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「のび太の結婚前夜」(のびたのけっこんぜんや)は、漫画『ドラえもん』の短編エピソードのひとつ(1981年発表)。本作を原作としてテレビアニメが2つ、アニメ映画が2つ作られている。
● 漫画
1981年7月に『小学六年生』8月号にて発表された。この際のエピソード名は「結婚式の前の夜…」。全10頁。
1982年8月にてんとう虫コミックス第25巻に収録された際に、エピソード名が「のび太の結婚前夜」に変更され、加筆・修正が行われた結果、全12頁の作品となった。
◇ 原画
: 2014年8月に発売された『Fライフ』vol.2(A4判)に、本作の原画全12頁が掲載された。モノクロの作品だが、フルカラー印刷により、原稿用紙の外枠の水色の線や、青鉛筆でのアミ指定が確認できる。
◇ デジタルカラー版
: 2015年5月に北米で発売された電子書籍『Doraemon』 Kindle Edition 81巻に収録された際に、デジタル彩色技術により全頁がフルカラーで着色された(エピソード名は「The Night before Noby's Wedding」)。同年7月に日本で発売された『ドラえもん』デジタルカラー版81巻は同書の日本語版である。
◎ あらすじ
のび太は、しずかと出木杉が空地で手を握り合っているのを目撃し、嫉妬のあまり取り乱し、鼻水を垂らして大声で抗議する。しかし、それは「白雪姫」の劇の稽古だった。
のび太は「このままだと、しずちゃんを出木杉にとられるのではあるまいか」とクヨクヨと悩む。
「そんなに心配なら、タイムマシンで結婚式を見てきたら?」というドラえもんの提案で、2人は結婚式の日へ向かう。結婚式場に着くと、大人ののび太がタキシード姿で駆け込んでくるが、受付の女性から結婚式は明日だと告げられ赤面して帰っていく。ドラえもんもタイムマシンの操作を誤り前日に着いていたのだ。子供ののび太とドラえもんは、せっかくだからと結婚式前日の様子を見ていくことにする。
未来ののび太は自宅マンションに帰宅後、まだ明るいうちから結婚式前夜祭と称する宴会に出かけ、大人のジャイアン、スネ夫、出木杉らと共に大いにビールを飲んで夜中まで機嫌よく過ごす。
その頃、自宅で両親とのお別れパーティーを終えたしずかは、おやすみの挨拶をしに父親の部屋に行くが、沈んだ表情のままで挨拶以外の会話は何もできない。そこでドラえもんが「正直電波」を使うと、しずかは「パパ あたし、およめにいくのやめる」と言い出す。そんなしずかに、父はしずかが生まれて来てからの楽しい日々の思い出を話し、「みちたりた日びの思い出こそ、きみからの最高のおくり物だったんだよ」「のび太くんを選んだきみの判断は正しかったと思うよ」と語る。その様子を見ていた子供ののび太は現代に戻り、しずかに「きっときっと、きみを幸せにしてみせるからね」と大泣きしながら宣言するのだった。
◎ 登場人物
のび太、出木杉、しずか、ドラえもん、未来ののび太、プリンスメロンホテルの受付の女性、未来ののび太の両親、未来の出木杉、未来のスネ夫、未来のジャイアン、未来のしずかとその両親が登場する(登場順)。
● テレビアニメ
漫画を原作としたテレビアニメが2つ作られている。放送日とエピソード名は以下の通り。
◎ 1981年「のび太の結婚式?」
10月16日放送。青年時代のび太は小原乃梨子、青年時代の出木杉は白川澄子が担当している(少年時代と同じ声優)。
◎ 2011年「のび太の結婚前夜」
3月18日放送。
● アニメ映画(1999年)
1999年3月6日に、劇場用アニメ映画『のび太の結婚前夜』として公開された。同時上映の長編作品は『ドラえもん のび太の宇宙漂流記』。第17回ゴールデングロス賞優秀銀賞(同時上映作品とセットで受賞)。26分。
◎ 前日を描いた意図
監督の渡辺歩によると当初は「雪山のロマンス」(てんとう虫コミックス第20巻収録)など、他の作品ともミックスさせる案があったが、30分(完成作品は26分)という時間の中で結婚が決まるまでのプロセスを描くよりも、前日にテーマを絞ってしまおうということになったという。
◎ 原作漫画との相違点
○ 「正直電波」の削除
原作漫画では、ドラえもんの道具「正直電波」が登場し、その効果がきっかけで結婚前夜のしずかとパパが心を通わすことができる(本来しずかは不安なまま結婚前夜を過ごすはずだったが、子供ののび太の見苦しい嫉妬心が結果的に大人のしずかを救うことになったというSF的な面白さを含んだ構造になっている)が、本アニメ作品では削除された。
監督の渡辺は「漫画ではページ数の都合で、先生はひみつ道具を使う道を選ばれたのだと思う」と解釈しており、「嫁ぐ前日に胸がいっぱいでパパにあいさつがなかなかできない、そういう娘の気持ちが“正直電波”を使うことで嘘になる気がした」と語っている。
● アニメ映画(2014年)
2014年に、劇場用3Dアニメ映画『STAND BY ME ドラえもん』(8月8日公開)内のエピソードのひとつとして映画化された。
「のび太の結婚前夜」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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