峙ことは不可能になったため、真犯人が明らかになる前に容疑者から完全に外れた。
◇ 原 佳明(はら よしあき)〈32〉
: 声 - 橋本晃一
: TOKIWAの専務取締役。
: 優秀なプログラマーとしての顔も持ち、最新ゲームのプログラムを担当している。チョコレート好きで、人前でも平然と摘んでしまうため美緒には子供っぽいと呆れられている。アトラクションを見学していたコナン一行に「自分の10年後の顔を予測して映し出す機械」を披露するが、コナンと灰原の顔だけエラーになってしまい不思議がっていた。
: 大木の殺害の時に、容疑者4名の中で彼のみアリバイがあった。
: 物腰が柔らかく少年探偵団に懐かれており、探偵団を自宅のマンションに誘い、試作中のゲームの感想を聞かせてくれないかと頼んでいたが、探偵団が訪問したときには殺害されていた。
◇ 風間 英彦(かざま ひでひこ)〈41〉
: 声 - 小杉十郎太
: ツインタワービルを設計した建築家。
: 『時計じかけの摩天楼』に登場した建築家・森谷帝二の弟子だが、芸術家タイプの森谷とは違い技術家タイプの建築家。ツインタワービルのどの位置からでも富士山が一望できる設計を望むも、地盤の関係から頓挫してしまった経験がある。自宅にあるCADシステムの画面にはトロピカルランドの観覧車が映っていた。
: 少年探偵団の調査には快く応じており、幼い子供の写真を見せ、親バカだと話していた。コナンから「設計の段階で、大木さん以外とは揉めたのか」と聞かれた際には動揺した表情を見せていた。
: 中盤は男性陣の避難時は先頭を歩き、終盤はコナン達がB棟屋上のプールに避難するため、屋根を開けるように頼まれた時は即座に応対している。
◇ 如月 峰水(きさらぎ ほうすい)〈60〉
: 声 - 永井一郎
: 日本画家。
: 富士山の絵で有名な日本画の巨匠。弟子の美緒との関係は悪く、自分の絵を高値で売りさばいたことに立腹している。
: 3年前に、富士山が一望できるあさひ野の丘を丸ごと購入して家を建てた。事件の調査として訪れた少年探偵団に「子供が警察の真似事なんかするんじゃない」と一喝したが、手ぶらでは帰りづらいだろうと探偵団の似顔絵をプレゼントする優しい一面も見せている。杖を突いているが老人扱いされることを嫌い、エレベーターへの優先的な搭乗を断り男性陣と共に階段で移動している。
: キャラクター原案は原作者の青山剛昌が担当した。また、声優を担当した永井一郎も青山剛昌の推薦である。
○ ツインタワービル
◇ 塚本 元(つかもと はじめ)〈51〉
: 声 - 菅原淳一
: ツインタワービルの保安主任。
: ツインタワービルで爆発事件が発生したことから、風間にパーティー客の避難をさせるよう呼びかけた。
◇ TOKIWA社員
: 声 - 小西克幸、井上隆之
: 美緒にVIP専用エレベーターを無断で使用したことを咎められた二人組の男性社員。
:ジンの愛車であるポルシェ356Aを目撃したと語ってコナンを驚かせた。
◇ 母親
: 声 - 百々麻子
: パーティーに赤ん坊を抱いて参加していた女性。
: コナンを除く少年探偵団が脱出中に65階からエレベーターに乗ろうとするが無理だったため、彼らと入れ替わる形で搭乗する。
: 小五郎はこの赤ん坊に頭を叩かれ、どこまで数えたか忘れてしまうが「こうなったら、誰かと一緒に(旗を挙げよう)…」となり、再び赤ん坊の泣き声に合わせたことでパーティーの景品を獲得できた。
○ 警察関係者
◇ 検視官
: 声 - 一条和矢
: 原佳明殺害事件の検視を担当した老検視官。
:解剖してみないと正確には断定できないとしつつも、目暮警部に検視結果を報告していた。
○ 消防隊
◇ 消防隊長
: 声 - 宇垣秀成
: ツインタワービルで発生した爆発事件の陣頭指揮を執る。
:ヘリポートが炎上して降下できないことから、鎮火させるための消火活動に尽力していた。
○ ドーナツショップ
◇ ドーナツ売り子
: 声 - 赤木美絵
: 蘭と歩美が相談していたドーナツショップの前で、売り子を担当している女性販売員。
:子供連れの客に笑顔で「いらっしゃいませ」と挨拶をしていた。
◎ ゲストキャラクターについて
○ キャスティング
・ 常盤美緒役の藤田淑子は『世紀末の魔術師』で浦思青蘭(ほし せいらん)役だったため、『コナン』の劇場版シリーズの犯人役と被害者役、両方を勤めた。
・ 如月放水役の永井一郎は、後に鈴木園子の伯父・鈴木次郎吉の初代・担当者になり、犯人役から味方役に準レギュラーとして出演した。永井はその後、第14作『天空の難破船』で次郎吉として最初で最後の出演をする。
● スタッフ
・ 原作 - 青山剛昌
・ 監督・絵コンテ - こだま兼嗣
・ 脚本 - 古内一成
・ 演出 - 原田奈奈
・ キャラクターデザイン・総作画監督 - 須藤昌朋
・ デザインワークス - 宍戸久美子
・ 作画監督 - 河村明夫、糸島雅彦
・ アクション作画監督・レイアウトチェッカー - 清水義治
・ メインタイトルCGアニメーション - 西山仁
・ 特殊効果 - 林好美
・ 美術監督 - 渋谷幸弘
・ 色彩設計 - 西香代子
・ 色指定 - 中尾聡子
・ 撮影監督 - 野村隆
・ 編集 - 岡田輝満
・ 音響監督 - 小林克良
・ 音響効果 - 横山正和
・ 音響制作デスク - 加藤知美、山口さやか
・ 音楽 - 大野克夫
・ ストーリーエディター - 飯岡順一
・ アシスタントプロデューサー - 斎藤朋之、西村政行
・ プロデューサー - 諏訪道彦、吉岡昌仁
・ アニメーション制作 - 東京ムービー
・ 製作 - 「名探偵コナン」製作委員会(小学館、読売テレビ放送、ユニバーサルポリドール 、小学館プロダクション、東宝、トムス・エンタテインメント)
・ 配給 - 東宝
● テレビ放送
1
通常拡大枠
2002年4月1日
19:00-21:09
129分
18.1%
同年4月16日に劇場版24作目『緋色の弾丸』が公開されることを記念して放送。
2020年1月に番組が実施した視聴者人気投票にて第3位(総得票数55182票)を獲得した。
5
2023年9月15日
劇場版26作『黒鉄の魚影』の大ヒットを記念して放送。
● 音楽
◎ 主題歌
◇ 倉木麻衣「always」
: 作詞 - 倉木麻衣 / 作曲 - 大野愛果 / 編曲 - Cybersound
: CD版とはエンディングのアレンジが異なっており、フェードアウトではなくなっている(テレビ版のEDにおいても同様)。
: この劇場版主題歌から2023年の最新作まで、全てフルコーラスで流れるようになった。
: 今作では前作までと異なり、挿入歌「キミがいれば」が初めて流されず、コナンがターボエンジン付きスケートボードでB棟60階を飛び越えるシーンはメインテーマが使用されている。
◎ サウンドトラック
○ 収録曲
名探偵コナン メイン・テーマ(天国ヴァージョン)
ドライブ気分
阿笠博士を囲んで
阿笠クイズ
哀が電話を…~ジンのテーマA
ツインタワービルへ
10年後の歩美
パーティー会場へ
雄大な富士山
哀のサスペンス~ジンのテーマB
蘭のお姉さんぶり
捜査会議
容疑者は?
コナン登場~少年探偵団捜査へ
映画BGM
怪しげな部屋
哀のテーマA
第2の殺人事件
現場検証
ジンのテーマC
逆探知
哀のテーマB(ピアノ・ヴァージョン)
黒装束の謎
30秒当てゲーム
ゲームスタート~ピッタリ賞
日本画の紹介
第3の犠牲者
小五郎の推理
爆破計画スタート
出動開始
コナン推理
エレベーターからの脱出
煙が行く手を阻む~ジンのテーマD
蘭の決意~ホースに火が
危機迫る~コナン出動
コナンの直感
男の心情
怒りのメッセージ
コナンの決断
哀の予感~ジンのテーマE
テーブルの下に爆弾~急げ
コナンの賭け
作戦行動~いよいよ発進
ジンのテーマF
哀のテーマC
ほのぼの
エンディング
作戦行動(ロング・ヴァージョン)(Bonus Track)
● 映像ソフト化
・ DVD - 2001年12月21日発売(廉価版・2011年2月25日発売、英語版・2010年1月19日発売)
・ VHS - 2002年4月10日発売
・ BD - 2011年9月23日発売 (廉価版・2018年12月7日発売。)
● 関連本
「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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