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『ハチ公物語』は、1987年に公開された映画作品。
忠犬ハチ公の生涯を、実話に基づき創作を加えて描いた。
● スタッフ
・ 製作者 - 奥山和由
・ 原作・脚本 - 新藤兼人
・ 監督 - 神山征二郎
・ 音楽 - 林哲司
・ オーケストレーション - 中西俊博
・ 主題歌 - 林哲司「ガラスの観覧車」(作詞 - 売野雅勇)
・ 撮影 - 姫田真佐久
・ 美術 - 西岡善信、藤原和彦
・ 録音 - 紅谷愃一
・ 照明 - 佐藤幸郎
・ 編集 - 近藤光雄
・ 助監督 - 中島俊彦
・ ドッグトレーナー - 宮忠臣
・ 犬担当助監督 - 金佑彦
・ 効果 - 小島良雄
・ MA - にっかつスタジオセンター
・ 現像 - 東京現像所
・ 協力 - 忠犬ハチ公銅像維持会
・ プロデューサー - 鍋島寿夫、進藤淳一
・ 製作協力 - ライトヴィジョン
● 出演
・ 上野秀次郎 - 仲代達矢
・ 上野静子 - 八千草薫
・ 森山積 - 柳葉敏郎
・ 上野千鶴子 - 石野真子
・ 煙草屋の内儀さん - 浦辺粂子
・ 尾形才吉 - 尾美としのり
・ お吉 - 春川ますみ
・ 留さん - 山城新伍
・ 芹沢道郎 - 山本圭
・ 橋本八百蔵 - 殿山泰司
・ 近藤梅蔵 - 加藤嘉
・ 前川 - 井川比佐志
・ 間瀬課長 - 高橋長英
・ 町田巡査 - 石倉三郎
・ 焼鳥屋の客 - 岸部四郎
・ 女中・およし - 片桐はいり
・ 旅館の主人 - 三木のり平
・ 旅館のおかみ - 菅井きん
・ たみ子 - 加藤登紀子
・ 安井小荷物係 - 泉谷しげる
・ 菊さん - 長門裕之
・ 古川駅長 - 田村高廣
・ 樋浦勉
・ 原知佐子
・ 黒田アーサー
・ 野口ふみえ
・ 田山真美子
・ 及川以造
・ 獅子てんや・瀬戸わんや
・ 高崎隆二
・ 中瀬博文
● 製作
◎ 企画
松竹の奥山和由プロデューサーは、1984年の『海燕ジョーの奇跡』で、実質第一作といえるほど満足がいく作品が出来たと自負し、業界人を集めておもてなしを含めた記者会見をやった。その席で「作品の内容と興行というものがやっと両輪が回るようになった」などと少し調子に乗って演説をぶっていたら、記者の一人に「奥山さん、『南極物語』の数字がいくらか知ってるんですか?『海燕』ぐらいの数字じゃヒットプロデューサーとは言えないんじゃないですか?」と言われた。公然の場で赤っ恥をかかされ、腹を立てた奥山は「あの映画の数字が化けた最大の要因は、タロとジロのかわいさ、それと大量の無料テレビスポットです。数年前の『キタキツネ物語』の手法の拡大版ですよ。言ってみれば動物モノのジャンルです」と言い返した。すると記者連中に「この若造、数字をあげてから言えよ」「松竹カラーを無視している」「なぜ外の監督ばかり使うんだ」などと集中砲火を浴びた。これ以降、「ヒットメーカー」という言葉が強迫観念のように襲いかかり、「ならこっちも犬で当ててやる。どうせ犬だろとは言わせないぞ」と、それで犬の題材を探した。ある日、渋谷を歩いていたら、早慶戦の後で、酔っぱらった慶応の学生が忠犬ハチ公像の上にまたがり、警官と揉めていて、警官が「ハチ公の上に乗っかるな!」と怒鳴ったら学生が「ハチ公は国民のものであってあんたのものじゃないぞ!」と言った。それを聞いた途端、「ハチ公だ!国民映画だ!」と閃いた。
◎ 製作決定まで
松竹社内で企画を提出したら、最初は偉い人(奥山融)から「古い」と言われて即却下された。するとフジテレビジョンが東宝と組んで作った『子猫物語』が大当たり。「猫の次はまた犬だろ」と再度企画を出したら今度は「東宝が猫で松竹は犬か!そう言われたら沽券にかかわる。駄目だ」と反対された。再々度「ぬいぐるみなどのキャラクターグッズで、マーチャンダイジングが出来る」と具体的に数字を挙げて説明したら、ある役員が「この間、銀座の女に話したら『古いわよ』と言った」と発言し、これが支持されまたまたまた却下された。これは松竹では何度企画を提出しても無理だろうと判断し、ならば外部作品の形で作ろうと考え、東映で出来ないかと、岡田茂東映社長に話を持ち込んだ。奥山は学生時代は岡田の作る"不良性感度"映画ばかり観ていて、もともと東映入社を希望していて、いつか岡田のもとで仕事がしたいと考えていた。岡田に企画を話すと「面白い。プロデューサーっていうものがどういう人間がなるべきかということを、ワシほど知っとるもんはおらん。承知した」と言われてビックリ仰天。岡田から「東映でやったら松竹も立場がないやろうから。ただ東急がやるということなら、東急は松竹の株主でもあるから文句は言えんわな。その場合お前、ウチに来るんか?」「はい!雇ってもらえるんなら東映に移籍させて下さい!」などのやりとりがあり、「東映でやってもええが、これは順序がある。まず五島昇さんや。五島さんのところへ先に行けや」と、その場で日本百貨店協会会長をやっていた三浦守に電話して「あんたが五島さんに会わせてやってくれ。こいつは面白いから協力してやってくれや。こいつは松竹の人間ではあるから、松竹に一度仁義を通させんとな。松竹がやらんと言ったら東映でやるということを担保に、五島さんに伝えてくれ」と話してくれた。五島は松竹の大株主でもあり、日本商工会議所会頭を務める“財界のドン”。五島と岡田とは兄弟分の間柄。岡田は東急レクリエーション(以下、東急レク)の社長も兼務していた。
翌日三浦に会ったら、これが岡田に勝るとも劣らないヤクザ風で、これが瀬島龍三、永野重雄、五島昇、岡田茂らに繋がる戦中戦後のレジェンドたちかと感心しつつ、五島に会うと五島は当時既に病床に伏していた。薄暗い部屋に連れて行かれ、「企画の説明をした方がいいですか?」と三浦に聞いたら「いや色々お力添えよろしくお願いします」とそれだけでいいと言われた。薄暗い部屋に横たわる五島は迫力満点で、「私には巨万の富がある。その金を全部払って、君の若さをもらえるとしたら私はその交渉に応じる」と言われた。
奥山はどん底に沈む映画産業が自信を取り戻すには、圧倒的な企業グループを参入させる、自分が「次の映画界」の覇権を握るには、その扉を開けられるかが鍵と考えた。ちょうどカルガモ一家の皇居の濠への引っ越しのニュースが流れ、「三井物産の前です」と伝えたことから、東急グループと合わせて三井物産まで映画製作に参加させたら、映画界は変るだろうと考え、再び岡田に頼みに行った。すると「松竹に仁義を切れ。『松竹がやらないならそれは結論ですね』と念を押してこい。八尋さん(八尋俊邦三井物産会長)なら電話一本で頼める間柄や」と言われた。東急グループと三井物産の製作参加を聞いて松竹は「ウチに戻します」と手のひら返しで最後に出資を決定、却下した経緯から松竹の子会社・松竹富士の配給という形で落ち着いた。『ハチ公物語』は異業種が映画ビジネスに算入した初の邦画といわれる。
岡田は1980年4月のスポーツニッポン連載『映画再編成の内幕』で「映画産業はいってみれば独占企業。三井や三菱、トヨタ、日産といえども手出しは出来ない。映画は文化産業としても社会的な責任がある。映画人はスペシャリストとして胸を張って仕事をすべきだ」と話していたが、映連会長として業界トップの立場から、映画門外漢の角川春樹や鹿内春雄らにも映画界への門戸を開放し、本作に於いて、映画産業とは全く関係のない大企業の参入を容認した。
◎ 脚本&撮影
製作費は当初、4億5,000万から5億円が予想されたが。「『ハチ公物語』を成功させる会」は1987年4月7日に銀座東急ホテルで、東急グループ、三井物産、松竹グループの共催で、各映画会社トップも顔を揃え、300人以上が集まり盛大な会となった、『HACHI 約束の犬』の邦題で2009年に公開された。
2023年には中国でリメイクされている。
● 『伝説の秋田犬 ハチ』
『伝説の秋田犬 ハチ』(でんせつのあきたけんハチ)は、2006年1月10日に放送された日本の単発ドラマである。日本テレビ系列の2時間ドラマ枠「ドラマ・コンプレックス」にて放送されたテレビドラマ。新藤兼人自身が『ハチ公物語』のシナリオをテレビドラマ用に大幅に変更している。エンドロールに、協力者として奥山和由・松竹の両者の名前があった。
◎ スタッフ
・ 原作・脚本 - 新藤兼人
・ 監督 - 吉川一義
・ 挿入曲 - DEPAPEPE「きっとまたいつか」
・ 選曲・編曲 - 吉川清之
・ プロデュース - 金田和樹、石坂久美男、里中哲夫、佐藤敦
・ 製作協力 - 近代映画協会
・ 製作著作 - 日本テレビ
◎ 出演
・ 上野静子 - 泉ピン子
・ 上野秀次郎 - 松方弘樹
・ 上野千鶴子 - 乙葉
・ 尾形才吉 - ドロンズ石本
・ お吉 - 水町レイコ
・ 森山績 - 西川忠志
・ 留さん(焼鳥屋) - 山本圭壱(極楽とんぼ)
・ 娘・正子 - 工藤あかり、近内里緒
・ 妻・君枝 - 中島ひろ子
・ 芹沢教授 - 河西健司
・ 菊さん(植木屋) - 徳井優
・ 妻・お好 - 駒塚由衣
・ 八百蔵 - 大門伍朗
・ 妻・お好 - 元井須美子
・ 多やん(おでん屋) - ほんこん
・ 三郎(ホルモン屋) - 蟹江一平
・ 柿田久蔵 - 剛たつひと
・ 柿田の妻 - 曽川留三子
・ 駅長 - うえだ峻
◎ エピソード
2019年3月23日放送の『月曜から夜ふかし』特別版「平成のテレビ問題大清算スペシャル」にて、マツコ・デラックスがもう一度見たいテレビ番組という触れ込みで本作が紹介された。ハチが渋谷駅前で息を引き取るラストシーンに、「ドラマ・コンプレックス」主題歌としてマドンナの『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』収録曲「ハウ・ハイ(How High)」が流れたことを取り上げ、その感動的なシーンと激しい楽曲との違和感から大きな話題を呼んだ。
● 漫画
公開当時に発売された『別冊コロコロコミックスペシャル』第17号にて、さいとうはるおによる本作のコミカライズ読み切りが執筆されている。さいとうはこの作品以降、ハチという名の様々な犬たちを主役にした読み切りを同雑誌に多数執筆している。
その他、あすかあきおによるコミカライズ版も単行本書下ろしで世界文化社より刊行されている。
「ハチ公物語」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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