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『野ゆき山ゆき海べゆき』(のゆきやまゆきうみべゆき)は、日本テレビ放送網/株式会社アート・シアター・ギルド/株式会社バップ提携による、1986年の日本映画。企画・製作協力は株式会社ピー・エス・シー(創立十周年記念作品)。1986年キネマ旬報読者選出ベストテン10位。
題名は原作と同じ佐藤春夫の詩「少年の日」の一節から取られた。
● あらすじ
太平洋戦争で若者たちが出征してゆく時代、瀬戸内の小さな港町では、小学生たちが東西に分かれ、町を舞台に無邪気な「わんぱく戦争」を繰り広げていた。お調子者だが気のいい須藤総太郎は、転校生の姉である美しい”お昌ちゃん”への恋心を募らせて行く。しかし、お昌ちゃんの恋人は、山で切り出した木を川で下流に運ぶ、筏乗りの早見勇太だった。
お昌ちゃんの父親は酒びたりの男で、借金のかたにお昌ちゃんを女郎屋に売る話をまとめてしまった。売られた娘たちが船で町を離れる日、奇想天外な奪還作戦を決行する小学生たち。だが、親に売られた娘たちに帰る家はない。女郎屋に行くしか生きる術がないのだ。
出航する船からお昌ちゃんを救ったのは、恋人の早見勇太だった。軍隊に召集された勇太は、脱走して港に駆けつけたのだ。小船で逃げる勇太とお昌ちゃん。しかし、脱走兵の勇太はライフルで射殺されてしまった。小船ごと炎上し、炎の中に消える勇太とお昌ちゃん。
事件後、怒りや悲しみで、もはや子供でいられなくなった総太郎たちは、戦争に加担する大人たちを懲らしめて、最後の悪い遊びを終えるのだった。
● スタッフ
・監督・編集:大林宣彦
・製作指揮:佐々木史朗・大林恭子
・製作:波田腰晋二・溝口至
・プロデューサー:森岡道夫・横山宗喜・伊藤梅男
・原作:佐藤春夫「わんぱく時代」(偕成社刊/新潮文庫刊より)
・脚本:山田信夫
・協力監督:小倉洋二
・撮影監督:阪本善尚(J・S・C)
・美術デザイン:薩谷和夫
・音響デザイン:林昌平
・照明:高野和夫
・録音:稲村和巳
・美粧:岡野千江子
・結髪:江藤芳照
・衣装:山田実
・衣装監修:宮崎順二
・記録:石田芳子
・動画:島村達雄
・音楽:大林宣彦 挿入歌「少年の日」(佐藤春夫・詩、佐藤方哉・作曲)/「筏流しの歌」(熊野古民謡・詩、大林宣彦・作曲)
・声演:石上三登志
・刺青:栩野幸知
・現像:IMAGICA
・録音所:アバコクリエイティブスタジオ
・特機:大島豊
・宣伝写真:久井田誠
・助監督:吉田多喜男・中村洋二郎・佐藤隆之
・協力:広島県尾道市・福山市鞆町・福山市松永町・御調郡向島町・府中市・和歌山県新宮市・東牟婁郡北山村・海上保安庁
● キャスト
・お昌ちゃん:鷲尾いさ子(第一回主演作品)
・須藤総太郎:林泰文
・大杉栄:片桐順一郎
・尾上瑞枝:正力愛子
・青木中尉:佐藤浩市
・北川先生:竹内力
・早見勇太:尾美としのり
・女衒の清六:佐藤允
・権造:小林稔侍
・参次:栩野幸知
・入道:大前均
・小使さん:大泉滉
・田端軍曹:ガッツ石松
・ボンちゃんの父:坊屋三郎
・大杉の父:峰岸徹
・大山:山本学司
・ボンチャン:西島剛
・チビ:多賀基史
・デブ:高柳崇
・サキ:林優枝
・ハル:柿崎澄子
・ユキ:桂川昌美
・大杉の母:根岸季衣
・須藤の母:入江若葉
・地蔵参りの老婆:浦辺粂子
・遺骨を抱く老婆:原泉
・老漁師:泉谷しげる
・酒屋の親父:柄本明
・サキの父:坂田明
・ハルの母:赤座美代子
・サキの母:吉行和子
・番台のおかみ:中原早苗
・校長先生:宍戸錠
・須藤の父:三浦友和
● 製作
◎ 企画
大林は10代半ばの頃に佐藤春夫原作の『わんぱく時代』を読み、『さびしんぼう』と共に古くから映画の発想はしていた。佐藤は九代続いた医者の息子で六代続いた自分とよく似たものを感じていた。それで14歳の少女にふさわしい新人を探していたら、全日空のポスターに映るエキゾチックな黒い瞳の少女が目に入った。14歳には見えなかったが、せっかくだからお昌ちゃんのセリフを読んでもらったら、"キリリと背筋が伸びた"という言葉を、まさに肉体にしたような。棒読み台詞、過剰なカメラワーク、小道具や黒白の陰影なども鷲尾の存在からの発想だった、映画作りの準備をずっと見た後、クランクイン初日の最初にキャメラが回ったときに、感極まって泣き、「これからワンカットごとに泣いちゃうかもしれない」と言った。「上手な演技で感動してもらうより、明晰な言葉そのものから紡ぎ出される、観客の想像力にこそ、この映画世界を委ねてみたいと考えた。逆接のようだが、映画において、最も不自由なのは、映像が見えてしまうということである。そしてその映像はいつでもより自然さを要求される。ぼくはそれに抵抗することで、この映画の読者のいわば文学的想像力に挑戦してみたのである。それがぼくにとって、佐藤春夫を映画で語るということの、最も魅力的な方法だった。それによってまた、この映画は、より過剰な映画的な映画になったともぼくは信じている」などと大林は解説している。このため撮影の阪本善尚が小津安二郎作品を繰り返し見て研究した。
須藤総太郎を演じる林泰文は勿論、大林の幼少時代の投影である。段々、周りの大人たちが次第におかしくなっていく様を大林の目線で描く」「豪華総天然色普及版」と称し、それぞれモノクロ、カラー版が同時期に東京の二館のみで劇場公開されている。テレビ放送のみで、ソフト化はされていない。
「野ゆき山ゆき海べゆき」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/)
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