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三大怪獣 地球最大の決戦


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『三大怪獣 地球最大の決戦』(さんだいかいじゅう ちきゅうさいだいのけっせん)は、1964年(昭和39年)12月20日に公開された日本映画。「ゴジラシリーズ」の第5作であり、『空の大怪獣 ラドン』と『モスラ対ゴジラ』の直接的な続編にもあたる。製作、配給は東宝。総天然色、東宝スコープ。併映作品は『花のお江戸の無責任』。略称は『地球最大』。 初回興行時の観客動員数は、前作『モスラ対ゴジラ』を上回る432万人となった。

● 概要
『モスラ対ゴジラ』に続く怪獣映画10周年記念作品の第2弾。 ゴジラシリーズ史上、ゴジラが初めて善玉として描かれるなど、以前とは立場を変えることになった作品である。同時に、常に「人類の脅威」であるゴジラを描くという作品姿勢も転機を迎え、以降の作品は怪獣同士の格闘劇が主になっていく。怪獣同士で鳴き声などを通じて明確な意思疎通を行うなど、擬人的な表現も増えていった。 シリーズ最大の悪役(敵役)とされているキングギドラが初登場した作品でもある。タイトルの「三大怪獣」とは、地球の三大怪獣であるゴジラ・ラドン・モスラのことを指しており、宇宙超怪獣であるキングギドラのことは含まない。 一応、防衛隊(自衛隊)は登場するものの、戦車や戦闘機などを使った作戦は実施していない。 怪獣たちの最終決戦の場は前々作『キングコング対ゴジラ』でも採用された富士山麓周辺であり、輸出を意識したロケーションとなっている。このような「富士山を背景にしたクライマックスシーン」は次回作『怪獣大戦争』やさらに後年の『怪獣総進撃』でも見られ、いわゆる「お約束的な場面」を確立した。これについて撮影助手で参加していた川北紘一は、ビル街など建物がある場所よりも怪獣自体のキャラクター性を強調するためであったと推測している。 オリジナル版は1971年開催の「東宝チャンピオンまつり」での再上映に際して短縮版に改変された(詳細は再上映を参照)が、2021年には東京現像所による完全再現作業を経て4Kデジタルリマスター版が制作された。

● ストーリー
異常な温暖異変に見舞われた日本では、1月にもかかわらず猛暑が続き、連夜流星群が地球に飛来するなか、1つの巨大な隕石が黒部峡谷へ落下した。時を同じくして、警視庁の進藤刑事は非公式で日本に極秘来日するセルジナ公国のサルノ王女の護衛を命じられたが、彼女を乗せた特別機は暗殺者の仕掛けた爆弾によって墜落したことでそれは取り下げられる。その後、金星人を名乗って地球の大変動を訴える男装の女性が東京に現れたが、予言を信じる者はいなかった。しかし、男装の女性が再び阿蘇山に姿を現し、ラドンの復活を予言すると、その直後に予言どおり、地殻に溜まった火山ガスの作用によって、阿蘇山の火口からラドンが出現する。 進藤は古道具屋に黄金の腕輪を売ろうとした漁師の証言から、新聞で見た写真の男装の女性が死亡したはずのサルノ王女だと確信し、単独で捜査を開始する。そのころ、テレビ出演のために日本を訪れていた小美人たちは、再び現れた金星人を名乗る男装の女性による「その船に乗ってはいけない」との予言を信じて船に乗ることを避ける。進藤の妹の直子は男装の女性を保護して小美人とともに横浜市内のホテルに宿泊したが、セルジナ公国から来た暗殺団も彼女をサルノ王女と見抜き、日本での潜伏先に選んだホテルを襲撃する。しかし、小美人たちの機転と進藤の活躍により暗殺団の襲撃は失敗する。そこへ、寿山号を太平洋上で襲って横浜港から現れたゴジラが上陸し、再びラドンも現れる。 進藤たちは、サルノ王女の精神疾患を疑い、彼女を富士山麓にある精神医学の権威・塚本博士の研究所へ連れていくが、診察の結果は正常と出た。実は、サルノ王女には金星文明の滅亡を避けて地球へ逃れてきた金星人の血が流れており、それが予知能力を発揮していたのだ。まもなく、5,000年前に金星を滅ぼした宇宙最強の怪獣キングギドラが姿を現すと語ったサルノ王女の言葉通り、黒部峡谷の隕石からキングギドラが誕生する。 日本各地を荒らし回るキングギドラに対抗するため、小美人たちはインファント島から守護神モスラを呼び、モスラは自分と力を合わせてキングギドラと戦うよう、ゴジラとラドンに呼びかける。ゴジラとラドンは「いつも我々をいじめていた人間を助ける義理はない」とモスラを拒絶するが、キングギドラに一方的に攻撃されながらも単身で立ち向かうモスラの姿に心を動かされ、加勢する。こうして三大怪獣の猛攻を受けたキングギドラは、ついに宇宙へ逃げ去る。暗殺団はキングギドラが起こした崖崩れによって全滅し、サルノ王女も自我を取り戻す。 すべてが終わり、サルノ王女は進藤に抱いた淡い想いを明かしつつ、静かにセルジナへの帰国の途に就いた。モスラと小美人たちもインファント島への帰途に就き、人類との争いを回避したゴジラとラドンは、海を渡るその姿を岸壁から見送るのだった。

● 登場キャラクター

◇ ゴジラ : :
◇ ラドン : :
◇ モスラ : :
◇ キングギドラ : :
◇ 小美人 :

● 登場人物

◇ : 警視庁の刑事。年齢は20代後半。ブローニングを愛用する。 : 来日するサルノ王女の護衛を命じられた。王女の乗った航空機は墜落したものの、彼女に酷似した金星人と名乗る謎の女性に着目する。単独捜査の末、金星人が何らかの理由で記憶が混乱しているサルノ王女本人であると知り、やがてキングギドラの脅威と王女暗殺計画に巻き込まれていく。 :
・ 脚本第1稿では、麻薬捜査官という設定であった。 :
◇ : 進藤刑事の妹。東洋放送局員で、ラジオ番組『20世紀の神話』の担当記者。金星人を名乗る女性の噂を聞きつけ、兄とは別の形で彼女にアプローチするが、後に合流してともにキングギドラの脅威に立ち向かう。 :
◇ : 帝都工大の助教授で、黒部峡谷霞沢に落下した隕石の調査隊長を務める科学者。隕石から出現したキングギドラを目の当たりにし、かつて取材を受けた直子と共に金星人を名乗るサルノ王女を追う。進藤からは直子のボーイフレンドだと誤解される。愛車は1964年製のトヨタ・3代目コロナ。 :
◇ : 富士山麓の村に「塚本研究所」を構えている、精神医学の大家。警視庁からの依頼を過去に何度もこなしており、記憶の混乱したサルノ王女の治療を進藤に頼まれる。検査を進めるうち、やがて王女がただの精神疾患ではないことに気づく。 :
◇ サルノ : セルジナ公国の王位継承者である王女。フルネームはマウス・ドゥリナ・サルノ。反対派による政治闘争から逃れるため非公式に来日する予定だったが、サルノ王女の暗殺を企む一派の一員であるマルメスの陰謀によって乗っていた航空機が墜落したため、行方不明となっていた。しかし、謎の声に導かれて生還しており、以後は危機に際して「金星人の本能」に目覚め、金星人の予言者を自称して日本各地で危機を予言する。 : 正体は、5,000年前にキングギドラによって全滅した金星文明から地球に脱出してきた金星人の血を引く末裔の1人。キングギドラの地球襲来に際し、祖先の霊魂はサルノ王女の身体を借りて得た予言能力でキングギドラの脅威を地球人に伝えようとするが、マスメディアを使って大衆に広く呼びかけるといった方法には思い当たらず、ひたすら道端で市井の人々を相手に演説するという、非効率な方法をとらざるを得ない状態を続けていた。 :
・ :
・ 脚本第1稿ではサルノ王女は登場せず、進藤に追い詰められた密輸団の1人が金星人の語り部になるという展開であった。 :
・ 演じる若林は、金星人の役作りには夢遊病者をイメージしており、他人の顔を一人一人見ないことを意識していた。金星人として活動している際の衣裳は、監督の本多が若林の私服姿を見て採用したものであった。 :
・ 塚本の研究所で検査を受けるシーンの撮影では、若林は前日にテレビの撮影で徹夜だったため、撮影中に寝入ってしまった。本多は若林が徹夜明けであることを知っていたため、起こさずにいたという。 :
◇ マルメス : セルジナ公国内の、サルノ王女暗殺を目論む一派のエージェント。王女の乗った特別機を爆破したが、彼女の生存を察知するとボス(安楽椅子の男)の指示に従って来日し、銃器を用いて直接暗殺しようとする。日本で待ち受けていた3人の手下とともに車でサルノ王女を追っている際にキングギドラの起こした落石によって部下を失い、自身も負傷した状態で王女と進藤の抹殺を図るが、再びキングギドラが起こした落石によって死亡する。 :
・ 脚本などでは、「黒眼鏡」としか表記されていない。 :
◇ 安楽椅子の男 : セルジオ公国の権力者で、サルノ王女暗殺を目論む反対派の黒幕。マルメスに王女の暗殺に失敗すれば「死刑」と脅す。 :
◇ 進藤 サト : 進藤兄妹の母。仕事の話ばかりをする直子に少々不満であったが、ボーイフレンドができたと喜ぶ。 :
◇ : 在京の民放ラジオ局である東洋放送報道部の放送開始を控えるドキュメンタリーシリーズ『20世紀の神話』製作班班長。直子の上司。 : 金星人を自称する予言者が現れたという情報を持ち込む。

● 登場メカ

◇ サルノ王女特別機 : 日本へ向かうサルノ王女を乗せた双発の小型レシプロ旅客機。暗殺団により爆弾が仕掛けられ、空中で爆破された。 :
◇ : 横浜港から出航する旅客船。航海中にゴジラに遭遇し、放射能火炎を受けて沈没する。インファント島へ帰る小美人が乗船する予定だったが、金星人の予言によって下船していたため、難を逃れている。 :
◇ メルセデス・ベンツ・W111 : 暗殺団が使用する乗用車。王女暗殺に失敗して富士山麓の山道を逃走する最中に、キングギドラの引力光線によって起きた崖崩れに巻き込まれ、崖の岩に潰される。 :
◇ トヨタクラウンRS46マスターライン : 塚本研究所の車。

● 設定

◇ セルジナ公国 : 南アジアの小国。 : 政治闘争により暗殺団が暗躍しており、国王も殺害されている。 :
◇ 『あの方はどうしているのでしょう?』 : 青空千夜・一夜が司会を務めるテレビ番組。少年の投書により小美人を招いた。 :
・ ファンファーレは、池野成が日高繁明が監督した『手錠をかけろ』用に作曲した劇伴を使用している。 :
◇ 宇宙円盤クラブ(宇宙円盤協会) : 空飛ぶ円盤との交信を試みている団体。団員は20人前後。 : 進藤直子が『20世紀の神話』の取材で集会に訪れるが、円盤は姿を現さなかった。 :
・ 会長の部屋には、『宇宙大戦争』(1959年)のナタール円盤が飾られている。

● キャスト

・ 警視庁 進藤刑事(進藤):夏木陽介
・ 東洋放送 進藤直子:星由里子
・ 帝都工大 村井助教授(村井):小泉博
・ 塚本博士:志村喬
・ 小美人:ザ・ピーナッツ(伊藤エミ、伊藤ユミ)
・ サルノ王女:若林映子
・ 黒眼鏡(暗殺団黒眼鏡、マルメス):伊藤久哉
・ 暗殺団手下1(手下1):黒部進
・ 警視庁 沖田課長:平田昭彦
・ 東洋放送 金巻班長:佐原健二
・ 暗殺団手下2(手下2):伊吹徹
・ 調査隊隊員1:野村浩三
・ 寿山号船長:田島義文
・ サルノ王女 老臣(老臣長):天本英世
・ インファント島長老:小杉義男
・ 自治大臣:高田稔
・ 進藤の母サト(進藤サト):英百合子
・ 小牧記者:加藤春哉
・ 漁師:沢村いき雄
・ 防衛大臣:富田仲次郎
・ 国会議員:石田茂樹
・ 安楽椅子の男:大友伸
・ 新郎:中山豊
・ 帽子拾い屋:大村千吉
・ 円盤クラブ会長(宇宙円盤クラブ会長):松本染升
・ 暗殺団手下3(手下3):鈴木和夫
・ TVの司会者(テレビ司会者):青空千夜、青空一夜
・ 円盤クラブYシャツ:ヘンリー大川(大川平八郎)
・ 国会議員:向井淳一郎、古田俊彦
・ 村の警官:池田生二
・ 火山研究所職員、村の人2:澁谷英男
・ 村の人3:勝本圭一郎
・ 村の人1:広瀬正一
・ ゴジラ:手塚勝巳
・ ホテルマン(ホテルのフロント係、MISUMI HOTEL フロント係):宇野晃司
・ 上野公園の野次馬:井上大助
・ 調査隊隊員2:三浦敏男
・ 新婦:浦山珠実
・ 国務大臣:熊谷卓三
・ 国会議員:津田光男
・ 新聞記者(A社記者):勝部義夫
・ 寿山号船員:坪野鎌之
・ 調査隊隊員4(調査隊隊員5):今井和雄
・ 上野公園の野次馬:門脇三郎、越後憲三、伊原徳
・ 調査隊隊員3:古谷敏
・ 調査隊隊員5(調査隊隊員4):黒木順
・ 電力会社社員:岡豊
・ ゴジラ:中島春雄
・ 宇宙円盤クラブ会員:宇畄木耕嗣
・ 坂本晴哉
・ TVの男の子(テレビの少年):中島孝平、鏑木滝義

◎ キャスト(ノンクレジット)

・ 阿蘇山の観光客(観光客):加藤茂雄
・ 円盤クラブの女性会員:内山みどり、記平佳枝
・ 円盤クラブ会員、代議士:大西康雄
・ 塚本研究所の年配の助手(塚本博士の助手):小沢憬子
・ サルノ王女の侍女(侍女):川口節子
・ 喫茶店のボーイ(純喫茶ローハイムのボーイ):久野征四郎、中西英介
・ 塚本研究所の助手(塚本博士の助手):砂川繁視、吉頂寺晃、岡部正
・ 上野公園の野次馬:高野文子、成田孝、緒方燐作、鈴川二郎、榊田敬二
・ ラジオ番組『20世紀の神話』製作班員(番組製作班員):谷和子、大塚秀男、伊藤実
・ サルノ王女の随行員(随行員):日方一夫
・ 総理大臣:山田圭介
・ 寿山号船員(船員):吉田静司
・ 寿山号の作業員:庄司一郎
・ 新聞記者:天海竜太郎
・ 国会のテレビカメラマン:荒木保夫
・ 村の警官:小松英三郎

● スタッフ
参照

◎ 本編

・ 製作:田中友幸
・ 脚本:関沢新一
・ 音楽:伊福部昭
・ 撮影:小泉一
・ 美術:北猛夫
・ 録音:矢野口文雄
・ 照明:小島正七
・ 編集:藤井良平
・ チーフ助監督:佐野健
・ 製作担当者:中村茂
・ 監督助手:橋本幸治
・ 整音:下永尚
・ 音響効果:知久長
・ スチール:田中一清
・ 現像:東京現像所
・ 監督:本多猪四郎

◎ 特殊技術

・ 特技監督:円谷英二
・ 撮影:有川貞昌、富岡素敬
・ 美術:渡辺明
・ 照明:岸田九一郎
・ 火薬:山本久蔵
・ 造形チーフ:利光貞三
・ 操演:中代文雄
・ チーフ助監督:中野昭慶
・ 撮影助手:川北紘一
・ 製作担当者:小池忠司

◎ 特殊視覚効果

・ 合成:向山宏
・ 光学撮影:真野田幸雄、徳政義行
・ 光学作画:飯塚定雄

● 挿入歌

◇ 「幸せを呼ぼう」 : 作詞:岩谷時子 / 作曲:宮川泰 / 歌:ザ・ピーナッツ

● 製作
本作品は、1964年12月公開予定だった『赤ひげ』(黒澤明監督)の撮影が長引いたため、正月興行用に急遽制作された作品である。ゴジラ映画で正月興行はシリーズ初のことだった。このような経緯から、1964年(昭和39年)はゴジラ映画が2本制作された初の年となった。同年の『宇宙大怪獣ドゴラ』も含め、東宝で怪獣映画が1年に3本制作されたのも初である。 切迫した製作期間であったが、本編・特撮とも短いシーンにも専用のセットを設けるなど、急ごしらえを感じさせない豪華な仕様となっている。小美人関連の小道具など、前作の1つ『モスラ対ゴジラ』から流用しているものも多い。モスラの幼虫も、造形物は『モスラ対ゴジラ』からの流用だが、目の光が青から赤に変わっている。 三大怪獣の話し合いについて、脚本では「悪を倒す会議」と表現しており、撮影の有川貞昌は国際会議が多かった当時の世相を反映したものと解釈している。怪獣の擬人表現について、『キングコング対ゴジラ』のころは抵抗のあるスタッフも多かったが、本作品のころには慣れていたという。 本作品のストーリーは『ローマの休日』から強く影響を受けている。サルノ王女役の若林映子はラストシーンについて、監督の本多猪四郎から「『ローマの休日』を意識してやってごらん」と言われ、「私もヘップバーンが大好きで、このときは頭の中でイメージして演じていました」と述べている。主演の夏木陽介も、脚本を読んで『ローマの休日』のようだと感じたという。 小泉博、星由里子、小杉義男など前作と似た役どころでの続投となった俳優が多い。当初、暗殺団首領役には土屋嘉男が予定されており、自ら衣裳のサングラスを捜し歩くなどしていたが、出演していた『赤ひげ』の撮影が終わらず、伊藤久哉が演じることとなった。 阿蘇山で掛け合いを見せる中山豊、大村千吉、加藤茂雄の3人は、本多の監督作『東京の人さようなら』でも共演しており、加藤は同作品の3人が揃っているから本多が何か面白いことをやろうと考えたのだろうと述べている。 キングギドラが逃走し、ゴジラとラドンがモスラを見送るというラストシーンは、シリーズの継続を示唆したものであった。 本作品と並行して円谷が設立した円谷プロダクションの特撮テレビドラマ『ウルトラQ』の制作も始まっており、本作品の撮影現場に円谷プロのスタッフが訪れて円谷と打ち合わせを行うことがしばしばあった。有川によれば、当時の映画スタッフはテレビ業界を下に見ていたために彼らを邪魔に感じていたといい、円谷がテレビ屋になったと陰口を叩かれたり、スタッフを引き抜かれたりするなどしていたため、テレビ業界には良い印象を持っていなかったと述懐している。

◎ 特撮
本作品の特撮では、キングギドラの操演と合成が大きな見どころとなっている。 キングギドラの操演には工夫が要された(詳細はキングギドラ (昭和ゴジラシリーズ)『三大怪獣 地球最大の決戦』を参照)うえ、終盤の三大怪獣との戦闘シーンでは1つの画面に納まりきれなかった。ラドンの上にモスラが乗ったり、ゴジラの尾先をモスラがくわえて移動したりするのは、1体ずつ距離を置いて撮るのが難しかったためであるという。 キングギドラの光線は、ポスターでは当初は「直線的な光線にしたい」との円谷英二の要望で炎の光線だったが、映像ではキングギドラが光線を吐いて向こうの方で爆発している画の角度が合わず、歪ませて合わせるしかないことから、そのことで円谷と何度もやりあって「俺が考えたのが雷状の光線」だと、合成担当の飯塚定雄は述べている。一方、光線の打ち合いではストーリーが単純化して合成も大変になるとの判断から、円谷はゴジラに放射能火炎を吐かせることをやめ、プロレス技や岩を投げるなどの戦い方を描写した。 東京タワーと当時完成して3年目の横浜マリンタワーが、キングギドラの引力光線で倒壊するカットがある。東京タワーのミニチュアは、第1展望台から下のみが制作された。マリンタワーの撮影では、周辺の元町地区を精密に再現した広大なミニチュアセットも制作されていたが、全体を映す俯瞰シーンはカットされ、1986年に発売されたビデオ『東宝特撮未使用フィルム大全集』で初公開された。

● 再上映

◇ 「東宝チャンピオンまつり」(1971年12月12日公開) : 『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 地球最大の決戦』と改題されている。チャンピオンまつりでは、再編集にあたり同年春の『怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ』まではオリジナルネガに直接手を加えていたが、本作品以降は複製フィルムが用いられたとされる。上映時間は73分。観客動員数は109万人。 : 同時上映は『帰ってきたウルトラマン 竜巻怪獣の恐怖』・『いなかっぺ大将』・『みなしごハッチ』・『マッチ売りの少女』(人形アニメ)の4本。 : 1992年に発売されたLD-BOX『ゴジラ激闘外伝』への収録を経て、2014年に発売された本作品のBDに特典映像として収録された後、2018年5月1日に発売されたムック『ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX VOL.48』(講談社)にDVD版がポスターやパンフレットなどの復刻版と共に同梱された。 :
・ 2023年公開の『ゴジラ-1.0』を監督した山崎貴が同年9月29日に登壇した「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」第2回にて明かしたところによれば、小学3年時に銭湯に貼ってあった本作品のポスターを見て父に「もう他に映画を観せてくれなくていいからこれだけは連れてってくれ」と懇願し、連れていってもらえて嬉しかったが、それ以降は「約束だから」と一切連れて行ってもらえなくなった結果、級友たちが観た『ジョーズ』も『タワーリング・インフェルノ』も観られなかったことから、自身にとっては因縁の作品であるという。
◇ 「ゴジラ映画大全集」(1979年夏興行) : 東宝が全国5劇場で行ったリバイバル特集の番組の1つとして、8月5日に上映された。
◇ 「復活フェスティバル ゴジラ1983」(1983年7月21日公開) : 20歳前後の世代を中心にこの数年前より起きていたゴジラのリバイバルブームに応じ、全国主要都市で行われたゴジラシリーズをはじめ東宝特撮作品の人気作10本をセレクトした特集上映の1本として、オリジナル公開版がニュープリント上映された。

● 海外公開版
アメリカ合衆国ではウォルター・リード・スターリングが配給権を取得し、同社のグループ企業であるセンチネンタルの配給により、1965年9月29日に公開。『Ghidorah, the Three-Headed Monster』とキングギドラをうたう題名となっている。上映時間は85分。追加撮影などの大きな改変はないが、一部カットと編集の変更と吹き替えのみである。アメリカ側で再編集され、ゴジラが太平洋に出現した際、ラドンが上空へ飛来したことになっており、その直後にキングギドラが隕石から出現している。音楽も「小美人の歌」は劇伴に差し替えられている。なお、サルノ王女を支配する意識は3,000年前の火星人となっており、キングギドラが滅ぼした文明については、5,000年前の金星ではなく3,000年前の火星に変更されている。公開から5日間で20万ドル以上の利益を上げ、最終的には130万ドルの利益を得たとセンチネンタルの関係者が『バラエティ』で語った。吹き替えの演出はジョセフ・ベルッチが担当。

● 映像ソフト化

・ 8mmフィルム
 ・ 『宇宙怪獣キングギドラ』として抜粋映像を編集したものが1972年ごろに東宝から発売された。解説音声の入ったソノシート、絵本をセットにしたもの。
・ ビデオソフト
 ・ 1980年代前半に発売。品番 TG0653、カラー、左右トリミング版、88分短縮版、冒頭の円盤クラブのシーンなどを中心にカットされたもので再上映版とは別編集。
 ・ 1980年代後半に再発売。品番 TG4291、カラー、シネスコ版、93分全長版。
・ LD 品番 TLL2013、TLL2230
・ DVD
 ・ 単品版(2001年12月21日発売)
  ・ 『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』の公開に合わせて発売された。上記の「宇宙怪獣キングギドラ」が特典収録されている。劇場用予告編はオリジナルが現存していないと当時は思われていたため、再上映版の予告編が収録されている。
  ・ 字幕表示については、差別用語の部分を使わないよう配慮されている。中山豊演じる新郎がサルノ王女のことを「あんなキチガイの」と酷評する台詞が「あんな女の」に変更されているほか、大村千吉演じる帽子拾い屋が「キチガイめ!」と叫ぶシーンでは「キチガイめ!」の字幕のみが消去され、田島義文演じる船長の「すぐそのキチガイ…」という台詞が「すぐそいつ」に変更されている。後年、BS2で放映された際には、該当箇所の音声は消去されていた。
 ・ 「GODZILLA FINAL BOX」(2005年4月22日発売)
 ・ 「ゴジラ DVDコレクションII」(2008年2月22日発売)
  ・ トールケース版での発売の際に同梱された。
 ・ 2014年5月14日、60周年記念版発売。
 ・ 2016年6月15日、東宝DVD名作セレクション版発売。
・ BD(2010年3月19日発売) 上記のほか、2021年の4Kデジタルリマスター化の際には東宝のフィルムセンターから発見された当時の予告フィルムからの復元作業を経て、本編と劇場用予告編が共に完全再現されている。

● 漫画

・ 月刊誌『少年ブック』(集英社)の1965年1号に、石川球太によって漫画化された。

● 関連作品

◇ ゴジラシリーズ :
◇ 『モスラ対ゴジラ』(1964年) :: 横浜のシーンで、この作品に登場した「ハッピー興行社」の看板が見られる。 :
◇ 『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(1972年) :: 劇中で本作品の映像(ゴジラとキングギドラの戦闘シーン)が使われている。 :
◇ 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年) :: モンスター・ヴァースの1作。主要な登場怪獣は本作品と同一である。
◇ 『さよならジュピター』(1984年) : 劇中で本作品の映像(タイトルおよびゴジラとキングギドラの戦闘シーン)が使われている。
◇ 『幻魔大戦』 : 冒頭シーンが本作品の模倣とされる。
◇ 聖飢魔II : デビュー以前より黒ミサの出囃子として本作品のメインテーマが使用されている。

「三大怪獣 地球最大の決戦」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/
2024年4月19日21時(日本時間)現在での最新版を取得

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