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スピノサウルス


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スピノサウルス(学名:Spinosaurus)は、白亜紀後期セノマニアン~チューロニアンのアフリカ大陸に生息していたスピノサウルス科の恐竜の属。2022年時点での推定最大全長は約14メートル、推定最大体重は約7.4トンであるが、化石が不完全なためこの推定値も確かなものではない。 ワニに類似する細長い吻部や、表面に縦皺の走る円錐形の歯、頭頂部の小型の鶏冠、高さ2メートル近くに達する椎骨の神経棘が特徴に挙げられる。細長い吻部は水の抵抗の軽減、円錐形の歯は魚食性への適応と見られ、主に魚を食べていたと考えられている。 ドイツの博物館に保管されていたスピノサウルスの標本が第二次世界大戦期の空襲により失われており、全身像の復元に関して多くの説が議論されている。2014年には完全に水棲の恐竜としての新復元が発表されたが、化石の分類の妥当性やキメラ標本の疑いなど議論を呼び。2020年には S. aegyptiacus の尾椎が発表され、長さ60センチメートルにおよぶ神経棘が確認されたことから、上下に高い尾を持つ新復元が登場した。

● 発見と命名


◎ 種の命名
スピノサウルスは2種が命名されている。スピノサウルス・エジプティアクス(Spinosaurus aegyptiacus、「エジプトの棘トカゲ」の意)とスピノサウルス・マロッカヌス(Spinosaurus maroccanus、「モロッコの棘トカゲ」の意)である。シュトローマーはこれらの標本は別種に分類するのに十分な差異があると考えた。スピノサウルスBは後にカルカロドントサウルスやシギルマッササウルスに再分類された。 S. maroccanus は、当初1996年にデイル・ラッセルにより頸椎の長さに基づいて新種として記載された、大半の研究者は S. maroccanus を疑問名あるいは S. aegyptiacus のジュニアシノニムとして扱っている。 :しかし、詳細な絵と写真は現存している。1995年にシュトローマーの息子が父のアーカイブを同館に寄贈し、2000年にはスミスらが写真に基づくホロタイプ標本の研究を行った。Taquet と Russell により1998年に記載されている。幅13.4 - 13.6センチメートルで、長さは記載されていない。
◇FSAC-KK 11888 :ケムケム単層から収集された亜成体の部分的な骨格。化石コレクターにより発掘されていたが、S. aegyptiacusのホロタイプに代わる標本を発見すべくシュトローマーの足取りを追っていたがコレクターの存在を知り、2013年にコレクターの居場所と産地を突き止めて層準などの情報が明らかになった。
・ Buffetaut (1989, 1992) では、ドイツのゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンの博物館の3つの標本が言及された。それぞれ上顎骨の断片(IMGP 969-1)、顎の断片(IMGP 969-2)、歯(IMGP 969-3)である。これらは1971年にモロッコ南東部の上部アルビアン階あるいは下部セノマニアン階で発見された。
・Benton et al. (2000) では、チュニジアのChenini累層から産出した歯がスピノサウルスのものとされた。この歯は狭く、断面がある程度の丸みを帯びていて、獣脚類や基盤的主竜類に特徴的な鋸歯が前側と後側に存在しなかった。
・ Brusatte and Sereno (2007) では、ニジェールのEchkar累層から産出した歯がスピノサウルスに割り当てられた。
・ Hasegawa et al. (2010) によると、化石展で購入された長さ8センチメートルの部分的な歯は、モロッコのケムケム単層から産出した S. maroccanus のものとされた。幅1 - 5ミリメートルの縦筋と、その間に不規則な稜が見られた。
○ 可能性のある標本
スピノサウルスに属する可能性のある標本がケニアから報告されている。 シギルマッササウルスをスピノサウルスのジュニアシノニムと考える研究者もいる。イブラヒムらは2014年にシギルマッササウルスの標本を S. aegyptiacus に再分類し、またスピノサウルスBをネオタイプとした。これは他の論文の結論に従い、S. maroccanus を疑問名と考えたためである。この結論は2018年にアーデンらが支持した。アーデンらはシギルマッササウルスを独立した属としつつ、スピノサウルスに非常に近縁な属として扱い、2属を合わせたスピノサウルス族を提唱した。

● 特徴


◎ 大きさ
1926年にフリードリヒ・フォン・ヒューネ、1982年には、彼らの研究においてスピノサウルスを最大の獣脚類として扱い、全長15メートル、体重6トンとした。1988年には、グレゴリー・ポールも全長15メートルと最大の獣脚類として挙げたが、体重は4トンと推定している。 2007年に François Therrien とドナルド・ヘンダーソンは、頭骨長に基づいてスピノサウルスの以前の推定値を変更し、全長を下方修正、体重を上方修正した。ダル・サッソらの推定頭骨長は、スピノサウルス科の種ごとに頭骨の形状が大きく異なることと、MSNM V4047 がスピノサウルス属でない可能性があることから、疑問視されている。 胴椎からは非常に高い神経棘が伸びており、生体では皮膚に覆われた帆を形作っていたと思われる。神経棘の長さは根元である椎体の直径の10倍を超えていた。神経棘は基部の前後方向の長さが上部に比べてやや長い。これはエダフォサウルスやディメトロドンに見られる細い棒状の神経棘や、オウラノサウルスのより厚い神経棘と対照的である。

● 分類
スピノサウルスの属するスピノサウルス科はバリオニクス亜科とスピノサウルス亜科の二つに大別される。バリオニクス亜科にはバリオニクス(イングランド南部)とスコミムス(ニジェール)、スピノサウルス亜科にはスピノサウルスやシギルマッササウルスおよびオキサライア、シアモサウルス、イクチオヴェナトル、イリタトル、アンガトラマ(おそらくイリタトルのシノニム)が分類されている。 アーデンらによる2018年のスピノサウルス科の研究では、Irritator challengeri あるいは Oxalaia quilombensis よりも S. aegyptiacus に近縁な全てのスピノサウルス科として定義された分類群であるスピノサウルス族が命名された。 {{clade  style=font-size:85%
◇ line-height:85%  label1=スピノサウルス科  1= }} 以下のクラドグラムは Arden et al. (2018)に基づく。しかし、Bailey (1997) では帆は放熱する以上に吸熱する可能性があるとの見解が述べられている。Gimsaらは、より基盤的で後肢の長いスピノサウルス科の帆が丸みを帯びているか三日月形である一方、スピノサウルスの神経棘がバショウカジキなどの背鰭に似たやや長方形に近い形状をなしていると指摘した。彼らはスピノサウルスがバショウカジキなどと同様の方法で帆を用い、長い細い尾は現生のオナガザメのように獲物を打ち付けるような役割を担ったと主張した。やがて1996年にモロッコにおいて頭骨の化石が発見されると、現生のガビアルにも類似する顎の形状からカルノサウルス類に準拠していた頭部の復元は改められ、バリオニクスと近縁の魚食であったとする説に変遷した。 他のスピノサウルス科恐竜を含む動物相から知られている魚類にはマウソニアなどがいる。スピノサウルス科の食性の直接的な証拠はヨーロッパや南アメリカの分類群から得られている。バリオニクスは腹部から魚類の鱗とイグアノドンの幼体の骨が発見されており、スピノサウルス科の歯が刺さった翼竜化石も南アメリカで発見されている。スピノサウルスの食性は魚食に偏っていたものの、現生のハイイログマのようにジェネラリストでかつ日和見的な捕食動物で、小型 - 中型の動物や死肉も食べていた可能性が高い。また、同じ地域に生息していたオウラノサウルスを捕食していた可能性もある。 2009年、ダル・サッソらはMSNM V4047 吻部のX線CTの結果を発表した。外側の孔は全て吻部の内部で空洞と連結しており、水面に吻部先端を浸して遊泳する獲物を視界に入れることなく探知する機械受容器であったと推測された。2013年のアンドリュー・R・カフとエミリー・J・レイフィールドによる研究では、スピノサウルスが無条件に魚食であったわけではなく、食性はそれぞれの個体の体サイズに合わせていたことが、生物機構的なデータで示されていると結論付けられた。スピノサウルス顎は垂直方向に曲がらないようになっているが、横方向の耐性はバリオニクスや現生のワニに比べて劣っていた。そのため、スピノサウルスは陸上動物の捕食動物でもあったが、それよりも魚類をよく捕食していたことが示唆される。 スピノサウルスの魚食性を示す化石として、巨大なエイの仲間であるオンコプリスティスの化石が挙げられる。スピノサウルスの歯とオンコプリスティスの歯は共産することがあり、またオンコプリスティスの骨格の一部がスピノサウルスの歯槽から発見されたことから、両者が捕食-被食関係にあったことが示唆されている。ただしデイヴィッド・E・ファストヴスキーとデイヴィッド・B・ウェイシャンペルはこの解釈に対して批判的であり、埋没前の遺骸が流水の作用で流されて歯槽の窪みに引っ掛かった結果と考えている。 しかし、2018年のドナルド・ヘンダーソンによる研究では、スピノサウルスは半水棲とされた。ヘンダーソンはワニの肺の浮力を研究し、肺の位置をスピノサウルスのものと比較した。この結果、スピノサウルスは水中への潜航や沈降が不可能であったことが示唆された。また、他の非水棲獣脚類と同様に、頭部全体を水面上に浮かせていることが分かった。さらにコンピュータシミュレーションによると、頭が重くスリムな体型をしていたため、後肢を漕がなければ横倒しになってしまうこと判明した。そこでヘンダーソンは、スピノサウルスは既存の説のように完全に水に浸かって狩りをしていたわけではなく、大半の時間を陸上や浅い水中で過ごしていたのではないかと考えた。 2022年、ポール・セレノらはS. aegyptiacusの化石を元に骨格モデルを作成し、さらに骨格内部の空気と筋肉を加えて可動式の肉質モデルを作成し、スピノサウルスの行動を検証する研究を発表した。その結果、スピノサウルスは陸上を二足歩行しており、深い水深では浮力が大きすぎて潜水が出来ず、また表層での遊泳も不安定で1m/s以下の速度であることが判明した。現生の爬虫類の帆が水中での推進ではなくディスプレイに用いられていること、および二次的に水棲適応を遂げた動物の多くは四肢が小型化して肉厚の尾鰭を持つことが指摘されており、スピノサウルスは沿岸や川辺を往来する半水棲の二足歩行動物として扱われている。。1970年代半ばから、スピノサウルスは少なくとも一時的に四足歩行を行っていたと考えられるようになり。Bailey (1997)では、スピノサウルスの神経棘がコブを支持していた場合に、その重量ゆえにスピノサウルスは四足歩行が可能であると考えられ。スピノサウルスが典型的な四足歩行をしていたという仮説はその後支持されなくなったが、生物学的・生理学的な制約から、スピノサウルス科は四足歩行の姿勢でしゃがんでいたのではないかと考えられた。 スピノサウルスの四足歩行の可能性は、2014年にイブラヒムらにより新たな標本が記載された際に復活した。記載された後肢は従来考えられていたよりも遥かに短く、典型的な二足歩行の獣脚類では臀部に重心が位置する一方、新復元のスピノサウルスでは重心は体幹の中心部に置かれた。このためスピノサウルスは二足歩行での移動への適応が乏しく、陸上では無条件的に四足歩行をしていたと提唱された。なお、この研究で使用された復元は、異なるサイズの個体を正しい比率と思われる大きさにスケーリングして外挿してある
  ジョン・ハッチンソン    異なる動物の化石を集めて1個体のキメラを作っても信憑性が低く、注意が必要である。   
  Serjoscha W. Evers    シギルマッササウルスはスピノサウルスと別属である。イブラヒムらによりスピノサウルスに割り当てられた標本はスピノサウルスあるいはシギルマッササウルスのいずれかに割り当てられるべきである。    。

● 古環境
スピノサウルスは現在の北アフリカの大部分に生息していたが、その環境は部分的にしか明らかにされていない。スピノサウルスの化石が保存されている年代は約1億1200万年前から9350万年前であるが、カンパニアン階の堆積物から可能性のある標本も発見されている。1996年の研究では、モロッコの化石から、スピノサウルスとカルカロドントサウルスおよびデルタドロメウスが後期白亜紀(セノマニアン)に北アフリカに生息していたとされている。エジプトのバハリヤ層に生息していたスピノサウルスは、干潟などの海岸線の環境に適応し、マングローブ林に生息していた可能性がある。同時期に生息していた動物には、同様に大型獣脚類であるとカルカロドントサウルス、ティタノサウルス類の竜脚類であるパラリティタンとアエギプトサウルス、ワニ形上目、硬骨魚類と軟骨魚類、カメ、トカゲ、首長竜がいる。乾季には翼竜を捕食していた可能性もある。

● 日本における展示
2006年からスピノサウルスの全身骨格の復元模型の製作プロジェクトが日本で始動した。長谷川善和の監修の下。神奈川県の製作所で製造されたこの模型は。 2013年の新標本や2014年の水棲説強化をふまえた新復元の全身骨格は2016年に開催された『恐竜博2016』にて公開された。また同復元の全身骨格は2023年より北九州市立いのちのたび博物館で常設展示されている。 2018年3月には、長さ1.3メートルにおよぶ、全体の約7割が実物で構成されたモロッコ産頭骨化石が化石収集家の十津守宏により成城学園(東京)に寄贈された。1個体のみの骨から構成される標本としては保存度が高く、骨の破損や変形も少ないため、カーネギー自然史博物館のマット・ラマンナによると世界で最も完全な標本である可能性もある。その貴重性を鑑み、研究資料として役立てるため、実骨は当時日本で唯一スピノサウルス科の歯化石が産出していた群馬県の群馬県立自然史博物館に貸し出されることとなった。

● 人間との関わり


◎ 映像作品
スピノサウルスは2001年に映画『ジュラシック・パークIII』に登場し、ティラノサウルスと交代してメインの脅威に就いた。映画のコンサルタントを担当した古生物学者ジャック・ホーナーは、獰猛さを全長に基づいて判断するとスピノサウルスに匹敵する生物はこの地球上に存在せず、またティラノサウルスは真の捕食動物ではなく腐肉食動物であったと考えている、という旨のコメントを発した。映画ではスピノサウルスはティラノサウルスよりも大型かつ強力な存在として描写され、2頭の大型獣脚類の戦闘シーンではティラノサウルスの首を折ってスピノサウルスが勝利している。シリーズ第4作『ジュラシック・ワールド』では、映画終盤でスピノサウルスの骨格を破壊してティラノサウルスが姿を現わすシーンがあり、前作の戦闘を踏まえた演出になっている。 2006年のアニメ映画『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』でも、『ジュラシック・パークIII』と同様にシュトローマーの論文に基づいて復元されたスピノサウルスが登場した。2011年のBBCのテレビシリーズ『プラネット・ダイナソー』でも、二足歩行の復元で、体重11トンに達する地上最大の動物食性動物として描かれた。この番組ではオンコプリスティスを捕食するシーンが描かれた。

「スピノサウルス」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/
2024年5月8日11時(日本時間)現在での最新版を取得

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