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『Shall we ダンス?』(シャル ウィ ダンス?)は、1996年の日本のロマンティックコメディドラマ映画。周防正行が監督・脚本を務め、役所広司、草刈民代、原日出子、竹中直人、田口浩正らが出演する。
● 概要
社交ダンス教室を舞台としたハートフルコメディ。日本アカデミー賞独占をはじめ数々の映画賞に輝いた。配給収入は16億円で1996年の日本映画第2位を記録。本作の人気を受け、日本では「時代遅れ」と思われがちであった社交ダンスが見直され新たなブームとなった。
世界19か国で公開され高い評価を得ており、アメリカ合衆国においては200万人を動員、興行収入は約950万米ドルを記録し、当時のアニメ映画を除く米国での日本映画の興行収入記録を作った。アカデミー外国語映画賞のノミネートを有力視する声もあったが、日本映画代表の一本に選ばれなかったため叶わなかった。また日本国内でのテレビ放送がアメリカ合衆国での映画公開前だったため、当時のアカデミー賞のノミネート規定に抵触し、他の部門にエントリーする資格も得られなかった。
なおアメリカ公開版では、アメリカ合衆国における本作の配給を担当したミラマックスが「上映時間が2時間を超える作品はアメリカではヒットしない」と主張し、一時は独自編集版を公開しようと動くほどだった。最終的にミラマックスと周防の話し合いの結果、周防自らの編集により一部シーンがカットされ、上映時間が2時間以内(正確には1時間58分34秒。
2004年にアメリカにて『Shall We Dance?』のタイトルで、リチャード・ギア、ジェニファー・ロペス、スーザン・サランドンらが出演するアメリカ版のリメイク作品が製作されている。
● ストーリー
東京のボタン会社の経理課長である杉山正平(役所広司)は妻の昌子(原日出子)、娘の千景(仲村綾乃)との三人暮らし。真面目な性格で遅くまで飲み歩くこともない。郊外に庭付きの家を買い、仕事にも家庭にも何の不満もないはずだが、心の奥には満ち足りない何かがあった。ある夜正平は、小さなダンス教室の窓辺に佇む女性(草刈民代)を電車の窓から見てその美しさに心を惹かれる。数日後、思い切ってそのダンス教室を訪れ、彼女がここのダンス講師であることを知ると、家族には内緒で社交ダンスを習い始める。
グループレッスンの指導はあこがれていた岸川舞ではなく、ベテランのたま子先生(草村礼子)の担当だったので当てが外れるが、同時に入会した服部(徳井優)や田中(田口浩正)と親しくなり、長年通っている高橋豊子(渡辺えり、当時は渡辺えり子)の押しの強さに圧倒されながらも、優しいたま子先生の指導を受けながら社交ダンスにのめり込んでいく。しかしある夜、舞を食事に誘うと、安易な気持ちでここに来てほしくないと厳しくたしなめられてしまう。
舞は世界大会にも出場した一流のダンサーだったが、今はこの小さなダンス教室の経営者である父(森山周一郎)に言われていやいや講師をしているのだった。
ある日、正平はダンス教室で会社の同僚の青木(竹中直人)と顔をあわせ、お互いに驚く。青木は会社では仕事のできない変わり者として部下にも馬鹿にされているが、誰にも内緒で続けているダンスには人一倍熱心。ただ人づきあいが下手でパートナーに恵まれない。
急に夫の帰宅が遅くなったことを心配した正平の妻は、三輪(柄本明)の探偵事務所を訪れて調査を依頼する。やがて夫がダンス教室に通っていることを知ると、浮気などではなかったことにほっとしながらも驚く。真面目な夫と社交ダンスが妻の心の中では結びつかない。
たま子先生の勧めで正平は豊子とペアを組み、東関東アマチュアスポーツ大会に出場することになり、その指導は舞が行うことになった。豊子に文句を言われながらも熱心に練習を続ける正平の姿に、舞の心の中にもダンスに対する情熱が蘇ってくる。
大会当日、正平は緊張しながらも見事なダンスを披露する。ところが観客席には、探偵の三輪に勧められ、正平には内緒で彼のダンスを見に来ていた妻と娘がいた。娘が思わずかけた声援によって家族が来ていることを知った正平はひどくうろたえる。しかもその直後、他のダンサーとぶつかるアクシデントでよろけた豊子を咄嗟に支えようとして衣装のスカートを踏み、それが破けてしまい、豊子に恥をかかせてしまい、ダンスも中断せざるを得なくなってしまう。
大会後、正平はダンスをやめようと決め、教室にも行かなくなっていた。ある日、正平の家を青木と豊子が訪問し、ダンスを続けてほしいこと、舞が教室を辞めて海外で再び社交ダンスをする決意をしたことを告げ、舞のお別れパーティーに出席してほしいと伝えて、舞からの手紙を正平に渡す。手紙には舞の過去のつらい経験と、正平と出会ってからの心境の変化が優しい言葉でつづられていた。
それでもダンスを再開する気持ちにならず、どこか機嫌の悪い正平はパーティー前夜、ダンスを続けて生き生きと過ごしてほしいと言う妻につい当たってしまうが、娘にかけられた言葉で我に返り、妻に謝罪する。
舞のお別れパーティーが始まった頃、会場に向かう決心がつかない正平はパチンコ店で時間を潰していた。しかし、帰宅するつもりで乗った電車からダンス教室を見上げると、窓には「Shall we ダンス? 杉山さん」というメッセージが貼られている。
パーティーが終わりに近づき、舞のラストダンスの相手を舞自身が選ぶことになったその瞬間、会場にスーツ姿の正平が現れる。舞は笑顔で正平に近づくと、「Shall we dance?」と声をかけるのだった。
● キャスト
◇ 杉山正平
: 演 - 役所広司
:
◇ 岸川舞
: 演 - 草刈民代
:
◇ 青木富夫
: 演 - 竹中直人
: 杉山の会社の同僚で独身。にあこがれている。
:
◇ 高橋豊子
: 演 - 渡辺えり子
: シングルマザーの中年女性ダンサー。大会出場の際、正平に亡夫のタキシードを貸す。
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◇ 三輪徹
: 演 - 柄本明
: 三輪探偵事務所所長。昌子の依頼を受ける。
:
◇ 杉山昌子
: 演 - 原日出子
: 正平の妻。ある時期から杉山の帰りが毎週遅くなることや、休日の夫の服から女物の香水の匂いを感じ、不安になる。
:
◇ 杉山千景
: 演 - 仲村綾乃
: 正平と昌子の娘。中学生。
:
◇ 岸川良
: 演 - 森山周一郎
: 舞の父親。岸川ダンス教室の経営者にして元全日本チャンピオン。
:
◇ 服部藤吉
: 演 - 徳井優
: 正平と同じグループレッスン受講者。妻に誘われダンスを始める。小柄で講釈好き。
:
◇ 田中正浩
: 演 - 田口浩正
: 正平と同じグループレッスン受講者。医者に運動をすすめられ、ダンスを始める。
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◇ 田村たま子
: 演 - 草村礼子
: ダンス教師「たま子先生」。映画『王様と私』を見たことをきっかけにダンスを始めたベテラン。グループレッスンを担当する。
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◇ 川合豊
: 演 - 池村太郎
: ダンス教師。豊子の個人レッスンを担当。
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◇ 服部房子
: 演 - 松阪隆子
: 服部の妻。彼のダンスパートナー。
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◇ 服部秋子
: 演 - 原英美子
: 服部の姪。田中のダンスパートナー。
:
◇ 高橋和歌子
: 演 - 西野まり
: 豊子の娘。大学生。
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◇ 小川鈴音
: 演 - 三澤理恵
: 青木に頼まれて引き受けていたパートナーだったが、すぐに解消する。
:
◇ 倉高健
: 演 - 宮坂ひろし
: 通称:マッチョ。青木のパートナーだったまりかと組む。大会で青木ペアを妨害し失格し、まりかに平手打ちを受ける。
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◇ 北条まりか
: 演 - 河内ゆり
: 青木のパートナーだったが、「踊りが気持ち悪い」という理由を告げてペアを解消し、倉高に乗り換える。
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◇ 金子貞二
: 演 - 井田国彦
: 正平の会社の経理課の部下。
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◇ 本田久子
: 演 - 東城亜美枝
: 正平の会社の経理課の部下。
:
◇ その他の経理課の部下
: 演 - 小形雄二、長沢ひろこ、下村敦子、名越志保、香川真沙紀、伊藤葉子、伊藤清道、藤原豊志、平山真一、峰野勝成
:
◇ 正平の会社の事務員
: 演 - よしきくりん
:
◇ 原口春子
: 演 - 石井トミコ
: ダンスサークルで正平にダンスの相手を申し出る女性。
:
◇ 三好栄子
: 演 - 川村真樹
: ダンスサークルで田口にダンスの相手を申し出る女性。
:
◇ 間宮文子
: 演 - 野間洋子
: ダンスサークルで服部と踊った女性。
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◇ 岸川恵子
: 演 - 香川京子
: 舞の母親。2年前に他界している。
:
◇ 熊田寅吉
: 演 - 上田耕一
: 舞の生徒。豊子曰く「舞目当て」とのこと。
:
◇ 坂本忠
: 演 - 代田勝久
: 舞の生徒。
:
◇ 斎藤慎二
: 演 - 篠田薫
: たま子の生徒。
:
◇ ダンス教室の生徒
: 演 - 大貫花子
:
◇ 階段ですれ違う女
: 演 - 久保田寧子
:
◇ 岡田時彦
: 演 - 田中英和
: 舞の元パートナー。
:
◇ 岸川陽子
: 演 - 田中陽子
: 舞のいとこ。
:
◇ 鈴木奈美
: 演 - 木原みずえ
: ダンス教室アシスタント。
:
◇ 小松亜矢
: 演 - 畠山明子
: 三輪探偵事務所デスク。
:
◇ 平山真一
: 演 - 峰野勝成
: 三輪探偵事務所所員。三輪の助手。
:
◇ 山田
: 演 - 佐藤恒治
: 豊子の配達先の花屋の若旦那。
:
◇ 川内尚子
: 演 - 馬渕英里何
: ダンスショップの女性店員。
:
◇ ダンスショップ女性店員
: 演 - 飯田晃子
:
◇ スーパーマーケット主任
: 演 - 高橋克美
:
◇ 木本弘雅
: 演 - 本木雅弘
: トップクラスのダンサー。かつての舞の元パートナー。
:
◇ 歌姫ナツコ
: 演 - 清水美砂
: ダンスホールの歌手。
:
◇ マンボの鉄
: 演 - 橋本一成
: ダンスホールの参加者。
:
◇ ダンスホールの参加者
: 演 - 宝井誠明
:
◇ ブルースの丈
: 演 - 片岡五郎
: ダンスホールの参加者。
:
◇ ジルバの浜
: 演 - 石山雄大
: ダンスホールの参加者。
:
◇ 杉浦
: 演 - 大杉漣
: ダンスホールのフロアダンスマネージャー。
:
◇ 西鷹
: 演 - 鷹西美佳
: ダンスホールのダンス教師。
:
◇ ホールの客
: 演 - 中川謙二
:
◇ ホールのダンスバンド リーダー
: 演 - パラダイス山元
:
◇ ホールのダンスバンド
: 演 - 東京ラテンムードデラックス
:
◇ ホールのダンスバンド
: 演 - 園田ルリ子
:
◇ ダンス競技会のアナウンサー
: 演 - 竹村孝
:
◇ さよならパーティー司会者
: 演 - 本田博太郎
:
◇ 特別講師・石田プロ
: 演 - 岩田利典
:
◇ 子供時代の舞
: 演 - 菅田貴恵
● スタッフ
・周防正行:監督・脚本・原案
・徳間康快:製作総指揮
・加藤博之、漆戸靖治、大野茂、五十嵐一弘:製作者
・池田哲也:チーフプロデューサー
・桝井省志、小形雄二:プロデューサー
・栢野直樹:撮影
・菊池純一:編集
・周防義和:音楽
・わたりとしお:ダンス演出・振付
・アルタミラピクチャーズ:製作プロダクション
● 主題歌
・大貫妙子「Shall we dance?」(作詞: Oscar Hammerstein II / 作曲: Richard Rodgers / 編曲:周防義和)
・ミュージカル『王様と私』使用楽曲のカバー。1997年5月にリリースされた大貫のシングル「Happy-go-Lucky」のカップリング曲として収録された。
・2020年2月14日から、映画の撮影が行われた角川大映スタジオの最寄り駅である京王電鉄相模原線の京王多摩川駅で、本曲が接近メロディとして採用された。なお、これは京王電鉄と調布市の地域活性化事業「映画のまち調布」とのタイアップによるもので、同日より同じ調布市内にある京王線の布田駅でも、接近メロディに映画主題歌(いつでも夢を)が採用されているの南口前のビル内にあった小劇場で行われた。ただしこの小劇場は、公開からしばらくしてビルごと建て替えのため取り壊され。この時、周防の中では主役以外の周りの役はある程度イメージできたが、肝心の主役候補(杉山正平と岸川舞)は全く思い浮かばなかった。2012年2月、東京地裁は振付の著作権を認めず、原告の請求を退ける判決を下した。
● 参考文献
・ 横森文・永野寿彦 編『Shall we ダンス? 周防正行の世界』(ワイズ出版、1996年) ISBN 4-948735-43-4
・ 周防正行 著、二見文子 訳『Shall we ダンス? シナリオ対訳』(愛育社、1999年) ISBN 4-7500-0042-6
・ 周防正行 著『Shall we ダンス? アメリカを行く』(太田出版、1998年)ISBN 978-4872333756
「Shall we ダンス?」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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