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ウィー・プー


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『ウィー・トーマス』(、原タイトルの意味は『イニシュモアの中尉』)はアイルランド系イギリス人の劇作家マーティン・マクドナーによる戯曲で、アイルランドのアラン諸島にあるイニシュモア島を舞台とするブラックコメディである。2001年にストラトフォード=アポン=エイヴォンにてロイヤル・シェイクスピア・カンパニーにより初演された。日本語タイトルは作中に登場するネコの名前である。1996年の『イニシュマン島のビリー』及び未上演の『イニシェリン島の精霊』(The Banshees of Inisheer)とあわせてマクドナーのアラン諸島三部作を構成する。

● 登場人物

・パドレイク…20~25歳くらいの男性、メインキャスト。アイルランド民族解放軍 (INLA) の中尉である。
・デイヴィ…17歳の少年、メインキャスト。
・ドニー…45~50歳くらいの男性、メインキャスト。
・マレード…16歳の少女、メインキャスト。マクドナーは2000年に本作をロイヤル・コート劇場に送ったが、上演を断られた。結局、2001年5月にストラトフォード=アポン=エイヴォンのジ・アザー・プレイスにて、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーにより初演されることとなった。その後、2002年にロンドンのピット劇場及びギャリック劇場その他を巡業した。2003年度のローレンス・オリヴィエ賞では最優秀コメディ賞を受賞している。 2008年にはアーチウェイ・シアターがサリー州ホーリーにて本作を上演した。 2018年の6月から9月にかけて、ノエル・カワード劇場にてマイケル・グランデージ演出、エイダン・ターナー主演で上演された。
○ アイルランド
2003年10月、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーによるツアーでダブリン初演となったが、巡業メンバーの演技が非常に不評で、不入りであった。
○ アメリカ合衆国
2006年2月27日にニューヨークにてアトランティック・シアター・カンパニーが再演を行い、ウィルソン・マイラムが演出をつとめ、デイヴィッド・ウィルモットがパドレイク役、ドーナル・グリーソンがデイヴィ役を演じた。ルシール・ローテル賞にノミネートされた他、マーティン・マクドナーはオビー賞を受賞した。 2007年には、スチュアート・カーデンが演出をつとめ、ピッツバーグ・アイリッシュ・アンド・クラシカル・シアターにてペンシルヴェニア州ピッツバーグで上演された。同年にフロリダ州コーラル・ゲーブルズにあるゲーブルステージにてジョセフ・アドラーの演出で上演された他、ニューメキシコ州アルバカーキのセル劇場にて、じゃクリーン・リードの演出により、フュージョン・シアター・カンパニーも本作を上演している。 2008年にはスチュアート・カーデンの演出により、ミズーリ州セントルイスでレパートリー・シアター・オヴ・セントルイスが本作を上演した。この上演はケヴィン・クライン賞で五部門にノミネートされ、パドレイク役のデヴィッド・ウェイランが主演男優賞を受賞した。同年にはテキサス州ヒューストンのアリー・シアターにて、グレゴリー・ボイドの演出で上演された他、コロラド州デンヴァーのキュリアス・シアター・カンパニーがチップ・ウォルトン演出版を、サンホセ州立大学がマシュー・スパングラー演出版を、マサチューセッツ州ボストンのアーセナル・センター・フォー・アーツにてニュー・レパートリー・シアターがデイヴィッド・R・ギャモンズ演出版を上演している。 2009年にはフロリダ州タンパでジョブサイト・シアターがストラッツ・センター・フォー・パフォーミング・アーツにてデヴィッド・M・ジェンキンズ演出版が、カリフォルニア州バークリーでバークリー・レパートリー・シアターがローダ・シアターにてレス・ウォーターズ演出版を、イリノイ州スコウキーのノースライト・シアターにてB・J・ジョーンズ演出版が上演された。 2010年にはセンター・シアター・グループがロサンゼルスのマーク・テイパー・フォーラムにて本作を上演し、アメリカ初演時同様ウィルソン・マイラムが演出をつとめ、クリス・パインがパドレイク役を演じた。前年に多数のオーストラリア人が犠牲となったバリ島爆弾テロ事件が発生しており、そうした政情を反映した上演であった。

◎ 日本語版
2003年8月にPARCO劇場にて、目黒条訳、長塚圭史演出で上演された。パドレイク役は北村有起哉、マレード役はさとうやすえ、デイヴィー役は中山祐一朗、ブレンダン役は加藤啓、ジェイムズ役は保村大和、ジョーイ役は六角慎司、クリスティ役は三宅弘城、ダニー役は板尾創路がつとめた。 本公演は2006年6月から7月にかけて東京グローブ座でプレビュー公演ののち、PARCO劇場で再演された。名古屋市の金山にある市民会館中ホールでも上演されている。パドレイク役を高岡蒼甫、マレード役を岡本綾、デイヴィー役を少路勇介、ブレンダン役をチョウソンハ、ジェイムズ役を今奈良孝行、ジョーイ役を富岡晃一郎、クリスティ役を堀部圭亮、ダニー役を木村祐一がつとめた。

◎ その他の言語
ハンガリー語版が2002年9月にブダペストで、2003年11月にカポシュヴァールで上演され、この二つは非常に異なるアプローチによる演出であった。前者は様式的な演出スタイルをとっていたが、後者はライヴのロック演奏などを取り入れた派手な笑劇であった。2014年にはイランのテヘランで上演されている。

● 受賞

・ 2003 Olivier Award for Best New Comedy
・ 2006 Alfréd Radok Award for Best Play
・ 2006 Lucille Lortel Award for Outstanding Play
・ 2006 Lucille Lortel Award for Outstanding Lead Actor - デイヴィッド・ウィルモット
・ 2006 Obie Award for Playwriting - マーティン・マクドナー
・ 2007 読売演劇大賞優秀演出家賞 - 長塚圭史

● 戯曲の刊行情報


「ウィー・トーマス」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/
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