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船(ふね、舟、舩)は、人や物などをのせて水上を渡航(移動)する目的で作られた乗り物の総称。船(船舶)は浮揚性・移動性・積載性の三要素をすべて満たす構造物をいう。これらについても各記事を参照のこと。

● 概要


◎ 船舶の要素
日本の国土交通省のウェブページ上の記述では、船(船舶)は浮揚性・移動性・積載性の三要素をそなえた構造物、とのことである。 浮揚性について説明すると、船体が水を押しのけることでアルキメデスの原理が働き、船は浮力を得る。移動性について説明すると、船の歴史は(カヌーも含めれば数万年で)数千年以上におよぶが、推進力を得るには、古代から中世まで、小さな筏やカヌーでは「櫂」(オール、パドル)が用いられ、また帆(セイル)が用いられた。船の長い歴史のほとんどの期間は、推力は櫂や帆によって得ていたのである。18世紀末ごろにようやく蒸気船が登場し、当初は推力は、一般的には「外輪」(がいりん)を使って水を後方に「蹴る」ように押し出すことで得た(外輪船)。19世紀末に(つまり、わずか百数十年ほど前に)ディーゼルエンジンが船にも積まれるようになり、エンジン船では(外輪ではなく)スクリュープロペラが主流となった。最近では地球温暖化や環境問題が考慮され、(コンピュータ制御などの新しい技術も併用した)帆船の再研究が行われるようになっている。歴史
◇線引き 「船」と「船でないもの」の線引きがどこでおこなわれているかについて解説すると、ホバークラフトのように、アルキメデスの原理は用いず、空気を取り込む大きなプロペラ、「スカート」(エアクッション)を用いて表面効果を利用して、水上を滑るように進む乗り物は、船に含めない場合が多い(だが、諸事情により、広義の船舶に含めることもある)。また水上機や飛行艇は通常「船」には含めず、あくまで「航空機」に分類されている。基本的に空を飛行することが主目的の乗り物だからである。たとえ、飛行することに加えて水に浮かぶこともできて、移動できて、人や物が載せられたとしても、主目的が飛行することだから「航空機」なのである。ウィンドサーフィンやスタンドアップパドルボードなどのサーフボードは船舶法では船と扱われるが、一般にスポーツ用品に分類される傾向にある。
◇構成要素 船舶は、大きく分けると、船体(主たる、容器状の構造体)および艤装(船に付属する装備品や備品類)から成る。
○ 船体
船体が通常進む方向(進行方向)を見て、先端に当たる部分を「船首」(英語では「バウ」)という。反対に、進む方向を見て「後ろ」の端に当たる部分を「船尾」(英語:スターン)という。進行方向に向かって右側の側面を「右舷(うげん)」といい、左側の側面を「左舷(さげん)という。船体の上面の平らな面を「(上)甲板(かんぱん)」(英語:デッキ)という。
○ 艤装
艤装(ぎそう、rig、rigging、outfitting(s))には2つの意味がある。
・ 船を構成する物で、船体(等の構造物)以外の装備品全般を指す。航海に必須の装備や荷役や乗客のための装備が含まれる。船は水上を揺られながら航行するので、船の内外の装備や各種機器・道具類が船体やデッキに固定されている必要がある。これらを「艤装」や「艤装品」と呼び、船から始まったこの名は、他の乗り物でも固定された装備全般を艤装と呼ぶことがある。
・ 造船で艤装品を船体に取り付ける工程は「艤装」と呼ばれ、「艤装する」という動詞としても使われる。

◎ 法令による定義

・ 日本の商法第684条では「この編(第七百四十七条を除く。)において「船舶」とは、商行為をする目的で航海の用に供する船舶(端舟その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する舟を除く。)をいう。」と定義されている。具体的には商行為を目的とする海商で航海の用に供される櫓櫂船以外の船を指す。ただし、船舶法第35条が「商法第三編ノ規定ハ商行為ヲ為ス目的ヲ以テセサルモ航海ノ用ニ供スル船舶ニ之ヲ準用ス但官庁又ハ公署ノ所有ニ属スル船舶ニ付テハ此限ニ在ラス」と商法の規定を準用している結果、ほとんどの船舶が商法の適用を受けることになっており、商船と非商船の分類は法の適用の点では大きな意義はない。
・ 工学上は飛行機に分類されるホバークラフトは、水面の支持を受けながら前進するものであることから日本の法律上では船舶と見なされる。これに対して、水上航空機は空中輸送手段であり、離着水時の水面での滑走は、空中を航行するためになされるものであることから、商法上の船舶とは見なされない。ただし、海上で水上航空機が船舶と衝突することを防ぐ必要があるため、海上衝突予防法では水上航空機を「船舶」に含めて扱っている(海上衝突予防法第3条第1項)。過去の大型飛行艇には組み立て式のマストと帆が搭載されており、着水後には帆船として航行が可能な機種もあり、緊急用の装備としてだけではなく遊覧航行にも利用されていた。このような目的での航行がどのような扱いを受けるのかは不明。
・海上保険(元は商法第3編第6章の「保険」)は、日本においては、岡野敬次郎(1896年)『英国保険法』などによって導入されていった。「価額評定」(valuation)、「委棄」(abandonment)などの訳語が策定された。

◎ 船舶を指すための様々な表現

○ 日本語表現

・ 舟 - 「舟」の漢字は木をくりぬいて作られた丸木舟の形状に由来する。「舟」の字は、手でこぐような比較的小型のものに使うことが多い、(ぴったりの日本語語彙は無いが)あえて言えば「船舶」や「船艇」に相当する。 従来、英語では民間船・軍艦共に代名詞はshe(女性扱い)であって、これに対し飛行機では民間機がshe、軍用機がhe(男性扱い)であるが、最近は、このような用法が少なくなって、他の一般名詞と同様にitを使用することがある。「ふね」を表す性についても、各言語によって異なり一様ではない。 なお、英文表記の航海日誌上では、she(女性扱い)で表記される。
○ 数詞
海上運搬物の船は比較的大きな船の場合「1隻(せき)、2隻、3隻」と数え、小型の船の場合は「1艘(そう、槽とも綴る)、2艘、3艘」と数える。だが、最近は大きさに関わらず「1隻、2隻、3隻」と数えることもある。 器としての槽では「1ふね、2ふね、3ふね」のような使い方をする。 器の意味を込めて数える場合は杯または盃の文字を当て、「1ぱい、2はい、3ばい」と数える。

● 船舶の分類・種類


◎ 用途による分類
船舶は用途によって商船、漁船、軍艦、特殊船などに分類され、商船は旅客船と貨物船に分類される。
◇旅客船
・ 旅客船(客船)
 ・ 旅客輸送に使用されるもの
  ・ オーシャン・ライナー
   ・ 遠洋定期船、外国航路船、大洋航路船。太洋上の航路と呼ばれる仮想の進路に沿って海浜に接した都市間を航行する船。
  ・ クルーザー
   ・ 観光船、巡航船、遊覧大型客船。観光を目的に周遊する船。
・ 貨客船(貨客混載船)
 ・ 貨物輸送と旅客輸送とを同時に行うことができるもの
◇貨物船
・ 一般貨物船(カーゴシップ)
 ・ 貨物輸送に使用されるもの。荷物船。コンテナ船のような専用貨物船の多くは荷役装置を持たない (Gearless Vessel) ため、港の岸壁のクレーン等の荷役装置により貨物の積み下ろしを行うが、多くの一般雑貨運搬船やバラ積み船等では船上にクレーンやデリック等の荷役設備を備えるため港を選ばず荷役作業が行える。
 ・ タンカー以外の貨物船全般(専用貨物船やコンテナ船、バラ積み船)を特に指す場合は一般貨物船と呼ばれる。重量物、輸送コンテナ、一般雑貨、バラ荷等の多様な貨物を効率よく積めるように作られた船は多目的(貨物)船と呼ばれる。
 ・ 貨物船には航路、寄港地、スケジュールが定まっている定期船(ライナー)と、定まっていない不定期船がある。定期貨物船の多くが1航海での寄港地が10港以上にも及び、貨物も多種に及ぶため、貨物の揚積の効率を考えて5-7個の船艙と2 - 3層の甲板を持つものが多いが、不定期貨物船では寄港地が少なく貨物の種類も限られるために3-5個の船艙と1~2層の甲板を持つものが多い。また、定期貨物船が運ぶ貨物は不定期貨物船の物に比べて高価なものが比較的多く、貨物の発汗防止のための通風乾燥装置、郵便物のためのメイルルーム、貴重品のためのストロングルーム、冷蔵貨物用の冷蔵庫、液体貨物用のディープ・タンク、重量物の荷役に使うヘビー・デリック (Heavy Derrick) などを備える船が多い。不定期船では木材、鉱石、石炭、穀物、鋼材などの原材料や半製品を運搬することが多く、これらはいずれも価格が安く、またこれらを運ぶための専用船との競合にも運搬コスト等の面で対応が求められるため、船型を単純にして小出力エンジンと低速航行によって燃費を抑えるなど定期貨物船との違いがある。不定期船は特殊な装備を求めず単純な船体を低コストで求められるため、同一設計で多数の船が作られるという傾向もある(2,580隻のリバティー船の例を参照)。
 ・ 定期船と不定期船のいずれにも利用される船はライパーと呼ばれる。
  ・ コンテナ船
   ・ 貨物輸送の際に海上コンテナ(通称「海コン」)を運ぶ船。その多くがISO規格で定められた、20、40、45フィートの長さのものである。冷蔵・冷凍コンテナ(リーファーコンテナ)に電源を供給する設備を備えている船が多い。少数ながらコンテナ専用のクレーンを自ら備える船もある。貨物コンテナだけを専門に運ぶフル・コンテナ船(フルコン船)の他に、貨物コンテナとブレーク・バルク・カーゴを混載するセミ・コンテナ船(セミコン船)がある。
  ・ タンカー(油送船、油槽船、水槽船)
   ・ 液体を運ぶ船である。原油や石油、液化天然ガス等の鉱物油、化学薬品などの液体などを運ぶための専用タンクを備える。
   ・
・ 内航タンカー
   ・
 ・ 通称「白タンカー」は軽油やガソリンを運び、通称「黒タンカー」では重油を運ぶ。ただし、外見では区別が付かない。
  ・ ばら積み貨物船(バルクキャリア、バルカー、ばら積専用船)
   ・鉄鉱石・石炭・穀物や、木材・セメントなど、大量の乾貨物(ドライバルク)を運ぶ船。大口荷主との輸送契約に基づき、鉱石専用船・石炭専用船・穀物専用船などとして用いられる事もある。
  ・ 冷蔵・冷凍運搬船(リーファー)
   ・ 冷凍船。海洋船団において漁獲したものを急速冷凍し保存する設備を持ち、加工設備も併せ持つ。
  ・ 特殊運搬船
  ・ 車両航送船
   ・ フェリー(渡船、自動車渡船)
   ・
・ 定義が幾分あいまいであるが、日本では次の4つの条件を満たす船。
   ・
・ 旅客と自動車などの車輌とその運転士を同時に輸送するもの
   ・
・ 海峡や離島を結ぶ橋の代わり、または鉄道や道路等に平行して航行し陸路の代わりに用いられるもの
   ・
・ 車輌の搭載はランプウェー上を自走して行われるもの
   ・
・ 不特定多数の利用者が使うもの
   ・
・ 片道の航海が100km以下のフェリーを短距離フェリーと呼んでいる。100kmを越え300km未満の航海距離のフェリーは中距離フェリーであり、300km以上のものが長距離フェリーとされている。
   ・ 鉄道車輌渡船
   ・
・ フェリーの中でも特に鉄道車輌航送が可能なもの。鉄道連絡船を参照のこと。海浜に接した鉄道線路間を定期的に航行し、旅客や貨物以外に鉄道車輌を運搬する連絡船。船内にレールが敷かれており、船のレールと桟橋のレールを合わせて鉄道車輌の積み下ろしを行う。同時に自動車の自走による搭載・運送するものも含む。
   ・ RO-RO船(RORO船、ローローせん)
   ・
・ 自走によりトレーラーなどの車両を船内の車両甲板へ搭載・固縛できる構造の専用貨物船である。トレーラーの後部車体のみを運搬する方法は、前部車体であるトレーラーヘッドは搭載・揚陸時のみに少数台ですみ、搭載スペース縮小と重量の軽減や狭い車輌甲板上での運転という運転技量の問題も回避できるために多く用いられる。
   ・
・ フェリーのようにランプウェー(斜路)を備えるものが多いが、特定の航路での就役を計画されて、港側のランプウェーを利用できる場合は初めから備えていない場合もある。船が備える機構は乗客を乗せるフェリーとほぼ同じであるが、運転者を含めた乗客を運ばないためフェリーのような客室は備えない。
  ・ ラッシュ船
○ 漁船
漁船は漁業に用いる船舶。近海用と遠洋用、また漁獲する水産物の大きさや量によって、船の大きさはさまざまである。
○ 軍艦
軍事用船舶を指す。大きさ、形態、武装はその用途により様々である。国連海洋法条約によれば保有国が武装に関わらず自国海軍の艦艇であると認めたもの。ただし、海軍の艦艇であっても戦闘に直接寄与しない補助艦艇であれば軍艦でないとされる場合がある。日本では軍艦の管轄官庁は国土交通省だけでなく、防衛省でもある。 日本語では軍事組織の船舶を指す言葉として『艦』を用い、自衛隊や外国軍の使用する船舶に対して使われる。なお警察や沿岸警備隊(海上保安庁)が利用する船舶には使われない。
○ 特殊船

・ 練習・調査船
 ・ 航海練習船
  ・ 船員になろうとする者が、航海の実習訓練をするための船。船員養成機関が運用する。帆船と汽船(動力船)がある。漁業従事者の実習訓練をするための船は漁船に分類される(漁業練習船、漁業実習船)。
 ・ 調査・観測船
  ・ 海洋調査船
   ・ 海洋の科学調査を行う船。掘削船なども含まれる。
 ・ 気象調査船
  ・ 測量船
   ・ 水深や海流、水質等を搭載する測量機器により測る船のこと。日本では海上保安庁が保有運用している。
・ 警備・救難船
 ・ 巡視船
  ・ 沿岸警備のための船艇のことで、密輸や密入国、海賊行為の取り締まり、海難救助を主な任務とする。国・地域によって担当する組織が軍事、準軍事、警察と違いがある。日本では巡視船の管轄官庁は国土交通省である。
 ・ 救難船
  ・ 救命艇
   ・ 海上事故から避難するための小型の船。エンジンを備えて自航できるものとオールやパドルのみのものがある。救命いかだは船ではないがエンジンを持たない救命艇と同じに扱われる。
・ 作業用船(作業船)
 ・ 工作船
  ・ 本来は甲板上に大型の起重機を複数設置し、艦艇や船舶の軽微な補修作業をドック入りさせなくとも行えるリペアー・シップのこと。近年、他国への破壊活動を行う工作員を輸送する小型の船も、この呼び方をされるようになった。
 ・ 砕氷船(アイスブレイカー)
  ・ 極地など氷海や凍結河川を自力航行し、航路啓開を目的とする船。強力な機関と船体を備え、周囲を氷に閉ざされても薄い氷であれば割り進み、ある程度の厚さであれば船首と船尾を上げ下げし、船体の重さで氷を砕き低速での移動が可能である。厚すぎる氷に閉じ込められても、舷側が斜めになっていて潰されない工夫がある。商船の砕氷船も砕氷タンカーのように多数存在する。
 ・ 敷設船(敷設艦)
  ・ 海底ケーブル敷設船など。
 ・ 浚渫船
 ・ 海底資源掘削船
 ・ 作業台船
 ・ 起重機船(クレーン船)
  ・大型のクレーンを搭載したクレーン船で、海難救助や建設工事等で使用される。
 ・ 引き船、曳き船(タグボート)
  ・ 狭隘海域・狭小水路・港湾内において大型船舶が航行または離着岸する際の座礁や衝突を回避するために曳航または押航する船。前述のはしけを引くためにも使う。
・ 特殊業務用船舶
 ・ 水先船、水先案内船 (パイロット・ボート)
  ・ 水先案内人(パイロット)を、誘導する船まで運びまた戻すための船。水先案内船が案内をするわけではない。
 ・ 灯船
 ・ 消防船(消防艇)
  ・ 火事を消火するための船。消火専用の強力なポンプを備えて海水を高圧にし、放水銃により火元等に放水する。特に専用に開発された消防船では双胴船体に高い塔を備えて高所より放水するものがある。日本では海上保安庁や地方自治体の消防局、民間の会社が所有運航している他、同等の機能を備えたタグボートも多数存在する。
 ・ 検疫船
 ・ 無線中継船
 ・ 灯台補給船
 ・ 灯台見回り船
 ・ 病院船(ホスピタルシップ)
  ・ 傷病者の治療と移送を目的とする船。医療設備と多くの病床を備える。軍用のものは軍艦となる場合がある。
 ・ その他
  ・ 給水船、給油船 ほか各種
   ・ 艀(はしけ、バージ)
   ・
・ 河川交通や港湾運送のための平底の貨物船。動力を持たない場合(非自航)が多いため、他船に曳かれたり押されたりして航行する。
   ・ バージキャリア
   ・
・ 貨物搭載用のはしけ(バージ)を数十艇搭載して運ぶ船
   ・ プッシャーバージ
   ・
・ はしけを押す船。特にはしけをいくつも繋げて押すものはバージ・ラインと呼ばれる。プッシャーバージには大洋を渡る数万トン級のオーシャン・バージもある。
   ・ 舟艇
   ・
・ プレジャー・モーターボート、快遊船(プレジャーボート)
   ・
 ・ 私人が所有し、趣味のために使用されるもの。商行為に使用されないものであるが、船舶法第35条によりその準用を受ける。
   ・ 帆艇
   ・
・ ろかい船
   ・ 係留船
   ・ 特殊水上装置
・ その他の特殊用船舶
 ・ エアクッション艇(ホバークラフト)
  ・ 揚陸艇などに利用されている。
 ・ 水中翼船
 ・ 潜水艇
 ・ 無人水中探査装置

◎ 運航形態による分類
船舶は運航形態により自営船、定期傭船、裸傭船、運船委託船に分けられる。
・ 自営船 - 船主が自ら運航する船舶。
・ 葦船
・ 木造船
・ 鋼船
・ 繊維強化プラスチック(FRP)船
・ 軽合金船
・ アルミ船
○ 動力による分類
船は動力により動力船(動力艇)、帆船(帆艇)、手漕ぎ舟(手漕ぎ艇)などに分類される
 ・ 外燃機関
  ・ 蒸気機関 - 蒸気機関を利用した蒸気船は外輪船などで多く存在したが、ディーゼルエンジンの登場で衰退した。本来、汽船とは帆船に対し蒸気機関を動力とする船を指す言葉だったが、日本の船舶法では人力・風力以外の動力で推進する船を指すため、現代では内燃機関を利用しても汽船と呼ばれる。
  ・ 蒸気タービン - LNGタンカーなどの大型船に使用されている。
 ・ 内燃機関 - 通常、エンジンが生み出したトルクをスクリュープロペラに伝えて推力にする(稀にウォータージェット推進もある)。
  ・ ディーゼルエンジン
  ・ ガソリンエンジン
  ・ ガスタービンエンジン - 高速航行を行う客船や軍艦に利用される。
 ・ 電気推進方式 - 熱機関を直接動力とせずに発電機として利用し、電動機でスクリュープロペラやウォータージェットを駆動する。
  ・ ディーゼル・エレクトリック方式 - ディーゼルエンジンで発電し、電動機でスクリュープロペラを駆動する。
  ・ ターボ・エレクトリック方式 - タービンエンジンで発電し、電動機でスクリュープロペラを駆動する。
  ・ CODLAG - ディーゼル・エレクトリックとターボ・エレクトリックを併用する。
  ・ 統合電気推進 - 推進用と船内で使用する発電機を共用化した方式。大量の電力が必要な軍艦に利用される。
 ・ 原子炉 - 蒸気タービンの熱源を原子炉とする船は原子力船と呼ばれる。
 ・ 超伝導電磁石 - 熱機関、回転系の推進機を使わず超伝導電磁石による強力な磁場で磁場中の水に電流を流し、ローレンツ力により海水を噴射する(ウォータージェット推進)。実験船としてヤマト1が建造された。
○ 船体構造による分類

・ 単胴船・多胴船(双胴船・三胴船)
・ 水中翼船
・ ホバークラフト - 通常の船舶とは異なる法令を適用する国が多い。日本では特殊船舶として扱われる。
・ 地面効果翼機 - ロシア以外では法整備が進んでおらず、航空機か船舶かも定まっていない。日本での扱いは不明。
・ 水上オートバイ - 免許が小型船舶よりも簡素化されていたり講習会を受けるだけで扱える国が多い。日本では特殊小型船舶として扱われる。
○ 機関の搭載方法による分類

・ 船外機船 - 船尾板(トランサムボード)に船外機を装着したもの
・ 船内外機船 - 機関を船内船尾に備え付けドライブユニットを船外に出すことによるスクリュープロペラを回転させる
・ 船内機船 - 機関を船内中央付近に備え付けプロペラシャフトによりスクリュープロペラを回転させる

◎ 法令上の分類

○ 所有者による分類

・ 公有船 - 中央政府(「国」)または地方政府(地方自治体)が所有する船舶を公有船という。
・ 私有船 - 公有船以外の船舶を私有船という。 なお、公有船・私有船の概念は後述の公用船・私用船の概念とは異なるものである(通説)。
○ 供用による分類

・ 公用船 - 航海において公用に供する船舶を公用船という。日本でいえば防衛省の自衛艦、海上保安庁の巡視船、水産庁の漁業取締船等がこれにあたる。ただし、国立学校などの練習船や国の所有する研究用の船舶などは公有船ではあるが、公用船ではなく私用船に属する。
・ 私用船 - 公用船以外の船舶を私用船という。企業保有の船舶の他に、個人所有の漁船、ヨット等も含まれる。
○ 海上運送法による分類
海上運送法では、旅客定期航路事業を行う旅客定期船、貨物定期航路事業を行う貨物定期船、自動車航送貨物定期航路事業を行う自動車航送貨物定期船、不定期航路事業を行う不定期船に分けられる。
・ 商船
・ 特殊用途船
 ・ 日本標準商品分類では特殊用途船(分類番号502)は練習・調査船(分類番号5021)、警備・救難船(分類番号5022)、作業用船(分類番号5023)、特殊業務用船舶(分類番号5024)、はしけ(非自航)(分類番号5025)、舟艇(分類番号5026)、係留船(分類番号5027)、特殊水上装置(分類番号5028)、その他の特殊用船舶(分類番号5029)に分類される。やがて工夫や改良により丸太を組みあわせたいかだや、丸太をくりぬいた丸木舟が用いられるようになったや、慶長遣欧使節団のサン・ファン・バウティスタ号などの例がある。
○ 近代(幕末以後)
ペリー来航から3か月後の1853年9月に、大船建造禁止令が大名に対して解除された。同時に幕府の手で浦賀造船所の建設が開始され、翌年には最初の西洋式軍艦の木造帆船「鳳凰丸」を竣工した。水戸藩も1853年に江戸隅田川河口に石川島造船所の建設を始め、薩摩藩の桜島造船所や加賀藩の七尾造船所が次々と開設された。 1854年、ペリー来航の翌年に通商を求めて日本に来たロシアのディアナ号が下田で安政東海地震の津波により大破の後、嵐に遭い沈没、多くの船員が日本に取り残された(下田で座礁したという情報も複数あり)。当時、日本では外航に耐える船を持たず、これらのロシア船員は船を作らなければ帰れなかったため、君沢郡戸田村(現・沼津市)の日本人を指導して2本マストのスクーナー「ヘダ号」を作り上げた。その後、幕府は同型船多数の建造を命じ、君沢形と命名した。この西洋式造船を実地で指導されながら学んだ経験は、今日の日本造船業にとって近代船建造の礎となった。 1855年、幕府はオランダ人技師から大船建造と鋳砲製造の技術を習得することを目的に、「海軍伝習所」を長崎に開設した。幕府は1857年には長崎の飽の浦に溶鉄所の建設を開始し、1861年に長崎鎔鉄所(現三菱重工長崎造船所)として開所させた。1865年には横須賀・横浜製鉄所が着工され、その後、国内最大の横須賀海軍工廠となった。横須賀海軍工廠では、フランス人技師の指導を受けて木造船から鉄鋼船へ技術の切り替えが行われ、1890年に最初の全鋼鉄軍艦「八重山」(常備排水量1,609トン)が完成した。江戸湾に設けられた石川島造船所はその後の石川島播磨重工の、浦賀造船所は浦賀重工業を経て住友重機械工業の礎となった。 1861年、7月26日(旧暦)。これまで幕府により禁止されていた大型船の建造と外国商船の購入が民間に許可される。 1865年、日本で初めての外輪蒸気船「凌風丸 (佐賀藩)」(10馬力)が佐賀藩により建造され、この年に進水する。 1890年には三菱造船所で最初の全鋼鉄船「筑後川丸」(694総トン)が建造された。1896年には造船奨励法と航海奨励法が公布され、1897年には船舶検査法も施行された。この頃、多数の国内外新規航路が開設された。1898年には、それまでの平均的な国内造船能力であった1,500総トン級を大幅に上回る、「常陸丸」(6,172総トン級)が三菱造船所で完成された。 1899年には、船舶法が制定され、日本船舶としての国籍要件、船籍港、船舶登録等、日本船舶としての国籍を証明し、船舶の個性を識別する事項を登録し、あるいは、船舶の所有関係を公示する船舶国籍証書等について規定がなされた。
○ 太平洋戦争以後
太平洋戦争によって日本は商船の80%を失った。しかし、造船業と海運業は他の多くの産業同様に終戦直後から着実な復活を開始した。 終戦時にはGHQによって造船能力を年15万トンに制限され、100総トン以上の全ての船がGHQの管理下に入れられたが、1947年からは規制が順次緩められ、1950年の朝鮮戦争と1956年の第二次中東戦争(スエズ動乱)をきっかけに日本に長期の造船ブームをもたらした。 1946年、日本郵船は終戦以後の早い段階からGHQの許可を得て、貨客船「氷川丸」の太平洋定期航路が再開された。 1951年のサンフランシスコ講和条約以後は、米アメリカン・プレジデント・ライン社 (APL) の「プレジデント・クリーブランド」(15,973総トン)と「プレジデント・ウィルソン」(12,597総トン)によって米国シアトルとの定期客船航路が開設された。 1952年と1953年には大阪商船会社(現商船三井の母体の1つ)が2隻の南米移民用外航貨客船「さんとす丸」(1952年、8,515総トン)と「あめりか丸」(1953年、8,354総トン)を使って南米航路を再開した。その後、2代目「ぶらじる丸」(1954年、10,100総トン)、「あるぜんちな丸」(1958年、10,863総トン)、「さくら丸」(1962年、12,628総トン)などの5隻の外航貨客船によって日本 - 香港と日本 - 北米の航路が再開された。 1964年の東京オリンピック以降は、航空機による海外渡航が一般化したため旅客輸送需要は激減し始めた。南米航路も移民の減少と共に需要は減少した。日本に限らず世界的に、これ以降は客船としての船舶の需要は低下を続け、一部のクルーズ船を除けば外航航路の客船は消滅していく。 代わって世界中で海上輸送の需要が増加を続け、戦前戦中の造船技術を背景にブロック工法のような新たな造船技術の開発によって世界の造船業における地位を確実なものにしていった。1956年には英国を抜いて世界一の造船量となり、1975年には世界の造船量の50%を越える量を世界の海に送り出した。 1950年代から始まった高度経済成長によって、海運業においても大型石油タンカーや大型コンテナ船のような船が多数登場し、自動車運搬船、鉱石運搬船、LNGタンカーも次々と作られ海外航路に投入されていった。また、内航航路でも大型カーフェリーが多数登場した。 日本でのこの増船の波は、1973年からの第一次オイルショックによって日本経済が停滞した数年後の1977年をピークに下降線をたどった。特に需要の減った石油タンカーは契約キャンセルされるなど造船需要が激減すると同時に、1980年の貨載量56.5万トンを最後に巨大化に終止符が打たれた。
○ 日本の船会社が運航する日本籍船の減少
日本の船会社が運航する日本籍船の船数は1972年から減少を続け、代わりに外国船籍の船を日本の船会社が借りて運航するようになっている。1978年に外国船籍の船数が日本船籍の数を越えて以後は、日本船籍が減り続け、2006年の統計データではついに95隻で、日本の船会社が運航する全2,223隻の4 %にまでなった。 このように、日本の船会社が日本船として登録を避ける原因は主に、高い税金(登録免許税、固定資産税)、最低2名の日本人乗員の乗組み規定、国際条約での規定を超える日本独自の高いレベルの設備・検査規定などがある。

● 船名・船籍
各船舶は、古来、一艘一艘(一杯一杯)、それぞれ固有の名称(船名)を与えられ、その後、固有の国籍(船籍)を持たされるなど、擬人的な取り扱いがなされてきた。 各国の船舶関連の法規において、船首両舷および船尾に船名を表記するように定められている。IMOの規則では、IMOナンバーも併せて明記し、船籍港も明記し、各文字の高さは最低でも4インチなければならない。

◎ 船名

○ 英語圏の船名
英語圏では蒸気船では船名の前に steam ship の意味で艦船接頭辞「SS」をつけることがあり、21世紀の現在では SS は主機関が蒸気タービンであることを意味している。同様に、ディーゼルエンジン船では船名の前に motor ship の意味で「MS」をつけることがある。同様に「M.V. (motor vessel)」「S.V. (sailing vessel)」(帆船)が使われることもある。 また海軍艦艇の所属国を表す接頭辞も用いる国もあり、たとえば以下のものがある。
・ HMS : Her/His Majesty's ship(女王陛下/国王陛下の船)の略で、イギリス海軍の艦名の冒頭に配置される。
・ HMAS : His/Her Majesty's Australian Ship の略で、オーストラリア海軍の艦名の冒頭に配置。
・ USS : United States ship の略で、アメリカ合衆国の艦船名の冒頭に配置。 また次のようなものもある。
・ BRP : の艦名の冒頭に配置される。
・ JDS もしくは JS: 日本の海上自衛隊の艦名の冒頭に配置される。 フランス、ロシア、中国などの船籍を持つ船は、船名、艦名の前に これら英語の接頭辞はつけない。
○ 日本船舶の船名
日本では船舶法施行細則第44条により、船首両舷の外部に船名を、船尾の外部に船名と船籍を表示することが定められている。 日本には船名の最後に「丸」を付ける慣行がある。旧船舶法取扱手続第1条では日本の従来からの慣行をふまえて日本の船には船名の末尾になるべく「丸」を付けるように勧告されていたが、この船舶法取扱手続は2001年に廃止された。とはいえ、従来からの慣行により現在でも多くの日本船が「丸」を船名に付けているが、丸をつけない船も次第に増えてきている。フェリー船や外航船では「ジャパン・コスモス」「ペガサス」「あめりかん はいうえい」など「丸」を付けない船名もあり、丸をつけない船名が次第に増えてきている。また海上自衛隊や海上保安庁の艦船は丸をつけていない(例 : 所属は文部科学省だが運用は海上自衛隊が行っている南極観測船など)。 なぜ日本の船にだけ「丸」が付くようになったかという起源については、いくつかの説があるが、いずれも決定的なものは定まっていない。犬や刀など大切なものに「麿」と名付けていたものが船にも付けられるようになり「丸」に変化したとする説や問丸(問屋)が使用した船に使われるようになったからとする説などがある。海外では日本の船を「Maru ship」と呼ぶことがあるが、日本でのマルシップとは「外国人船員が配乗されている日本船」を指す。 日本では山や川などの地名を付けることが多く花の名前なども付けられるが、「ナッチャンRera」のような愛称を除けば、欧米のようなそのままの人名を付けることは少ない。「日石丸」「第七全購連丸」「第十とよた丸」「日産丸」のように日本の会社名をそのまま付ける例も多くなってきている。

◎ 船籍、旗国、船籍港

◇ 船籍 ship registration : 船はそれぞれ国籍、すなわち船籍(:en:ship registration)を持つ。特に公海の秩序維持は原則として各船舶の旗国(:en:flag state)の管轄権行使によって保たれるため、船籍はきわめて重要な意味を持っている。
◇ 旗国 flag state : 各船は旗国(:en:flag state)を持っており、たとえば、ある船Aがノルウェー船籍の船だとすると、ノルウェー国旗をかかげて航行することになり、この船Aにとってはノルウェーが旗国である。旗国は、船籍を根拠として、自国の船舶に対して管轄権の行使や外交的保護権の発動などを行う。公海における旗国による自国船舶の規律および規制は、公海の秩序維持の重要な制度であり、これを旗国主義という。
◇ 船籍港 port of registry : 「船籍港」は人間の本籍地に相当する。各船の登録文書にそれが明記される。IMOは船尾にそれを表示する、との規則を定めている。各国の船舶関連法規でも同様に船尾に表示する、と定めている国も多い。日本船籍の船は、船舶法の定めによって、船籍港を定めて管轄の運輸局にトン数を申請し、船尾に船籍港を表示しなければならない。
◇ 便宜置籍船 : 船舶に課される税金は、リベリア(港名 : モンロビア)、パナマ(港名 : パナマ)、キプロス(港名 : リマソール(レメソス))が低率であり、これらの国では(実態は)外国の船の登録を誘致している(登録後はこれらの国にとっては名目上は自国の船になる)。このような船を「便宜置籍船」と呼ぶ。便宜置籍国には安全な航海のために規制を行う十分な法律が存在しないために、便宜置籍船は一般に乗組員の質が劣り事故の発生率も高いため、国際的な問題となっている。
◇ カボタージュ : 「カボタージュ」と呼ばれる規制によって、国内港間の輸送を行う船は自国籍の船でなければならない、として、(便宜置籍船を含めて)外国籍船を排除し、国内の海運会社や国内の業界を保護している国がいくつもある。日本もそのような国々のひとつである。

◎ 固有の番号・符号
船舶原簿などの登録に関わるいくつかの番号や符号が以下のように船ごとに与えられる。
◇ IMO番号 : 国際海事機関が船舶、所有者、管理者に与える番号。廃船になるまで変更されない。
◇ 船舶番号 : 日本の船舶には自動車のナンバープレートのように1隻ごとに異なる「船舶番号」が船舶原簿に基づいて与えられる。
◇ 信号符字(コールサイン) maritime call sign : 総トン数100トン以上の船舶には、アルファベットで4桁の「信号符字」が与えられる(放送局にJOAKなどのコールサインを付けるのと同様である)。電波での通信は、同じ船名を持つ船同士を混同しないようにするために、このコールサインを用いて行わなければならない。すでに4桁のアルファベットをほぼ使い切ってしまったために、日本ではJA - JS、7J - 7N、8J - 8Nのいずれかかが1・2文字目で、続く2文字のアルファベットによって4文字を構成する無線電信を有する船のための符号と、無線電信は持たずに無線電話だけの船のためのJDからJMではじまるアルファベット6文字の符号へと変わってきている。

● 船舶の運航


◎ 航海

○ 資格
世界的にはプレジャーボートなどの操船に免許は不要である。 船籍を日本以外にしておけば、日本の免許を取得する必要はなくと呼ばれる見張り当番についている。機関室内の主要な装置がブリッジから遠隔操作できるようになり、通信機も高性能になってモールスなどの特殊な技能を必要とせずに誰でもが音声通信を行えるようになったために、従来の機関当直や通信当直は減りつつあり、ブリッジから見張りを行うことが多くなってきた。 : 当直は毎日4時間x2回が3組の当番によって行われる。これは日本の船に限らず、国際的に共通である。 : 0:00-4:00 12:00-16:00 2等航海士と甲板手 : 4:00-8:00 16:00-20:00 1等航海士と甲板手 : 8:00-12:00 20:00-24:00 3等航海士と甲板手 : 機関室での当直の必要性を減らした、Mゼロ船と呼ばれる船では、夜間に機関に異常事態が発生した場合には、自動的に各居室に警報が伝えられるようになっており、機関士の夜間当直が必要なくなっている。
○ 記録

◇ 航海日誌(ログブック) : 「航海日誌」と呼ばれるログブックは通常「公用航海日誌」と「船用航海日誌」の2種類があり、「公用航海日誌」には海難事故や航海の概要等をその都度記載し、「船用航海日誌」には針路、速力、波、天候、船上での出来事、出港・寄港などについて毎日の記録が記入される。 : 日本においては「公用航海日誌」は通常は日本語で表記するが、「船用航海日誌」は日本国内のみを航行する船においては日本語でも英語でもどちらの表記でもかまわないが、国際航海に従事する船では英語表記が事実上義務化される。英語表記する際の文章は正規の英語表記ではなく、独特の文体と記号によって記入される。たとえば不明確にならない限り主語や冠詞は省かれ、星は*、太陽は◎で表現され、投錨はイカリの記号で表される。
◇ 海図 : 海図(チャート)は航海において最も重要なものであり、規則でも常備が義務付けられている。通常108cm×67cmの大きさのチャートはメルカトル図法や心射図法などで描かれており、船に数百枚も保管されるそれぞれが、1枚が数千円という高価な物である。チャートに新しい情報を記載するのは2等航海士の仕事である。
○ 信号

◇ 国際信号旗 : 国際信号旗 (こくさいしんごうき)は40枚またはそれ以上の旗を備え、1枚 - 4枚までのそれぞれの組み合わせで、船同士や陸上との連絡や表示を行う。2字信号は最も一般的に使用される信号旗の組み合わせである。4字信号では船名を表す。
◇ 汽笛 : 船長100m以上の船は汽笛、号鐘、銅鑼を、船長12m以上100m未満で船は汽笛、号鐘を備えねばならない。船長12m未満では音響設備を備えることになっている。 :
◇ 汽笛の吹き方 :: (短音 : 1秒、長音 : 4 - 6秒) ::
・ 針路信号 ::
 ・ 右転針中 : 短音を1回 ::
 ・ 左転針中 : 短音を2回 ::
・ 推進器に後進をかけている最中 : 短音を3回 ::
・ 追い越し信号 ::
 ・ 右から追い越し中 : 長音2回 短音1回 ::
 ・ 左から追い越し中 : 長音2回 短音2回 ::
・ 他船からの追越に同意した場合 : 長音1回 短音1回 長音1回 短音1回 ::
・ 疑問信号 : 他船との衝突が危ぶまれるのに他船の意図や動作が理解できない時 短音5回以上 ::
・ 湾曲部信号 : 狭い海峡などで湾曲部に近付いたとき 長音1回、他方からここに接近している船は同じく長音1回で応じる。 ::
・ 遭難信号 : 1分間隔で行う発砲やその他の爆発音
○ 無線
かつては無線電信が利用され、遠洋を航行する船舶との交信には短波が使われたが、近年では無線電信は利用されなくなりつつあり、近距離の船対船の通信には超短波の無線電話(音声通信)が、遠距離通信には通信衛星によるデジタル通信が使われる。
◇ 国際VHF : 通常の通信で使われる一般的なもの。船対船の通信だけでなく、港内管制等、陸上の船関係の官庁との連絡にも使われる。
◇ マリーナ無線 : レジャーボート用。マリーナとの連絡に使用する。
◇ 漁業無線 : 沿岸漁業の漁船が使用する。短波と超短波を使用。
○ 放送
放送と称しているが、電波法令上は海上保安庁の特別業務の局による同報通信である。
◇ 船舶気象通報 : 灯台放送とも呼ばれる。灯台などの航路標識事務所が気象・海象情報を送信していたが、2016年9月30日正午に廃止された。
◇ 海上交通情報(MARine Traffic Information Service) : 略称のMartis(マーチス)として知られる。海上交通センターが海上交通情報や気象・海象情報を送信している。

◎ 安全と海難事故

◇ 船級 : 船の安全性を含む性能を検査して認定する会社が国際的な国際船級協会連合では、ロイズ (Loyd's register of shipping) が最も有名な船級協会であり、日本では日本海事協会 (NK) が行っている。 : 国際条約に定められた規則に関して船の構造や設備、船員の資格を検査して満たしているかを確認する。 : 北朝鮮の船が日本の港に入港する時に行った「ポート・ステート・コントロール」(PSC、寄港国による監督)はこの船級検査を受けていない「サブ・スタンダード船」に対する検査であった。
◇ 国際海事機関、IMO : 国際海事機関は158か国が加盟している海に関する国際機関である。 : 海上安全委員会や法律委員会を持ち、その下に各種の小委員会を持っている。SOLAS条約もこの中の小委員会で決められた。SOLAS条約は1912年の「タイタニック号」の沈没を契機に作られた。 : 原油タンカーやLPG船などでの構造基準や検査に関して決める。PSCもIMOで決めている。
◇ 共同海損制度、GA : 共同海損とは、海難などで船が非常な危険に曝された場合に、危険をさけるために船体を故意に損壊したり貨物を投棄したりして、結果として危険を免れた場合は、その行為によって利益を得た船主や荷主がその犠牲分を按分負担する制度である。
◇ 海難審判 : 海難事故においても、一般の事故の同様に民事上の責任や刑事上の責任が問題となる。ただ、海難事故においては、これらの責任とは別に将来的な海難の防止のためにも、船舶事故やそれに伴って発生した被害の原因を究明するための調査と、職務上の故意・過失によって海難を発生させた船員の懲戒が特に重要となる。以前は海難審判庁がこの職務に当たっていたが、2008年10月の法改正により海難審判庁は廃止され、前者の海難事故の原因究明については運輸安全委員会が担うこととなり(運輸安全委員会設置法第1条)、後者の故意・過失によって海難を発生させた船員の懲戒については海難審判所が担うこととなった(海難審判法第1条)。

◎ 係留

○ 錨泊
錨(いかり)を使って泊地などに停泊することを「錨泊」という。錨泊では平穏な海面で、航路や他船の通航がない安全な場所を選び、錨の利きの良い海底面が適する。錨の投錨方法(後述)がいくつかある。流れがある場合は、船首を流れ方向に向けて投錨する。港湾等で錨泊する場合は、指定のエリアや禁止エリアがあり、船舶の大きさや停泊できる時間に制限を行なう場合がある。
・ 投錨方法
・ 前進投錨法 - 微速で予定投錨地点に近づき、前進状態で投錨し、必要な分の錨鎖を伸ばす
・ 後進投錨法 - 微速で予定投錨地点に近づき、予定投錨地点で前進速力が0となるように後進として、投錨、その後、機関を停止、必要な分の錨鎖を伸ばす。 一般商船の錨泊では、もっぱら後進投錨法である。
・ 錨泊方法
・ 単錨泊(たんびょうはく) - 船首片舷の錨を使う
・ 単錨泊(たんびょうはく) - 荒天時に普通の単錨泊に加えて振れ止め用の錨を反対横に使う
・ 双錨泊(そうびょうはく) - 船首の錨を2つ用いて、荒天時に使う、又は振れ回りを小さくするため
・ 2錨泊(にびょうはく) - 船首の錨を2つ用いて、荒天時に使う
・ 船首尾錨泊 - 泊地水面に制約がある場合に使う。中小型船に多く使われる
○ 岸壁係留
船を港の岸壁に止める時には、係留索をボラードに繋ぎ止める。小型船舶向けに、ボラードに代えて陸側(桟橋)にもクリートを設ける場合がある。 船首尾索(ながし)以外にもそれぞれの位置に応じた名前が付けられている。 船首索(ヘッド・ライン、おもてもやい、おもてながし) ブレスト・ライン 船首スプリング・ライン(フォアスプリング、おもてスプリング) 船尾スプリング・ライン(アフトスプリング、ともスプリング) 船尾索(スターン・ライン、とももやい、ともながし)

◎ 水域区分
船舶安全法によって4つの区域に分けられる。これらによって、船舶の構造、通信設備、救命設備、定員などに求められる制限が変ってくる。
◇ 平水区域 : 湖、川、港内の水域、港湾の特定の水域
◇ 沿海区域 : 主として海岸から20海里以内の水域
◇ 近海区域 : 東は東経175度、南は11度、西は東経94度、北は北緯63度の線に囲まれた水域
◇ 遠洋区域 : 全ての海域 ただし、漁船では第一種から第三種までの従業制限を受けている。

◎ 右舷と左舷
右舷をスターボードと呼ぶのは 、つまり舵板の側が右舷に付いていたためであった。その舵のじゃまにならない左舷側に桟橋や岸壁を着けたので左舷をポートサイドや単にポートと呼んだ。英国では左舷はもともとラーボードと呼んでいたが左右で発音が似ていたため、他国と同じくポートと呼ぶことになった。これらは帆船の構造に由来するルールであるが、現代でもそのまま適用されている。 船の交通ルールでも同様のルーツに基づいて決められたスターボード艇優先の原則があり、原則として右側通行である。日本では複数の航路がブイによって仕切られこのルールに従っているが、ただ1か所、瀬戸内海の来島海峡航路では潮流の流向によって変則的に左側通航になることがある。 船では右舷が上席であり左舷は下座になる。船長は階段でも右舷側を使い、船長室も右舷側にあるのが普通である。また、船倉の番号も右舷側から1番が始まる。 プレジャーボートでも、ある程度の大きさ以上のものは操船席(ヘルムステーション、フライブリッジなど)が右舷側となり、それとは異なる中央配置のものを「センターコンソーラー」と呼び、区別している。 航空業界では船舶の文化や慣習が持ち込まれており、大型の航空機を『シップ』、最高責任者を「キャプテン」、乗務員を「クルー」、積荷の出し入れをする側をポートサイドと呼び、原則として右側通行である。また法的に座席の指定はないが、キャプテンは左席(ポートサイド)に着席するのが一般的となっている。

● 船を仕事場としている人々:船員
船舶に乗り組んで海上で働く人々のことを船員や船乗りという。 全世界におよそ百数十万人の船員がいる、とされる。

「船」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(https://ja.wikipedia.org/
2024年4月27日9時(日本時間)現在での最新版を取得

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